この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#516 「ロクサーヌ姫の馬車に乗せられて」3

2008年09月22日 | 中学、高校

(前回からつづく)

ロクサーヌ姫の馬車ならぬ車の着いたのはいつものいわき市中心部のホテルであった。このホテルの社長は中学の同級生の親友のM.T君。MT君のことは何度か書いたことがあるが、中学時代は野球、バレー、バスケットの名選手であった。今は地方の財界人。2度の叙勲を得ている。真面目一本の男である。

いつもはもっと多人数で泊まったり一緒に食事したりするのだが、この時はそれぞれに用事があったようで、また急に決めたことだったようで、その夜泊まったのはY子姫、R子姫と私の3人だけだった。MT君も他の町での仕事での予定があり参加できないということであった。

Y子姫、R子姫と私はその夜一緒に食事をして昔話に花を咲かせた。(残念ながらロクサーヌ姫はご主人の世話のためにそのまま帰った。私と高校生の同級生の彼女のご主人は最近体調をこわしているようであった。)

終戦後の日本全体が貧しく苦しかったときに小学生、中学生と同じ学校で同じ学校で学び同じ思い出を共有しているというだけで、何を思い出して話しても楽しかった。

私達の中学では田舎の学校の通例であろうが、男子生徒と女子生徒が直接親しく話しをすることはなかった。従って、Y子姫、R子姫とゆっくりと心おきなく話をするのは私にとってははじめての経験だったかもしれない。

R子姫は女子の中で一番成績がよかったのではなかろうか。Y子姫は子供心にもロクサーヌ姫と共に私が特に注目していた女子生徒であった

残念ながらY子姫は数年前に夫を亡くしており、R子姫は何と数ヶ月前に夫を突然に亡くしている。私達はもうそういう年になっている。ご両人ともそれぞれに生前の夫を美しく賛美するのを微笑ましく聞いた。二人ともご子息をお持ちであるが、やはり夫「つれあい」というのは、何にも代えがたい宝のようなものであったようだ。

いろいろと思いがけない楽しいことがあるものである。

次の日には「ロクサーヌ姫」が車でY子姫とR子姫を草野心平記念文学館に案内する予定になっているとのことで、私も誘われた。私は喜んで参加したいと答えた。

                     (つづく)←クリック

画像:筆者撮影


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