最後のランチ - ペザント四番町

年々食が細るにつれて、一人前を持て余すようになってきました。「ラ・タベルナ」で最も愛用してきたのは、スパゲティとバターライスを山盛りにした特製ミートローフでしたが、今は中盛りでも十分です。昼に飲み食いしすぎた結果、夜になっても空腹感が戻らないという状況を度々経験するに至り、ほどほどにとどめる知恵が身につきました。そのような現状における出番は多くないものの、もっと早く出会っていればと思える店がいくつか挙げられます。その一つが「ペザント四番町」です。
「ラ・タベルナ」と同じ日テレ通り沿いの一軒です。歴史の長さにおいてはあちらに及ばないものの、入居するビルの建築年代からすると、ざっと二十年続いたことにはなるでしょうか。白髪の店主とおばちゃん、もといお姉さん二人組で仕切るささやかな店内は、学生街の洋食屋を彷彿とさせる雰囲気です。そう思うのは、品書き、値段、分量がことごとく学生向けだからでもあります。それ故に、味については平均点の少し上というのが実態ではありますが、特筆すべきは生姜焼きです。細切れ肉と玉葱を甘辛く炒めてキャベツの千切りを添え、ひじき煮、お新香、生玉子の小鉢と味噌汁、ご飯を加えた定食はお値段770円也。今の自分にとって、出番よほど空腹なときに限られるものの、時折いただきたくなってくる一品です。

★ペザント四番町
東京都千代田区四番町4-13 井上ビルB1
03-3262-3708
1100AM-1930PM
日曜定休