日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

居酒屋聖地巡礼 2015 - 帰着

2015-10-19 23:58:34 | 東海
帰宅しました。「大甚本店」を平日に訪ねるという宿願を果たしたばかりか、三日にわたり清々しい秋晴れに恵まれ、京都と松江に腰を据えて滞在することもできました。岐阜については切らざるを得ず、鳥取についても立ち寄ったと称するにはおこがましいほどのお粗末さだったとはいえ、全体を通じてみれば完勝といってよい結果です。
しかし、その中でも最大の収穫といえば、やはり「大甚本店」に尽きるでしょう。土曜と平日では雰囲気も変わるだろうとは予想していたものの、実際には予想以上の違いがあったというのが実感です。酒場のために一日休むという道楽が、今後は年中行事の一つになるかもしれません。
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居酒屋聖地巡礼 2015 - のぞみ62号

2015-10-19 21:59:53 | 東海
全行程終了です。始発列車、最終列車の混雑を敬遠する傾向は復路においても表れ、最終の一本前の新幹線で帰路につきます。
「大甚本店」と「末廣屋」の双璧に立ち寄って、あとはカレーうどんか味噌煮込みうどんで締めくくれれば完璧、それが無理なら駅のホームのきしめんでもというところではありました。しかし、蓋を開ければ時間が足りず、酒場二軒で完結という結果です。岐阜にまで寄ろうとすれば完全に破綻していたわけで、潔く切ったのは的確な判断だったということになります。何かにつけ欲張って、最後は時間との熾烈な闘いに陥るのが旅先での常のところ、今回は珍しく自制心が働きました。

★名古屋2154/のぞみ62(62A)/2332東京
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 末廣屋

2015-10-19 20:12:19 | 居酒屋
「大甚本店」で腹も心も満たされ、一軒限りとするにもやぶさかでなく思えるものの、事実上年に一度の名古屋ということになると、二軒目を欲張りたくなるのは人情というものです。続いては「大甚本店」と並ぶ名古屋の大衆酒場の双璧、大須の「末廣屋」を訪ねます。いつ行ってもほぼ満席の盛況ながら、何だかんだで入れてしまうのはこの店についても同様で、今回はカウンターに二つだけ残っていた空席のうち、一番奥の席に通されました。
「大甚本店」があまりに秀逸だっただけに、今回はさすがの当店もやや色褪せてしまい、とりわけ酒については異論の余地なくあちらに軍配が上がる状況ではあります。しかし、個人的には「大甚本店」よりも上と思うのが刺身の充実ぶりと価格の手頃さです。ぴかぴかに光った分厚い鰹が気前よく盛られ、これで600円ほどとは恐れ入ります。
土曜と平日で一変した「大甚本店」に対し、こちらの雰囲気がほとんど変わらないのは、場所柄一見客が皆無に近いからなのでしょうか。驚くほど無口で無愛想な店主と、一転して愛想のよい若主人、女将におばちゃんという不動の面々による仕事ぶりを眺めるのも楽しく、名古屋へ来たなら必ず立ち寄りたいと思う名酒場です。

末廣屋
名古屋市中区大須3-16-4
052-241-8281
水曜及び日祝日定休

酒二合
かつを
あなご焼
さめ皮
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 大甚本店

2015-10-19 17:18:44 | 居酒屋
名古屋駅のロッカーに不要な荷物を預け、地下鉄に一駅揺られて伏見にやってきました。本活動の真打「大甚本店」が満を持しての登場です。過去土曜に三回訪ねたとき、賑わい、活気の域を逸脱した争奪戦のごとき状況を経験して、本来の姿を知るには平日しかないと思い至ったのが、今回旅に出た直接の動機に他なりません。結論から申しますと、その狙いは見事に的中しました。

まず、お客の入りが適度です。詰めてもらってようやく入れたこれまでに対し、今回はところどころに空席があります。常時ほぼ満席の盛況ながらも、一人や二人飛び込んでもすぐに収容でき、その席が埋まる頃には先客が店を出るため、店が滞りなく回転しているという状況は、多くの名大衆酒場に共通しています。空席の数にすればわずかなものとはいえ、この違いが数字以上に大きいのです。加えて、案内された席が好位置でした。一番奥にあるテーブルの短い辺、いわゆる「お誕生日席」で、右側に厨房が、対角線上に玄関があり、店内の全貌を見渡すことができる場所です。奥の壁に向いた照明が少々眩しく感じられたり、教祖が絶賛している玄関脇の燗付け場が厨房の死角になったりと、細かな難点はあるものの、禁煙の区画であることを含め、少なくとも特等席の一つなのは間違いないでしょう。
こうなると、店内の様子を観察する余裕が出てきます。まず違うのが客層です。場所柄一見客、出張客も少なくない中、やはり大半は常連客で、慣れた様子で酒を酌む所作が様になっています。大店の割に厨房は意外なほど狭く、その厨房で何人もの料理人とおばちゃんが仕事をこなす様子はまさに職人芸です。五時過ぎには品切れになりかけていた惣菜も、この日は目移りするほど豊富に用意され、既出の品と初見の品を適宜組み合わせつつ選んで行くのも楽しいものがあります。六時を過ぎると客足が一旦落ち着くのは土曜と同様ながら、ほぼ品切れ閉店に近かった土曜に対し、惣菜は依然として潤沢だったため、その頃を狙って訪ねるのも一案かもしれません。

このように、酒、肴、居心地のどれをとっても土曜とは大きく違い、四度目にして初めて聖地本来の姿を体感できたような気がします。やはり、巡礼するなら平日に限るという仮説に誤りはありませんでした。これでこそ一日休んだ価値があったというものでしょう。

大甚本店
名古屋市中区栄1-5-6
052-231-1909
1600PM-2100PM(売切御免)
日祝日定休

大徳利二本
惣菜八品
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 普通列車の旅

2015-10-19 15:35:47 | 東海
岐阜を切って名古屋へ直行するなら、夕方まで京都に滞在してから新幹線に飛び乗れば済む話でした。それにもかかわらず在来線を選択したのは、特急料金の節約という目的もさることながら、東海道本線を上ること自体に目的があるからです。一日休みをとってまで名古屋で呑むなどという道楽と、新幹線で目的地へ直行するという合理的な行動とが、相容れないように感じられたとでも申しましょうか。
新快速が30分間隔で運転され、米原と大垣での接続がよく、なおかつ全区間クロスシート車で移動できるのも、在来線を選んだ決め手です。これが東北なら、安普請のロングシート車に詰め込まれる苦痛を想像しただけでも、普通列車という選択肢は事実上なくなり、否が応でも新幹線を利用するしかありません。中長距離の鉄道輸送において、新幹線以外の選択肢を採り得るという環境は、今や滅多にないわけです。今回はその貴重な機会を活かしました。

★米原1532/228F/1603大垣1611/2102F/1647名古屋
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 糸吉言侖

2015-10-19 14:52:34 | 近畿
秋晴れの京都に去り難さを感じつつも、結局初心に立ち返り名古屋へ向かうことにしました。岐阜には寄らずに名古屋へ直行すると五時頃に着き、「大甚本店」他一、二軒で心置きなく呑めるという寸法です。
山陰の両県と岐阜、愛知をさらうつもりが、岐阜という何とも中途半端な場所が残ってしまいます。それだけのために旅をするに値する場所でもなく、今回ついでに訪ねておきたいというのが本音ではあります。しかし、時間内に無理矢理詰め込みたくはありませんでした。昨日の鳥取が、およそ訪ねたとは言い難いほどお粗末な滞在となってしまった後だけに、再訪が容易な岐阜については見送った次第です。今年は奈良が同じく非常に中途半端な形となっており、また倉敷に腰を据えて滞在するという宿願もあるため、それらのいずれかと組み合わせて再挑戦することになるかと思います。

★京都1430/3468M/1523米原
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 真如堂

2015-10-19 12:39:23 | 近畿
今出川通に突き当たったところで東進し、北白川から南に下りて真如堂にやってきました。木陰にテーブル付きのベンチがあったため、そこで小休止をとっています。
適度な広さの境内に立派なお堂と三重塔が建ち、色づき始めた楓が要所に配置され、紅葉すればさぞやと想像させられます。観光客が殺到する最盛期は避けるにしても、見納めに近付いた12月の初旬、今回と同様の好天に恵まれれば、一日休みをとって再訪するのもよさそうです。

ちなみに、一時は京都滞在に傾きかけたところが、初心に戻って名古屋へ向かうという考えが再浮上してきました。清々しい秋晴れは申し分ないものの、いかんせん紅葉にはまだ早く、時期的に中途半端な印象が否めないからです。上記の通り年内の再訪も検討しており、残りはそのときでもよかろうと考えています。
粛々と動けば京都を出るのが二時、岐阜に着くのが四時となり、申し訳程度に滞在してから名古屋へ向かっても、「大甚本店」を訪ねる時間は残ります。しかし、余計な時間を消費すれば、駆け足で寄るだけ寄ったというお粗末な結果になりかねません。そのような展開が見えてきたときには、岐阜と名古屋を潔く切り、終日京都に残ります。
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 京都御苑

2015-10-19 11:32:55 | 近畿
続いては京都御苑を訪ねます。初めて訪ねてみての印象は、とにかく広いの一言に尽きます。南北が1300m, 東西が700m, つまり一周すれば4kmにもなる絶対的な広さもさることながら、地形の起伏が一切ないこと、周囲に高い建物がないこと、整然と区画されていることなどが、ただただ広いと感じる理由なのでしょう。全国のどこへ行っても、この光景には出会えないかもしれません。
ある程度まで想定していた流れではありますが、予定していた持ち時間を早くも使い切ろうとしています。名古屋のことは忘却の彼方に去りつつあり、むしろ日没まで使い切って自転車を返し、最後に三条四条あたりで一献という気分に傾いています。blogの表題が有名無実化する可能性は少なからずありそうです。
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 寺町通

2015-10-19 11:16:12 | 近畿
まずは寺町通にやってきました。宿から近いこともあり、何度か訪ねたことはあっても、これほどの好天下でということになると初めてのようなものです。清々しい青空の下では、美しい街並みもなおさら様になってきます。
ここのよいところは、街並みの美しさと生活感が両立していることにあります。町家の中に古い洋風建築が散らばり、そこで喫茶店、古書店、古美術店、写真館などが営まれ、和紙の専門店に鶏卵問屋といった変わり種に至るまで様々な店舗が並ぶ光景は、軽薄な全国チェーンに侵食された多くの都市とは全くの別世界です。色づき始めた銀杏並木がその景観を一層引き立てています。京都御所との関係で建築制限があり、高い建物が一切ないのもよいのでしょう。
人と車が往来したり、電線が張り巡らされていたりして、必ずしも写真に撮って絵になる光景ではありません。だからといって、電線を地中に埋めたりすれば、先斗町や祇園のような観光地然とした雰囲気になってしまうのは避けられないでしょう。むしろこの生活感のある街並みがよいのです。
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 出発

2015-10-19 10:42:57 | 近畿
不要な荷物を宿に預けて出発します。三日連続自転車を借りての活動です。料金は千円と割高ながら、駅で借りてもロッカー代と合わせればそれ以上です。宿で借りられたのは渡りに船だったというべきでしょう。
一昨日を含め、自転車で京都を走ったことは何度かあり、その都度地図を塗りつぶすかのように初見の場所を巡ってきました。しかし、いまだ手付かずの場所も多く残っています。出発地との位置関係も考え、今回は市街の中心から京都御所方面へ北上する経路を中心にするつもりです。
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居酒屋聖地巡礼 2015 - 三日目

2015-10-19 09:09:09 | 近畿
おはようございます。昨夜はさらにラーメンをいただいて切り上げ、宿には一時過ぎに戻るという顛末でした。夜更かししたのと、和室の居心地がよいこともあって、今朝は少し遅めの活動再開となります。
本活動の真の主題とは、名古屋の「大甚本店」を平日に訪ねることだと出発前に申しました。よって、本日の行動もそれを最優先に組み立てるべきところではあります。しかしここへ来て若干の迷いが生じています。というのも、天候が三日連続となる快晴で、これなら京都に終日滞在してもよさそうな気がするからです。
もちろん、酒場で呑むなどという目的で休みをもらった以上、それを棒に振って再び休むという行為はさすがに憚られます。しかし、明るいうちから酒など呑むのが惜しいほどの好天なのも事実です。そこで今のところは、とりあえず午前いっぱい京都に滞在し、しかる後に岐阜を通って名古屋に移動し、真打の「大甚本店」で締めくくるという妥協案を考えています。そもそも今回訪ねる目的は、開店直後の空いた時間を狙うというより、土曜とは客層も違うであろう平日の雰囲気を体感することにあって、適度な活気と賑わいは一向に構いません。最終列車の時刻を考えると、四時開始では間延びする可能性もあります。よって、開店と同時に乗り込むことにはこだわらず、品切れにならない程度の時間に行ければそれでよかろうと考えている次第です。
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