開幕から四度目の週末を迎えた昨日は一挙に22大会が開幕し、中休みの北海道を除く全29大会で142試合が戦われました。ほとんどの大会では開幕日のため1試合か2試合の開催にとどまりましたが、明日からは一日300から400もの試合が戦われ、高校野球の結果が丸々一面を埋め尽くす最盛期を迎えます。公式サイトのトップを飾る日本列島の地図も、開幕待ちの青から開催中を示す黄色に大きく塗り替えられ、いよいよ本番といった感があります。それに応じてネタも増えると予想されますので、例年のおさらいをかねて、このblog独自の視点で昨日の試合結果を振り返ってみたいと思います。
・旅した土地に思いを馳せる
自分にとっての高校野球の楽しみとは、炎天下で白球を追いかける球児たちのひたむきな姿や汗と涙の人間ドラマ…などではなく、新聞に載るたった一行の試合結果そのものです(オイオイ)
紙面の片隅に小さく書かれた試合結果の中から、遠く離れた小さな町の名を見つけ、その土地の空気に思いを馳せる、それこそがこの季節の楽しみなのです。よって最も数が多いのがこのネタであり、なおかつ多すぎてblogでは個別に取り上げようがないのも事実なのですが、今年取り上げたネタでいうなら、北海道の風流な地名と沖縄の風変わりな地名、九州特有の校名などがその手のネタの典型ということになります。
・あっと驚く遠距離対決
同じ県内とは思えないような距離を隔てたチーム同士の対戦に注目します。このネタの定番といえば離島勢で、昨日は新潟で2校、長崎で2校、沖縄でも1校が登場しています。この日は該当がなかったものの、東東京と鹿児島(特に後者)も離島勢を多数抱える注目区になります。
これらと北海道を別格にすれば、このネタで毎年一番楽しませてくれるのは、意外にも離島どころか海もない長野大会だという知られざる事実があります。全43県の中で3番目に広い県土にくまなく町が点在する上に、初戦ではわざわざ違う地区のチーム同士が対戦するように組み合わせるために、同じ県内でありながら100kmをはるかに超すような距離を隔てたチームの対戦が毎日のように実現するのです。この日唯一の試合となった開幕戦は篠ノ井×高遠で、直線距離にして85km, 陸路を走って100km少々ですから、数字の上ではそれほどでもなさそうですが、実は東京からの距離でいうなら熱海、前橋、宇都宮あたりと同距離で、地域によっては県境を二度も三度もまたぐような距離になります。これでも長野大会ではごく平凡な組み合わせで、最南部の上伊那地方と最北部の北信地方が当たってしまったときなどは、その二倍の距離を隔てた戦いになります。今年はどんな組み合わせが見られるのか楽しみです(ニヤリ)
・接戦にほくそ笑む
全国制覇を本気で目指す強豪から素人の寄せ集め集団まで千差万別の地方大会では、大差のコールド試合が不可避的に出現することになりますが、ごく稀にその日の試合が接戦ばかりになることがあります。プロ野球の試合結果を見るような接戦が並ぶのを見てほくそ笑むというのがこの楽しみです。長野大会の組み合わせなどと違って何らかの理由があるものではなく、100%偶然に左右されるため最も遭遇しづらいのがこの手のスコアなのですが、それだけに一シーズンに一度か二度出現するのを待つ楽しみがあるのです。
これまで二年連続で楽しませてくれたのが佐賀大会で、今年も開幕戦の一試合だけとはいえ延長12回の2点差という接戦からのスタートとなりました。これは経験則ですが、ある程度試合数が増えるとどこかで大差の試合が出てしまうため、参加チームが50前後で一日の試合数が5, 6試合といった中規模以下の大会であることが、この手のスコアが出現するための一つの条件といえそうです。
・お前らゼロか!
前者とは逆に、地方大会ならではの大量得点差試合に注目します。20点差以上かつ敗退チームが0点という条件で昨日の試合結果を振り返ると4試合が該当し、うち3試合が埼玉大会でした。20点差以上がついた試合では、負ける側がほぼ例外なく0点、とってもせいぜい1点か2点という経験則は例年通りですが、同じ日に一大会で3試合というのは過去に(といっても二年だけですが)記憶がありません。もちろん大差の敗戦を笑うつもりはありません。この手のスコアに惹かれるのは、何より負けた側の無念さ、悔しさに思いをいたす判官びいきの心情によるものであることを申し添えておきましょう。
・伝統校にほくそ笑む
江戸時代の藩校から続く伝統校など、そこらの高校が束になってもかなわない名門校の格式を味わいます。米沢興譲館、会津、佐倉、修猷館といった有名どころはもちろんですが、何の変哲もない高校がよくよく聞けば伝統校だったというのは意外に多いもので、昨日は広島の誠之館が該当します。
・鳶が鷹を生んだ
「偉大なるスターを生んだ無名校」というのがここでの意味になります。プロ野球選手を一人か二人出したというならそこそこの数になりますが、それではきりがないのでタイトルホルダー級の名選手というのを一つの基準にします。そこまで条件を加えると自ずと数も絞られこの日は該当なし。今年はどこで出会えるでしょうか。
・よい地名にハァハァ
字面も響きも美しい、古式ゆかしき地名を味わいます。この日の白眉は「勿来」ではないでしょうか。幾多の和歌に詠まれたこの地名が福島大会の初戦に登場、しかも今年はこの名を冠した勿来と勿来工の直接対決が実現するというおまけ付きでした。
・鶯鳴かせたこともある
「かつての栄華を懐かしむかのような古豪」というのがここでの意味になります。1980年代初頭から90年代初頭にかけて6回の甲子園出場を果たした福岡大大濠、広島監督の出身校である佐伯鶴城なども捨てがたいのですが、この日はなんといっても徳島の海部ではないでしょうか。統廃合で校名を変えたとはいえ、公式サイトの出場校紹介には選抜優勝1回と記録され、このチームがジャンボ尾崎を擁して甲子園を制した伝説の「海南高校」の後身であることをうかがい知ることができます。甲子園出場こそ当時の一回のみとはいえ、4年前の夏は準決勝まで進出するなど健闘をみせるこのチームですが、昨秋、今春の県大会を制し、今世紀に入って4度の甲子園出場を誇る小松島の前に今年は初戦敗退となりました。ま、相手が悪かったということなのでしょう…
・職業高校にハァハァ
都会人にとって職業高校といえばせいぜい商業高校か工業高校ですが、そんな感覚からすれば意外なほどに、世の中には様々な職業高校があるものです。それらの名前を紙面の片隅に見つけるのも高校野球の楽しみの一つになります。この日の注目は東東京の東京農産で、23区内にも農業高校があるという意外性が秀逸です。
これまで二年にわたって続けたネタの焼き直しなので、ものによってはネタ切れになることも予想されますが、今年も新聞の紙面を眺めては思いつくままに書き綴っていきたいと思います。blogのカテゴリに「野球」を加えて準備は万端、明日の朝刊が楽しみです(ニヤリ)
・旅した土地に思いを馳せる
自分にとっての高校野球の楽しみとは、炎天下で白球を追いかける球児たちのひたむきな姿や汗と涙の人間ドラマ…などではなく、新聞に載るたった一行の試合結果そのものです(オイオイ)
紙面の片隅に小さく書かれた試合結果の中から、遠く離れた小さな町の名を見つけ、その土地の空気に思いを馳せる、それこそがこの季節の楽しみなのです。よって最も数が多いのがこのネタであり、なおかつ多すぎてblogでは個別に取り上げようがないのも事実なのですが、今年取り上げたネタでいうなら、北海道の風流な地名と沖縄の風変わりな地名、九州特有の校名などがその手のネタの典型ということになります。
・あっと驚く遠距離対決
同じ県内とは思えないような距離を隔てたチーム同士の対戦に注目します。このネタの定番といえば離島勢で、昨日は新潟で2校、長崎で2校、沖縄でも1校が登場しています。この日は該当がなかったものの、東東京と鹿児島(特に後者)も離島勢を多数抱える注目区になります。
これらと北海道を別格にすれば、このネタで毎年一番楽しませてくれるのは、意外にも離島どころか海もない長野大会だという知られざる事実があります。全43県の中で3番目に広い県土にくまなく町が点在する上に、初戦ではわざわざ違う地区のチーム同士が対戦するように組み合わせるために、同じ県内でありながら100kmをはるかに超すような距離を隔てたチームの対戦が毎日のように実現するのです。この日唯一の試合となった開幕戦は篠ノ井×高遠で、直線距離にして85km, 陸路を走って100km少々ですから、数字の上ではそれほどでもなさそうですが、実は東京からの距離でいうなら熱海、前橋、宇都宮あたりと同距離で、地域によっては県境を二度も三度もまたぐような距離になります。これでも長野大会ではごく平凡な組み合わせで、最南部の上伊那地方と最北部の北信地方が当たってしまったときなどは、その二倍の距離を隔てた戦いになります。今年はどんな組み合わせが見られるのか楽しみです(ニヤリ)
・接戦にほくそ笑む
全国制覇を本気で目指す強豪から素人の寄せ集め集団まで千差万別の地方大会では、大差のコールド試合が不可避的に出現することになりますが、ごく稀にその日の試合が接戦ばかりになることがあります。プロ野球の試合結果を見るような接戦が並ぶのを見てほくそ笑むというのがこの楽しみです。長野大会の組み合わせなどと違って何らかの理由があるものではなく、100%偶然に左右されるため最も遭遇しづらいのがこの手のスコアなのですが、それだけに一シーズンに一度か二度出現するのを待つ楽しみがあるのです。
これまで二年連続で楽しませてくれたのが佐賀大会で、今年も開幕戦の一試合だけとはいえ延長12回の2点差という接戦からのスタートとなりました。これは経験則ですが、ある程度試合数が増えるとどこかで大差の試合が出てしまうため、参加チームが50前後で一日の試合数が5, 6試合といった中規模以下の大会であることが、この手のスコアが出現するための一つの条件といえそうです。
・お前らゼロか!
前者とは逆に、地方大会ならではの大量得点差試合に注目します。20点差以上かつ敗退チームが0点という条件で昨日の試合結果を振り返ると4試合が該当し、うち3試合が埼玉大会でした。20点差以上がついた試合では、負ける側がほぼ例外なく0点、とってもせいぜい1点か2点という経験則は例年通りですが、同じ日に一大会で3試合というのは過去に(といっても二年だけですが)記憶がありません。もちろん大差の敗戦を笑うつもりはありません。この手のスコアに惹かれるのは、何より負けた側の無念さ、悔しさに思いをいたす判官びいきの心情によるものであることを申し添えておきましょう。
・伝統校にほくそ笑む
江戸時代の藩校から続く伝統校など、そこらの高校が束になってもかなわない名門校の格式を味わいます。米沢興譲館、会津、佐倉、修猷館といった有名どころはもちろんですが、何の変哲もない高校がよくよく聞けば伝統校だったというのは意外に多いもので、昨日は広島の誠之館が該当します。
・鳶が鷹を生んだ
「偉大なるスターを生んだ無名校」というのがここでの意味になります。プロ野球選手を一人か二人出したというならそこそこの数になりますが、それではきりがないのでタイトルホルダー級の名選手というのを一つの基準にします。そこまで条件を加えると自ずと数も絞られこの日は該当なし。今年はどこで出会えるでしょうか。
・よい地名にハァハァ
字面も響きも美しい、古式ゆかしき地名を味わいます。この日の白眉は「勿来」ではないでしょうか。幾多の和歌に詠まれたこの地名が福島大会の初戦に登場、しかも今年はこの名を冠した勿来と勿来工の直接対決が実現するというおまけ付きでした。
・鶯鳴かせたこともある
「かつての栄華を懐かしむかのような古豪」というのがここでの意味になります。1980年代初頭から90年代初頭にかけて6回の甲子園出場を果たした福岡大大濠、広島監督の出身校である佐伯鶴城なども捨てがたいのですが、この日はなんといっても徳島の海部ではないでしょうか。統廃合で校名を変えたとはいえ、公式サイトの出場校紹介には選抜優勝1回と記録され、このチームがジャンボ尾崎を擁して甲子園を制した伝説の「海南高校」の後身であることをうかがい知ることができます。甲子園出場こそ当時の一回のみとはいえ、4年前の夏は準決勝まで進出するなど健闘をみせるこのチームですが、昨秋、今春の県大会を制し、今世紀に入って4度の甲子園出場を誇る小松島の前に今年は初戦敗退となりました。ま、相手が悪かったということなのでしょう…
・職業高校にハァハァ
都会人にとって職業高校といえばせいぜい商業高校か工業高校ですが、そんな感覚からすれば意外なほどに、世の中には様々な職業高校があるものです。それらの名前を紙面の片隅に見つけるのも高校野球の楽しみの一つになります。この日の注目は東東京の東京農産で、23区内にも農業高校があるという意外性が秀逸です。
これまで二年にわたって続けたネタの焼き直しなので、ものによってはネタ切れになることも予想されますが、今年も新聞の紙面を眺めては思いつくままに書き綴っていきたいと思います。blogのカテゴリに「野球」を加えて準備は万端、明日の朝刊が楽しみです(ニヤリ)