日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ2010(21)

2010-07-21 23:45:21 | 野球
巷では死人も出るほどの酷暑が続く毎日ですが、地方大会は三連休を過ぎると急に淋しくなります。一月以上にわたって続いた高校野球ネタも、この後は落ち穂拾いを二、三日続けて終了です。今日は29大会144試合が開かれた連休明けの一日を振り返ります。

・接戦その他
この日の特徴は接戦が多かったことで、試合があった29大会のうち14大会で2桁得点を出したチームが一つもありませんでした。中でも秀逸なのは岐阜大会で、既に3回戦まで進んだとはいえ全8試合が9回まで戦われて最大得点と最大得点差が6点、総得点が46で1試合あたり最高9点、1点差2試合に2点差と3点差が各1試合という完璧な内容でした。その一方で進行が遅い広島では20-0というワンサイドゲームが出ています。広島ではこの日をもって全出場校が登場。20点差以上のワンサイドゲームはもしかするとこれが見納めになるかもしれません。

・伝統校
伝統校では広島の修道が遅い初戦を突破、仙台一は4戦目も勝ってついに8強進出を果たしています。次の相手はあの東北です。全国どこへ行っても常連校が幅を利かす今となっては、このblogのネタもいよいよ終いの時が近づいてきたようですorz

・鳶が鷹を生んだ
希少ネタが久々の登場です。今日の注目はミスター赤ヘル山本浩二を生んだ廿日市に注目します。甲子園出場経験はなく、3年前には広島大会8強に残ったものの、例年は初戦か2戦目で姿を消す文字通りの無名校です。そんなチームから球史に残る大打者が出たという意外性がまた楽しいのです。この日は広島商船高専に勝って初戦を突破、全国4校の商船高専の夏はこれにて終了と相成りました。野村前楽天監督の母校、京都の峰山は2戦目で散っています。

・古豪
この日は和歌山大会に注目します。桐蔭と向陽が快勝で16強に駒を進めています。校名を聞いても今ひとつピンと来ませんが、泣く子も黙る戦前の古豪、和歌山中と海草中の後身です。和歌山中改め桐蔭は春夏合わせて35回の甲子園出場と3回の優勝を誇りますが、昭和40年代以降の出場は1回のみで、24年前の選手権が最後となっています。それでも過去5年で初戦敗退が一度もなく去年は8強進出、今年も2戦続けて快勝しているところはさすがです。海草中改め向陽は春夏合わせて22回の出場と2回の優勝経験を持ち、今年の選抜で36年ぶりの甲子園出場を果たしたましたが、選手権大会は実に63年のご無沙汰です。2戦目から登場の向陽はわずか1勝で16強進出となりました。それもそのはず、出場校はわずかに40で、実は島根と比べても1つしか違わないというおおらかさです。ちなみに桐蔭の相手は新宮で、紀伊半島を半周と少し走った県内最東端の町からはるばる200kmを旅しての戦いになります。北海道ならともかく、お世辞にも道路事情のよくない紀伊半島にあっては、この距離を隔てての戦いには数字以上の過酷さがあります。高知県西部などと並んで、見た目の距離以上に到達困難な土地の一つといえるのではないでしょうか。
大分では、春夏合わせて12回出場で2回優勝、平成に入って未出場の津久見が初戦で散っています。しかし、戦前の名だたる古豪の前にはその名もかすんでしまいがちです。昨季のパ・リーグ首位打者などプロを切れ目なく輩出しているのが、甲子園からこれほど長く遠ざかっていることを感じさせない理由の一つなのでしょう。他には広島の呉港が二戦目を突破、その一方で京都二中改め鳥羽は同じ二戦目を惜敗で落として姿を消しました。

明日は最後まで残った石川の4校と滋賀の2校が初戦に臨み、開幕から1ヶ月少々を経て全チームが出揃う見込みです。いよいよ終幕が近づいてきました。

★岐阜大会3回戦(7/20)
 岐山5-4美濃加茂
 加納1-2中津商
 土岐商6-0可児
 大垣西2-6山県
 帝京可児6-2大垣工
 武義0-3多治見
 飛騨高山2-0岐阜高専
 岐阜北4-3中津川工
★京都大会2回戦(7/20)
 京都翔英5-3峰山
 綾部7-6鳥羽
★和歌山大会2回戦(7/20)
 新宮0-7x桐蔭
 田辺工3-11向陽
★広島大会2回戦(7/20)
 呉港7-0尾道東
 広島商船高専2-9廿日市
 修道5-3廿日市西(延長13回)
★大分大会2回戦(7/20)
 鶴崎工6-2津久見
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