「HEARTBEAT」小路幸也
幽霊の出てくる話はあまり好きではない。
怖いのは嫌いというのはもちろん、
なんだか、空間、時間、いろんな壁が取っ払われて
なんでもありになっちゃうから。
だけど、小路さんの幽霊は
「東京バンドワゴン」のサチさんといい
今回の委員長といい、
なんていうのかなぁ、人間ぽくて好き。
とんでもなく切なくて、タイムマシンがあれば
巻き戻してあげたくなってしまう。
ヤオも委員長も巡矢も、それぞれに
苦しくて、辛くて、若い。
けれど、愛する気持ちはきちんと、
そこだけ暖かい。
小路さんの作品に出てくる子どもたちが
好きだ。
彼らがどんな大人になるのか楽しみになってくる。
ヤオも委員長も巡矢も、そういう子どもたちだったのに、きっと。
あー、切ない。
そうだ、続編を読んでみよう。