星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(1)第一話。

2018-04-20 | DEAN FUJIOKA
すごい勢いで駆け抜けた第一話。拡大版なのに瞬く間だった。すごいね、原作でいうと、もう岩波文庫全7巻中の2巻に突入しちゃった。
やっぱり面白いわ、これ。まったく目が離せなかった。てっぺんからドン底への落差MAX!!
初回はこんなに盛りだくさんなのに、ストーリーを追うことにとらわれている感じがなく、登場人物の心情がちゃんと描かれていた。幸せ感の中に立ち込める不穏な空気までも伝わってきた。結婚披露宴用のビデオ撮影がミュージカル仕立てになっているところとか、作りもめちゃ細かい♪

一番疑問だった拷問シーン。異国の地とはいえ時代錯誤な気がしていたのだけれど、テロリストと外務省職員との交換ということならば治外法権ってことで納得。しかも、国際ルールも通用しない、ネットで調べないと実情がわからないような国。こちらからは手が出せないんだね。ちょっと映画の「ミッドナイトエクスプレス」を思い出した。(あれは本当に犯罪を犯したわけだけど。)
いや、最近では紛争地に足を踏み入れ、過激派グループに囚われたジャーナリストの例のほうが近いかな。

それにしても、漁師の暖。純真無垢でまったく人を疑わない。若くてまだ自信もない、そんな役をディーンさんが見事に演じていて可愛くて仕方ない。ありふれた男の子のごく普通の自然な姿がすっごく新鮮!
どこへ行くの? 「渋谷」っていう時の笑顔の感じがうまいの。その後のキャバクラじゃないからな〜、アハアハとかも。純朴な地方の若者感がよく出てる。その憧れの地名が自分を陥れる決定打になろうとは!このあたりの描き方が丁寧。
すみれとの岩の上のシーンは、ディーンさんにとってテレビでは初めてのまともなラブシーンじゃないかなあ。お店に戻らなきゃといいながら、体を離しつつまたキスしちゃうとことか。ラブラブで可愛い二人。
すみれちゃん、かわいそうに。恋人のために自分も2回、地獄に落とされるのね。1度目は海難事故、2度目は刑務所送り。幸せがそこにあるのに、あったのになかなか掴めない。夫の冤罪を晴らすための活動(新婚生活もないのに)、面会のためビザ申請しては却下。山本美月さんがウェディングドレスで車を追いかけ走る姿、代表作の名シーンになるね、きっと。

愛は勝つ、で彩られる一連の幸福な流れと並行して、ブキミに進行してゆく公安の捜査。
暖を孤島に送り込んだ張本人、入間。原作で読むと入間役に当たる人物はまったく同情の余地なし!コイツ、大嫌いだ!と思っていたけれど。高橋克典さんが演じていると徹底的にイヤなヤツではあるけれど、なんかツライことがあったんだ〜と思ってしまった。
高橋さんの演じ方というより、ドラマの作り方かな。悪いヤツの妬み、反発、保身にもそれなりの事情があるんだな、彼らもつらいんだなと思わせられる描き方をしているように感じた。
単なる善人か悪人か、ではなく、人と人の関係が作用して生まれる不幸のタネ。そのタイミングで出会いさえしなければ、その時にそれがなければそんなことにはならなかったのにという人生の綾、伏線が第一話にはたくさん散りばめられていた。

あ、でも、アカンっ。英語が読めない暖に、捏造した手紙をすり替えて渡し、指紋をつけさせる知能犯の入間。これはやっぱりレッドカードですわ。
何が何でも復讐しよっ!!!

拷問シーンでは、撮影中にあまりにきつくて自分から中断を申し出たというディーンさんのコメントがあった。あのディーンさんが!!よほどのことに違いない(涙)。復讐を否定していたディーンさんも、そんなリアルな体験から復讐心を理解するようになったらしいからスゴイね。でも、目を開けてしっかり見たよ。
2011年。8年ですっかり白髪になってしまった暖。雑誌などで見ていたとはいえ衝撃。そこにひょっこり床下から現れるファリア真海神父、田中泯さん。このシーン、なんかたまらなく好き。
時間が行ったり来たりするのだけど、第2話のストーリーを見ると、この二人のシーンが中心に描かれているようだ。来週がすっごい楽しみ。


<主題歌とドラマ>
ディーンさんの主題歌「Echo」の挿入シーン。
カメラは海べりの暖とすみれのロマンチックなシーンから、二人を取り巻く周囲の登場人物たちの不遇のシーンへ。ここの対比というか、伏線が切ないよね。
ピアノの弾き語りによる静かなイントロは自分の身の上に降りかかった不幸を、いま回想しながら嘆いているように聞こえる。さらに、そこから予想もつかない変調。Waveの曲調へと移り変わる部分が、ドラマでいえば、すべての悪意が集約されて主人公を襲った瞬間のように思えてきた。
ただただかっこいいと思っていた曲がドラマと重なり、人間の業の深さに触れ、苦痛を伴って彷徨い生きるしかない主人公の心情を歌っているようで。ドラマの回を追うごとに、歌の印象も変わっていくかもしれない。

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第1話あらすじ(公式サイトより引用させていただきます)

2003年春。小さな漁師町で漁業を営む柴門暖(ディーン・フジオカ)は同じ町で喫茶店『シンドバッド』を経営する目黒すみれ(山本美月)にプロポーズ。想いは受け入れられ、2人は結婚式に向けて幸せの絶頂にいた。
しかし、その矢先、暖の乗る遠洋漁船『海進丸』が遭難してしまう。暖の後輩、南条幸男(大倉忠義)は心配して『シンドバッド』へ。すみれは暖の帰還を信じ、努めて明るく振舞っている。
『海進丸』が所属する守尾漁業でも社長の守尾英一朗(木下ほうか)、船員だが今回の航海には怪我で出られなかった神楽清(新井浩文)たちが憔悴しながらも暖たちの無事を願う。
 そんな守尾の事務所を漁協の組合長、遠藤勝也(仁科貴)が訪ねて来る。遠藤はもう2週間にも及ぶ遭難で捜索費がかさんでいることを守尾に告げた。守尾は船長のバラジ・イスワラン(ベヘナム)が優秀なので、みんな生きて帰ると譲らない。だが、遠藤はバラジを不安に思っている。バラジはテロ組織のメンバーではないかと疑われていたからだ。それでも、守尾は船員たちを信じていた。
 暖の実家では、母親の恵(風吹ジュン)が地上げ屋の寺角類(渋川清彦)と対峙していた。と、そこに『海進丸』帰港の連絡が入る。迎えに来たすみれと港に急ぐ恵。船員たちが上陸する中、暖も怪我はしたが生還を果たす。亡くなったのは船長のバラジだけ。すると、バラジの遺体を調べる男たちが…刑事の入間公平(高橋克典)の姿もあった。
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●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(1)第一話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(番外編)第一話。 
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(2)第一話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(3)第二話。
●モンテ・クリスト伯と「西の魔女が死んだ」。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(4)第二話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(5)第三話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(6)第三話。
●「モンテ・クリスト伯」原作・TVドラマ比較<人物>
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(7)第四話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(8)暖とすみれと音楽と。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(9)第五話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(10)第五話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(11)第六話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想番外編(12)第七話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(13)第七話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(14)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(15)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(16)第八話。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(17)最終回。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(18)最終回。
●モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-感想(19)最終回。
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