イヤな夢を見た
神秘に満ちた 伊藤若冲の華鶏が
絵の中から 飛び出してきた
大きかった
人間より
そして 獰猛だった
ウツツを超える 華やかさが
その動きの速さと行動よりも
よけい 恐怖を何乗にも煽っていた
その鶏は 女だった
今思えば 何も根拠なんてないけれど
その 野生な殺意に満ちた 本能の行動は
男のそれではなかった
無意識に暴れて
その動きと 寒さで 目が覚めて
真っ暗な部屋で ウツツと夢の距離が
なんだか こんがらがっていた
今 何時なんだろう
ようやく 落ち着いて
携帯を いじってみれば
待受画面は 若冲の紫陽花双鶏図
小さな華鶏は じっとしたまま
僕の手の平で 輝いていた
まだ 陽が昇るまで 5時間
ふうん
僕は 夢を反芻しながら
いつだって 途中で諦める
夢も 結論も 僕の妄想が創るもの
僕の視力は 自覚できるくら
ディミヌエンドしている
だから 視覚における 僕の中のバランスを
余計 無理して 追いかけて
何かが 壊れていっている気がする
眠れないの怖いし
眠っても 怖いし
不眠症のジレンマなんて 選択の余地などない
ただ 動揺して 躊躇して 慄く動揺の振幅だけを
糧としてる 影の国の獏のようなものなのだから
神秘に満ちた 伊藤若冲の華鶏が
絵の中から 飛び出してきた
大きかった
人間より
そして 獰猛だった
ウツツを超える 華やかさが
その動きの速さと行動よりも
よけい 恐怖を何乗にも煽っていた
その鶏は 女だった
今思えば 何も根拠なんてないけれど
その 野生な殺意に満ちた 本能の行動は
男のそれではなかった
無意識に暴れて
その動きと 寒さで 目が覚めて
真っ暗な部屋で ウツツと夢の距離が
なんだか こんがらがっていた
今 何時なんだろう
ようやく 落ち着いて
携帯を いじってみれば
待受画面は 若冲の紫陽花双鶏図
小さな華鶏は じっとしたまま
僕の手の平で 輝いていた
まだ 陽が昇るまで 5時間
ふうん
僕は 夢を反芻しながら
いつだって 途中で諦める
夢も 結論も 僕の妄想が創るもの
僕の視力は 自覚できるくら
ディミヌエンドしている
だから 視覚における 僕の中のバランスを
余計 無理して 追いかけて
何かが 壊れていっている気がする
眠れないの怖いし
眠っても 怖いし
不眠症のジレンマなんて 選択の余地などない
ただ 動揺して 躊躇して 慄く動揺の振幅だけを
糧としてる 影の国の獏のようなものなのだから