goo blog サービス終了のお知らせ 

ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

さすらい

2010-01-25 19:55:11 | 日々随想
現場に到着して 
インターフォンを鳴らす
…静寂


何度か 扉の向こうの音を聞いて
今度は 電話をかけてみる
確かに 扉の向こうで 電話が鳴っている


どうやら 誰もいないみたい


ふうん





1時間ほど あちこちに電話して
つながらなかったりして
まあ ボンヤリとヒナタボッコ


ベクトルの存在しない時間
ネコが 通り過ぎたり
ヤクルトのおばさんが 挨拶してくれたり


なんだか 無駄に思える その時間が
どこかに忘れてきた
大切なヒトトキに 思えてきた


僕は いつだって 時間の密度を高めたがる
期限の無い時間なんて なんだか怖くて
メモリを付けたり 圧縮したり


でも 少年の頃 
ベクトルなぞ存在しなかった頃
夏休みは永遠に思えたし
孤独も自由も 名前など無かった


人間は いつだって未知に弱い
死を恐れるのも
絶対的な未知だからなのだろう


経験の中で 整理された
僅かな領域の中で
飼いならされた羊のように
あっちの草を食み こっちの草を食み


幾つかの 電話が反射してくれたおかげで
家主が ペコペコ謝りながら帰宅して
ようやく 仕事が再開した


本当は 今でも 未知の海を漂っている
でも それが怖くて
あるいは 本当に向かうべき大陸を目指して
ベクトルを拵えてるような気がした


3時の方向に 行ったハズのネコが
10時の方向から 現れた
僕も そんなふうに生きたい