年老いた名優二人と大人びてきたハーレー君の競演。原作は映画で観たい脚本No.1に選ばれた秀逸作。
2003年 アメリカ ヒューマンドラマ
2005年8月24日 VTR(WOWOW)
監督 ティム・マッキャンリーズ
出演 マイケル・ケイン(ハンナとその姉妹、リトル・ヴォイス、バットマン・ビギンズ)、ロバート・デュバル(ディープ・インパクト、ジョンQ最後の決断)、ハーレイ・ジョエル・オスメント(シックス・センス、A.I.)
1960年代、ウォルターは父親のいない14歳の少年だった。ある夏の日、無責任な母親はフォートワースの速記学校へ行くためと称して、突然息子を連れて叔父たちの前に現れた。実際はラスベガスに男を捜しにいくのだが、その間息子を預けようというのである。ウォルターにとって大叔父である二人の兄弟は、無愛想で変わり者のハブとガース。テレビも電話もない古い家で、戸惑いながら3人の男の生活が始まる。
大金を持っていると噂されるハブとガースだが、ライフルを構えてセールスマンを追い払ったかと思うと、年老いたライオンや飛行機(古い複葉機)を買う、ナイフを持った若者4人と素手で戦って勝つなどの豪快な人たちである。一方、古いトランクの底に美しい女性の写真を見つけて興味をもったウォルターは、ガースから徐々に昔話を聞くことになる。彼ら兄弟はテキサスにあき足らず、海を越えてアフリカで数々の冒険をしたという。ウォルターは4匹の犬と1匹と豚、1匹の年老いた雌ライオンの世話をしながら、大叔父たちのアラビアンナイトのような冒険譚を夜毎に聞く。彼は真実とも大ぼらともつかない話を聞きながら、男とはどう生きるべきなのか学んでいくのであった。
ある夜、母親が新しい男を連れて舞い戻り、大金のありかは分かったかと聞く。男は私立探偵だと名乗り、ガスたち兄弟は銀行強盗だと言って、ウォルターを殴る。それを聞きつけた年老いたライオンは彼を守るために戦い、死んでしまう。ウォルターは大怪我をした男と母親はと共に去ろうとするが、母親がまだこの男と一緒にいようとすることを知って車から飛び降りてしまう。彼は大叔父たちと共に、男として生きていく決心をしたのである。
そんな夏を経験したウォルター少年は大人になって、都会で働いていたある日大叔父たちの訃報を聞いて駆けつける。曲芸飛行失敗で、納屋に突っ込んだ大叔父たちの複葉機のそばにたたずんでいると、一台のヘリコプターが到着して・・・
「原題はSecondhand lions」である。中古のライオン。狩をするために動物園から買ったライオンだったが、来て見たら年老いて檻から出ようともしない。ウォルター少年に世話をしてもらい、なぜかとうもろこし畑が気に入って居座るライオンだが、ハブとガースたちの姿とも重なる。若い頃は血気盛んだったかもしれないが、今となってはお払い箱で世をすねている。しかし、働くべきところもあるのである。孤児院に行くか、とんでもない母親に育てられるしかないひ弱なウォルター少年を、一人前にするという大事な役割である。そしてそれは成し遂げられた。
彼ら兄弟の冒険譚は劇中劇としてはさまれているが、少年の想像の世界としてえがかれているので漫画チックで小気味良い。これが本当のことなのか大ぼらなのかなんて、関係がない。愛に飢え、夢をもてなかった少年の心に明るさと勇気をもたらしたのだから。
芸達者な名優二人の渋い演技が引き立ち、思春期を迎えたハーレー君が印象的。ハーレー君は子役というには声変わりをしてしまったし、大人の役には早すぎるという大変難しい時期を迎えた。賢そうなまなざしと金髪はそのままだが、声は既に大人のそれである。いたいけな子どもを演じるわけには行かない。しかし、その時期でこそ演じられる役がこの作品だった。
テキサスの広い草原の古い一軒家を再現したセットも魅力的だが、豪快でありながら繊細な老人二人がさらに素敵である。最後まで冒険譚がどこまで真実であったかどうか謎のまま、物語は終わる。そんな余韻がまた良い。
2003年 アメリカ ヒューマンドラマ
2005年8月24日 VTR(WOWOW)
監督 ティム・マッキャンリーズ
出演 マイケル・ケイン(ハンナとその姉妹、リトル・ヴォイス、バットマン・ビギンズ)、ロバート・デュバル(ディープ・インパクト、ジョンQ最後の決断)、ハーレイ・ジョエル・オスメント(シックス・センス、A.I.)
1960年代、ウォルターは父親のいない14歳の少年だった。ある夏の日、無責任な母親はフォートワースの速記学校へ行くためと称して、突然息子を連れて叔父たちの前に現れた。実際はラスベガスに男を捜しにいくのだが、その間息子を預けようというのである。ウォルターにとって大叔父である二人の兄弟は、無愛想で変わり者のハブとガース。テレビも電話もない古い家で、戸惑いながら3人の男の生活が始まる。
大金を持っていると噂されるハブとガースだが、ライフルを構えてセールスマンを追い払ったかと思うと、年老いたライオンや飛行機(古い複葉機)を買う、ナイフを持った若者4人と素手で戦って勝つなどの豪快な人たちである。一方、古いトランクの底に美しい女性の写真を見つけて興味をもったウォルターは、ガースから徐々に昔話を聞くことになる。彼ら兄弟はテキサスにあき足らず、海を越えてアフリカで数々の冒険をしたという。ウォルターは4匹の犬と1匹と豚、1匹の年老いた雌ライオンの世話をしながら、大叔父たちのアラビアンナイトのような冒険譚を夜毎に聞く。彼は真実とも大ぼらともつかない話を聞きながら、男とはどう生きるべきなのか学んでいくのであった。
ある夜、母親が新しい男を連れて舞い戻り、大金のありかは分かったかと聞く。男は私立探偵だと名乗り、ガスたち兄弟は銀行強盗だと言って、ウォルターを殴る。それを聞きつけた年老いたライオンは彼を守るために戦い、死んでしまう。ウォルターは大怪我をした男と母親はと共に去ろうとするが、母親がまだこの男と一緒にいようとすることを知って車から飛び降りてしまう。彼は大叔父たちと共に、男として生きていく決心をしたのである。
そんな夏を経験したウォルター少年は大人になって、都会で働いていたある日大叔父たちの訃報を聞いて駆けつける。曲芸飛行失敗で、納屋に突っ込んだ大叔父たちの複葉機のそばにたたずんでいると、一台のヘリコプターが到着して・・・
「原題はSecondhand lions」である。中古のライオン。狩をするために動物園から買ったライオンだったが、来て見たら年老いて檻から出ようともしない。ウォルター少年に世話をしてもらい、なぜかとうもろこし畑が気に入って居座るライオンだが、ハブとガースたちの姿とも重なる。若い頃は血気盛んだったかもしれないが、今となってはお払い箱で世をすねている。しかし、働くべきところもあるのである。孤児院に行くか、とんでもない母親に育てられるしかないひ弱なウォルター少年を、一人前にするという大事な役割である。そしてそれは成し遂げられた。
彼ら兄弟の冒険譚は劇中劇としてはさまれているが、少年の想像の世界としてえがかれているので漫画チックで小気味良い。これが本当のことなのか大ぼらなのかなんて、関係がない。愛に飢え、夢をもてなかった少年の心に明るさと勇気をもたらしたのだから。
芸達者な名優二人の渋い演技が引き立ち、思春期を迎えたハーレー君が印象的。ハーレー君は子役というには声変わりをしてしまったし、大人の役には早すぎるという大変難しい時期を迎えた。賢そうなまなざしと金髪はそのままだが、声は既に大人のそれである。いたいけな子どもを演じるわけには行かない。しかし、その時期でこそ演じられる役がこの作品だった。
テキサスの広い草原の古い一軒家を再現したセットも魅力的だが、豪快でありながら繊細な老人二人がさらに素敵である。最後まで冒険譚がどこまで真実であったかどうか謎のまま、物語は終わる。そんな余韻がまた良い。
好きです。この映画。
まさに、この時期でないと演じられないだろうという役でした。これからが楽しみなハーレイ君です!!
ハーレイ君は一体どんな俳優になるのでしょうか?この数年が正念場でしょう。ドラッグとお酒にはまってしまった某もと子役みたいにならないで欲しいです。
どうか、このまま順調に伸びていって欲しいなあ~
おもしろくて、ハートフルな映画で大好きです。
おじいちゃんも動物くんたちも大活躍でした。
ハーレイ君にはこのまま成長してほしいですね(^^♪
本当に素敵な映画ですね。たくさんの人に見てもらいたい。
こんな爺さんに、私はなりたい。(笑)
とんでもない女親しか知らず、ヘナチョコだったウォルターが、豪快なおじいさんたちに男としての生き方を教えてももらうんですね。
忘れられないせりふ「男には良い地図が必要だ。今どこにいるかわかるからな。」名言です。
kioskさん
人の人生を代えるような映画もありますよね。しみじみと心に残り、何かのときに出てきます。多くの人に観てもらいたい映画です。
私もこんなお爺さんに・・・あ、私がなるのはお婆さんか・・・!
&TBありがとうございます!
あのライオンけっこー好きです(笑)