9月の空に入道雲が長く居座り、長い夏だと思っていたら、秋は予想しない速さで訪れた。
タオルケットでは寒いと、薄手の掛布団を出したが、翌日にはまだ寒いと毛布を付け足した。そのまた翌日には、これではとても寒さはしのげずと、厚い羽布団を出した。1週間もしないうちに真冬の寝具へと変わった。
週末、あわてて衣替えをすることとなる。季節の変わり目は要注意である。寒さを我慢するとだいたい風邪をひくのは、何度も失敗を重ねながら会得した。
薄手のセーターをゴソゴソと取り出して広げてみる。あっ、やられてる!クローゼットの奥の方にあった袖の先に虫食い穴が3か所、虫よけの薬を入れておいてもこの様である。
しばらくその小さな穴を見つめ呆然とする。そで口の汚れが残っていたのかしら?仕舞い込まず、風通しの良いところに掛けておいたらよかったのかしら?と一通り思いを巡らせる。
よしっ!裁縫道具を取り出し、黒糸を何とか針に通し、チクチクと穴を綴じた。
「これを着ることとします。」
小さな3つのおへそができたセーターに手を通し外に出ると、雨上がりの湿った空気が暖かかった。おへそも気にならない。秋はこれからこれから。
↑ 3号館の入り口に飾られた秋のオブジェ。毎回見とれてしまう、保育士さんの力作です。
3号館事務 笹目