中国初の空母「ワリャーグ」、4度目の試験航行(読売新聞) - goo ニュース
「ワリヤーグ」はロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」の2番艦だったが、ソ連崩壊によって工事が中断。引き継いだウクライナも工事を断念して中国に売却された。当初は航空対潜巡洋艦「キエフ」「ミンスク」と同じく「カジノに利用する」と言われていたが、02年に大連造船所に運ばれて工事が続行された。しかし建造は順調に行かなかったようだ。一説には売却の際にウクライナでキールを切断していたらしい。主機も配線やパイプを切断されていただけだが、中国側に復旧能力が無く手間取ったと言われる。主機自体が稼働率が良くないようで、姉妹艦「アドミラル・クズネツォフ」もロシア海軍が手を焼いている。さらに電子装備や兵器が完全に撤去されており、これに大きく時間を取られている。なお主機については従来のガスタービンを断念し、ディーゼルに切り換えたとも言われている。
搭載予定のJ-15の開発に関して、ロシアが「中国が違法コピーした」と抗議した事も大きく影響している。ただし一部のマスコミで「カタパルト云々」も上げているが、カタパルトはロシア自体が開発に失敗しているので正しくない。
空母と言うとアメリカ海軍を連想し、湾岸戦争やアフガン・イラク戦争で空爆をしたイメージがあるが、この空母の航空攻撃能力は低いと思う。艦載機にミサイルや爆弾を満載して空母から離艦させるには強力なカタパルトと母艦の速力が必要になる。艦載機の任務は本家ロシアの「アドミラル・クズネツォフ」同様、艦隊防空がメインだろう。また艦自体の攻撃力は本家に比べ劣ると思う。
ところで日本周辺で空母と言うと30年程前の「ミンスク」騒動を思い出す。ソ連のキエフ級の対潜航空巡洋艦「ミンスク」が太平洋艦隊に回航された際に、週刊誌などで「ソ連がミンスクで北海道に侵攻してくる!」と特集をやっていた。斜め飛行甲板を持ち、艦首には様々なミサイルのプラットフォームを持つ厳つい姿はいかにも強そうに見え、艦載機のYak-38がVTOLする姿は脅威だったのだろう。ところがソ連のアフガン侵攻でYak-38は航続力が無く、兵器搭載能力も低い事をを露呈した。
平らな甲板の右側にチョコンと艦橋が乗っかった独特の空母シルエットはアジア諸国で脅威に思われると日本のマスコミは騒ぐが、本当にアレルギーを持っているのは日本のマスコミ自身かも知れない。