人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻のごとくなり~
織田信長の辞世の句だ。426年の間に寿命は32年延び、82歳となった。その一方で少子化が進み、人口構成比も大きく変わってしまった。社会保険料のズサンな管理もあったが、社会保険制度が崩壊寸前になったため、後期高齢者医療制度が始まった。
保険料の負担割合等で批判が高まり、メディアが一斉に「生活できない」「姥捨て制度だ」等のインタビューに、視聴率しかアタマに無いキャスターや司会者がヒステリックに政府を非難し始める。すると今度は政権奪取しかアタマに無い民主党とそのオコボレを狙う他の野党はその尻馬に乗っかった。政府与党にダメージを与える事しか頭に無い野党は悲鳴を上げている高齢者などお構いなしで、ようやく「廃止法案」を参議院に提出した。
廃止法案、23日に共同提出=後期高齢者医療、来年3月まで-野党4党
民主、共産、社民、国民新の野党4党は20日午後の国対委員長会談で、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)を2009年3月末で廃止する法案について、23日に参院に共同提出することを決めた。6月上旬に参院で可決、衆院に送付して、与党に今国会での成立を迫る方針。
廃止法案は、年金からの保険料天引きは遅くとも今年10月以降は行わず、09年4月からは従来の老人保健制度に戻す内容となっている。国対委員長会談では、法案の参院審議を2週間程度と想定し、公聴会や参考人質疑も行うことを申し合わせた。
野党は廃止など望んでいない。コレで揺さぶりを掛けて衆議院で2/3で否決されたら「民意無視」と騒ぎ、衆議院解散に持ち込みたいだけだ。「社会保険庁や厚生労働省が悪い!」と叫ぶだけでまた財源を始めとする対案が無い。このまま社会保険制度が破綻しても「アイツらと当時の政権与党が悪かった。オレたちに罪は無い」で乗り切るつもりなのだろうか?
そんな国会やマスコミのはしゃぎっぷりにハラワタが煮えくり返る思いだったのが、中央社会保険医療協議会だ。
後期高齢者医療制度:「政治家、はしゃぎすぎ」 廃止・見直し論で中医協委員ら苦言
「議員ははしゃぎすぎだ」。21日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、後期高齢者医療制度の廃止・見直し論花盛りの政界に、制度の細部を決めた専門委員らが、異例の批判をぶちまけた。
制度見直しに向けた初会合だったが、大島伸一国立長寿医療センター総長は「政治家は政争の具にし、不信をあおっている。当事者意識を持ってほしい」とバッサリ。山本信夫日本薬剤師会副会長も「現象面だけの批判だ。全体の評価がない」と述べるなど苦言が続出した。
ジェイムス・クラークの言葉に「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える。」があるが、今回の中央社会保険医療協議会が政治家で、はしゃぎまくる国会議員は政治屋だ。