2月13日(金)、二期会のヴェルディ作曲「ラ・トラヴィアータ」 (道を踏み外した女)・・・ 椿姫 を東京文化会館に見に行きました。

配役はダブルキャストになっていましたが、2月13日はヴィオレッタが安藤赴美子、アルフレードが井上了史、ジェルモンが青戸知、フローラが渡邊史でした。合唱は二期会合唱団、管弦楽はアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルハーモニー管弦楽団。演出は宮本亜門。

今回の公演で、素晴らしかったのはヴィオレッタ役、ソプラノ・リリコの安藤赴美子。プログラムには、このヴィオレッタ役はオーディションで大抜擢されたとあります。二期会オペラには2006年「ラ・ボエーム」のムゼッタ役で初登場しているので実力は十分にあったといえるのですが、いきなり華やかな舞台に登場してきたという気がします。
いずれにしても、オペラ「ラ・トラヴィアータ」(椿姫)はヴィオレッタ が出ずっぱりで大変な役。この役の出来映えでこのオペラそのものの印象が大きく変わってしまいます。安藤赴美子は、この役を伸びやかな、美しい声で見事に歌いあげていたと思います。容貌もよく、ヴィオレッタにふさわしい。
第1幕の聞かせどころ、技巧的に難しいといわれる「ああ、そはかの人か~花から花へ」で、私は、その魅力にすっかり惹きつけられてしまいました。第2幕でのジェルモンとの二重奏も良かったと思います。また、第三幕の 「さよなら、過ぎ去った日よ」でも、情感溢れる歌唱を切々と聴かせてくれました。
ところで、フローラ役の渡邊史さんは、女房のピアノの先生の娘さん。今回のチケットもその関係で良い席を取ることが出来ました。彼女は大柄でスタイルも良くメゾソプラノで柔らかな声。緑色のドレスも映え、ヴィオレッタの友人役でおおいに盛り立てました。
つぎに印象に残ったのは、二期会合唱団。やはり、選りすぐりの歌い手の合唱だけあって聴き応えは十分です。第一幕の乾杯の歌などは、ソリストの歌を補って余りあるものがあります。また、第二幕の舞踏会の間、闘牛士達の踊りの場面なども合唱が見事なために、迫力十分で見応えあるものとなりました。
もう一つ、良かったのはアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルハーモニー管弦楽団の演奏。私は昨年の10月 に 新国立劇場オペラ「トウーランドット」・・・ めいすいの写真日記(H20.1.12) でも同じ組み合わせで聞いているのですが、これまで聞いた数多くのオペラ 「椿姫」の出色の演奏であり、満足出来るものでした。
宮本亜門演出の舞台は基本的に一幕だけ。二色の正方形を交互に配した市松模様の背景と舞台が右上がりに傾いていて、右側にいくつかのガラス製の出入り口を配置するといった現代風のものですが、内容はというと、これといった演出の冴えは見られませんでした。特に第一幕のヴィオレッタの主催する舞踏会でアルフレットがヴィオレッタのパトロン、ドゥフォール男爵を殴り倒すという原作にはない暴力的シーンは問題だと思いました。
以上に加え、アルフレードやジェルモン役の歌唱力が今一歩ということなどを考えると、満点とは言えませんが、ヴィオレッタ役の安藤赴美子の見事な歌唱。二期会合唱団とアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルの素晴らしい演奏で十分に楽しめるオペラとなりました。
オペラ「ラ・トラヒヴィアータ」(椿姫)について詳しくは
「めいすいの音楽随想」no.32・・・・新国立劇場オペラ「椿姫」
をご覧下さい。
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配役はダブルキャストになっていましたが、2月13日はヴィオレッタが安藤赴美子、アルフレードが井上了史、ジェルモンが青戸知、フローラが渡邊史でした。合唱は二期会合唱団、管弦楽はアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルハーモニー管弦楽団。演出は宮本亜門。

今回の公演で、素晴らしかったのはヴィオレッタ役、ソプラノ・リリコの安藤赴美子。プログラムには、このヴィオレッタ役はオーディションで大抜擢されたとあります。二期会オペラには2006年「ラ・ボエーム」のムゼッタ役で初登場しているので実力は十分にあったといえるのですが、いきなり華やかな舞台に登場してきたという気がします。
いずれにしても、オペラ「ラ・トラヴィアータ」(椿姫)はヴィオレッタ が出ずっぱりで大変な役。この役の出来映えでこのオペラそのものの印象が大きく変わってしまいます。安藤赴美子は、この役を伸びやかな、美しい声で見事に歌いあげていたと思います。容貌もよく、ヴィオレッタにふさわしい。
第1幕の聞かせどころ、技巧的に難しいといわれる「ああ、そはかの人か~花から花へ」で、私は、その魅力にすっかり惹きつけられてしまいました。第2幕でのジェルモンとの二重奏も良かったと思います。また、第三幕の 「さよなら、過ぎ去った日よ」でも、情感溢れる歌唱を切々と聴かせてくれました。
ところで、フローラ役の渡邊史さんは、女房のピアノの先生の娘さん。今回のチケットもその関係で良い席を取ることが出来ました。彼女は大柄でスタイルも良くメゾソプラノで柔らかな声。緑色のドレスも映え、ヴィオレッタの友人役でおおいに盛り立てました。
つぎに印象に残ったのは、二期会合唱団。やはり、選りすぐりの歌い手の合唱だけあって聴き応えは十分です。第一幕の乾杯の歌などは、ソリストの歌を補って余りあるものがあります。また、第二幕の舞踏会の間、闘牛士達の踊りの場面なども合唱が見事なために、迫力十分で見応えあるものとなりました。
もう一つ、良かったのはアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルハーモニー管弦楽団の演奏。私は昨年の10月 に 新国立劇場オペラ「トウーランドット」・・・ めいすいの写真日記(H20.1.12) でも同じ組み合わせで聞いているのですが、これまで聞いた数多くのオペラ 「椿姫」の出色の演奏であり、満足出来るものでした。
宮本亜門演出の舞台は基本的に一幕だけ。二色の正方形を交互に配した市松模様の背景と舞台が右上がりに傾いていて、右側にいくつかのガラス製の出入り口を配置するといった現代風のものですが、内容はというと、これといった演出の冴えは見られませんでした。特に第一幕のヴィオレッタの主催する舞踏会でアルフレットがヴィオレッタのパトロン、ドゥフォール男爵を殴り倒すという原作にはない暴力的シーンは問題だと思いました。
以上に加え、アルフレードやジェルモン役の歌唱力が今一歩ということなどを考えると、満点とは言えませんが、ヴィオレッタ役の安藤赴美子の見事な歌唱。二期会合唱団とアントネッロ・アッレマンディ指揮東京フィルの素晴らしい演奏で十分に楽しめるオペラとなりました。
オペラ「ラ・トラヒヴィアータ」(椿姫)について詳しくは
「めいすいの音楽随想」no.32・・・・新国立劇場オペラ「椿姫」
をご覧下さい。

合唱とオケもよかったと思います。最近は、オケを鳴らしすぎて声が聞こえなくなるような演奏をよく聞きますので、声とオケのバランスをうまく配分したこういう指揮を見習って欲しいと思います。
男声の主役クラスとにも同じ感想を持ちました。
演出は、全体にせかせかした感じで、いまいちでした。