めいすいの写真日記

いつもご訪問ありがとうございます
500万アクセスを達成しました

花水木の花と水木の花

2020-04-29 | 

ご近所に咲く花水木の花。びっしりと咲いて見事です。開花は4月10日~5月10日頃まで、よく見かけます。

ハナミズキはミズキ科、ミズキ属の花で、アメリカ原産。ミズキの仲間で花が目立つから花水木となったようです。

 東京市長の尾崎行雄氏が アメリカのワシントン市へ 桜を寄贈しました。その桜はワシントンのポトマック河畔に植えられ、毎年桜まつりが行われています。その御礼として、1915(大正4)年に アメリカから花水木が贈られたのが最初で、その後全国に普及しました。

こちらはピンクの花水木。

 こちらは水木の花、当然のことながらハナミズキはミズキ科、ミズキ属の花です。開花時期は4月20日から5月

 10日頃まで、花水木より少し遅れて咲きます。階段状に花が咲きます。

 樹液の上昇力か強く、春先に幹や枝を切ると水がしたたることから名前が付きました。

 新河岸川沿いの小さな遊水池野分にあり、生育には良い環境です。

花弁は同じ4枚ですが、水木の方が花が小さい。


映画「アラモ」

2020-04-26 | 映画

                                                                                                                      NHK BSシネマ 2020.4.24 
 左から ジム・ボウイ、デイビー・クロケット、トラヴィス大佐

 1836年当時、テキサスはメキシコ領だった。住民はアメリカや海外からの開拓者だったが、全員がメキシコ市民と見なされていた。その当時サンタ・アナ将軍は自らの独立支配に抵抗する者を虐殺し、テキサスへと迫っていた。開拓者は服従か抵抗かの選択に直面していたのだ。

 ジョン・ウェインが製作・初監督・主演を務め、西部開拓史に名高いアラモ砦の攻防戦を、壮大なスケールで描く西部劇。1836年、デイビー・クロケットを始めとするテキサスの義勇軍は、メキシコの独裁者サンタ・アナの圧政に反乱を起こし、砦に立てこもって十三日間に及ぶ壮絶な戦いを繰り広げていく・・・。迫力の戦闘シーン、ディミトリ・ティオムキンの哀愁をおびたテーマ曲が人気となった。アカデミー賞音響賞受賞。

【製作・監督】 ジョン・ウェイン
【撮影】        ジェームス・エドワード・グラント
【撮影】        ウィリアム・H・クロージア
【音楽】        ディミトリ・ティオムキン(作詞)ボール・フランシス・ウェブスター

【出演】        ジョン・ウェィン・・・デイヴィッド・クロケット
                  リチャード・ウィドマーク・・・ジェームズ・ボウイ
       ローレンス・ハーベイ・・・ウィリアム・トラヴィス
      スミティ・・・フランキー・アバロン  
      キャンティ・・・リチャード・ブーン・・・ サミュエル・ヒューストン   
 制作国   ;   アメリカ
 製作年   ;   1960年
 原題     ;  THE ALAMO

   本作は歴史上名高い「アラモの砦での戦い」とそれに至るまでの出来事を描いている。
 当時、独立を目指すテキサス軍を指揮していたサム・ヒューストン将軍は、不十分な軍の再編を行うべく時間を必要としていた。
 一方、サンタ・アナ将軍率いるメキシコ軍は兵力・装備・訓練のどれを取ってもテキサス軍に優っていた。しかし、それにもかかわらずテキサス軍は非常に高い士気を保っていた。

 その頃、サンアントニオ郊外での任務を終えたウィリアム・トラビス中佐(すぐに大佐となる)はアラモに守備隊長として派遣される。そこにジム・ボウイ(この地方の大地主、妻がメキシコの貴族)が援軍として到着し、さらにテネシー州の義勇兵中隊を率いたデイビー・クロケット(テネシーの英雄、テネシー州元議員)も現れる。クロケットはトラビスと会談し、その悲惨な状況を聞いた上で部下と共にアラモの守備隊に合流することを決意する。 
  1836年春。200人にも満たないテキサス軍(メキシコとの分離独立派)はアラモ砦(元キリスト教伝道所後)に立てこもり、テキサス解放を求め13日間、2000人のメキシコ共和国軍との間で壮絶な戦闘行うことになる。・・・。

 映画の中では、トラヴィス大佐、ジム・ボウイ、デイビー・クロケットの個性のある3人の間には確執があった。酒の飲み合い、殴り合いがありながらもクロケットが上手く仲を取り持ち、最終決戦に向けて団結していく様子は人間的で見どころが多い。砦の内部でのこうした人間的な動きが名作といえる所以であろう。年少兵士のスミティも一服の清涼剤となっている。

 また、テキサス軍は人数だけでなく、経済的にもゲリラ的な戦いをせざるを得ず、教会の地下にあった敵の武器貯蔵庫からいくつもの鉄砲や弾薬1トンを盗み出したり、長距離の大砲をを闇に乗じて破壊したり、塩漬けの豚肉が腐り、食料不足となってしまったので、数十頭の生きた牛を砦の中に盗み入れる。などスリリングな場面もある。

一方、サンタ・アナ将軍率いるメキシコ軍は、ナポレオン軍を真似た軍隊で軍楽隊や軍服などが整然としていて、進軍も堂々としている。


 砦の戦いは、見事であるが1960年代の製作であり、特撮がなく、全て実写に近いものであるだろうから、当時としては激しい戦闘映画と印象が深かったであろう。


藤の花 2020

2020-04-23 | 

  新河岸川の河川敷(埼玉県富士見市)に咲いている藤の花。藤の花といえば、私の周りで見かけるのは、ほとんどが藤棚があって、そこに咲いているもの。

 ところが、ここは違います。藤は水分のあるところを好むようです。ちょうどこの場所は適しているのかも知れません。

 しゃがんで低い姿勢で写真を撮りました。時々ここを通るのですが、見ている人はほとんどいません。

 でも、満開となると、なかなかきれいです。家から自転車で30分弱です。今の時期、遠出は出来無いので有り難い。

 藤は日本原産で、まめ科ふじ属。開花時期は4月の15日から5月5日頃。

 日本舞踊などで藤の舞をするのをよく見かけます。それだけ親しみのある花なのですね。


小手毬の花 2020

2020-04-22 | 

小手毬の花はバラ科シモツケ属の花で、開花時期は 4/20 ~ 5/15頃

枝は弓状に垂れ下がります。

小さな花が丸く集まり、手毬のように咲くことから「小手毬」という名前が着きました。
可愛くて、気品もあります。花言葉は「友情」。


京都の心ここにあり 祇園・都をどり

2020-04-20 | オペラ・バレエ

 
京都祇園の舞妓さん

   京都の心ここにあり 祇園・都をどり     BS4K 2020.4.4 放送

 8Kカメラでとらえた映像(4Kに変換)はとても美しく、珍しいものだったのでここに、そのごく一部を掲載することにしました。

 「都をどり」は京都祇園の春の風物詩で、祇園が生んだ究極のエンターテインメント。
  祇園甲部の花街には六十一軒の茶屋が軒を連ねていますが、普段は「一見(げん)さんお断り」の夜の世界なので、一般の人は、芸舞妓の踊りは4月の1ヶ月のロングランでしか見られません。このため、今では、国内外から見物客が集まり9万人の人が見物に訪れるとのことです。
 しかし、今年2020年は新型コロナウイルスのため、残念ながら公演は中止となりました。
     第四十四回 都をどり 名所巡回四季寿  めいしょじゅんかいしきのことぶき
               2016年 4月
        祇園甲部 祇園甲部歌舞練場
        祇園甲部(ぎおんこうぶ)は、京都市東山区にある京都で最大の花街
        京都の五大花街の一つ。
 この年の演目「名所巡り四季寿・・・めいしょめぐりしきのことぶき」は関西の美しい四季をからめて旧跡を巡ろうとするものです。全八景からなっています。

 第一景 置歌   総をどり
 第二景 城南宮枝垂梅香  じょうなんぐうしだれうめのか
 第三景 毘沙門堂藤小波 びしゃもんどうふじのさざなみ                     
 第四景 春日造替祝舞楽  かすがのぞうたいいわいのぶがく
 第五景 落窪姫末繁盛  おちくぼひめすえのはんじょう 
 第六景 芭蕉庵紅葉遊戯 ばしょうあんもみじのたわむれ
 第七景 三千院雪見風流 さんぜんいんゆきみのふうりゅう
 第八景 姫路城桜霞   ひめじじょうさくらのかすみ

 これらの内容は芸妓により、三味線や太鼓を交え、長唄などで説明されます。その中で和歌が読まれたりすることもあります。観客を飽きさせないため、舞台は暗転だけで幕を下ろさないという方法を採っていました。

第一景 置歌        総をどり
「都をどりは ヨーイヤサー」の掛け声で始まる。古くから行われているようでこれが名物でもあるようです。

舞台の序曲 芸舞妓達20人がそろいの青い衣装で迎えます。

この「総踊り」は「都をどり」の代名詞となっています。後の銀襖(ふすま)は、かって公家屋敷で行われてきたことに由来するといいます。

 毎年、青い色に染めれてきた歴代の衣装。芸舞妓さん達をいっそう引き立てる京都伝統の京友禅や西陣織の着物で、明治5年の初演の心を今も伝えています。

 芸妓さん達の稽古は、祇園甲部歌舞練場内にある「八坂女紅場(にょこうば)学園」で行われます。
 生徒は十六歳から九十歳過ぎまで、祇園に籍を置く限り生涯に渡り、
 「舞踏、長唄、常磐津、地唄、小唄、清元、三味線、能楽、笛、鳴物、華道 茶儀 書画」
といった技芸を学び続けなければなりません。
 振り付けと指導は京舞井上流五世家元井上八千代さんで人間国宝です。
 井上流の特徴は、「重心を高く保つこと。後足のかかとをあげたまま、わずかに腰を落とす。この姿勢を常に保ち凜とした姿勢を形作る。顔は無表情に徹し、繊細な感情の表現は身体で表す」とのことです。
 都をどりの稽古は3月上旬から始まるようですが、1年を通した日常の稽古は厳しいようで、始めは筋力が足らず、足が震えて動けないこともあるようです。夜のお座敷から戻ると12時を過ぎることもあるとか。

第二景 城南宮枝垂梅香 じょうなんぐうしだれうめのか

京都洛南の梅の名所、春まだ浅い城南宮。境内には伏見の名水を引き込んだ小川が流れ、梅の花が咲き乱れます。

小川に盃を浮かべ和歌を詠んだという平安貴族に思いを馳せます。

第三景 毘沙門堂藤小波 びしゃもんどうふじのさざなみ 

夜のとばりが降りた京都山科の毘沙門堂。現れたのは富士の妖精達。

月明かりの元、幻想的な踊りが行われるます。

第六景 芭蕉庵紅葉遊戯 ばしょうあんもみじのたわむれ

紅葉の名所、金福寺は俳人松尾芭蕉が旅の途中で訪れたことでも知られています。

境内に建てられた芭蕉庵は芭蕉の死後、荒れ果てた姿になってしまいました。それを悲しみ建て直した与謝蕪村の功績を称えます。

第八景 姫路城桜霞   ひめじじょうさくらのかすみ

フィナーレは桜の満開の国宝、姫路城。この舞台だけ、お城は大道具係が立体構造で作り上げました。

  最後に八景に登場した芸舞妓達が勢揃いして大団円となりました。
  終わりは前列の人が一度軽い会釈をしただけで幕が下りました。カーテンコールなどないのが日本的なのかも知れません。

 「都をどり」は舞妓さん達が踊るものということは知っていましたが、その他の知識は全くといって良いほどありませんでした。ちょうど1時間の番組で鍛え抜かれた「都をどり」の素晴らしさを知ることが出来ました。8Kによる始めての撮影であり、初めての放映ということですが、京都らしさと極彩色の美を十分に堪能できました。


志木名物・・・宗岡プリン

2020-04-19 | 家での食べ物

志木市商工会推奨の志木名物の宗岡プリン。

エンゼル洋菓子店(志木市中宗岡4-1-10)が、宗岡の井原養鶏場(埼玉県志木市宗岡2-17-24)の高級たまごと

フレッシュ生クリームを使用した贅沢なプリンです。お値段は1ヶ280円。

さすがに高級卵とクリームを使っているだけあって、一口食べただけでコクがあり、美味しさが伝わってきます。

地産地消の食べ物が出回ってきている、この頃ですが、今後もこの味を楽しませて下さい。


もういちど、日本・・・「池袋の老舗映画館」

2020-04-16 | 映画

1月14日(水)BS4K で放映された6分間番組

もういちど、日本 「池袋の老舗映画館」 

人間の闇 命のきらめき 見たことのない 表現がしたい 底なしの野心に  ボンジュール!  
ここじゃ夢だって 二本立てだ

 1956年(昭和31年)3月、まだ戦後の廃墟の面影が残る東京池袋に「文芸座」が開館した。その後、名画座に転向し、様々な特集上映を行い。40年以上にわたって営業を続けたが1997年3月に閉館している。
   その後パチンコ屋ビルとして再建、2000年12月にテナントの一つとして「新文芸座」 がオープンした。

   

  今も、平日は2本立ての日本映画の名画を、土曜の夜はオールナイトで上映している。土曜の夜のオールナイトを行っているのは日本ではここだけである。266席。

  私は、私の家は東上線志木なので、終点の池袋は十代から二十代にかけて良く訪れていた。文芸座も10回程度は映画を見るために入館している。
 記憶に残っているのは、黒澤明監督の「七人の侍」である。この時は何と英文の字幕がでるものだった。後になって分かったのたが、黒澤明が初めてマルチカム方式(複数のカメラで同時に撮影する方式〈英語版〉)を採用していて、日本語版では見れなかったからのようだ。やはり、こうした英語版を上映するのは「文芸座」だからこそと言えそうだ。  

めいすいの写真日記・・・「七人の侍」    

 もう一つ、オールナイトで中村錦之助主演の「宮本武蔵」の全編(1931-1965)5本立てを見たことだ。


 佐々木小次郎・・・高倉健、お通・・・入江若葉で、とても充実した時間だった。終わって出てくると夜が明けていたという印象がある。

 番組の中では、ゴジラシリーズを取り上げている。令和元年11月頃?
 令和2年のゴールデンウイークは、黒澤明監督の全作品の上映を行う予定だったようだが、コロナウィルスによる緊急事態宣言により中止となった。


映画「卒業」

2020-04-14 | 映画

                                                                                                                            NHK BSシネマ 2020.4.14   

 青年ベンジャミンは大学を優秀な成績で卒業し、周りから将来を嘱望されるものの、焦燥感と不安に駆られ途方に暮れていた。卒業祝賀パーティーの席で幼い頃から知り合いだった中年女性ロビンソン夫人に誘惑され、その後、情事に身を委ね、逢瀬を重ねることとなる。
 しかし、彼女の娘エレインが現れたことで、ベンジャミンの気持ちは少しずつ変わっていく。
 親のすすめで不承不承エレインと付き合うことになるが、次第に彼女の清純さに惹かれていく。やがて彼女とベンジャミンの関係がエレインの知るところとなるのだが・・・・。

 ダスティ・ホフマンが一躍スタートなり、マイク・ニコルズ監督が、みずみずしい映像とコメディタッチの絶妙の演出をし青春映画の傑作となった。 サイモン&ガーファンクルの曲「サウンド・オブ・サイレンス」、「スカボロー・フェア」「ミセスロビンソン」などが映画の中で非常に効果的に使用されて大ヒットした。

 しかし、この映画は「青春映画」として道徳的にどうなのか.ちょっとおかしいのでは?となりますが、実はその通り。1967年は『俺たちに明日はない』、(カップルが銃を持ち、銀行強盗を繰り返すという実在の内容)、『卒業』の二つの映画が公開された、アメリカ映画史の転換点の時です。それまで、ハリウッドが倫理的に自主規制し、セックスもバイオレンスも不道徳な人々も、反体制もない綺麗な映画をヘイズコートという規制のもと作っていたのが撤廃された年になっています。その後、アメリカン・ニューシネマイズムという映画が作られていくようになります。

 それにしても、ベンジャミンが花嫁を連れ去るラストシーンが有名です。私も日本公開の年に見て以来、今回2度目ですがラストシーンしか全く記憶に残っていませんでした。
 また、50年ほど経っていますが、思った以上にテレビが古い以外はほとんど現代との違和感を感じませんでした。当時のアメリカはやはり豊かだったのです。

監督 マイク・ニコルズ
音楽 サイモン&ガーファンクル
出演 
   ベンジャミン・ブラドック・・・ ダスティ・ホフマン
   エレーン・・・キャサリン・ロス
   ロビンソン夫人・・・アン・バンクロフト 他
製作国 アメリカ
製作年  1967


八重山吹と山吹の花

2020-04-13 | 

八重山吹は、バラ科ヤマブキ属の花。開花時期は4月15日から5月5日頃。鮮やかな黄色は”やまぶきいいろ”と呼ばれる。

「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞかなしき」 後拾遺和歌集 兼明親王

 室町時代に江戸城を初めて開いた太田道灌が鷹狩りに出かけ、にわか雨に遭ってしまったので、近くの貧しい農家に立ち寄り、蓑を貸してもらえないかと尋ねたら、年端もいかぬ女が、黙って差し出したのは、蓑ではなく、山吹の花でした。意味の分からぬ道灌は不愉快な思いで帰途についた。
家に戻り、その話をしたら、近臣の1人が後拾遺集に醍醐天皇の皇子が詠まれたものに
「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の(蓑)一つだに なきぞかなしき」という歌があります。
その娘は、蓑さえない貧しさをたとえたのでないでしょうかと言いました。
驚いた道灌は、自分の無学を恥じ、それからはさらに学問にいそしんだ。との話があります。太田道灌が学問好きだったという逸話だと思います。

東京都庁が有楽町にあった頃、本庁舎の前に太田道灌の銅像がありました。

山吹の花は一重、開花時期は 4/ 1 ~ 4/末頃。山吹には実がなるが、八重山吹には実がならない。


サイクリング道路の八重桜

2020-04-11 | 

新型コロナウイルスの外出制限もあり、人気の少ない新河岸川のサイクリング道路でお隣の富士見市まで遠出しました。

ソメイヨシノはほぼ散ってしまいましたが、途中で通過する小さな公園の八重桜がきれいに咲いていました。

開花時期は4月10日から5月5日頃まで。葉をつけた状態で咲き始めます。

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな(百人一首 伊勢大輔 いせのたいふ 女流歌人) 
   

 


チャイコフスキー作曲「エフゲニー・オネーギン」

2020-04-10 | オペラ・バレエ

METオペラ・チャイコフスキー作曲「エフゲニー・オネーギン」を見て感銘を受けました。この優れたオペラについて述べてみようと思います。

2013-14シーズン新演出

(あらすじ)

第1幕 ラーニン家の屋敷 
  1820年代のロシアの片田舎、地主の娘で恋に憧れる内気な娘タチアーナは文学少女である。
 一方、妹のオリガは陽気だが、やや軽薄な娘でレンスキーという詩人の婚約者がいた。ある日レーンスキーが連れてきた友人で都会の放蕩貴族の青年オネーギンが現れる。

彼にタチヤーナは一目惚れして長い恋文を書く。手紙を書くうちに夜は明ける。

 手紙は届けられ、オネーギンはやって来るが「私は家庭の幸福には縁の無い人間なのです」とタチアーナは婉曲にあしらわれ、深く傷つく。

第2幕 ラーニン家の屋敷 冬
 後日、タチアーナの邸宅で開かれた舞踏会(エコセーズ、ワルツなどが演奏される)でオネーギンは招待され、一度はタチアーナと踊るが、退屈してしまい、その場にいたオリガを誘惑する。軽率なオリガもそれを受けダンスを何度も踊る。
 真面目なレーンスキーは二人の行動に我慢が出来ず、次第に二人に対し怒りを募らせ、ついにオネーギンに決闘を申し込む。

  そして翌日の朝の決闘・・・レースキーは美しくも切ない辞世のアリア〈今日の日は僕に〉を歌う
  オネーギンの弾丸はレーンスキーの命を奪い、オネーギンは放浪の旅に出る。

第3幕 サンクトペテルブルグ

  数年後オネーギンは放浪から戻り、ペテルブルグのグレーミン公爵邸の舞踏会(ポロネーズとエコセーズが演奏される)を訪れる。
 そこでオネーギンは公爵夫人となったタチヤーナに再会する。

 別人のように美しく洗練された彼女に一目惚れして激しく燃え上がる恋を告白する。「なぜ今になって」とタチアーナは動揺を隠せない。

 だが、彼女は現在の夫への誓いを思い、決然と彼を退けて、去って行くのだった。
   ゲネラル・パウゼ(全楽器の休止)
「この恥辱・・・ 憂鬱よ・・・ 惨めなわが運命よ!」がオネーギンの最後の言葉

演出:デボラ・ワーナー 
演奏:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮  ワレリー・ゲルギエフ

出演:
アンナ・ネトレプコ(タチヤーナ)、
マリウシュ・クヴィエチェン(エフゲニー・オネーギン)、
ピョートル・ベチャワ(レンスキー)、
オクサナ・ヴォルコヴァ(オリガ)、
アレクセイ・タノヴィッツキー(グレーミン)

上映時間:3時間47分
.MET上演日:2013年10月5日.
言語:ロシア語

( 感想 )
 
 やはり、このオペラはロシアの作曲家チャイコフスキーの作品であることに特色があります。
 オペラは、古くからイタリア、フランス、ドイツなどを中心に行われてきました。
 現に、チャイコフスキーは、歌劇「カルメン」を見て「この歌劇は、必ずや世界を征服するであろう」と予言し、この時の感動の火を常に胸の中で燃やしながら、この「エフゲニ・オネーギン」(1877年完成・・・ビゼーの死後わずか2年、カルメン完成後3年)を書いたといわれています。
 でも、ロシア語で書かれていたため、たいさくでありながら、ロシア以外にはなかなか広がりませんでした。イタリア語、英語、フランス語で翻訳されたものでは良く理解されません。
 やはり、ロシア語で歌われなれれば、美しさが伝わらないということです。最近はどの歌劇場にも翻訳の字幕が出るようになったこともあって親しみが増し、作品の良さが分かるようになって人気の演目になりました。
 チャイコフスキーのオーケストレーションは、白鳥の湖、眠りの森の美女、栗見割り人形の三大バレエでその舞踊音楽は折り紙付きですが、交響曲や管弦楽曲などで見せる悲劇性や叙情性の溢れる音楽は多くのオペラの中でも優れたものになっています。
 またプーシキン原作の韻文小説「エフゲニー・オネーギン」はロシアでは、国民が暗記するほど人気だということです。このストーリーをチャイコフスキー自身が台本化したものですが、プーシキンの人物像よりもチャイコフスキーのオペラの人物像の方が複雑で興味深いとドナルドキーンは高く評価しています。そして、類似するもののないチャイコフスキーの作品の中で最高傑作だと言っています。

 特にタチアーナ役のアンナ・ネプレプコは生粋のロシア人、言語だけでなく、ロシアの田舎の文学少女として心の豊かさを十分にかもし出しています。特に第1幕のオネーギンとの出会い、「手紙の場」の歌と演技は見事です。手紙を書いていて夜が明けて来るのは印象的なシーンになります。まさにヒロインとしての役割です。さすが世界の歌姫。
 そして、他の出演者、オネーギン、レンスキーにしてもロシア語を上手く歌いこなしています。
 第2幕では、レンスキーの悲劇が心を打ちます。ピョートル・ベチャワ演じる清らかなで真面目なレーンスキーのアリアは美しい。アンナ・ネトレプコもレーンスキーのアリアがとても好きだといっているようです。まさにこのオベラの聴きどころでしょう。
 第3幕はマリウシュ・クヴィエチェン演じるオネーギンがこれまで脇役として登場していましたが、初めてタイトルロールの役目を果たします。タチアーナへの愛に目覚めるからです。心に熱い炎が燃え。タチヤーナに猛然と恋心を打ち明けますが・・・タチアーナはオネーギンを振り払う。ここでの二重唱も迫力があります。
 ここに「オネーギン・コンプレックス」という言葉が生まれます。 

 そして最後に、世界をリードする指揮の巨匠ワレリー・ゲルギエフ。彼はロシア出身。
 チャイコフスキーは最も得意とする演目の一つ。
 加えて所属するマイリンスキー劇場でのオペラの筆頭演目でもある「 エフゲニー・オネーギン」を舞踏会シーンや悲劇性や叙情的な部分を名演奏で聞かせてくれました。
 やはり、このオペラを真に指揮するにはゲルギエフの他にはいないと言えるでしょう。

 内容のある素晴らしいオペラをおおいに楽しむことが出来ました。今後、この大作オペラは、数多く上演されることになるでしょう。


牡丹の花2020

2020-04-08 | 

 今年も牡丹の花の咲く季節となりました。ボタンの開花時期は4月20日から5月5日頃。今年の花はやや早めです。

中国の国花。新年を祝う花として中国の上流階級ではとりわけ珍重されたようです。


紅白のチューリップ

2020-04-05 | 

ご近所の赤と白のチューリップが、きれいに咲きほこりました。

チュ-リップはユリ科チューリップ属の花。開花時期は3月25日~5月5日頃。今年は咲くのが早いようです。

色は様々で、品種も多い。17世紀にオランダで「チューリップバブル」があったそうです。

花言葉も「華美、恋の告白、美しい目、魅惑、博愛、思いやり、真面目な愛」などなど。良い言葉ばかり。

小学校の低学年の絵には、チューリップの絵が多かったような気がします。今はどうなのですかね?

 


トーマス・アデス作曲 「皆殺しの天使」

2020-04-03 | オペラ・バレエ

トーマス・アデス作曲  オペラ「皆殺しの天使」は閉じ込められた部屋で展開する究極のハイコンセプト・スリラー!不条理映画の名作をオペラ化した傑作がMETで初演された(2017シーズン)WOWOW 2020-4-1 放送

オペラ「ランメルモールのルチア」帰りのホームパーティで、客間から出られなくなった12人の紳士淑女を待ち受ける地獄!巨匠L・ブニュエルが監督したシュールレアリズム映画の名作を下敷きにした現代オペラの極北である。
 緊張感あふれるスリリングな音楽は、本弁の開始ととに鳴る鐘の音、映画監督 L・ブニュエルの故郷のスペインの復活祭に使われる打楽器が舞台の裏で鳴る、人の声にも似るという電子楽器オンド・マルトノが鳴ると何かが起こる、1/32サイズのヴァイオリンの高音などを駆使し、超常現象で追い詰められた人々の心理をえぐる。
 ブリテンの再来といわれる現代屈指のオペラ作曲家、T・アデス自身が指揮をする。

演奏:メトロポリタンオペラ管弦楽団・合唱団 指揮 トーマス・アデス 
演出:トム・ケアンズ

出演:
オードリー・ルーナ・・・レティーシア
ジョゼフ・カイザー・・・エドムンド
アマンダ・エシャラズ・・・ルシア
サリー・マシューズ・・・シルヴィア
イェスティン・デイヴィーズ・・・フランシスコ、
アリス・クート・・・レオノーラ、           他

 登場の歌手達は、どの歌手も音域を拡げて歌うようになっているようだ。
 特にレティーシアは MET史上最高音 ハイA を出して歌う。

上映時間:2時間42分(休憩1回)
 MET上演日:2017年11月18日  言語:英語

《皆殺しの天使》のあらすじ

             パーティは初めは何事もなく始まる。

オペラ《ランメルモールのルチア》・・・そもそもドニゼッティのこのオベラは 狂乱オベラ の傑作として知られる・・・の帰り、ブルジョワ階級の知人グループ12名(ルチアを演じたソプラノ歌手、指揮者夫妻、医師、探検家、軍人など)がホームパーティにが招かれる。

だが邸宅の使用人は、執事を残して、みな屋敷を追われるように去っていた。ディナーが終わり、明け方になったが、一同はなぜか家に帰ろうとしても客間から出られない。時間が経つにつれ人々は憔悴し、水や食料も底を尽き、喧嘩や自殺が勃発する。

       レティーシアが歌を歌った後、外に出られるようになる。

 ソプラノ歌手レティーシア(ランメルモールのルチア・・・タイトルロール)が、この状況が始まった時、皆が何をしていたか再現してみようと提案し、その時を再現できた瞬間、一同はようやく自由になれる。

 それから先 だが災難はそれだけでは終わらなかった…。というのは映画だけのようだ。