めいすいの写真日記

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山口百恵主演 映画「潮騒」

2020-06-30 | 映画

1975年東宝制作    NHK BSシネマ2020.6.29

  三島由紀夫の青春小説「潮騒」の映画化。 山口百恵・三浦友和コンビ、西河克己監督による「伊豆の踊子」に続く第2作。舞台は、伊勢湾に浮かぶ小さな島、歌島(モデルは三重県鳥羽市神島)。

製作:堀威夫、笹井英男
監督:西河克己
原作:三島由紀夫
脚本:須崎勝弥
撮影:萩原憲治
音楽:穂口雄右 主題歌:山口百恵「少年の海」
時間 1時間34分

出演
宮田初江:山口百恵
久保新治:三浦友和
久保とみ:初井言栄
久保広:亀田秀紀
宮田照吉:中村竹弥
灯台長:有島一郎
灯台長の妻:津島恵子
千代子:中川三穂子
大山十吉:花沢徳衛
日の出丸船長:青木義朗
川本安夫:中島久之
ナレーター:石坂浩二

 中学を出るとすぐ漁船に乗り込み、母と弟の生計を助ける逞しい漁師・新次と、村一番の金持ち娘で、婿取りをするために呼び戻された美しい少女・初江。若い男女の身分を超えた素朴な愛を爽やかに描いた青春映画。

 嵐の夜、ずぶ濡れになった初江と新次が、島の小屋(観的硝)で互いに被服を剥ぎ取り、新次が初江に向かって燃えさかる炎を飛び越え、裸で愛を確かめ合うシーンが話題となった。(神島の観的硝とその周辺は、その後整備され、恋人の聖地として人気があるとか)

  映画のストーリーは三島由紀夫の原作にほぼ忠実に作られている。小説は中編であるが重要な場面は全て盛り込まれていると言っても過言ではない。
 山口百恵もみずみずしく好演している。また、三浦友和も素朴で逞しい役をこなしている。キャストも揃っている。

  三島由紀夫の小説は、「金閣寺」を初めとして、難解な部分も多いが、「潮騒」は読みやすく、素直な恋愛作品になっている。
 それは、「潮騒」を書く前に、三島が朝日新聞の特派員として約半年の世界旅行をしており、前々から行きたかったギリシャでの体験を書こうとしたことにもよる。
 そして 古代ギリシャの恋愛物語『ダフニスとクロエ』を下敷きにした日本の漁村の物語として書いたのが、この「潮騒」である。そのため、とても健康的である。
  この映画も、脚本や監督が小説を、素直に描写していて違和感はなく合格点である。
  小説「潮騒」を読んだ後、この映画を見る人がいても納得し感動出来るだろう。
  ナレーターの石坂浩二は安定していてとても良かった。最終シーンで小説の最後の文章をそのまま利用して語るのも好感が持てた。


立葵の花

2020-06-27 | 

立葵の花。葵科アルテア属。中国原産。6月から8月までが開花時期。暑い夏を感じさせる花です。

暑い時期に天に向かってどんどん伸びていきます。人の高さを超えることも。

一般には2年草。花穂の下から上へと順々に咲いていく「咲き上がる」性質を持っています。

こちらは八重の花。


山口百恵主演 映画「伊豆の踊子」・・・ 日本青春文学の傑作

2020-06-23 | 映画

                     1974年制作 NHK BSシネマ2020.6.22

大正末期、伊豆への旅に出た一高生の川島は、天城街道で旅芸人の栄吉一座と道連れになる。やがて若い踊り子、薫(かおる)との淡い恋が始まる・・・・。 
  川端康成の代表作の6度目の映画化で、当時15歳のアイドル山口百恵の初主演映画である。
 相手役、一高生川島には三浦友和が起用された。薫を演じる山口百恵の桃割れの髪結いと和服姿がよく似合う。本当に恋をしているからなのか、初々しく、可憐な感じが出ている。三浦友和も学生らしさと爽やかさを出して好演している。以後2人は次々と映画やテレビドラマなどでの共演を続け、ついには結婚へと至ることになるが、結果的に見事なキャスティングになり、良いコンビにもなった。

製作:堀威夫、笹井英男
監督:西河克己
原作:川端康成
脚本:若杉光夫
撮影:萩原憲司
音楽:高田弘

時間 1時間23分

出演
薫(踊子):山口百恵
川島(旧制一高生):三浦友和
のぶ(千代子の母):一の宮あつ子
栄吉(かおるの兄):中山仁
千代子(その女房):佐藤友美
百合子(雇いの女):四方正美
茶屋の婆さん:浦辺粂子
おきみ(酌婦):石川さゆり
ナレーター :宇野重吉

  見る前までは、どのような映画になるのだろうと思っていたが、
 小説に書かれている出来事を描写した部分の出来映えは予想を超えて素晴らしい。一高生川島と踊り子薫の淡い恋心がひしひしと伝わってくる。ノーベル賞作家、川端康成の名作をよく再現していると思う。

 しかし、小説に無い出来事を追加した分については疑問を感じずには、いられなかった。
(その1)
 湯ヶ野で、踊り子薫が手紙のやりとりで再会を楽しみにしていたおきみ(石川さゆり)。飲み屋につとめていたが、始めは探し求めたが行方が分からず、やっと探し当てたが、彼女はあばら屋で隔離され、結核?で死の間際にあった。薫が修善寺のお守りを渡し、元気づけようとするが、入ってきた飲み屋の女に追い出され、「いつまでいるとあんたもこんなことになるんだよ」といわれる。旅立ちの朝、おきみは死亡、お守りは踏みにじられ、棺おけが人夫、二人だけで運び出されて、人知れず山の中に遺体は葬られるシーンが映し出される。
  旅すがら、そのことを知らない薫は、景色の良いところで「おきみちゃん、早く治ってね-」と叫び、その声がこだまする。そして2度目の主題歌が流れる。・・・・・・。
 この話は湯ヶ野に入る前から薫が会うのを楽しみにしている様子が伝えられ、あまりに悲哀のある内容で行く末の悲劇を暗示する話には辟易とした。

 さらに、石川さゆりは「天城越え」を歌った大スター。こんな扱いをしていいのかな。山が燃えていない。

(その2)
 二人の波止場での別れのシーンの後の最終シーン。
 川島が懐から薫にもらった櫛を手に取る。すると「あんな者、どこで泊まるやら分かるものですか、旦那様、お客があればあり次第、どこにだって泊まるんでございますよ。今夜の宿のあてなんぞごさいますものか」と旅の始めの茶屋の婆さんの声。
 原作では「甚だしい軽蔑を含んだ婆さんの言葉が、それならば、踊り子を今夜は私の部屋に泊まらせるのだ、と思ったほど私を煽り立てた」とある。

 続いて踊り子薫が踊るシーン、背中いっぱいに刺青が彫られたヤクザものに絡まれ、抱きつかれて、背中の刺青が大写しにされて「終」となる。
 これまで、入れ積みをした男に抱きつかれるシーンなど無かったのに、なぜあえてここに出し最終シーンとしたのか?
 あまりにも旅芸人を卑下するやり方だ。川端康成は原作では、旅芸人一家をもっと温かい目で見守っていたと思う。
 私には、疑問を感じるどころか、せっかくここまで積み上げてきた素晴らしい映画が瓦解してしまうような気持ちになった。

 下田の波止場で、黙りこくっていた薫が離れた汽船の汽笛が鳴った瞬間、堤防にある灯台方向に突然走り出す。薫は始めは手を振っていたが白いものを振り始める。それに気がついて、川島は一高の制帽を振り、「おーい」、「おーい」と叫ぶシーン、ここで「終」となったら、どんなにか良かったろうと思う。
  脚本家が決めたのか監督が決めたのか、残念なことではあった。
 15歳で主役として初演し、かいがいしく熱演した山口百恵が気の毒に思えた。

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名作をポケットに 「伊豆の踊子」   NHK BSシネマ2020.6.22

                          映画監督 大林宣彦

 山口百恵主演 映画「伊豆の踊子」の直後に放映された30分番組

(番組の解説)
 旅芸人への淡い恋心を綴った川端康成の小説「伊豆の踊子」、主人公、私と踊り子との出会いと別れを描いた作品。
 康成が実際に体験したことを忠実に書いたものであると言われている。
 明治32年大阪に生まれた康成は15歳までに全ての両親を失う。その後上京し旧制一高に進学した康成は、孤独な生活でゆがんでしまったという性格に耐えきれず、飛び出すように伊豆に旅立つ。20歳(数え)、大正7年、秋深い11月のことだった。なお、踊り子薫は14歳

 この番組は私の「伊豆の踊子」 に持つ心情に近いものだった。川端康成の文章を解説する大林さんの言葉に共感できた。
 川端康成は、孤独で歪んだ心が次第に素直になっていくのを感じていたのだという。
  
 以下に記載したのは、大林さんが取り上げた、小説の中の文章(漢数字は章番号)

一 
    踊り子は十七くらいに見えた。私には分からない古風な不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵形の凜々しい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。   
 
  彼等を送り出してきた婆さんに聞いた。
 「あの芸人は今夜どこで泊まるんでしょう」
 「あんな者、どこで泊まるやら分かるものですか、旦那様、お客があればあり次第、どこにだって泊まるんでございますよ。今夜の宿のあてなんぞごさいますものか」
 甚だしい軽蔑を含んだ婆さんの言葉が、それならば、踊り子を今夜は私の部屋に泊まらせるのだ、と思ったほど私を煽り立てた


 女の金切り声が時々稲妻のように鋭く通った。私は神経を尖らせて、いつまでも戸を開けたままじっと座っていた。太鼓の音が聞こえるたびに胸がほうと明るんだ。
 「ああ、踊り子はまだ宴席に座っていたのだ。座って太鼓を打っているのだ」
 太鼓がやむとたまらなかった。雨の音の底に私は沈み込んでしまった。
 やがて、皆が追っかけっこをしているのか、踊り廻っているのか、乱れた足音が暫く続いた。そして、びたと静まりかえってしまった。私は眼を光らせた。この静けさがなんであるかを闇を通して見ようとした。踊り子の今夜が汚れるのであろうかと悩ましかった。

 彼に指ざされて、私は川向こうの共同湯の方を見た。湯気の中に七、八人の裸体がぼんやり浮かんでいた。
 仄暗い湯殿の奥から、突然裸の女が走り出してきたかと思うと、脱衣場の突鼻に川岸に飛び下りそうな恰好で立ち、両手をいっぱいに伸ばして何か叫んでいる。手拭もない真裸だ。それが踊り子だった。若桐のように足のよく伸びた白い肌身を眺めて、私は心に清水を感じほうっと深い息を吐いてから、ことことと笑った。子供なんだ。私達を見つけた喜びで、真裸で日の光の中に飛び出し、つま先で背一ぱいに伸び上がるほどに子供なんだ。私は朗らかな喜びでことことと笑い続けた。頭が拭われたように澄んできた。微笑がいつまでとまらなかった。
 踊り子の髪が豊かすぎるので、十七、八に見えていたのだ。その上、娘盛りのように装わせてあるので、私はとんでもない思い違いをしていたのだ。


  私の噂らしい。・・・・・・。顔の話らしいが、それが苦にならないし、聞き耳を立てる気にもならない程に親しい気持ちになっているのだった。暫く低い声が続いてから、踊り子の言うのが聞こえた。
「いい人ね」
「それはそう、いい人らしい」
「ほんとにいい人ね。いい人はいいね」
 この物言いは単純で明けっ放しなしな響きを持っていた。感情の傾きをぽいと幼く投げ出して見せた声だった。私自身にも自分をいい人だと素直に感じることが出来た。晴れ晴れと眼を上げて明るい山々を眺めた。瞼の裏がかすかに痛んだ。二十歳(はたち)の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に耐えきれないで伊豆の旅に出て来ているのだった。だから、世間尋常の意味で自分がいい人に見えることは言いよう無く有り難いのだった。


   艀(はしけ)が帰って行った。栄吉はさっき私がやったばかりの鳥打ち帽を必死に振っていた。ずっと遠ざかってから踊り子が白いものを振り始めた。

   涙がぽろぽろ鞄に流れた。頬が冷たいので、カバンを裏返しにしたほどだった。私の横に少年が寝ていた。河津の工場主の息子で入学準備に東京へ行くのだったから、一高の制帽をかぶっている私に好意を感じたらしかった。少し話してから彼は言った。
「何かご不幸でもおありになったのですか」
「いいえ、今人に分かれてきたんです」
  私は非常に素直に言った。泣いているのを見られても平気だった。私は何も考えていなかった。ただ清々しい満足の中に静かに眠っているだけだった。

(付記)私が読んで良いなと思った文章

 四  
 私はひとつの期待を持って講談本を取り上げた。果たして踊り子がするすると近寄ってきた。私が読み出すと、彼女は私の肩に触るほどに顔を寄せて真剣な表情をしながら、眼をきらきら輝かせて一心に私の顔を見つめ、瞬きひとつしなかった。これは彼女が本を読んでもらう時の癖らしかった。さっきも鳥屋とほとんど顔を重ねていた。私はそれを見ていたのだった。この美しく光る黒眼がちの大きい眼は踊り子の一番美しい持ち物だった。二重瞼の線が言いようなく綺麗だった。それから彼女は花のように笑うのだった。花のように笑うという言葉が彼女にはほんとうだった。

   五
   踊り子は道にしゃがみながら、桃色の櫛で犬のむく毛梳いてやっていた。
 「歯が折れるじゃないか」とおふくろがたしなめた。
 「いいの、下田で新しいのを買うもの」
 湯ヶ野にいる時から私は、この前髪に挿した櫛をもらっていくつものだったので、犬の毛を梳くのはいけないと思った。      


父の日の食事

2020-06-21 | 家での食べ物

父の日ということで、長男の家に招いてもらい、ご馳走してもらいました。

ローストビーフ、枝豆のポタージュ・スープ、スパゲッティのドリア風茄子あえ。蕗の薹の油揚のあえもの。

鰹入りのまぜ御飯、そして初めて飲んだ地ビール、志木ビール(SHIKI BEER)。

トウモロコシの天ぷら。初めて食べました。

お酒は、玉の光の純米大吟醸。「父の日のプレゼント」というので早速いただきました。

フルールの香りがする純米大吟醸はやはり美味しい。

デザートはグレープフルーツとパイナップルとナナデココのフルーツ。

そして、コーヒーとマドレーヌでした。

コロナこともあり、長男・次男一家。家族全員揃ったのは久しぶりです。

とても美味しくいただきました。


映画「老人と海」・・・ノーベル賞作家ヘミングウェイの代表作

2020-06-19 | 映画

 ノーベル賞作家のヘミングウェイの代表作「老人と海」。いまも、日本人の愛読書としても親しまれている。この小説は1952年に発表され、1958年に映画化された。
映画化は、ほぼ原作に沿って進められている。
 キューバの海辺で暮らし、84日もの間、不漁だった年老いた漁師サンチャゴについに巨大なカジキマグロが食いついた。その後の数日間にわたる格闘を描いた作品である。
 通常は二人で漁を行うのだが、助手だった少年も別の船に乗るようになり孤独な漁となっていた。彼の船は遠く沖合まで引っ張られてしまう、まさに死闘である。名優スペサー・トレーシーが風格ある演技で漁師を演じ、ナレーションもつとめる。この2つの役に違和感を感じないのは不思議なほどである。老人の漁師としての人生観とカリブ海の美しさが魅力的に描かれている。老人の世話をする少年の姿がすがすがしい。

サンチャゴには大きな魚だとは分かっていたが、やっと跳ねた時に自分の船よりも大きなカジキマグロと知って驚く。

原作 アーネスト・ヘミングウェイ
監督  ジョン・スタージェス
撮影 ジェームズ・ウォン・ハウ
作曲 ディミトリ・テァオキン
配役   サンチャゴ・・・スペサー・トレーシー 
   少年・・・フェリペ・パゾス
 
製作国 アメリカ
製作年 1958
原題  THE OLD MAN AND THE SEA
時間   1時間27分


富士見市立山崎公園の花菖蒲・・・2020

2020-06-17 | 

 埼玉県富士見市立山崎公園、毎年菖蒲田に美しい花菖蒲が咲きます。花菖蒲の時期には作業員の方がほぼ

1日中手入れをしています。

 これだけの菖蒲田を管理するには、日々手入れをしないと美しくは見えません。咲き終えた花をきちんと除去する

のも大切な仕事です。

 花菖蒲には、いろいろ名前がありようですが、ここでは銘板を付けてはいません。それがちょっと残念。

多くの花の中でも、以外に黄菖蒲は目立ちます。


「雨月物語」・・・ 巨匠・溝口健二監督作品、ベネチア映画祭銀獅子賞を受賞

2020-06-15 | 映画

巨匠・溝口健二監督が、戦国時代を舞台に、人間の欲望がもたらす悲劇を幻想的な映像美で描いた傑作。1953年作品 2020.06.13 BS4K

(出演)
宮木・・・田中絹代
朽木屋敷の姫、若狭・・・京マチ子
阿浜・・・水戸光子
源十郎・・・森雅之
藤兵衛・・・小沢栄太郎

監督・・・溝口健二
撮影・・・宮川一夫
原作・・・上田秋成「雨月物語」から「浅茅が宿」、「蛇性の婬」
上映時間・・・96分 

戦後時代 ある年の早春 近江国琵琶湖の北岸の農村

貧しい農民の源十郎(森雅之)は畑仕事の傍ら、焼き物作りを行っていた。賤ヶ岳の戦いを前に羽柴秀吉が占領した長浜が賑わっていることを知った源十郎は妻の宮木(田中絹代)と子を残して、大八車に焼き物を積み長浜に向かうことにする。

義弟の藤兵衛は、妻の阿浜(水戸光子)の止めるのを振り切り「侍になりたい」と源十郎に付いていく。「刀も、槍も握ったことのないくせに」との罵声を浴びながら・・・

長浜から帰った源十郎は、陶器が売れたと大金を持って帰ってくる。

源十郎は妻と子供に美しい着物を買い与え、普段は手にすることの出来無い酒や食べ物を手に入れる。宮木は「着物を買ってくれた貴方の心が何よりも嬉しい」という。
 一方、藤兵衛は長浜で侍を志願するが「具足も槍も持たないものなどようは無い」と追い返される。

宮木はろくろを回す。源十郎は戦争が続くうちにと必死で陶器を作る。

藤兵衛も「具足と槍を買う」必要があり、何としてもそれを買うための金が欲しいと人が変わったように陶器作りの手伝いに精を出すすることになる。
「家族が幸せにさえ暮らせれば」と手伝う女性達、宮木と阿浜はつぶやく。

 もう少しで窯の火を落とす時期に来るというところに運悪く、柴田勝家の軍勢が近づいてきた。男は人足として徴用され、女は乱暴され、食料と物資は強奪される。村の人々は山へと逃げ出す。

戻ってくると窯の火は消えていたが焼き物は綺麗に焼けて残っていた。
 源十郎と宮木と子ども、藤兵衛と阿浜は裏道を使い、陶器を運び出し、琵琶湖畔に出て使える廃船を探し出し、船の漕ぎ手の経験のある阿浜が櫓を漕いで対岸の丹羽氏の城下である大溝に向かう。湖は霧が出て美しい光景となっていた。途中で海賊に襲われた瀕死の男に出会う。そこで、宮木と子は、湖畔に引き返し、村に戻ることにする。大溝で源十郎の焼物は飛ぶように売れた。分け前を手にした藤兵衛は、、阿浜を振り切って逃げ、具足と槍を買って兵の列に紛れてしまう。

  一方、焼き物を売る源十郎の前に現れたのは、どこの姫君かと思われる美しい女性 若狭(京マチ子)だった。

「雨月物語」の奇異幻性は現代人の心にふれる時さらに様々な幻想をよび起こす。これはらそれらの幻想から新しく生まれた物語です。

 映画の冒頭にこう述べられますが、ここからが幻想の物語に入っていきます

宮川一夫の撮影はワンカット、ワンシーン・・・長回しを多用しています。このため、役者の緊張感や映像の臨場感を維持し続けることができるという効果がでています。

   陶工を演じる森雅之、その妻を演じる田中絹代、そして京マチ子の姫を演じる妖艶な魅力が強烈な印象を残します。

 溝口健二監督は田中絹代に好意を持っていたらしく、宮木が丁寧に描かれていると感じました。


コロナ 「特別定額給付金 支給決定兼振込通知書」が届く

2020-06-14 | その他

この欄で「特別定額給付金のオンライン申請・・・パソコンで実施、一発完了。」

として載せました。https://blog.goo.ne.jp/mizukawa-tomo/d/20200514

それから、ちょうど1ヶ月になります。

そうしたら、今日6月14日(月)に「特別定額給付金支給決定兼振込通知書」(圧着葉書・・・送付日12日)が

志木市長名で届き、「振込日は、令和2年6月15日」となっていました。

時間はかかったけれど、指定の口座にようやく支払ってもらえることになりました。

とりあえず、支払日が決まっただけで一安心。

時間がかかりすぎるとか、いろいろと、あったようですが、志木市役所の皆さん、とりあえずご苦労様。

おとなしく待っていた甲斐がありました。・・・待てば海路の日和あり・・・

まだまだ、文書での申請分が残っているようですので頑張ってください


新河岸川遊歩道のあじさい・・・写真と動画

2020-06-12 | 自然の風景

 埼玉県志木市の新河岸川、富士下橋の下流右岸の遊歩道には6月上旬から中旬にかけて
あじさいの群落が見られます。今がちょうど見頃です。

小型のカメラを持ち自転車に乗って、動画を撮影しました。

赤、紫、いろいろと咲いています。

青は、遊歩道の右側に多く咲いています。


ホテルレジーナ河口湖・・・富士山と懐石料理(2020年6月)

2020-06-09 | 外での食べ物

 ホテルは富士のすそ野に位置し遮るものが無いので、富士山がとても美しく見えます。しかし、この日はすぐそばの河口湖インターまで、富士山には靄がかかり、かろうじて見えるか見えないかの状況でした。
 でも、8階の部屋に案内されてみると、思ったよりもよく見えました。富士山好きの女房もにっこりです。

    今回の目的は法事(富士霊園)のためでした。

 私たちはこのホテルのリピーターで、今回で10回目、昨年7月にも訪れました。富士山・河口湖を訪れる外国人は年々、増えているようです。特に今年はオリンピックも予定されていたので、早めに申し込みました。ところが新型コロナウィルスのため、状況は一変してしまいました。5月の23日にやっとオープンしましたが、泊まったこの日は宿泊客は5グループだけだったようです。
  新型コロナウイルス対策はしっかりと行われていて、入館する時に体温を測定(リモートセンシング)されました。こうしたことをされたのは、初めてでした。当然とは言え、手には消毒液を吹き付け、フロントはシールドされていました。またホテル内はマスクの着用を義務づけられました。レストランに入る時も消毒液を使い、配膳の人は、フェイスシールドしたり、手には薄い手袋をしたりして随分神経を使っていました。

  夕食はホテル内のレストラン「樹海」。ホテルの前には富士山の樹海が広がっているので良い名前だと思います。食事は懐石料理で、これまで同様、満足できる内容でした。

席のすぐ脇にミニ・ミニ盆栽が置いてありました。苔むしていて雰囲気が出ていました。

先 附(左) 豌豆ゼリー寄せ 鮑磯煮、蟹身、水前寺海苔、小口オクラ 美味出汁
前 菜        紫陽花百合根饅頭(フォアグラ入り )
               才巻蛇籠蓮根、蛙蚕豆艶煮
               子茗荷寿司(すし飯、切り胡麻)
               枇杷玉子(黄身寿司、煎り卵、牛蒡素揚げ)

御 椀  氷室水無月糝薯 湿地茸、蓬麩、木の葉人参、青柚 

御造り  氷鉢盛り 活き鮃重ね造り 鮪、甘海老、縒人参、大葉、紫芽、山葵

焼 物  鱸塩焼ライム被せ 
             鶏松風、秦九十煮、隠元利休和え、拍子長芋、山桃、はじかみ

小茶碗   ずわい蟹玉地蒸し、蟹身、百合根、蟹蒲鉾、木耳、銀餡、露生姜

揚 物  鱧玉蜀黍月冠、海老コーンフレーク、帆立磯辺黄身揚、南瓜薄衣、青唐
             赤卸し、出汁

煮 物(左)  冬瓜含ませ、小茄子オランダ煮、長芋白煮、蛇の目人参紅梅煮
        スナップ豌豆、敷き胡麻餡、木の実、  

 香 物 (右) 胡瓜糠漬、赤柴漬、白瓜鉄砲漬
 食 事          麦御飯、とろろ、青海苔

水菓子   クインシーメロン 西瓜、キウイフルーツ

 デザート  抹茶アイスクリーム、自家製水羊羹

 献立表のちょっと読みにくい漢字を見ながら、素材を吟味して食べるのは、味わいが増します。ひとつひとつの料理は少量ですが、時間をかけてたベルト十分な量に感じます。これが懐石料理の良さでしょうか・・・。

朝食

 いつもは、朝食はビュッフェ形式なのですが、新型コロナウィルス対策として、一人用のセットとなっていました。和食コースと洋式コースがあり、私は洋食コースを頼みました。

 今回の旅は、車を利用しましたが新型コロナについて多少の心配はありました。しかし、ホテル側がしっかりとした対応をしてくれたので、安心できました。感謝しています。

 今回の行程で富士山が最もよく見えたのが、富士吉田インター。この先20分ほど走ると姿がほとんど見えなくなりました。


サン・サーンス作曲「サムソンとデリラ」

2020-06-08 | オペラ・バレエ

 旧約聖書に基づくドラマティックな物語を絢爛たる音楽で綴った傑作、2009年《カルメン》で旋風を巻き起こしたE・ガランチャ&R・アラーニャのカップルが、再び誘惑する女&破滅する男に扮して激しくぶつかり合う話題作。オペラ史上最強の誘惑のアリア〈あなたの声に心は開く〉が聴きどころ

作曲:サン・サーンス
演奏:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮マーク・エルダー
演出:ダルコ・トレズニヤック
出演:デリラ・・・エリーナ・ガランチャ、
   サムソン・・・ロベルト・アラーニャ、
   大司教・・・ロラン・ナウリ、
   ヘブライの長老・・・ディミトリ・ベロセルスキー、
   ガザの太守アビメレク・・・イルヒン・アズィゾフ

上映時間:3時間20分(休憩2回)
MET上演日:2018年10月20日
言語:フランス語

《サムソンとデリラ》のあらすじ

(第1幕)
 紀元前12世紀、パレスチナのガザの街。ベリシテ人に征服されたヘブライ人たちが神に祈っていると、サムソンが現れ、神から霊感を受けたと告げて、人々を鼓舞する。ガザの太守アビメクレクがサムソンに切りかかるが、逆にその剣を奪い彼を殺してしまう。ペリシテ人はサムソンを恐れ、ガサを去るが、勝利の祝いの席に、ダゴンの神殿からデリラが現れアリア「春は目覚めて」を歌い、サムソンを誘惑する。ヘブライの老人がサムソンを諫めるが、サムソンは彼女の魅力にとりつかれる。

ガザの太守アビメクレク(右)がサムソンに切りかかるが、逆にその剣を奪い彼を殺す

デリラは「春が始まり、恋する心に 希望を運ぶ」と歌う

(第2幕)
 クレソの谷の家の前でデリラはサムソンを待ちながら「恋よ、弱い私に力を貸して」と歌う。
 大祭司が現れ、二人は復讐のために手を結ぶことにする。サムソンが彼女の家にやって来て神に背いても愛すると言うと、デリラは有名な誘惑の歌「あなたの声に心は開く」を歌う。彼女の家の周りをペリシテ人の兵隊達が取り囲む。デリラの執拗な要請により、サムソンは自分弱点である「長い髪にあること」を話してしまう。

「愛の神よ 弱い私を 助けに来ておくれ 彼の胸に毒を注ぐのだ 明日サムソンが鎖で繋がれますように!」とデリラは歌う

「私の心は 貴方の声に開くの 夜明けの口づけに 花が開くように!」とこのオベラの白眉の誘惑のアリアが歌われる。

デリラはサムソンから秘密を聞き出し、右手にサムソンの切り取った長い髪を持ってペリシテ人の兵隊を鼓舞する。「裏切られた!」とサムソンの声

(第3幕)
 サムソンは目を潰され、鎖に繋がれ、粉挽きをさせられている。サムソンを捉え、再び勢力を取り戻したペリシテ人は宴を開き、美しい合唱や「バッカナール」に合わせたエキゾティックなダンスなどが行われている。
 自分を犠牲にしてヘブライの民を救おうとサムソンは祈る。ダゴンの神殿でデリラはサムソンに真相を告げる。多くの屈辱的な言葉を浴びせられるが、神殿でサムソンが祈り続けると、力が蘇り、神殿の柱が崩れ落ち、ペリシテ人は下敷きになる。

目をつぶされて鎖につながれ、粉を挽くサムソン「われらのために何をした 彼は女のためにわれらを売った」というイスラエル人の天からの声が聞こえてくる

ペリシテ人の神殿では、「バッカナール」に合わせてエキゾティックなダンスなどが行われる

 サムソンが祈りを懸命に捧げると、祈りが主に通じ、ペリシテ人の神殿は崩壊する

 上演回数が少ないオペラでありながら、スペクタクルに演出されていたと思う。特に、デリラの衣装が豪華で見応えがある。宝石も多く散りばめられているようでガランチャも気に入ったようだ。衣装を担当したリンダ・チョーに拍手を送りたい。それが原因かどうかは分からないが、ガランチャの歌声も伸びやかで迫力十分だった。サムソン役のアラーニャも実力通り熱演し、このオペラを盛り上げる。
 ただ、ダルコ・トレズニヤックはブロードウェイでトニー賞の演出家ということだが、旧約聖書の時代を彷彿とさせるような重厚な舞台を設定してもらいたかった。ちょっと近代的すぎる感じがしたのは少々残念であった。

 幕間のインタビューでデリラも大司教も「私は悪役」といっていた。旧約聖書に題材を取っているので、ダコンの神を信じるベリシテ人は異教徒であると考えているのだろう。


映画「サイコ」・・・ヒッチコック監督作品

2020-06-05 | 映画

映画「サイコ」・・・ヒッチコック監督作品                NHK BS シネマ 2020.6.3

 巨匠フルフレッド・ヒッチコック監督が、映画技法を駆使して描くスリラー映画の最高峰。1960年の作品でモノクロ作品であるが、画面はシャープで美しい。名作曲家バーナード・ハーマンの感情を切り裂くような旋律も効果絶大である。ジャネット・リー、アンソニー・パーキンスの演技も見事で緊迫感を作り出す。

 恋人のために会社の金を横領した女マリオンが、土砂降りの雨の夜、さびれたモーテルで出会ったのは・・・。映画史上の名場面として知られるバスルームでのシーンやアーボガストが階段下に転落するシーン、あっと驚く展開、今も世界中の映画作家に影響を与え続けている傑作である。

ア-ボガストはホテルとは別棟の住居の2階の窓に女性の姿を見る

【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【原作】ロバート・ブロック
【脚本】ジョセフ・ステファノ
【撮影】ジョン・L・ラッセル
【音楽】バーナー・ハーマン
【出演】ノーマン・ペイツ・・・ アンソニー・パーキンス、
    マリオン・クレイン・・・ ジャネット・リー
    ティラ・クレイン(マリオンの姉)・・・ペラ・マイルズ
    サム・ルーミス(マリオンの恋人)・・・ジョン・ギャピン
    ミルトン・ア-ボガスト(私立探偵)・・・マーティン・バルサン


【制作国】  アメリカ
【製作年】  1960
【原題】PSYCHO
【備考】英語/字幕スーパー/白黒 

 サスペンス映画として60年前とは思えないベーシックな構成力を今も有している。
 スリルもあり、予想もしない最終の謎解きも納得がいき、感動的であった。


柏葉アジサイの花

2020-06-03 | 

いつものサイクリング道路。小さな堤防の法先(のりさき)に植えられている柏葉あじさいが咲き始めました。

花の色は白。葉の形が柏の形に似ているから名が付きました。

梅雨が近づいてくると咲き始めます。

雪の下科アジサイ属の花で、ボリュウムのある木に育ちます。花期は5月末から7月。原産地は北米東南部。

円錐状に最初は上に向かって咲きますが花が沢山開き、重くなると下向きになり、やや茶色身を帯びます。6月29日撮影。花期は長いですね。