water steppe memo

日々、考えていることをここに記します。
ブログと呼ばずに「日記」としたいところです。

ほかの道があるようにしていきたいものです 2015年の皆様へ

2015年12月31日 16時01分49秒 | 真面目な話
ここ数年、ペット界隈の事でいろいろ考える機会が多く、その一つの答えとして「ホノミネオオヤマネコは何故消えたか」を書いたりしていました。私の周りにもペットを飼っている方がいらっしゃるわけですが、その多くはかなりちゃんと世話をしていらっしゃいます。しかし、希少動物が絶滅しかかっているというところまで大きくせずとも、我々の身近にあるところのいわゆる殺処分の話を調べてみますと、年々減ってはきているものの、よく考えたら物凄い数の犬猫が処分されているわけですね。これ等に危機感を持って
「ペットは責任をもって飼いましょう」
とおっしゃる方のお気持ちは極めてよくわかりますし、このあたりの法律であるところの動物愛護法の趣旨もそうでしょうし、私も同意するところでございます。

とはいうものの、調べるとかなり原理主義的と言いますかなんといいますか、
「ペットを飼う人間は、如何なる事象が発生してもペットを最優先にすべきである。」
「最優先にできない人間はペットを飼うべきではない。」
「リストラされたは、ペットを飼えなくなる理由にはならない」
とでも言わんかのような言説をお見掛けする事もあって、そこまで行っちゃうとなんだかもやもやしたりしませんでしょうか。飼うからには自分の人生を棒に振ってでもペットを優先せよ、と言われると、どうしてもうーんうーんとなりますよ。
昨今の経済状況や世界情勢を引き合いに出すまでもなく、基本的に人生は何があるかわからないわけです。さすがに戦争に巻き込まれる可能性は低いかもしれませんが、被災して家がなくなる可能性はあるでしょう。勤め先が無くなったり仕事が上手くいかなくなったり、自分が大きな病気したりなんだり、何かの拍子にペットを飼う環境が維持できなくなったりする可能性があるわけですよ。そういう状況になってもペットを最優先できる人じゃないと飼ってはいけませんとなると、ほとんどの方は対象から外れないといけなくなると私は思うわけです。いや、命を預かるとはそういう事なんだというお気持ちはよくわかります。よくわかりますけども、そこまで原理主義的にする必要があるのかなあ、と。

以前、捨て猫の処分方法(そういう言い方が正しいかどうかはおいておいて)を間違って話題になったニュースがありました。個人的な感情として、生きていたともいわれる猫を埋めてしまうのは、確かにそれは無いよと思う気持ちも理解できます。でも、それが果たしてその人の人格を全否定するような罪だったのかというと、それも無いんじゃないかと思ったわけです。動物愛護法の趣旨の一つは、ペットを飼い始めたら天寿をまっとうするまで飼い主が面倒みるべきというところにあると思われ、捨て犬捨て猫にかかわった人が、最後まで世話をするべきであるという事にはなっておりません。関わった人が無限の自己犠牲を強いられても最後まで面倒を見なければならないとか、関わった人が法的/社会的なな知識不足または勘案すべき周辺事情からからやってしまった(法的には)些細な過ちに対し
「人でなし」「職を継続する資格なし」
と、それまで積み上げてきた人生を否定するような侮蔑の言葉を投げかけられるのだとしたら、もうこれは祟りでしょう。動物の祟りは、無責任に捨てた人に対してではなく、関わってしまった人に向かうっていうのなら、かなりきつい話になっちゃうわけです。捨て犬捨て猫でこうなのですから、いわんやペットをやでございます。ペットと人間の関係って祟る祟られるの関係なんでしたっけ。

そうするとやっぱり、飼えなくなってしまった場合にどうしたらよいかっていう、ほかの道があるべきだと思ったりするわけです。昔も今も、そういう志を持ってやってくださってる譲渡会のようなものがメインですが、現代はSNSがありますので、そういうの経由で新しい飼い主を探すことってできますから、動物をを愛する者の一人として、その流れを大切にして行きたいなあと感じる次第なのでございます。もちろん、一定の箍は必要ですが。

で、長々と書いてきたのですが、けっきょくやっぱりいろいろな分野・状況において、
「ほかの道を行けるように」
しておきたいなあと思うわけですし、そういうほかの道を用意できる社会であったら良いのではないかと思うわけなのでございます。物事を最後までやり遂げる事の大切さは理解したうえで、上手くいかなかった場合に、そこで詰まってしまわないような別の道があるべきと思いますし、かつて別の道を進んで戻ってきた人に対しても、お帰りと言ってあげられるような状況を維持していきたいわけでございます。

以上、そんな感じで大晦日、みなさま今年もお世話になりました。
来年もこれに懲りずにお世話をよろしくお願いいたしますね。


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