こんばんは。
藤原です。
今日は、中学校演劇部、自主公演の発表会だった。
実は最近全然部活に伺えず、この稽古にも参加できず、ただただ一お客として観にいった。
部長副部長の二年生2人による、
『かもめ』
湖の畔に住むニーナが、トレープレフに誘われ文芸部に入ったことをきっかけに、小説家として大成する、という本家『かもめ』を大きく改作したもの。
舞台面にはパイプ椅子がアーチ状に並べられ、点在する椅子の色んな場所に座りながら時間がすすみ、二人の心の距離も変化していく。
文芸部に入っていたころ応募した文芸賞で大賞を受賞し、〝都〟へと旅立ったニーナ。
そして、ニーナを文芸部に誘ったはいいものの、自分の才能のなさに気がついてしまったトレープレフ。
〝都〟で頑張って小説をたくさん書くが、書くごとに書くことに追われ、自分より秀でた人達の存在をしり、どんどん不安になっていくニーナ。
一方トレープレフは、ニーナと別れてから小説は書かなくなり、勉強に専念した。しかし、勉強を頑張って頑張って頑張って、成績は上がっていくが、心の隙間はうまらない。
そんな二人のやりどころのなさが、細かいモノローグをテンポよくシンクロさせる形で展開する。
そして、また、湖の畔に帰ってきたニーナ。
再会を果たしたニーナとトレープレフが、またそれぞれの道へと進む、というシーンで終わる。
アーチ状に並べられた椅子は、湖の水面に見え、
点在する椅子に腰掛ける二人は、とても美しかった。
部長と副部長のこの二人は、まだ2年生ではあるが、演劇部を辞める。
後に三年生を送る会で同じものを発表するが、それは三年生と保護者しか見れないので、
学校の中でこうやって公演を打つのは、彼女たちにとってこれが最後だ。
上級生の、受験と部活の両立が大変そうだ、というのが理由らしい。
昨年、睡眠時間数時間でヘロヘロで学校、学校のイベント、部活、塾をめまぐるしく駆け抜ける三年生たちを間近で見て、本当に大変そうだな、、と思った。色々自分で選択したことではあるだろうけど、いつも何かに追われていて、可哀想な気持ちだった。
私が最初に2人に出会ったのは彼女たちが一年の時。そこから、一人はいつのまにか脚本を書くようになり、もう一人は、部活の中で一番と言っていいほど芝居がうまくなった。成長が見ていて楽しく、また、時折書いた本を「かなさーん」と見せてくれるのが嬉しかった。
そんな2人の今回の『かもめ』は、とても素晴らしいものだった。
辞めるのは、とても惜しい。
というか、わたしが寂しい。こうやって書いちゃうくらい結構寂しい。
そして、もしかしてもっと私が関われていたら、もっと私が演劇楽しいやんね、という空間を作れていたら変わっていたかしら、、、と、
少し振り返り、今後の自分の関わり方も、改めて考えようと思った。
今回のトレープレフの台詞の中に、
僕たちは勉強をしなくちゃいけないんだ、
というような台詞があった。
彼女たちのやり場のない葛藤が込められてるように見えた。
二人とも、お疲れ様。
素敵な作品をありがとう。
そして、演劇部に入ってくれて、出会えたことに感謝です。
ふじわら
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