第4シリーズ
1話「標的の行方」
マイクに発砲してケガさせた銀行強盗を追ってよその町に来たジェスは、その町の厩舎に働く黒人と協力して犯人及びそのグルの悪徳保安官と対決する。
主犯の憎たらしさはかなりのものだが、ストーリー的には外れ。
2話「戦争の英雄」
スリムの元上官で次期大統領候補になった軍人が、ララミーの町の党員集会に出るためにシャーマン牧場に立ち寄るが、身内の選挙参謀に雇われた殺し屋たちから命を狙われる。
スリムとジェスの活躍がほぼ均等の回。ゲストの軍人は実は初期の傑作「星の行方」の保安官の人。ステージママならぬステージドーターの娘が印象的。敵の中の人は、3シリーズの「命がけの夜」の敵と同じ人。内容はまあオマケしてやや当たりに近い普通か。
3話「財産目当ての男」
金持ちの娘をひっかけて後で父親から手切れ金を取る一種の結婚詐欺師が、駅馬車会社重役の娘でスリムの恋人である女に目をつけて行動を開始する。しかし、実は娘にとってあくまで本命はスリムで、詐欺師の男のことは当て馬のつもりだった。内容的には普通。
4話「過去の影」
死んだと思われていたジェスの姉が登場。姉の夫は悪党兄弟に命を狙われているため、保安官代理のジェスは姉の夫を死んだことにして牧場にかくまうが、悪党兄弟はなかなか諦めない。当たり。
以前の「急ぎすぎた正義」(「前科者」)のおじさんが町の人としてモブ的に出てきている様子。
5話「長い道のり」
いわゆる「連行もの」の「呉越同舟もの」。駅馬車強盗に奪われた紙幣を持っている若者をスリムが捕らえて連行する、その過程で金鉱探しの男や若者の婚約者が現れ、やがて強盗一味も金を隠した廃鉱に現れる。
2シリーズの「金貨の行方」のラストに出てきておいしいところを持ってった男(の中の人)が、今回もまた、おいしい場面で持ってく役で登場。
ジェスの出てこない完全なスリム回だが、評価はややオマケして当たりに近い普通。
6話「失われた誠実」
牧場の牛を盗んだ泥棒を追ってきたジェスは、砂嵐の中、倒木でケガをし、旧知の男に救われる。ところが、その男こそ牛を盗んだ首魁だった。さる集落に身をよせたジェスは自身が牛泥棒と誤解され、誤解を晴らすため、旧知の男と決着をつけるべく追う。
ロッド・キャメロンの、実に5度目(?)の登板だが、残念ながら、やや外れに近い普通か。
7話「射撃大会」
DVD収録回。
田舎から恋人と出てきたホビーは、ララミーの町の射撃大会で見事に優勝したが、スリムに恨みを持つ悪党にだまされて、賞金を根こそぎポーカーで巻き上げられてしまう。
スリム回だが、序盤はスリムとジェスの出番が均等で、(本筋に関係ない)ジェスの見せ場もちゃんとある。とにかく単純明解なわかりやすい話なので、当たりとして指を屈しても良さそう。
8話「ダブルイーグル」
金貨を奪って逃走中の強盗団をジェスと保安官とが町の自警団を臨時編成して追跡する。
各自のキャラとそれぞれの思惑をグランドホテル形式で綴る呉越同舟旅路型の回だが、全体的にはやや外れに近い普通か。
9話「正義の向こう側」
逮捕された悪徳議員とその議員の味方のふりをして実は議員を殺そうとたくらむ悪徳弁護士のだましあいと双方に利用される女性運動家の弟子を装う女。
ジェスは本筋に絡まないスリム回。話がわかりにくいので外れ。
10話「悪党の息子」
ジェスの旧知の女性が息子をその父親のもとに連れていく途中で死に、ジェスが代わりに引率していくことになるが、父親というのは実は賞金首のお訪ね者で、ジェスもそのアジトで拘束されてしまう。
実質ほぼ完全なジェス回。普通。
11話「反逆者の宿命」
牧場主の息子が馬車の事故で大ケガをし、シャーマン牧場で馬車を待っていた医師がたまたま駆り出されるが、息子の容態は悪く、腕を切断するしかなかった。その処置に父親の牧場主は怒って逆恨みして医師を殺そうとする。その医師は実はリンカーン暗殺犯を幇助した罪に問われた過去を持っていた。
ゲストの医師は、『西部戦線異状なし』(1930)、『ジョニー・ベリンダ』(1948)のリュー・エアーズ。ジェスはまったく登場しない完全なスリム回。普通。
12話「決闘」
またララミーの保安官代理になったジェスと保安官に憧れる新婚の若者が強盗三人組のうちの二人と対立し対決する。まあ普通か。
スリムの出てこない完全なジェス回(それどころかマイクもおばさんも出てこない)。悪役の憎たらしさはなかなかのもので、保安官事務所に留置されクライマックスで重要な役割を果たす(クラシック指揮者のような風貌の)ケンカ好きの牧師のキャラがいい。
13話「欲望の銃弾」
牧場主の息子が、牛を売った代金を巻き上げられた上に殺されたことから、同行者としての責任を感じたスリムがその町に行く。スリムは、町を牛耳るボスとその弟とトラブルになり、そのまま保安官助手として町に残り、金を巻き上げたイカサマ師を追おうとするが、イカサマ師が仲間割れして失くした金(銀行強盗で得た金)を、よりによって町の保安官が着服しようとする。
後半は初期の傑作「星の行方」を彷彿とさせる。ややわかりにくい話ながら、一応普通ということでいいか。
14話「敵討ち」
逃亡中の殺人容疑者をジェスが銃撃戦で殺してしまうが、その容疑者は盗みはしたが殺人はしておらず、ジェスは容疑者の婚約者から恨まれる。そして、死んだ容疑者の兄弟という悪党がジェスを殺しにやってくる。
悪役の一人がリー・ヴァン・クリーフ。悪役の憎らしさはなかなかで、それが撃たれるときのカタルシスもなかなかなので、やや当たりに近い普通か。
15話「父の思い」
かつて妻を不幸に死なせたことで娘に家出された実業家が、娘を探し出すが、娘は悪党の情婦になっており、父を撃ち、さらに駅馬車強盗の片棒を担ごうとする。
後半はシャーマン牧場立てこもりの展開となるスリム回。評価は一応普通か。
16話「裏切り」
よその町でまたも冤罪で捕まるジェス。町ではジェスの旧友が仲間と強盗を企画しており、ジェスは銀行強盗計画から保安官の目をそらすための陽動作戦に利用される。デイジーおばさんと旧友の恋人の力を借りて、ジェスが自ら主犯を追う。
まあまあわかりやすいところがいいが、評価は普通。
17話「結婚披露宴」
スリムのかつての戦友で強盗団の首領になった男が、別れた妻ステイシーの再婚の結婚式を邪魔すべく襲撃すると宣言。スリムはステイシーとその父、再婚相手を訪ね、迎撃の準備をする。
未練を断ち切るための荒療治として思い出のものを燃やすという発想は何だか『気になる嫁さん』(1971〜1972)25話のラーメン屋台みたい。
ほぼ完全なスリム回。話の流れは決してわかりにくくはないが、何となく感情移入しにくくて、やや外れに近い普通。
18話「逃げ場なし」
先住民との小競り合いを機にジェスと知り合ってシャーマン牧場にやってきたガンディなる男は足を洗った元金庫破りだったが、昔の仲間たちの策略で冤罪に陥り、それを救おうとしたジェスの努力も虚しく、また金庫破りに戻りそうになってしまう。
なかなか感情移入しやすく、当たりと呼んでよさそう。
ガンディを逮捕する悪徳保安官の中の人は、3シリーズの「保安官の後任」のハレックをはじめ、3シリーズの「裸足の少年」の改心する保安官、2シリーズ最終話「白いドレスの夫人」の保安官と、それぞれ別の、一癖ある保安官で何度も出てた人(2シリーズの「闇夜の男たち」の隻眼の獣医でもある)。ゲストヒロインに、後の大女優、エレン・バースティンも。
19話「逃げる者たち」
強盗一味を追っていて撃たれたスリムを救出すべく、ジェスが一味の容疑者を捕まえてスリムがどこで倒れているかを聞き出そうとし、容疑者の姉を呼んで来て説得させようとするが、口を割らない。そこで、スリムの倒れている場所を教えるのと引き換えにいったん留置場からこっそり釈放し、改めて行方を追う。
犯人の憎たらしさはかなりのもので、オマケしてやや当たりに近い普通。
20話「奪われた者たち」
スリムとジェスが馬の売買に行く途中に出会った放浪一家は馬泥棒一味か、あるいは先住民に武器を横流しする連中か。馬を盗られた主戦派の被害者たちをなだめながら、スリムとジェスは平和的仲介を主張し、ジェスは放浪一家のところに説得に行く。
久々にスリムとジェスが一緒に活躍する回だが、話としては残念ながらやや外れに近い普通。
21話「家名と泥」
シャーマン牧場で駅馬車会社の人が三人組の強盗に撃たれて金を奪われ、ジェスも撃たれる。スリムが三人組の強盗を追い、そのうちの一人ハンクを(正当防衛で)射殺するが、ハンクの母親は息子が強盗をしたとは信じず、スリムを逆恨みし、スリムに私的に賞金をかけようとする。
母親の憎たらしさ(というより愚かしさ)がかなりのものなので、ムカついて感情移入しやすい回だが、評価はまあ普通か。
22話「暴力的な男たち」 別題「荒くれ二代」
DVD収録回。
かつて保安官代理をしていたジェスに逮捕された男の長男が(父親はジェスを恨んではいないのに)ジェスを恨んで執拗にケンカを売り、ついにはスリムを闇討ちにしてまでジェスを挑発する。長男が自業自得でジェスに(正当防衛で)殺されたあとは引き続き二男がジェスを殺そうとするが、父親はそんな二男をいさめる。実は長男は死ぬ直前に強盗をしていたことがわかり、その仲間たちが父子から金を奪い、ジェスを今度こそ亡き者にしようとする。
二男の中の人は、3シリーズの「家出少年」の若者の人。おバカだが根は悪いやつではないという若者は地のままなのかピッタリの適役。日本語版での二男の声は青二才役を十八番にする小宮山清。また、日本語版での父親の声は、おそらく宮内幸平。評点はオマケしてやや当たりに近い普通。
23話「屈しない者たち」
野営中の先住民の若者は因縁をつけてきた白人から身重の妻を守るために戦い、銃の暴発でその白人を殺してしまい、先住民の父親が身代わりに逮捕され、先住民の若者と身重の妻はスリムの家に居候になる。先住民の若者が事件に関係していると悟ったスリムは、若者を自首させるが、殺された白人の兄弟たち(実は泥棒一味)が若者の命を執拗に狙って罠を仕掛けようとする。
ジェスは登場しない完全なスリム回。先住民ものながら外れではなく、一応普通か。
24話「昔日のギャンブラー」
カタギになった前科者アーヴがかつての仲間たちから無理矢理に銀行強盗一味の片棒を担がされそうになるが、直前で脱出。しかし、そのときに一味から撃たれてケガを負ってシャーマン牧場にかくまわれる。そして、アーヴが強奪した金を隠していると思い込む一味が、シャーマン牧場を襲う。
スリムとジェスがほぼ均等に活躍。マイクとおばさんも活躍。とくにマイクがボケながらも大活躍。久々に文句なしの当たり。
25話「善悪の狭間」
久々の荒野の呉越同舟旅路もの。金鉱で仲間を生き埋めにして金を独り占めしようとしたが、落馬して荷を積んだラバとはぐれた男。そのラバを見つけて猫ババしようとするジェスの旧友夫妻。猫ババを阻止しようとするジェス。生き埋めから生還して追っかけてきた探鉱夫二人組。その四つどもえで展開される一寸先は裏切りの旅路。
実質ほぼ完全なジェス回。内容は一応普通。
26話「ヒビ割れた信義」 別題「三万ドルの誘惑」
DVD収録回。
ジェスが警護する現金輸送馬車が襲われ、金が奪われる。ジェスに追われた犯人は近くの牧場に金を投げ込んで逃げ、後で回収しようとするが、その牧場の夫人が金を発見し、車イスの夫が金を猫ババすることを目論む。しかし、そこに金を回収しようと強盗たちがやって来た。
ほぼ完全なジェス回。二回連続の猫ババものというか、出来心ものとでも呼びたい系譜。日本語版での牧場主は内海賢二、その妻は小原乃梨子。強盗一味の中に富山敬もいたか。
ロッド・キャメロンの、もう5回目か6回目かの登場。今度は根っからの悪役ではなく、珍しくハッピーエンドなのがうれしい。なので、評点はオマケして、当たりと認定。
27話「終わらない戦争」
シャーマン牧場の敷地内から南北戦争中の馬車の残骸が発見され、軍による砂金の探索が始まり、スリムとジェス、それに戦時中の冤罪による軍解雇の汚名を晴らしたい元軍人とその息子も同行する。
スリムとジェスの出番が比較的均等で、意外な真犯人だが、話自体がわかりにくいので外れ。
28話「謎の男」
シャーマン牧場の牛を盗って対価として金貨を置いていた謎の男は、冤罪死刑から逃亡中の男だった。マイクがその男に助けられたことがあると知ったスリムとジェスは、男とその妻子を助けようとするが、男を私怨から執拗に殺そうと狙う他州の悪徳保安官が町の人々や軍隊を巻き込んで男に迫り、スリムとジェスは分担して男とその妻子を守る。
2回連続でスリムとジェスの出番が均等な回だが、内容はまあ普通か。悪徳保安官の憎たらしさはなかなかなのだが。
また脇役の一人としてリー・ヴァン・クリーフが登場。
29話「連邦保安官」
ジェスが連邦保安官を手伝って凶悪犯の護送に同行するが、犯人を奪還しようとする悪党一味の襲撃により撃たれ、一行はジェスを医者に診せるために予定変更で、当の悪党一味の根拠地の町に立ち寄らざるを得なくなる。
スリムのほとんど出ないジェス回だが、実はジェスも大半は寝込んでいるばかりで、実質的な主役は連邦保安官とその助手という異色回。
3シリーズの「急ぎすぎた正義」の保安官にして「闇への転落」の悪役の中の人が、また悪のボスとして登場。内容はまあギリギリ普通か。
30話「栄光のしるし」 別題「栄光への試練」
DVD収録回。
駅馬車強盗を企てた賞金首の男が、事前に察知し馬車を護衛していたジェスに撃たれ、旧知の友人である元賞金稼ぎの牧師のもとに逃げて行き、そこで息絶える。牧師は結果的に賞金を手にするが、町の人からは白眼視され、強盗の残党たちからも狙われる。ジェスは責任のある立場上、牧師夫妻を守るために奮戦することとなる。
連チャンでスリムのほとんど出ないほぼ完全なジェス回。途中まではイマイチ盛り上がりに欠けるが、最後のほうはなかなかで、全体としては一応普通。
日本語版では、訪問先の町の保安官は山田康雄。ギャング一味の中におそらくたてかべ和也もいる。
31話「捕らわれて」
マイクを連れて釣りバカンスに行っていたスリムは、ケガして気絶している女性を発見し助けたが、そしたら、女性誘拐事件に巻き込まれ、冤罪で誘拐犯一味と一緒に女性の父親から犯人扱いされてしまう。一味は一枚岩ではなく、女性の恋人で女性の父親に交際を反対され父親を恨んでいる若者、単に身代金を目当てに誘拐を敢行した純粋悪の男、女性の父親に古くからの私怨を抱いている黒幕の男の三人の思惑が複雑に錯綜する。
久々の単独スリム回。話はやや複雑だが、恩をアダで返されるようなひどい目にあい続けるスリムが気の毒すぎて、感情移入は、まあしやすい。全体の評価は一応普通。
32話「ヘレナへの道」 別題「ララミーへの道」
DVD収録回。
よその町で牛を売った金を狙われそうになったスリムは酒場の女に助けられ、その女の父親から頼まれて、かつて盗んだ大金を返しに行く道中の護衛同行を頼まれるが、その道中、大金目当ての連中に案の定つけ狙われる。
完全なスリム回で、内容は一応普通なんだが、それにしても最終回がジェスもおばさんもマイクもいっさい出ない回というのは、それでいいのか。
日本語版での父親の声は、ちょっとわかりにくいがおそらく永井一郎。悪徳保安官とその仲間は羽佐間道雄と内海賢二か。冒頭に出てくるライフル少年は小宮山清。
1話「標的の行方」
マイクに発砲してケガさせた銀行強盗を追ってよその町に来たジェスは、その町の厩舎に働く黒人と協力して犯人及びそのグルの悪徳保安官と対決する。
主犯の憎たらしさはかなりのものだが、ストーリー的には外れ。
2話「戦争の英雄」
スリムの元上官で次期大統領候補になった軍人が、ララミーの町の党員集会に出るためにシャーマン牧場に立ち寄るが、身内の選挙参謀に雇われた殺し屋たちから命を狙われる。
スリムとジェスの活躍がほぼ均等の回。ゲストの軍人は実は初期の傑作「星の行方」の保安官の人。ステージママならぬステージドーターの娘が印象的。敵の中の人は、3シリーズの「命がけの夜」の敵と同じ人。内容はまあオマケしてやや当たりに近い普通か。
3話「財産目当ての男」
金持ちの娘をひっかけて後で父親から手切れ金を取る一種の結婚詐欺師が、駅馬車会社重役の娘でスリムの恋人である女に目をつけて行動を開始する。しかし、実は娘にとってあくまで本命はスリムで、詐欺師の男のことは当て馬のつもりだった。内容的には普通。
4話「過去の影」
死んだと思われていたジェスの姉が登場。姉の夫は悪党兄弟に命を狙われているため、保安官代理のジェスは姉の夫を死んだことにして牧場にかくまうが、悪党兄弟はなかなか諦めない。当たり。
以前の「急ぎすぎた正義」(「前科者」)のおじさんが町の人としてモブ的に出てきている様子。
5話「長い道のり」
いわゆる「連行もの」の「呉越同舟もの」。駅馬車強盗に奪われた紙幣を持っている若者をスリムが捕らえて連行する、その過程で金鉱探しの男や若者の婚約者が現れ、やがて強盗一味も金を隠した廃鉱に現れる。
2シリーズの「金貨の行方」のラストに出てきておいしいところを持ってった男(の中の人)が、今回もまた、おいしい場面で持ってく役で登場。
ジェスの出てこない完全なスリム回だが、評価はややオマケして当たりに近い普通。
6話「失われた誠実」
牧場の牛を盗んだ泥棒を追ってきたジェスは、砂嵐の中、倒木でケガをし、旧知の男に救われる。ところが、その男こそ牛を盗んだ首魁だった。さる集落に身をよせたジェスは自身が牛泥棒と誤解され、誤解を晴らすため、旧知の男と決着をつけるべく追う。
ロッド・キャメロンの、実に5度目(?)の登板だが、残念ながら、やや外れに近い普通か。
7話「射撃大会」
DVD収録回。
田舎から恋人と出てきたホビーは、ララミーの町の射撃大会で見事に優勝したが、スリムに恨みを持つ悪党にだまされて、賞金を根こそぎポーカーで巻き上げられてしまう。
スリム回だが、序盤はスリムとジェスの出番が均等で、(本筋に関係ない)ジェスの見せ場もちゃんとある。とにかく単純明解なわかりやすい話なので、当たりとして指を屈しても良さそう。
8話「ダブルイーグル」
金貨を奪って逃走中の強盗団をジェスと保安官とが町の自警団を臨時編成して追跡する。
各自のキャラとそれぞれの思惑をグランドホテル形式で綴る呉越同舟旅路型の回だが、全体的にはやや外れに近い普通か。
9話「正義の向こう側」
逮捕された悪徳議員とその議員の味方のふりをして実は議員を殺そうとたくらむ悪徳弁護士のだましあいと双方に利用される女性運動家の弟子を装う女。
ジェスは本筋に絡まないスリム回。話がわかりにくいので外れ。
10話「悪党の息子」
ジェスの旧知の女性が息子をその父親のもとに連れていく途中で死に、ジェスが代わりに引率していくことになるが、父親というのは実は賞金首のお訪ね者で、ジェスもそのアジトで拘束されてしまう。
実質ほぼ完全なジェス回。普通。
11話「反逆者の宿命」
牧場主の息子が馬車の事故で大ケガをし、シャーマン牧場で馬車を待っていた医師がたまたま駆り出されるが、息子の容態は悪く、腕を切断するしかなかった。その処置に父親の牧場主は怒って逆恨みして医師を殺そうとする。その医師は実はリンカーン暗殺犯を幇助した罪に問われた過去を持っていた。
ゲストの医師は、『西部戦線異状なし』(1930)、『ジョニー・ベリンダ』(1948)のリュー・エアーズ。ジェスはまったく登場しない完全なスリム回。普通。
12話「決闘」
またララミーの保安官代理になったジェスと保安官に憧れる新婚の若者が強盗三人組のうちの二人と対立し対決する。まあ普通か。
スリムの出てこない完全なジェス回(それどころかマイクもおばさんも出てこない)。悪役の憎たらしさはなかなかのもので、保安官事務所に留置されクライマックスで重要な役割を果たす(クラシック指揮者のような風貌の)ケンカ好きの牧師のキャラがいい。
13話「欲望の銃弾」
牧場主の息子が、牛を売った代金を巻き上げられた上に殺されたことから、同行者としての責任を感じたスリムがその町に行く。スリムは、町を牛耳るボスとその弟とトラブルになり、そのまま保安官助手として町に残り、金を巻き上げたイカサマ師を追おうとするが、イカサマ師が仲間割れして失くした金(銀行強盗で得た金)を、よりによって町の保安官が着服しようとする。
後半は初期の傑作「星の行方」を彷彿とさせる。ややわかりにくい話ながら、一応普通ということでいいか。
14話「敵討ち」
逃亡中の殺人容疑者をジェスが銃撃戦で殺してしまうが、その容疑者は盗みはしたが殺人はしておらず、ジェスは容疑者の婚約者から恨まれる。そして、死んだ容疑者の兄弟という悪党がジェスを殺しにやってくる。
悪役の一人がリー・ヴァン・クリーフ。悪役の憎らしさはなかなかで、それが撃たれるときのカタルシスもなかなかなので、やや当たりに近い普通か。
15話「父の思い」
かつて妻を不幸に死なせたことで娘に家出された実業家が、娘を探し出すが、娘は悪党の情婦になっており、父を撃ち、さらに駅馬車強盗の片棒を担ごうとする。
後半はシャーマン牧場立てこもりの展開となるスリム回。評価は一応普通か。
16話「裏切り」
よその町でまたも冤罪で捕まるジェス。町ではジェスの旧友が仲間と強盗を企画しており、ジェスは銀行強盗計画から保安官の目をそらすための陽動作戦に利用される。デイジーおばさんと旧友の恋人の力を借りて、ジェスが自ら主犯を追う。
まあまあわかりやすいところがいいが、評価は普通。
17話「結婚披露宴」
スリムのかつての戦友で強盗団の首領になった男が、別れた妻ステイシーの再婚の結婚式を邪魔すべく襲撃すると宣言。スリムはステイシーとその父、再婚相手を訪ね、迎撃の準備をする。
未練を断ち切るための荒療治として思い出のものを燃やすという発想は何だか『気になる嫁さん』(1971〜1972)25話のラーメン屋台みたい。
ほぼ完全なスリム回。話の流れは決してわかりにくくはないが、何となく感情移入しにくくて、やや外れに近い普通。
18話「逃げ場なし」
先住民との小競り合いを機にジェスと知り合ってシャーマン牧場にやってきたガンディなる男は足を洗った元金庫破りだったが、昔の仲間たちの策略で冤罪に陥り、それを救おうとしたジェスの努力も虚しく、また金庫破りに戻りそうになってしまう。
なかなか感情移入しやすく、当たりと呼んでよさそう。
ガンディを逮捕する悪徳保安官の中の人は、3シリーズの「保安官の後任」のハレックをはじめ、3シリーズの「裸足の少年」の改心する保安官、2シリーズ最終話「白いドレスの夫人」の保安官と、それぞれ別の、一癖ある保安官で何度も出てた人(2シリーズの「闇夜の男たち」の隻眼の獣医でもある)。ゲストヒロインに、後の大女優、エレン・バースティンも。
19話「逃げる者たち」
強盗一味を追っていて撃たれたスリムを救出すべく、ジェスが一味の容疑者を捕まえてスリムがどこで倒れているかを聞き出そうとし、容疑者の姉を呼んで来て説得させようとするが、口を割らない。そこで、スリムの倒れている場所を教えるのと引き換えにいったん留置場からこっそり釈放し、改めて行方を追う。
犯人の憎たらしさはかなりのもので、オマケしてやや当たりに近い普通。
20話「奪われた者たち」
スリムとジェスが馬の売買に行く途中に出会った放浪一家は馬泥棒一味か、あるいは先住民に武器を横流しする連中か。馬を盗られた主戦派の被害者たちをなだめながら、スリムとジェスは平和的仲介を主張し、ジェスは放浪一家のところに説得に行く。
久々にスリムとジェスが一緒に活躍する回だが、話としては残念ながらやや外れに近い普通。
21話「家名と泥」
シャーマン牧場で駅馬車会社の人が三人組の強盗に撃たれて金を奪われ、ジェスも撃たれる。スリムが三人組の強盗を追い、そのうちの一人ハンクを(正当防衛で)射殺するが、ハンクの母親は息子が強盗をしたとは信じず、スリムを逆恨みし、スリムに私的に賞金をかけようとする。
母親の憎たらしさ(というより愚かしさ)がかなりのものなので、ムカついて感情移入しやすい回だが、評価はまあ普通か。
22話「暴力的な男たち」 別題「荒くれ二代」
DVD収録回。
かつて保安官代理をしていたジェスに逮捕された男の長男が(父親はジェスを恨んではいないのに)ジェスを恨んで執拗にケンカを売り、ついにはスリムを闇討ちにしてまでジェスを挑発する。長男が自業自得でジェスに(正当防衛で)殺されたあとは引き続き二男がジェスを殺そうとするが、父親はそんな二男をいさめる。実は長男は死ぬ直前に強盗をしていたことがわかり、その仲間たちが父子から金を奪い、ジェスを今度こそ亡き者にしようとする。
二男の中の人は、3シリーズの「家出少年」の若者の人。おバカだが根は悪いやつではないという若者は地のままなのかピッタリの適役。日本語版での二男の声は青二才役を十八番にする小宮山清。また、日本語版での父親の声は、おそらく宮内幸平。評点はオマケしてやや当たりに近い普通。
23話「屈しない者たち」
野営中の先住民の若者は因縁をつけてきた白人から身重の妻を守るために戦い、銃の暴発でその白人を殺してしまい、先住民の父親が身代わりに逮捕され、先住民の若者と身重の妻はスリムの家に居候になる。先住民の若者が事件に関係していると悟ったスリムは、若者を自首させるが、殺された白人の兄弟たち(実は泥棒一味)が若者の命を執拗に狙って罠を仕掛けようとする。
ジェスは登場しない完全なスリム回。先住民ものながら外れではなく、一応普通か。
24話「昔日のギャンブラー」
カタギになった前科者アーヴがかつての仲間たちから無理矢理に銀行強盗一味の片棒を担がされそうになるが、直前で脱出。しかし、そのときに一味から撃たれてケガを負ってシャーマン牧場にかくまわれる。そして、アーヴが強奪した金を隠していると思い込む一味が、シャーマン牧場を襲う。
スリムとジェスがほぼ均等に活躍。マイクとおばさんも活躍。とくにマイクがボケながらも大活躍。久々に文句なしの当たり。
25話「善悪の狭間」
久々の荒野の呉越同舟旅路もの。金鉱で仲間を生き埋めにして金を独り占めしようとしたが、落馬して荷を積んだラバとはぐれた男。そのラバを見つけて猫ババしようとするジェスの旧友夫妻。猫ババを阻止しようとするジェス。生き埋めから生還して追っかけてきた探鉱夫二人組。その四つどもえで展開される一寸先は裏切りの旅路。
実質ほぼ完全なジェス回。内容は一応普通。
26話「ヒビ割れた信義」 別題「三万ドルの誘惑」
DVD収録回。
ジェスが警護する現金輸送馬車が襲われ、金が奪われる。ジェスに追われた犯人は近くの牧場に金を投げ込んで逃げ、後で回収しようとするが、その牧場の夫人が金を発見し、車イスの夫が金を猫ババすることを目論む。しかし、そこに金を回収しようと強盗たちがやって来た。
ほぼ完全なジェス回。二回連続の猫ババものというか、出来心ものとでも呼びたい系譜。日本語版での牧場主は内海賢二、その妻は小原乃梨子。強盗一味の中に富山敬もいたか。
ロッド・キャメロンの、もう5回目か6回目かの登場。今度は根っからの悪役ではなく、珍しくハッピーエンドなのがうれしい。なので、評点はオマケして、当たりと認定。
27話「終わらない戦争」
シャーマン牧場の敷地内から南北戦争中の馬車の残骸が発見され、軍による砂金の探索が始まり、スリムとジェス、それに戦時中の冤罪による軍解雇の汚名を晴らしたい元軍人とその息子も同行する。
スリムとジェスの出番が比較的均等で、意外な真犯人だが、話自体がわかりにくいので外れ。
28話「謎の男」
シャーマン牧場の牛を盗って対価として金貨を置いていた謎の男は、冤罪死刑から逃亡中の男だった。マイクがその男に助けられたことがあると知ったスリムとジェスは、男とその妻子を助けようとするが、男を私怨から執拗に殺そうと狙う他州の悪徳保安官が町の人々や軍隊を巻き込んで男に迫り、スリムとジェスは分担して男とその妻子を守る。
2回連続でスリムとジェスの出番が均等な回だが、内容はまあ普通か。悪徳保安官の憎たらしさはなかなかなのだが。
また脇役の一人としてリー・ヴァン・クリーフが登場。
29話「連邦保安官」
ジェスが連邦保安官を手伝って凶悪犯の護送に同行するが、犯人を奪還しようとする悪党一味の襲撃により撃たれ、一行はジェスを医者に診せるために予定変更で、当の悪党一味の根拠地の町に立ち寄らざるを得なくなる。
スリムのほとんど出ないジェス回だが、実はジェスも大半は寝込んでいるばかりで、実質的な主役は連邦保安官とその助手という異色回。
3シリーズの「急ぎすぎた正義」の保安官にして「闇への転落」の悪役の中の人が、また悪のボスとして登場。内容はまあギリギリ普通か。
30話「栄光のしるし」 別題「栄光への試練」
DVD収録回。
駅馬車強盗を企てた賞金首の男が、事前に察知し馬車を護衛していたジェスに撃たれ、旧知の友人である元賞金稼ぎの牧師のもとに逃げて行き、そこで息絶える。牧師は結果的に賞金を手にするが、町の人からは白眼視され、強盗の残党たちからも狙われる。ジェスは責任のある立場上、牧師夫妻を守るために奮戦することとなる。
連チャンでスリムのほとんど出ないほぼ完全なジェス回。途中まではイマイチ盛り上がりに欠けるが、最後のほうはなかなかで、全体としては一応普通。
日本語版では、訪問先の町の保安官は山田康雄。ギャング一味の中におそらくたてかべ和也もいる。
31話「捕らわれて」
マイクを連れて釣りバカンスに行っていたスリムは、ケガして気絶している女性を発見し助けたが、そしたら、女性誘拐事件に巻き込まれ、冤罪で誘拐犯一味と一緒に女性の父親から犯人扱いされてしまう。一味は一枚岩ではなく、女性の恋人で女性の父親に交際を反対され父親を恨んでいる若者、単に身代金を目当てに誘拐を敢行した純粋悪の男、女性の父親に古くからの私怨を抱いている黒幕の男の三人の思惑が複雑に錯綜する。
久々の単独スリム回。話はやや複雑だが、恩をアダで返されるようなひどい目にあい続けるスリムが気の毒すぎて、感情移入は、まあしやすい。全体の評価は一応普通。
32話「ヘレナへの道」 別題「ララミーへの道」
DVD収録回。
よその町で牛を売った金を狙われそうになったスリムは酒場の女に助けられ、その女の父親から頼まれて、かつて盗んだ大金を返しに行く道中の護衛同行を頼まれるが、その道中、大金目当ての連中に案の定つけ狙われる。
完全なスリム回で、内容は一応普通なんだが、それにしても最終回がジェスもおばさんもマイクもいっさい出ない回というのは、それでいいのか。
日本語版での父親の声は、ちょっとわかりにくいがおそらく永井一郎。悪徳保安官とその仲間は羽佐間道雄と内海賢二か。冒頭に出てくるライフル少年は小宮山清。