何度でも言うが、長いからと言って敬遠する必要はない。長いなら別に「通し」で聴かなくてよい。歌舞伎と同じで、「通し」ではなく、ハイライトを拾い食い鑑賞したっていい。前に述べたフェリーニの映画と同じく。
だからこそ、私はブルックナーの「最初に聴いてほしい一曲」としての推奨は第8番からなのである。
「え?8番はブルックナー最大規模の作品だから、普通は4番あたりから入るんじゃないの?」
いや、違う。今言った通り、「通し」で聴くことを前提としなければ、全曲トータルの長さなんて気にしない。単純に4番より何番より8番が何といっても最も美メロの宝庫である。カッコイイ血湧き肉躍る旋律の宝庫である。何も集中して聴かなくてもいい。読書のBGMでもいい。睡眠導入薬利用でもいい。何たって、第3楽章がいい。四の五の言わず・・・すなわち「解題」することを目指さず、ただその美しいメロディーに体をひたして、気持ちよくなれればそれでいい。音楽の海に抱かれて、それで眠りにいざなってもらえるなら、それもいい。もちろん、第1楽章、第2楽章、第4楽章も実にキャッチーなメロディーの宝庫である。ことによれば、「英雄」や「ザ・グレイト」よりよほど親しみやすい旋律たちなのではないか、とすら思う。
私のお気に入りの音源はハイティンク指揮、ウィーン・フィルのディスク(1995)である。録音状態の良好さ、高い技術のオーケストラの響きの美しさ、そして「いい音楽を奏でてやろう」という指揮者の誠実さが感じられるところ。それがこの盤を愛聴する理由である。
次点としてもう一つ挙げるなら、同じオケの音盤、ジュリーニ指揮、ウィーン・フィル(1984)だろうか。ハイティンクもジュリーニも、「この人のを買えば、まず外さない」というふうに私が信頼するマエストロである。加えて、この二枚は楽譜の版が違うので、バージョン違いマニアには聴き比べがおもしろいかもよ、という薦め方もできる。
それから、第8番以外ではというと、第4番「ロマンティック」もカッコイイ旋律が随所に出てくるし、またまた同じオケでベーム指揮、ウィーン・フィル(1973)というおなじみの定盤・名盤がある。未完の名作・9番ももちろん聴きやすい旋律を豊富に含む。一押しは、ここでもジュリーニ指揮、ウィーン・フィル(1988)。それから、5番も完成度の高い代表作として、よく推奨される。定盤は、ヴァント指揮、ベルリン・フィル(1996)が筆頭だろうか。
が、親しみやすい美メロ、眠りをいざなうやさしい歌心、ということでいえば、実は4・5・9番以上に第7番のほうを私は好む。音盤は?はてさて、悩むところだが、私は「偉大なる大根指揮者」、朝比奈隆指揮、大阪フィル(2001)が好きだったりする。しかし、これがベストなのだとは思っていない。このあたりは詳しい人に推薦盤を教えてほしいところであるのだが。・・・
だからこそ、私はブルックナーの「最初に聴いてほしい一曲」としての推奨は第8番からなのである。
「え?8番はブルックナー最大規模の作品だから、普通は4番あたりから入るんじゃないの?」
いや、違う。今言った通り、「通し」で聴くことを前提としなければ、全曲トータルの長さなんて気にしない。単純に4番より何番より8番が何といっても最も美メロの宝庫である。カッコイイ血湧き肉躍る旋律の宝庫である。何も集中して聴かなくてもいい。読書のBGMでもいい。睡眠導入薬利用でもいい。何たって、第3楽章がいい。四の五の言わず・・・すなわち「解題」することを目指さず、ただその美しいメロディーに体をひたして、気持ちよくなれればそれでいい。音楽の海に抱かれて、それで眠りにいざなってもらえるなら、それもいい。もちろん、第1楽章、第2楽章、第4楽章も実にキャッチーなメロディーの宝庫である。ことによれば、「英雄」や「ザ・グレイト」よりよほど親しみやすい旋律たちなのではないか、とすら思う。
私のお気に入りの音源はハイティンク指揮、ウィーン・フィルのディスク(1995)である。録音状態の良好さ、高い技術のオーケストラの響きの美しさ、そして「いい音楽を奏でてやろう」という指揮者の誠実さが感じられるところ。それがこの盤を愛聴する理由である。
次点としてもう一つ挙げるなら、同じオケの音盤、ジュリーニ指揮、ウィーン・フィル(1984)だろうか。ハイティンクもジュリーニも、「この人のを買えば、まず外さない」というふうに私が信頼するマエストロである。加えて、この二枚は楽譜の版が違うので、バージョン違いマニアには聴き比べがおもしろいかもよ、という薦め方もできる。
それから、第8番以外ではというと、第4番「ロマンティック」もカッコイイ旋律が随所に出てくるし、またまた同じオケでベーム指揮、ウィーン・フィル(1973)というおなじみの定盤・名盤がある。未完の名作・9番ももちろん聴きやすい旋律を豊富に含む。一押しは、ここでもジュリーニ指揮、ウィーン・フィル(1988)。それから、5番も完成度の高い代表作として、よく推奨される。定盤は、ヴァント指揮、ベルリン・フィル(1996)が筆頭だろうか。
が、親しみやすい美メロ、眠りをいざなうやさしい歌心、ということでいえば、実は4・5・9番以上に第7番のほうを私は好む。音盤は?はてさて、悩むところだが、私は「偉大なる大根指揮者」、朝比奈隆指揮、大阪フィル(2001)が好きだったりする。しかし、これがベストなのだとは思っていない。このあたりは詳しい人に推薦盤を教えてほしいところであるのだが。・・・