企業へのコンプライアンス(法令遵守)の要請は高まっています。
「知らなかった」では済まなくなってきています。日曜日、「会社の法律」をお勉強!
第24回は「1ヶ月単位の変形労働時間制」です。
まず、復習です。
労基法の労働時間に関する規制の基本は1週40時間、1日8時間です。そして、業務の繁忙に応じた効率的な時間管理を可能にするのが「変形労働時間制」でした。
変形労働時間制には、変形期間内の所定労働時間を平均して週の法定労働時間(40時間)を超えない限り、その期間内の一定の日や週に法定労働時間を超える所定労働時間を設定しても、時間外労働にはならないという効果があります。
労働基準法第32条の2
「使用者は、労使協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の一定の期間を平均し1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをした場合においては、特定された週又は特定された日において法定労働時間を超えて、労働させることができる。」
【1ヶ月単位の変形労働時間制】
1ヶ月以内の一定期間を平均して週40時間の法定労働時間以内であれば、特定の日・週に1日8時間または週に40時間を超える所定労働時間を設定しても違法になりません。(法定労働時間を超えた時間でも所定労働時間とすることができ、時間外労働になりません)
□例…21日以降が時間外労働にはなりません。
1.1日~20日は、
始業時刻9時、終業時刻16時、休憩時間は1時間…所定労働時間6時間
2.21日~25日
始業時刻9時、終業時刻19時、休憩時間は1時間…所定労働時間9時間
3.26日~末日
始業時刻9時、終業時刻20時、休憩時間は1時間…所定労働時間10時間
※休日は、1日~20日の間に6日、21日~25日の間に1日
26日~31日の間に1日あるとする。31日までの月の場合、
1日~20日の総労働時間……84H 6H×(20-6)=84H
21日~25日の総労働時間…36H 9H×(5-1)=36H
26日~31日の総労働時間…50H 10H×(6-1)=50H
この月の総労働時間は、170時間になります。
□総労働時間
変形期間(1ヶ月以内の一定期間)における労働時間の総枠
=週法定労働時間×(変形期間の暦日数÷7日)
31日の月…177.1時間(=40時間×31日÷7日)
30日の月…171.4時間(=40時間×30日÷7日)
28日の月…160.0時間(=40時間×28日÷7日)
と言うことで、170<177.1で先の例は問題がないことが確認できました。
時短にもつながりますね。残業代対策では基本中の基本です。
□導入するには
1.就業規則その他これに準ずるものに必要事項を記載する
2.労使協定に記載する
のどちらかの方法で行わなければなりません。
2の労使協定の場合には、
ア、労使協定の有効期限を定めること
イ、労使協定届(様式第3号の2)を所轄労働基準監督署へ届け出ること
加えて、就業規則の変更届けも必要になります。
1の就業規則その他これに準ずるものによる導入の場合も、就業規則の変更は必要になります。
今日も長くなりました。要件以降は次へ回します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「知らなかった」では済まなくなってきています。日曜日、「会社の法律」をお勉強!
第24回は「1ヶ月単位の変形労働時間制」です。
まず、復習です。
労基法の労働時間に関する規制の基本は1週40時間、1日8時間です。そして、業務の繁忙に応じた効率的な時間管理を可能にするのが「変形労働時間制」でした。
変形労働時間制には、変形期間内の所定労働時間を平均して週の法定労働時間(40時間)を超えない限り、その期間内の一定の日や週に法定労働時間を超える所定労働時間を設定しても、時間外労働にはならないという効果があります。
労働基準法第32条の2
「使用者は、労使協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、1箇月以内の一定の期間を平均し1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない定めをした場合においては、特定された週又は特定された日において法定労働時間を超えて、労働させることができる。」
【1ヶ月単位の変形労働時間制】
1ヶ月以内の一定期間を平均して週40時間の法定労働時間以内であれば、特定の日・週に1日8時間または週に40時間を超える所定労働時間を設定しても違法になりません。(法定労働時間を超えた時間でも所定労働時間とすることができ、時間外労働になりません)
□例…21日以降が時間外労働にはなりません。
1.1日~20日は、
始業時刻9時、終業時刻16時、休憩時間は1時間…所定労働時間6時間
2.21日~25日
始業時刻9時、終業時刻19時、休憩時間は1時間…所定労働時間9時間
3.26日~末日
始業時刻9時、終業時刻20時、休憩時間は1時間…所定労働時間10時間
※休日は、1日~20日の間に6日、21日~25日の間に1日
26日~31日の間に1日あるとする。31日までの月の場合、
1日~20日の総労働時間……84H 6H×(20-6)=84H
21日~25日の総労働時間…36H 9H×(5-1)=36H
26日~31日の総労働時間…50H 10H×(6-1)=50H
この月の総労働時間は、170時間になります。
□総労働時間
変形期間(1ヶ月以内の一定期間)における労働時間の総枠
=週法定労働時間×(変形期間の暦日数÷7日)
31日の月…177.1時間(=40時間×31日÷7日)
30日の月…171.4時間(=40時間×30日÷7日)
28日の月…160.0時間(=40時間×28日÷7日)
と言うことで、170<177.1で先の例は問題がないことが確認できました。
時短にもつながりますね。残業代対策では基本中の基本です。
□導入するには
1.就業規則その他これに準ずるものに必要事項を記載する
2.労使協定に記載する
のどちらかの方法で行わなければなりません。
2の労使協定の場合には、
ア、労使協定の有効期限を定めること
イ、労使協定届(様式第3号の2)を所轄労働基準監督署へ届け出ること
加えて、就業規則の変更届けも必要になります。
1の就業規則その他これに準ずるものによる導入の場合も、就業規則の変更は必要になります。
今日も長くなりました。要件以降は次へ回します。
最後までお読みいただきありがとうございました。