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中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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レオナルド・ダ・ビンチとボッティチェッリ

2017-01-24 | 美術を考える

レオナルド・ダ・ビンチがその手記で、ボッティチェッリのことを幾度か話題にしています。そのなかに『「絵画」はものいわぬ「詩」であり、「詩」は目に見えぬ「絵画」であって、どちらも己の能力のなしうるかぎり自然を模倣する。』と多少の批判込めて書いています。絵画表現(スタイル)の違いについて言及した箇所ですが、これ自体はギリシャの画家アペレスのよく知られた核心を突いた言葉でもあり、当時の画家や詩人たちにも影響を与えています。ボッティチェッリも、このアペレスの作品から『ヴィーナスの誕生』と『アペレスの誹謗』という2枚の絵を描いているほどですから、その影響は少なくはなかったと想われます。むろん、レオナルド・ダ・ビンチもその例外ではなかった、『ボッティチェッリのようにネオプラトイスムをテーマに絵を描くことは、画家としてむしろ当然のことです。・・・最も崇高な感覚である眼(視覚)に奉仕している画家は、その技能(形態)表現の優位を誇示することにもつながる。・・・』『絵画を愛せないものは、哲学も自然も愛せない。
』と断言すらしています。レオナルド・ダ・ビンチは、ボッティチェッリの華麗で自由な表現を対局に見ていたのかも知れません。いずれにしてもこの二人、愛するフィレンチェを去ることになるのですが・・・。写真は、『アペレスの誹謗』です。



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