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中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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現行制度(選挙)に不満をを抱いている国民が多いことも事実である

2012-11-04 | 政治・経済を考える

野田佳彦首相は4日午後、衆院解散を判断するための「環境整備」の一つとしている衆院選挙制度改革について、衆院小選挙区の「1票の格差」是正だけでなく、議員定数削減も必要との考えを強調した。首相公邸で記者団が「野党が定数削減に抵抗した場合は『1票の格差』是正を優先させる考えか」と質問したのに対し、首相は「どちらか一つを最初から切り捨てる、諦める姿勢はおかしい。胸襟を開いて政党間で協議を始めることが必要だ」と述べた。また、首相は「『1票の格差』是正は(現在が)違憲・違法状態だから最優先の課題だ。一方で、定数削減は国民の強い要請であり、各党がそれぞれ国民に約束してきた経緯がある」と語った。 (jijicom)

『1票の格差』是正に、もはや反対する政党は無いと思われる。野田佳彦首相の「定数削減は国民の強い要請であり、各党がそれぞれ国民に約束してきた経緯がある」については、少数政党からの異論が予想される。しかしながら今日、余りにも多い少数政党の右往左往を見るにつけ、「なんなんだこれは」と、かえって煩わしく思ってしてしまう。公明党の「違憲でもいいから早く選挙をしろ」は、論外である。さらに言えば、「比例」で復活することへの疑問や参議院の存在意義など、現行制度(選挙)に不満をを抱いている国民が多いことも事実である。やはり、選挙制度を根本から見直すことは、もはや「時代の要請」でもある。小沢一郎さんの「生活が第一」などの動きや、石原慎太郎さん・橋下徹さんなどの動きを見ていると、もはや「政党」は記号でしかなく、私たち国民は、人を選ぶ以外にないのである。「政党」を選ぶことへの疑念と同じく、もはや「比例」など存在意味を持たないと言っていい。私たち国民は、吟味して「人」を選ぶ以外にないのである。

   


欧州債務危機に伴う景気減速は新興国を直撃している

2012-11-03 | 政治・経済を考える

【メキシコ市時事】メキシコ市で4日夜(日本時間5日午前)開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、世界経済の減速回避に向けた協調体制を構築できるかが焦点となる。しかし、欧州債務危機に伴う景気減速は新興国を直撃。先進国の金融緩和が新興国に与える悪影響も懸念され、先進国・新興国間の対立が深まる恐れもある。
 国際通貨基金(IMF)は10月、世界経済見通しで新興・途上国の実質GDP(国内総生産)の対前年比成長率を2012年は5.3%(従来5.6%)、13年は5.6%(同5.9%)と下方修正した。長期化する欧州債務危機が、中国などの輸出にも影響した形だが、新興国の間では欧米の景気減速が直撃することに不安と不満がくすぶる。
 さらに日米欧の金融緩和を問題視する声も出始めた。過剰なマネーの流入は新興国の通貨高や物価高騰を招いている。危機感を強めるブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は、10月に東京で開かれたIMF・世界銀行総会で、独自の通貨融通網の構想をぶち上げ、「脱先進国依存」の姿勢を打ち出した。
 日銀の白川方明総裁は「金融や財政、為替政策が他の地域に影響を与え、自国経済にも跳ね返ることを考えるべきだ」と、日米欧の金融緩和に対する新興国の反発に一定の理解を示す。しかし、世界経済の浮揚策が見えにくい現状では「どの国も(内政優先の)『守りの議論』に傾きがち」(中前国際経済研究所の中前忠代表)。G20が南北対立の壁を乗り越え、減速回避に向けた協調策を打ち出せるか注目される。(jijicom)

日米欧の金融緩和に対する新興国の反発は、日々増すばかりである。急速にグローバル化した世界経済は、多くの課題を前に右往左往しているのが現状である。日米欧、新興国を問わず、否応もなく「難題」を提示してくる質問者に、どの機関も対応できていない。「金融緩和」で溢れたマネーが行き場がなく漂っている、この現象は、一面、アメリカ(日米欧)が加害者、中国(BRICS)が被害者、のように見えなくもないが、視点を変えて「貿易(物流・為替)」から見るとそう事は簡単ではない。世界経済が歪な姿になっている、この姿を改善に導く方策が容易に見つからないのだ。しかしながら、このまま放置すればさらに歪になることは誰もが分かっている。一言でいってしまえば、各国の事情(ワガママ)が優先されていて、協調することができない、ひとつの「解」(有効な方法)が見い出せないでいる。

 


石原慎太郎さんの無自覚と危うさ

2012-10-26 | 政治・経済を考える

【東京】石原慎太郎東京都知事(80)は25日記者会見し、都知事を辞任して、近く行われるとみられる衆院選に出馬すると表明した。ナショナリストとして知られる同知事は、尖閣諸島の領有権問題を日本の最大の政治課題に押し上げようとしている。石原氏は、都知事としての任期を2年余り残して辞任を決断した理由について、1つには政府が尖閣諸島のインフラ整備に後ろ向きであることを挙げた。石原氏は今年4月に突然、都が尖閣諸島を民間所有者から買い取ると発表、その発言がきっかけとなり、政府が都と所有者との譲渡交渉に介入し同諸島を買い上げた。その結果、中国で反日デモが相次いで発生し、デモ隊の一部が暴徒化するなど対日感情が悪化している。石原氏は会見で、政府が尖閣諸島の魚釣島に船だまりと灯台を建設するよう「監督して」いきたいと述べた。政府は同諸島にいかなる建造物も建設しないとしている。同氏はまた、平和憲法の改正にも言及した。人気の高い橋下徹大阪市長が率いる、大きな影響力を持つ「日本維新の会」との連携の可能性もある。石原氏も会見で、日本維新の会との連携に前向きな姿勢を示したが、石原氏と橋下氏の間には原子力発電などの問題で大きな意見の隔たりがある。(WSJ記者: Toko Sekiguchi)

石原慎太郎さん、都知事を辞任して国政に復帰するらしい。「尖閣諸島の領有権問題」を背景に保守派をまとめようとしているのだが、わかりやすい立ち位置ではあるが、「危うい」と言わざるを得ない。日本の「右傾化」を注視している国は多い、ウオールストリートジャーナル記事が指摘している、グローバル経済にも多大な影響をもたらしている。ヨーロッパ経済が低迷している状況下、アジア経済が世界を牽引すると見られていた、ところが日中の「険悪化」がその期待を打ち砕いた。石原慎太郎さんの考え方には同意すべきことが多々ある、しかしながら、その政治手法には同意しかねる、余りにも幼稚である。この人の「無自覚」に呆れると同時に、今回の行動には「危うさ」すら覚える。日本の経済基盤(方向性)を揺るがしかねないことを、この人は知らなさすぎる。政治家としての視点がずれていることに気づいていない、資質としては致命的である。

     


細野豪志さん「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」

2012-10-21 | 政治・経済を考える

民主党の政調会長は20日、静岡県御殿場市で講演し、自民党総裁が首相だった2007年に表面化した年金記録漏れ問題に関し、「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」と述べた。「安倍総裁は体調を壊したことを謝る(だけ)という話ではない」とも指摘した。(jijicom)

細野豪志さん「消えた年金問題を起こした自民党政治の反省がない中で、政権に返る資格はあるのか聞きたい」は、同感できる。現政権にも課題は多いが、自民党政権に早晩戻していいのかと言えば、そう簡単な話でもない。日本の行政システムが、麻痺し機能しなくなった要因は多い、地方自治を含めた政治のあり方だけではない、わたしたちの意識(認識)自体が問われかねない状況なのだ。細野豪志さんが指摘しているのは、とりあえず「政治」だけでも機能させたい、でなければ「日本の危機」は拡大するばかりだと言っている。

既成政党が、合意できるものを優先審議し決めていくことが、少なくとも選挙前にすべき、それが政治の常識です。政治が、大切にすべきは「常識」です。安倍晋三さんは、過去にその常識を外した方です、信頼を得るにはこれ以上「常道」を外さないことです。

 


細野豪志政調会長の言葉は明快である

2012-10-15 | 政治・経済を考える

民主党の細野豪志政調会長は14日午前、フジテレビの番組で、東日本大震災の復興予算が「全国防災事業」として被災地以外にも充てられていることについて「被災地のみに使う方向性を明確にすべきだ」と述べ、今後は被災地の事業に限定する考えを強調した。復興予算に関し、細野氏は「2011年は日本経済が生死の境をさまよい全国に予算を付けざるを得なかった」と指摘。その上で、党行政改革調査会でも予算の精査を行う方針を示した。また次期衆院選マニフェスト(政権公約)については「30年代に原発ゼロを目指すことは党の方針だ。それを明記することになると思う」と語った。(jijicom)

細野豪志政調会長の言葉は明快である。「2011年は日本経済が生死の境をさまよい全国に予算を付けざるを得なかった」と指摘した、「30年代に原発ゼロを目指すことは党の方針」であることにも言及、明快に答えることが求められている、あとは実行あるのみである。民主党で頑張っている人材は多く、成長もしている。細野豪志さんは、土俵際で踏ん張っている政治家の一人でもある。比べて、官僚たちの呆れ果てた姿は何たることか、前政権と組める喜び(天下り先への先行投資)が透けて見えるではないか。自民党は「復興」「災害対策」「成長」を記号に、「赤字国債」を乱発するつもりでいる、公明党は「選挙格差(違憲状態)」を容認し早急に「選挙」をしたいご様子、これでいいのか。寒い季節での「選挙」は、国民にとっても厳しい、政治家が国会ですべきこと(課題)は多い、それをやらないで「選べ」といわれても・・・。


これは単なる「逆戻り現象ではない」

2012-10-12 | 政治・経済を考える

 復興予算の膨張に歯止めがかからない。政府は2011年度からの「5年間で19兆円」との大枠を示したが、13年度予算の概算要求を含めると、3年間で22兆円に達する見込みだ。概算要求には不適切使用と指摘される予算が含まれており、国民に臨時増税を課す一方で、復興を名目に予算獲得に走る各府省庁の思惑が見え隠れする。11年夏に政府が決定した復興基本方針では「5年で少なくとも19兆円」が被災地の復旧・復興に必要な予算と見積もられた。その財源を捻出するため、政府は所得税や住民税などを臨時増税し、10兆5千億円をまかなうことにした。だが、政府が示した予算の大枠は11年度からの3年間だけで天井を突破する見通し。11年度と12年度の復興予算は計約18兆円。13年度は4兆円超の概算要求が各府省庁から出されている。一方、衆院決算行政監視委員会で野党理事が関係省庁から聞き取り調査した結果、復興予算に対して「不適切使用」との指摘が相次いだ。さらに、こうした事業の多くが来年度予算でも概算要求されていることが本紙の取材で明らかになった。国が財政支出の縮減を続ける中、ある官僚は「復興予算は別枠で、いくらでも要求できるので、各省とも予算獲得に知恵を絞っている」と明かす。11年度分の復興予算は今夏の決算段階で約1兆円が「不用」と判断された。さらに5兆円は使われておらず、翌年度に繰り越しされた。復興に直接関係しない事業に予算を付け、使い切れないケースも出ている。(中日新聞)

綱渡りをしている政府(内閣)と目に余る省庁(官僚)+利権復活事業の実態(横暴さ)が見えてくる。復興財源を捻出するため、政府は所得税や住民税などを臨時増税し、10兆5千億円をまかなうことにした。にもかかわらず、省庁の概算要求には不適切使用と指摘される予算が含まれていることが明らかになってきた。各府省庁の思惑がどうあれ、前政権(自公政権時代)と変わらない事態になっていることに、驚き呆れる。既に現政権に見切りを付け、前政権返り咲きをお膳立て(宴会準備)しているかのようにも見える。そうです、「コンクリートから人へ」といった「シミッタレ政権」から「人からコンクリートへ」といった「フトコロ政権」への「先行投資」なのかもしれない。自民+財界+官僚+地方自治の強固な連帯意識が生まれようとしている。これは単なる「逆戻り現象ではない」、官僚(中央)支配が地方に拡散する前触れかもしれない、分散統制型国家になる可能性があるのかもしれない。霞が関からは、国民ほんらいの姿が見えていないのかもしれない。

 


「邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」

2012-10-10 | 政治・経済を考える

国際通貨基金(IMF)は10日、最新の世界金融安定性報告(GFSR)を発表した。「2008年の金融危機以降、邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」とした上で、国債保有に伴うリスクが銀行システムに集中する状況は、地銀・中小銀行を中心に高まる見通しで、「日本の金融安定にとって主要な懸念要因だ」と警告を発した。IMFは、このような懸念に対処するため、「日本は財政不均衡の是正と、国債市場が銀行システムを不安定化させるリスクの削減に向けて、包括的な戦略が必要だ」と強調。国内を活動拠点とする銀行の最低自己資本比率を、国際的に事業展開する銀行により近づけたり、リスクの重要度との関連を高めたりする対策などが考えられるとした。(jijicom)

世界の経済は、急速にグローバル化(拡大)し、結果、機能不全に陥っている。危機的状況はヨーロッパだけではない、中国を軸とする新興国経済にも陰りを増してきていることが、世界の不安材料になっている。悪いことには、視界ゼロのまま、走り続けないと、ドミノ倒しになる恐れがあるからだ。もともとアメリカのリーマンショックが発端なのだが、それ以降の「過剰な金融緩和策」に問題がある。行き場のなくなった大量の資金が地球の周回軌道を漂っている、この「不健全さ」に問題がある。「邦銀が日本国債の主要な買い手となっている」「日本の金融安定にとって主要な懸念要因だ」と警告、言うまでもない、問題のシワヨセが日本の「金融リスク」になっている。これは、日本の金融機関の体質でもある。日本の「赤字国債」がいつまでも減らない要因も、この体質にある。これまでの「成長路線」が生み出した「体質」と言ってもいい、財政は健全でなければならない、国の財政も民間金融機関も毅然とすべき時かもしれない。

 


自民党・公明党を軸に官僚や経済団体がヨリを戻しつつある

2012-10-08 | 政治・経済を考える

   「中日春秋」(中日新聞コラム)に「日本の官僚は本当に賢い。もちろん、その前に「ずる」という接頭語がつくのではあるが。一見、分かりにくい法律や行政文書の中に短い文言を忍び込ませ、我田引水の解釈をすることなど朝飯前だろう▼被災地の再建とは無関係の事業まで、復興予算が使われた実態が次々に明らかになってきた。核融合エネルギーの研究費に約四十二億円、調査捕鯨事業に二十三億円、東京の国立競技場の補修に三億三千万円…。被災地以外の官庁の庁舎改修にも、巨額の費用が投じられたようだ」とある。民主党政権に陰りが見られるようになり、自民党や公明党が声高に「解散」を迫り、さらに追い打ちをかけるように、官僚たちの傲慢さが巷の話題になり始める。いずれも、「口元過ぎれば熱さ忘れる」である。経済団体もアカラサマに、民主党を見限り自民党に擦り寄り始めた。「あの頃が良かった」とでも言うように、自民党・公明党を軸に官僚や経済団体がヨリを戻しつつある、磁石に吸い寄せられるように・・・手土産を持ち寄り「宴会」でもするかのように、満面の笑みをたたえながら・・・ほんとうにこれでいいのか。3年前と変わらない「あの頃」に戻してもいいのか、ほんとうにいいのか。「行政改革」にはそれ相応の時間がかかることがわかった、地方自治も含めて手付かずの課題は山済みのままである、このまま放置していいのか。3年間で諦めるのは、早すぎないか。  


国際通貨基金(IMF)ラガルド専務理事「両国は寛容の精神を持つことが必要だ」

2012-10-03 | 政治・経済を考える

【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は2日、時事通信などと会見し、沖縄県・をめぐる日中両国間の摩擦に関し、「両国は寛容の精神を持つことが必要だ」との見解を表明した。同問題をめぐっては、米通信社が同日、複数の中国国有大手銀行が9~14日に東京で開催されるIMF・世界銀行年次総会の関連行事を欠席する方針を固めたと報じるなど、東京総会への影響も懸念され始めた。同専務理事は、中国政府がIMF・世銀総会への出席を取りやめる可能性については、「私の知る限り、そうした打診はまったく受けていない」と否定した。その上で「日中はともに世界経済の重要なけん引役であり、領土をめぐり両国間に争いが生じることは望ましくない」と強調した。(jijicom)

国際通貨基金(IMF)ラガルド専務理事「両国は寛容の精神を持つことが必要だ」、言うまでもないが尖閣諸島に絡む両国の摩擦に「懸念」を示した見解である。経済の視点で見れば、世界は急速にグローバル化している。国家間の経済障壁(関税を含む)が少なくなり、物とお金の流れがスムーズになるにつれ、互いの文化や生活に「共通の意識」が芽生え始めた。わたしたちは、地球レベルの意識を持ち始めたのかもしれない、幻想でなければ・・・。この意識が、国際的な「平和意識」につながるまでにはそれ相応の時間を要する、まだ楽観的に語れない要素も多い。IMFのラガルドさんの言葉にある「寛容の精神」が必要かもしれません。力を背景にした「交渉」など、虚しい「解決策」でしかない。

 

          


政治のかじ取りの難しさと同時に「危うさ」を見せつけられているのかもしれない

2012-09-26 | 政治・経済を考える

穏健派とみなされていた谷垣総裁と異なり、今回の総裁選候補はナショナリスト的な争点を追求している。例えば、中国や韓国との領有権論争で強硬姿勢をとったり、軍事力(自衛隊)を強化したり、国旗と国歌の尊重的な態度を義務付けたりしようとしている。最有力候補の石破茂元国防相と安部晋三元首相はいずれもタカ派として知られる。候補者たちはすべて日本の領海紛争を利用して野田首相を批判、香港の活動家が尖閣諸島に上陸したり、中国の監視船が同諸島の日本の領海に侵入したことを受けて、もっと強硬な措置を講じるべきだと主張している。候補者の一人、石原伸晃幹事長は24日の遊説で、領土が侵略される恐れが生じており強い決意を示す時だと述べた。石原氏は、石原慎太郎東京都知事の息子だ。同知事は尖閣諸島を購入して都の一部にしようとし、最近の日中の緊張の引き金を引いた。尖閣諸島は日本が実効支配しているが、中国も領有権を主張しており、釣魚島と呼んでいる。 

 自民党内の強硬意見は、数年前なら場違いだっただろう。当時、自民党は半世紀にわたりほぼ一貫して政権党の座にあったが、2009年の総選挙で野に下った。保守政党の一角でしかも政権党であったとき、自民党は波風が立つようなことはせず、地政学上の争いは、世界的な企業の本拠地である日本のために良くないとみなしていた、と政治の専門家は言う。候補者の一人、林芳正政調会長代理は、自民党は現在、政策を純化しており、その保守派的なルーツに回帰しようとしているとの見方を示した。林氏は最近のインタビューで、自民党は政権与党の座にあった長い間、広範囲な意見を聞き、保守性をトーンダウンしなければならなかったと述べ、今は野党なのだから、党の基本に立ち返ることだと語った。また石破氏は尖閣諸島防衛のため自衛隊を動員すべきだと述べている。同氏はインタビューで、尖閣諸島に上陸しようとする者に対して威嚇射撃することを自衛隊に認めるべきだと述べている。一方、安部氏はいわゆる従軍慰安婦という極めてセンシティブな問題に踏み込んだ。従軍慰安婦は、第2次世界大戦前や大戦中、日本人兵士のための売春施設で強制的に働かされた朝鮮(当時)やその他アジアの女性を指す。韓国は、日本側がこの問題で十分な償いをしていないと主張している。これに対し、安部氏は、これらの女性が売春施設で働くよう強要されたことを認めた日本のこれまでの謝罪姿勢を実際には撤回すべきだと述べている。 

 また石破氏も安部氏も、日本の戦争放棄をうたった憲法の改正を支持しており、同盟国が攻撃された際には互いに支援できるとする集団的自衛権の行使に対する自制解除も主張している。自民党の選挙綱領もナショナリストに受けの良い問題が満載だ。例えば同綱領は憲法を改正して、日本の国旗と国歌(君が代)を国民の象徴として確立し、天皇を「国の象徴」から国家元首に格上げするよう求めている。 

 米ウォッシュボーン大学法律大学院(カンザス州)のクレイグ・マーティン准教授は、アジアの近隣諸国はこうした日本の憲法修正に強く反対するだろうと指摘した。同准教授は、軍備や武力行使に対する抑制が弱まると受け止められる憲法改正は「日本のナショナリズム強化の道を開き、軍国主義が台頭する可能性が出てくる、と中国や韓国で受け止められるだろう」と語った。自民党候補者たちのタカ派的な見解はまた、カリスマ的人気がある橋下徹・大阪市長のそれに呼応する。橋下氏は月内に国政政党を正式に発足させる見通しだ。(WSJ記者: Alexander Martin )

わたしは、折に触れて海外報道とりわけウォールストリートジャーナルからの記事をブログに(転記)載せている。冷静且つ視点を変えて、日本の状況を見てほしいと思うからです。わたしは、自民党総裁は谷垣さんの継続でいいと思っていた、このような今日的状況は想定していなかった。このまま推移すれば、日本の政治は過去に回帰するばかりでなく「かなり危うい状況」に一歩踏み出すことになる。「政治の右傾化」は、日本の経済・文化にとっても好ましい事態では決してない。中国もロシアもアメリカも、日本のナショナリズム(国家主義)が高揚することを必ずしも望んではいない。隣接する国家間に多くの課題があることは周知のことです、「領土問題」「経済摩擦」など扱いにくい課題が時折トラブルとして表面化することも周知のことです。このような困難な状況下、このような自民党総裁選でいいのか、わたしたちは政治の「レベル」を目の当たりにしている。わたしたちは、政治のかじ取りの難しさと同時に「危うさ」を見せつけられているのかもしれない。