今日はもういっちょ、スキル系の話を。(昼に寝すぎて眠れないから起き出して来た・・・)
最後のファイナル・レポート、昨日やっと終わる・・・。
今週は、ものすごい量の英文を書いた。
しばらく英文を書くのがイヤになるほど書いた。
ファイナルレポートは3本だったけど、どれも長かったのと、うち2本は自分がまとめ役になったから。
来学期、論文(Thesis)を書き上げることを考えれば大した量ではないが、練習としては良かったのかも。
というわけで、大量に英文を書いていて、気がついたコツなどを中心に。
MBAエッセイにも通じるものがあるので、エッセイ書いてる人にも役に立つかも。
(構成編)
1.全体の章立てを構成し、各章のタイトルを決める。空・雨・傘が使える。
英文のレポートの場合、最初にIntroduction、最後にConclusionを書くことが決まっている。
これは論文でも一緒。
後はその間をどう埋めるかだが、内容に応じて自分で決めてもいいし、
カバーすべき項目が決まってる場合は、それを使えばいいし、
困ったときは、良くあるフレームワークを使ってもいいと思う。
MBAなど、経営関係だと次のようなものが使えると思う。
Situation (状況)
Complication (意味合い・問題提起)
Resolution (解決策)
または、全く同じだけど、
空(ファクト・事実:空が曇って、雨雲が出ている)
雨(意味合い:雨が降るだろう)
傘(解決・実行案:傘を持って家をでよう)
または、
Why (問題提起)
What (問題解決の方向性)
How (解決の具体的な方策)
なんてのも使えると思う。
これをそのままタイトルにするとウザイので、適当に変える。
例えば、携帯電話業界を扱うレポートだったら、
-Market trends in US mobile handset market (Situation)
-Major issues of US handset manufacturers (Complication)
-Recommendation and action plans for manufacturers (Resolutions)
となるかな。
もちろん、上記のフレームワークを使う必要は全くなく、時と場合により、色んな構成方法があると思う。
例えば授業で習ったフレームワークを使うとか。
(起承転結は英語では使わない)
論文とかだと、業界によって、決まったテンプレートがあるはずなので、それを使えばいいし。
要は、論理的に構成されてればいいんだと思う。
2.各章でイイタイコトを箇条書きで複数ポイント書く。
それぞれのポイントが論理的につながってるようにする。
そうすると、各ポイントが一パラグラフになるイメージ。
更にイイタイコトをサポートする内容があれば、一段下の箇条書きで書く。
これは、パラグラフ内の文章になったりする。
この辺りは慣れないうちは日本語でやっても問題ないと思う。
MBAに来て1年も経つと、こういう作業をチームでやるようになるので、自然と英語でやるようになる。
3.まずはその構成に沿って、イイタイコトをワァーっとひたすら書く。
ここまでばっちり構成を作ったら、書きたいことをがんがん書いてもそんなにズレるはずがないので、ただひたすら書く。
文法も語彙の用法も気にせず、とにかく書く。
書く言葉が出てこないときは、一部日本語でも良い。
文法や英語化は後でやればよいので、なるほどと思えるだけの中身があることが重要。
とにかくまず書くのは大事。
書くことは考えること。書くことで考えられる。
十分考えが練られてなくても、書きながら考えて、後で推敲すれば良い。
各パラグラフ、箇条書きで書いた内容からずれないようにしながら、書きたいことを書ききる。
(推敲編)
4.各パラグラフで最も強調したいことが最初の一文になるように構成しなおす。
→もっとも強調したいところを太字にし、それを無理やり段落の最初に持ってきて、意味が通じるように文章を練り直す。
以前ケースの速読法で書いたように、レポートやエッセイなどの論理的な文章は、最も大切なことがパラグラフの最初に来ていることが大切だ。
パラグラフの最初の一文だけ読んでも、意味が通じるような文章を書くべきなのだ。
ところが、日本人の癖として、「結論を後に持ってくる」というのがある。
で、結論を先に書いて書き始めると、「結論は後」に慣れてる人は、素直に文章がかけなかったりする。
そこで私のオススメは、3のように書ききってから、後で直すこと。
順序として、まず、書ききった文章の中で最も強調したいところを太字にする。
その文章を無理やり段落の最初に持ってくる。
それが最初に来ても意味が通じるように、回りの文章を書き直す。
これでかなり英語らしい文章になります。
5.文章は短く。
非ネイティブの文章は、タダでさえ文法や言い回しが間違っていて読みにくいので、とにかく短く書くこと。
ひとつの文章が2,3行に及ぶような場合は、長すぎ。
二つに切る。
切ると論旨が切れちゃうような場合は、接続詞を使えばよい。
そのための接続詞。
このほうが、段落全体の構造が分かりやすくなるのだ。
ちなみに私はこれを日本語でも(このブログ書くときも)やってます。
文章が下手なのは自覚してるから、わざと文章を短くして構造を分かりやすくしてるんです。
もちろん、長くても流麗な文章が書ける人は(サマセット・モーム然り・・)その限りではないですが。
6.Sign posting wordを使う
First, Second (Next), Third (Last) のようなSign posting wordや、
However, Therefore/Thus のような接続詞を使って、文章の構造を分かりやすくする。
これも普通にワァーって書いてるときは余り使わなかったりするので、後で読み直して、論旨が分かりにくくなっていたらつけること。
7.単語・熟語の言い回しはGoogleで検索して、検索結果の多いものを採用(かなりオススメ)
これは私が7年前に英語で修士論文を書いていた頃から使っている技。
英語の表現で、前置詞が使われるものとかin なのか on なのか for なのか、
複数形で書くべきか、単数形で書くべきか、など、分からないことが良くある。
こういうときは、Googleで各表現を調べて、自分のイイタイコトを表現するのに一番使われてると思う表現を採用する。
検索するときは、" "をつける。でないと、曖昧表現も同時に検索されてしまうから。
例えば、役員報酬、という言葉。
Executive compensation というべきか、compensation for executivesというべきか、compensation of executivesというべきか。
調べてみると、
"compensation for executives" 10,600,000件。しかもSponsor linkまで大量にある・・・。
"executive compensation" 3,140,000件。
"compensation of executives" 1,240,000件
というわけで、圧倒的にcompensation for executivesが使われていることが分かる。
検索結果を詳しく見ると、executive compensationは、資料や章のタイトルなどで使われてるから、文中に適した言葉とは必ずしも限らないと分かる。
またcompensation of executivesには、Non-nativeのページが非常に多くて、実は英語らしくない表現だと言うことも分かる。
推敲する時は、こういう自分の英語表現などもいちいち気にして直す。
こういうのは、てにをはが間違ってるようなものなので、直すとネイティブにはだいぶ読みやすくなる。
自分が、よく使われる自然な英語を覚えることにもつながる。
8. Wordの検索・置換機能を使って、表現の統一を図る
これ、複数人で書いてるときや、時間を置いて書いてるときなどに特に重要。
ひとつのレポートやエッセイの中で、同じ概念を表すのに複数の異なる言葉が使われてると、読んでいる方は意味不明になる。
Wordの検索・置換を使えば、簡単に直せるのでこれは必ずやる。
例えば、今回私は携帯電話業界のレポートを5人のチームで書いたのだけど、ひとつの「携帯電話端末」という言葉をあらわすのに、
mobile handset; mobile phone; cell phone; cellular phone; mobile terminal
など5つもの表現が使われていて驚いた。
しかも、ある人は、mobile phoneを携帯電話の一般的な概念を表すのに使っているのに、ある人は端末をあらわすのに使っている。
どんなになじみがある人でも、これでは意味不明。
こういうのって、自分ひとりでレポート書いてるときでも、ふとやってしまうので、必ずチェック。
・・・こんなものかなあ・・・
また、この1週間、論文準備で英文読みまくり・書きまくりの日々が続く予定なので、また思い立ったら書きます。
これめちゃくちゃ使えますね!
早速今日から使いました・・・!
あと4.ですけど、逆にこっちが英語の長い本読むときってパラグラフリーディング、すなわち段落の最初と最後ちょろ、チャプターの最初と最後ちょろだけ読みますよね~。へ~。MBAの授業の予習もそんな感じでしょうか。書くときも気をつけます。
マサチューセッツは寒いのでしょうね
僕は今、丁度Ph.D thesisを執筆中なので
とても参考になりました。
僕が習ったのは、ネィティブの良い論文の
良いストラクチャーと言い回しを「パクる」こと。
理系の論文は結構言い回しが決まってますよね。経営学の論文はどうなのですか?
こんなこと書いてるけれど、博士課程を修了しても、指導教官に「君の英語は難しい(つまり、へたっぴ)」と言われてしまいます。
ああ、留学したいなあ。
とても参考になる記事でした、
とくにグーグルの、英単語選択への応用が。
そんな技があったんですね~なるほど~
すごい!って純粋に感動です。
日本では起承転結ですが、
アメリカでは三段論法なんですね。
日本の論文は、論文でもどこか物語的なのでしょうか。
前の記事の、
聴いてもらう人に意識をひらいているかどうか、っていうのも、とてもよくわかります。
相手の反応を受け入れて話すって
最初の一歩は勇気がいるんですよね。
私はそんなに難しいことを話す日々ではないですが・・・(^^)
>逆にこっちが英語の長い本読むときってパラグラフリーディング、すなわち段落の最初と最後ちょろ、チャプターの最初と最後ちょろだけ読みますよね~
いやー全くその通りで、だから自分もそういう読み方に耐える文章を書かなきゃダメだなと自覚しますね。
>じゅんさま
>ネィティブの良い論文の良いストラクチャーと言い回しを「パクる」こと。
これは確かに良いと思います。
ただ経営学は実は文系で、レトリックも若干重要なので、余りパクリすぎると剽窃になってしまうので注意が必要かもです。
>ひつじのメイさま
おーお久しぶりです。
ダンナと「最近ひつじのメイさんのブログ再開してるね~」と二人で楽しく読んでいたところでした。
そうGoogleこうやって使えるんですよね~。
検索すると「どういう状況で皆が使ってるか」が分かるので、それもすごく役に立ちます。
ところで今年の冬はスペインに行くつもりで準備してます。
今学期習ってきたスペイン語をうまく活用できればいいなあ~と。
はじめがsituationで最後がresolutionのフレームワーク、真ん中なんだったっけなぁ、、、
と思ってググってたら、なんとお姉さまのブログにたどり着きました 笑
(ネーミングは本質的ではないですが、資料をササッとそれっぽく作るのには便利ですよね)
相変わらずご健在なようで何よりです。ご帰国なさったら一度飲みに行きましょう!
お久しぶりです。
何とか元気にやってます。
実は帰国してるんですが、来週にはまた帰米する予定。
まあ7月くらいにはまた日本に帰ってきますので、そのときでも是非のみに行きましょう!
(そのときは個人メールに連絡ってことで)