8/9にNHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実(後編)」を見ました。
原爆投下後の残留放射線状況をアメリカの科学者達が調べて「大量の残留放射線が残されている」と報告したのに、政治的な上からの圧力で「問題はない」という偽の報告書を作るしかなく、それが公文書となってアメリカはその後も原爆を作り続けました。
残留放射線の真実は封印されたのです。
しかし当時の科学者の1人が遺品の中に膨大な「原爆の資料」を残していて、遺族がそれを見つけて事実が明るみに出ました。
封印が解けたのです。
先日見た「濡れ衣の夢」の内容が重なりました。
関わった人たちの心模様を深く感じる事ができたのです。
遺品に残したのは「自分には出来なかったけど、いつか真実が明るみに出るように」という思いがあったのかなと。
大きな力に負けて自分の心を偽ったけど、それがずっと心の中の負い目となっていて本心は真実を伝えたかったのではないかなと感じました。
だから報告書を破棄せずにずっと残されていたのではないでしょうか。
この資料だけは捨てられないと思われたのでしょう。
その思いは時間を経て、遺族の力によって叶ってます。
真実を封印したのが自分の中にもあると感じたら、自分(遺族)で開くことで呪縛は解けるのですよね。
残留放射線の調査はアメリカだけではなく、日本や当時のソビエトもやってました。
しかしどの国も真実を把握した上で、上の圧力や思惑などで「問題はない」とされました。
日本さえもです。
当時の日本の科学者か医者か忘れましたが、その人は真実を告げたら被爆者や日本人がこれからの人生に希望を失う恐れがあると心配して報告できなかったと話していたように思います。
被爆や黒い雨に打たれた方々は、知っていれば違った対応が出来たと思われるでしょう。
そして真実を知った事で強く恨みを抱くかもしれません。
でもどんなに悔しくても、もう過去に戻る事はできないのですよね。
真実が明るみに出ることで、解らないという暗闇からは脱出できます。
そこからいろんな事を理解することが可能になります。
きっと被爆者の方々は、助かりたくても助からなかった多くの人たちを見てきたからこそ生き延びた者には原爆の恐ろしさを後世に伝えていく役目があると、だから助かった事に「生かされた意味」を見出されたのかもしれません。
でもその度に当時を思い出されるのも事実で、物凄い苦しさの連続だったと思います。
「生きている」という事に役目なんて本当は無いのではないでしょうか。
強いていうならば「自分の人生を充分に味わって楽しかった感覚を持ち帰る」のが役目。
原爆投下後に亡くなった方々は、もしかしたら「私はダメだったけど、あなたは生きてて良かったね」と大きな愛で見守り、新しい転生で今を充分味わていられる方もいるかもしれない。
もし「私はダメだったのに、あなたは助かって悔しい」と思ってあの場に留まっていらっしゃる霊がいたとしても、今も苦しむ被爆者の方々の気持ちを見ていたら『もう原爆から自由になっていいんだよ』と思われるかもしれない。
そして生き延びても苦しさがたくさん待っているのなら、この場所に悔しい思いは脱ぎ捨てて新しい場所へ幸せを探しに行こうと思われるかもしれない。
原爆で亡くなった方が「それでも生きたかった」と思うのは多分「生きてて良かった!」という瞬間をたくさん味わってみたかったからではないでしょうか。
それが出来なかった無念を感じ取れるから、自分に出来る事も「生きてて良かったと感動する瞬間」をたくさん味わう事なんですよね。それが供養にもなると私は思うのです。
「自分には出来ないけどあなたは出来てていいね」という負の感情があったとしても、妬みの気持ちでその場所にずっと留まっていても決して幸せな瞬間は訪れないのです。
ここにいても自分は幸せになれないと思い切って負の感情はそこで脱ぎ捨てて、動いて新しい場所に幸せを見つけに行くことも出来ます。
結局は亡くなった方々も生きている人たちも、自分を幸せにするのは自分自身の気持ち次第だと言えるのではないでしょうか。
そして「幸せだと思う気持ち」が側にいる人やこの世の世界、そして見えない世界にも影響して、幸せな世界が広がっていくのだと思います。