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アスベスト

2005年07月23日 18時45分56秒 | 政治

80年に周辺住民の危険予測 環境庁研究班、対策要求
アスベスト 従業員500人死亡 「労災」から「公害」へ 家族・周辺住民も発症

 アスベストっていう言葉を、生まれてはじめて聞いた。2,30年前から危険性は科学的には認識されていたようだが、一般の国民にはそれほど危機意識が無かったということだろう。

 薬害エイズ事件では、行政(旧厚生省)がその危険性を認識しながら(あるいは、することができたのに)、そういう薬品を流通させ続けた。

 今回のアスベストの場合も、その危険性を認識していた、とはまだ断定できないが、海外の事例も含め、認識し得た、するべきだった。アスベストの使用を禁止すべきだったのにしなかった、つまり、行政の不作為が今のこんな重大な結果を招いているという構図は、薬害エイズと同じのように見える。

 ただ、アスベストは薬品ではなく(当たり前だが)、燃えないし、加工しやすいということで広く利用されていた。それに、アスベストはそのままの状態で、つまりアスベストが使われたビルなどの中で普通に呼吸してもなんの問題もない。アスベストが使われたビルなどを解体した時に出る粉塵等を吸い込むことが問題なのである。

 アスベストにはそれなりに危険性がある(目に見えたものではなく)、しかし、使いやすい素材として、現場で重宝されている。そういう状況の中で、行政は使用禁止という対策をとるということまで踏み込めなかったということだろう。

 ここで考えなければならないのは、行政の責任をどこまで求めるのか、ということである。たしかに、今、多くの方が亡くなり、これからも被害が拡大するおそれがあるという状況になってしまったのは、行政の責任でもある。しかし、何でもかんでも「行政が悪い」というのもおかしな考え方である。

 建設業界から、こういう危険なものの使用を禁止しようという自主的な動きがもっと早く出てきてもよかったし、また、国会において使用禁止等を含めた規制法案が出来てもよかった。行政だけの問題ではない。

 もちろん、行政は迅速かつ的確に行動しなければならない。今、こういう事態になった以上、補償等も含めた対策が求められる。


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