来週の 美作流定期公演「雨にドラマを踊る」
長唄「蛍」の若妻役を踊ります。
ほたる、ほたる、水辺の蛍、なぜ飛ぶ光る宵闇に、
草の葉末の白露が、待つとの便りくれたゆえ。
その便り誰が運ぶ、森の木陰や梢を巡り、柳のはらろ、うちなびかせつ
吹く風に、乗るは便りばかりかは、
数うればはや二年前、大君の命かしこみ、野山越え、東の国を立ち出でぬ、
道は長手、はろばろと、はろばろと、
別れの辛さに、若草の妻の嘆き、まさけくて、はや帰りこと、涙ながらに、
声の限りに、いつまでもいつまでも、振り向いて千切れるばかりに袖振れば、
己妻し駆け出だす、その腕に抱かれし吾子よ幼児。
片言に父を恋い、花の綿毛を目で追いて、取れよとせがみし小さき手、
汝が父はもののふ、誇りかにあれ、汝はわが子、汝が母はわが恋人。
初めて逢いしは歌垣の、下弦の月の出を待つころ、互いにそっと呼びかける、
唱歌に応えし草枕、ただ狂おしく短夜の、やがてほのぼの明けるさえ
草原に吹く朝風が、妹のうないに触れるさえ、妬ましく恨めしく、
いつとなく人言繁くなりる。
吾妹のもしや、きぬにてあるならば、人目忍びて、人目忍びて、下に着ましを、
衣ならば衣にてありせば、下に着ましを、人言の繁かるときは
相逢うて、日数重ねて月満ちて、産声あげし吾子よ汝れ、
笑えばとて泣けばとて、親はもろとも泣き、笑い、朝な夕なを過ごせしぞや、
それも束の間。
大君の任のまにまに、旅立ちて、遠つ国の岬守る、われは防人。
弓束しっかと握り締め、風吹きつける巌の上、荒磯の海に向かいて立つ、
おりしも雪降る夕間暮れ、不知火か、それかあらぬか海の原、
漂う小舟の、三つ四つ五つ、岬めがけて漕ぎ来る、もののふども、
ここぞ務めと競い立ち、護り固めて得物おっとり、任かしこみえて戦えば、
さすがの賊もちりじりに、あるいは傷負いあるいは海の千尋の底へまっさかさま、
船足早めて逃げ出だす、
闇に紛れし舟影より、宙を切り裂き最後の毒矢、わが胸板を刺し貫く
不知火の、筑紫の岬守る、われは防人、われは汝が父露の宿りの草葉の影。
ほたる、ほたる、水辺のほたる、なぜ飛ぶ光る宵闇に、
己妻よ、いとし子よ、めぐし、うつくし、よくはぐくみし、よく育ちし、
汝が未来はきらら、きらら、父より多くのことを知り、育てと祈り、つけし名千文、
千文よ、あこよ、己妻よ、真さきくあれよ、いつまでも、
ほたる、ほたる、水辺のほたる、なぜ飛ぶ光る宵闇に。
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若い男女が出会い恋に落ち、生まれた子「千文」との幸せな日々も長くは続かず、
夫は防人として旅立ちます。涙ながらに見送る母子。
毒矢に倒れた夫はふるさとの水辺にほたるとなって戻り、
帰りを待つ妻と子に語りかけます。いかに誇り高く生きたか、どれほど妻子を愛しているか、そして千文の未来が輝かしいものであれと、魂の叫びを残して去ります。
平和への願いを込めて演じたいと思います。
自分が泣かないように・・・無理かなあ。
稽古では、泣きそうな相方に引きずられないよう、必死で我慢してますが・・・。
長唄「蛍」の若妻役を踊ります。
ほたる、ほたる、水辺の蛍、なぜ飛ぶ光る宵闇に、
草の葉末の白露が、待つとの便りくれたゆえ。
その便り誰が運ぶ、森の木陰や梢を巡り、柳のはらろ、うちなびかせつ
吹く風に、乗るは便りばかりかは、
数うればはや二年前、大君の命かしこみ、野山越え、東の国を立ち出でぬ、
道は長手、はろばろと、はろばろと、
別れの辛さに、若草の妻の嘆き、まさけくて、はや帰りこと、涙ながらに、
声の限りに、いつまでもいつまでも、振り向いて千切れるばかりに袖振れば、
己妻し駆け出だす、その腕に抱かれし吾子よ幼児。
片言に父を恋い、花の綿毛を目で追いて、取れよとせがみし小さき手、
汝が父はもののふ、誇りかにあれ、汝はわが子、汝が母はわが恋人。
初めて逢いしは歌垣の、下弦の月の出を待つころ、互いにそっと呼びかける、
唱歌に応えし草枕、ただ狂おしく短夜の、やがてほのぼの明けるさえ
草原に吹く朝風が、妹のうないに触れるさえ、妬ましく恨めしく、
いつとなく人言繁くなりる。
吾妹のもしや、きぬにてあるならば、人目忍びて、人目忍びて、下に着ましを、
衣ならば衣にてありせば、下に着ましを、人言の繁かるときは
相逢うて、日数重ねて月満ちて、産声あげし吾子よ汝れ、
笑えばとて泣けばとて、親はもろとも泣き、笑い、朝な夕なを過ごせしぞや、
それも束の間。
大君の任のまにまに、旅立ちて、遠つ国の岬守る、われは防人。
弓束しっかと握り締め、風吹きつける巌の上、荒磯の海に向かいて立つ、
おりしも雪降る夕間暮れ、不知火か、それかあらぬか海の原、
漂う小舟の、三つ四つ五つ、岬めがけて漕ぎ来る、もののふども、
ここぞ務めと競い立ち、護り固めて得物おっとり、任かしこみえて戦えば、
さすがの賊もちりじりに、あるいは傷負いあるいは海の千尋の底へまっさかさま、
船足早めて逃げ出だす、
闇に紛れし舟影より、宙を切り裂き最後の毒矢、わが胸板を刺し貫く
不知火の、筑紫の岬守る、われは防人、われは汝が父露の宿りの草葉の影。
ほたる、ほたる、水辺のほたる、なぜ飛ぶ光る宵闇に、
己妻よ、いとし子よ、めぐし、うつくし、よくはぐくみし、よく育ちし、
汝が未来はきらら、きらら、父より多くのことを知り、育てと祈り、つけし名千文、
千文よ、あこよ、己妻よ、真さきくあれよ、いつまでも、
ほたる、ほたる、水辺のほたる、なぜ飛ぶ光る宵闇に。
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若い男女が出会い恋に落ち、生まれた子「千文」との幸せな日々も長くは続かず、
夫は防人として旅立ちます。涙ながらに見送る母子。
毒矢に倒れた夫はふるさとの水辺にほたるとなって戻り、
帰りを待つ妻と子に語りかけます。いかに誇り高く生きたか、どれほど妻子を愛しているか、そして千文の未来が輝かしいものであれと、魂の叫びを残して去ります。
平和への願いを込めて演じたいと思います。
自分が泣かないように・・・無理かなあ。
稽古では、泣きそうな相方に引きずられないよう、必死で我慢してますが・・・。
でも、泣いちゃいそうな物語ですよねぇ私は、泣き虫なんでダメですよ、きっと号泣かもです
先輩が後輩の舞台を見て、「よくぞここまで踊れるようになったわア・・・号泣」 ってのもあるし、「今、飛んでる蛍が見えた・・・号泣」ってのもあるしねえ。みんな熱いのよねぇ
本番で殴られないことを、祈ります
私も、今「お夏狂乱」をお稽古してますが、
曲を聴くだけで泣けちゃうので、お稽古では
”入りすぎない様に”必死にセーブしては・・・
「芝居しないと!」と、怒られて居ります。。。
だって、「泣いたらおしまいだ」っていう気分になっちゃいますよね(^_^:)
電車で聴きながら、ほとんど・・・泣いてます(t▽t)