milkyway‥☆‥☆∵☆∵

心に通り過ぎるたくさんの思い
あなたにも どうか、届きますように…

「宿命」ロミオとジュリエット

2010-09-21 20:52:49 | ダンス
19日のことですが、兵庫県立芸術文化センターに行って来ました。
伊勢物語でご一緒させていただいた法村圭緒さんがロミオを演じられるということ、
西本智美さんが指揮をされるということ、
それと、演奏会形式+バレエって、どんな形なんだろう…
オーケストラはどんな風に演奏し、
ダンサーはどんな風に踊るのだろう…
いろいろなことにとても興味があり、なんとか空いた時間を利用して劇場に走りました。

とても美しく広いホールの舞台上にオーケストラが位置し、
踊るスペースは、その後ろの高い高い台の上。
パンフレットを見てみると、高さは2メートルとか…。
その上かなり狭くて、見ただけで立ちすくみそうな場所で、
開演前から私の方が緊張していました。

でも、見終わった後は言葉にできないほど感動しました。
シェイクスピアのドラマに作曲家のプロコフィエフが音楽をつけた…
その原点に戻った形で、バレエは音楽とシンクロしながら物語を演じていくという形でした。

バレエと言っても、ジャンプもピルエットもバリエーションもありません。
狭い場所なので、動きも制限されています。
それにバレエのマイムというより、本当にお芝居を演じているような動きです。
でも、とても美しい。
華やかな踊りも飾りも何もなく、すべてそぎ落とされた中で、
自分の身体と心を使って、物語を演じていく。
一つ一つの動きが意味を持っていて、一瞬たりとも目が離せない…
というより、目を離すのがもったいないと感じる濃密な舞台でした。
ジュリエット役の中村さんも可憐で一途な雰囲気がとてもよく出ていました。
法村さんは、あの狭いスペースで空間の使い方が素晴らしく、
また、動きのどこを切り取っても絵画のような無駄のない美しさでした。
そして、抑えた繊細な表現と全身を使った大胆な表現でロミオの内面と
この悲劇を伝えてきました。
声はないのに、叫び声が聞こえるようで、客席が泣いていました。
バレエとしての見せ場は、ないも同じなのに、こんなにも人を感動させる。
とても深みのある舞台でした。
ものすごく大きなことを学ばせてもらったように思います。

どうしてもダンサーとしての目から見てしまいますが、
演奏も素晴らしかったです。そして西本智美さんは、かっこよすぎの男前でした