ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

本当に民意は「9条維持」か?

2007年04月19日 | 憲法9条
 ここ最近、懸案であった国民投票法案が衆院を通過したということもあって、また憲法改正論議が活発化してきたと思います。周知のように、わが国の憲法に関しては、護憲派と改憲派がお互いに一歩も譲ず、互いに憲法について主張を展開しています。

 そんな最中、共同通信社が行った憲法改正に関しての世論調査の結果が、4月17日に発表されました。
 それによると、9条改正が「必要」と答えた割合が26%だったのに対し、「不要」と答えた人の割合は44.5%だったといいます。
 なるほど。確かに表面に現れた数字だけを見ると、一見すれば世論は「9条維持」が増えてきたように思われます。しかし、これは、共同通信社の9条に関しての「聞き方」にも、何か原因があるのではないかと思い、共同通信社の行った質問の「聞き方」について調べてみました。

 案の定といったところでしょうか。以下、その質問全文。

 問7 憲法9条は戦争を放棄し、戦力を持たないことを定めています。あなたは、憲法9条を改正する必要があると思いますか、そうは思いませんか。

 これでは、上記の結果になったことも納得できます。
 なぜならば、9条について、1項と2項を「ひっくるめて」聞いているからです。

 確かに、9条では戦争の放棄(1項)と軍事力の不保持(2項)を謳っています。しかし、与党の憲法改正案では、9条1項の理念は継承し、2項の戦力の不保持を見直そうというものです。それなのに、上記の共同通信社のような聞き方では、まるで1項までも改正しようとしているように思われてしまいます。

 これは煽動的な手段だと思います。そりゃあ誰だって戦争の放棄には賛成するでしょう。ですが、もし、1項と2項を別々に質問をしていれば、この結果とは別の結果になったと思います。「どちらともいえない」と答えた人の割合が27%もいますしね。

 これをもって、「民意は9条維持だ」(琉球新報4月19日社説http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23068-storytopic-11.html)ということは、あまりにも短絡的であると言わざるを得ません。

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