ひとり井戸端会議

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子ども手当は少子化対策か?経済対策か?

2010年11月04日 | 社会保障関係
子ども手当財源、地方負担容認も 関係閣僚が検討会議(共同通信) - goo ニュース

 来年度以降の子ども手当の制度設計について、玄葉光一郎国家戦略担当相、野田佳彦財務相、細川律夫厚生労働相ら関係5閣僚が4日、検討会議の初会合を内閣府で開いた。会議終了後、同じメンバーである片山善博総務相は記者団に「扶養控除廃止に伴い地方税の増収分もある。何らかの形で子ども対策に使わなければいけない」と述べ、子ども手当の財源に地方負担を求めることに前向きな考えを示した。



 そもそも、この政策というのは、経済対策なのか?それとも少子化対策なのか?この点が全く明らかになっていない。というか、この政権からまともな説明を聞いたことがない。

 子育てにカネがかかる。それは分かる。しかし、だからといって現金で15歳以下の子供のいる全家庭に配ればいいという結論には、当然ながらならない。

 厚生労働省のHPによれば、「子ども手当の支給を受けた父母等は、こうした支給の趣旨に従って子ども手当を使用しなければなりません。このことは、法律上も受給者の責務として規定されています。」(子ども手当一問一答)とあるが、それを確かめる手段も、この法律(手当の支給に関する法律)が手当の使用方途について拘束力も持っていないのだから、こんなことを説明したところで、手当が少子化対策というのには説得力がない。

 だいたい、何をもって「支給の趣旨」とするのか。仮に手当を使って焼き肉を食べに行っても、焼き肉が子供の血肉となれば、「支給の趣旨」と言えてしまうではないか(笑)。


 ここで、焼き肉を食べに行くというたとえを出したが、手当を使って焼き肉を食べに行けば、それは経済対策だろう。しかし、そのような経済対策的側面を考えるのならば、そもそもとして15歳以下の子供のいる家庭に限定してカネを支給する必要性はないし、いっそのこと使用期間を限定して政府紙幣でも数万円分発行して全国民に支給したほうが、はるかに経済対策としては有効である。

 かねがね思っているのだが、もしかかる手当が少子化対策ならば、今現在子供がいる家庭に現金を支給するのよりも、「どうしたら子供を産みたくなる、もしくは産んでも苦労しない環境を作り上げるか」という視点から政策を立案するべきだ。

 具体的には、以前から言われているように、不妊治療への大幅な援助、またそうした分野の医療研究への支援、保育所の拡充などといったものに、子ども手当で支給されている金額をつぎ込むほうが、よほど「少子化対策」として有効だし、また具体的な成果も期待できる。



 即物的に消費をしてしまいがちな現金で手当を支給するのよりも、子供を産みたくなり、また産んでも(経済的に)苦労しない環境作りこそ、本来の意味での少子化対策なのではないだろうか。

 要するに、経済対策なのか少子化対策なのか、よく分からないままカネを配りまくるのでは、日本の少子化は止まらないだろうということだ。

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