ポン・ジュノも新作が来るたび観に行きたい監督の一人です。
昨日ほぼ8割の入りの京都シネマで「母なる証明」を観てきました。
障害を持つ子供を産んだ責任を感じるのか、私が知ってる人でも自閉症の息子さんを
溺愛しすぎて子離れできないお母さんがいるけど、事件に巻き込まれる前から、この
お母さんの愛情は狂気を孕んでいて、正直感情移入できない。だから息子の疑惑を
晴らすため駆けずり回る彼女に「頑張れ!」の気持ちが湧いてこなかった。
わりと分かりやすい伏線が張ってあるので「真犯人」は途中でわかるんだけど
じゃあ物語をどう落とすかという興味で最後までぐいぐい見せる力はある。でも
あのオチはどうなんだ?と言われると私はまったく納得できない。平均的日本人には
共感を得られない結末なんじゃないでしょうか?
緻密に練られた脚本なので1シーン1シーンに意味があり、非常に映画的な映画に
なってるんだけど、その分息を継げる暇がないというか重たい作品になっています。
あと、ストーリーを成立させるためにしょうがなかったんだろうけど、いくら殺人事件が
めったに起きない田舎とはいえ、警察があそこまで杜撰か?っていう疑問は残りました。
お母さん役の人の演技は、鬼気迫るものがありおおいに目立つけど
息子の友人役の人も、清濁併せ持つしたたかさが上手かったですね。