
私の田舎は、昔は長野県小県郡(ちいさがたぐん)東部町と言いましたが、現在では長野県東御市(とうみし)と呼び名を変えています。昔ながらの何とも風情のある街並みもすっかり都会的に様変わりして、幼い頃の想い出までも、地中深くに埋もれてしまったような寂しさを感じます。が、脳裏にはあの頃の思い出とそれにまつわる光景がしっかりと刻まれて残っていますので、懐古的な気分に耽るのは時代錯誤と諦めることができます。その東御市に玉村豊男さんのワイナリーがあるのをご存知でしょうか?エッセイスト、画家、農園主に加えて、ワイナリー・オーナーでもある玉村さんの事業家としての手腕には脱帽です。ワイン作りの全工程もここで見学できるようです。私がそこを訪れた日は、たまたま6月17日の夏至祭りディナーの日でしたので、ワイナリーカフェは満員の盛況ぶりでした。カフェと同じフロアにあるショップでは玉村さんご夫妻が歓談されるご様子を垣間見ることもできました。ショップには、玉村さんご自身が工夫を凝らしてデザインされた機能的なグッズや食器、ポストカードなどが揃えられています。こんな不便な(?)地の利でも、集客力を持つ素晴らしい観光スポットになっています。広々としたガーデンにはラベンダーやその他の美しい花々が植えられていますので、深呼吸をしながら、一望に見渡せるなだらかでゆるやかな農園のたたずまいをゆったりとした気分で満喫することができる空間です。チョッと面白いアイデアだと感じたのは、営業時間が午前10時から日没までとなっていることです。日没は毎日、大体午後7時前後のようです。遮るもののない眺望は黄昏時の景観の移ろいのすべてを目の前に魔法のように展開してくれることでしょう。信州に行かれる際には、是非、立ち寄ってみられてはいかがでしょう?
★VILLA D'EST GARDENFARM AND WINERY
ここにアップした収穫物の画像はいずれも玉村豊男さんの版画の画像です。(ホームページには「アートギャラリー」があって、玉村さん作の沢山の版画を閲覧することができます。)