みちのく童話会スタッフブログ

第3回を持ちまして、みちのく童話賞は終了ました。これからはみちのく童話会として、活動をしていきます。

みちのく童話会

 東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。  童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。

『復活! まぼろしの小瀬菜だいこん』野泉マヤ作・丹地陽子絵(文研出版)

2024-09-04 | スタッフ新刊・活動紹介

  こんにちは。みちのく童話会スタッフ、野泉マヤです。

        

 これは、伝統野菜の継承をテーマとした物語です。

  6年前、地元の加美町に伝わる「小瀬菜大根」の存在を知りました。そして当時、地元でこの野菜をつくっている、たった一人の方と出会いました。その方は、小瀬菜大根を絶やしたくないという想いで、毎年作付けし、種とりをされていました。それがきっかけで、わたしは小瀬菜大根の継承活動に関わるようになり、伝統野菜の価値を知ることとなりました。

大量生産された見栄えの良い野菜が、季節を問わずに流通するのが当たり前になっている現在、その当たり前に逆行するような伝統野菜を継承していくことは、簡単ではありません。毎年、まずは知ってもらう、食べてもらうという活動をしている中、この野菜の魅力を子供たちにも伝えたいと考えました。

そうして、実際の活動の様子を交えながら書いた物語がこの作品です。

わたし自身、子供の頃は野菜が嫌いでした。きっと子供たちの多くは、野菜に興味がないだろうと思います。でも、伝統野菜を育んできた日本の食文化や、地域の財産でもある固有の野菜について、ぜひとも知って欲しいと願っています。

お忙しいところ恐縮ですが、このような作品をご高覧いただければ幸いです。画家の丹治陽子先生が描いてくださった、小瀬菜大根の花畑や素敵な挿画の数々もご堪能ください。