アンブリエルです
当ブログは、ワタクシ・アンテナに響く、よいコト・モノ・ヒトを、ボーダレスに紹介しているアンブリエルM・ワールド
今日は本のご紹介~。
「おしゃれなエコが世界を救う」サフィア・ミニー 日経BP社
今回、ナゼ、この本を取り上げようと思ったかといいますと、過去のワタクシ体験とつながっています。
このブログでも何回か、その昔、船で世界一周した話をしましたが。
その寄港先で、こんなことがありました。
寄港先の一つであった南アフリカでは、昔、アパルトヘイトという人種隔離政策がとられていました。
(ちなみに南アフリカといえば、このお方!ネルソン・マンデラ氏に対するアンブリエルの熱き語りはコチラ)
ピースボートの旅は一風変わっていて、単なる観光にとどまらず、現地の人との交流ができるオプショナルツアーが魅力の一つでもありました。
その南アフリカで、スラムにいた黒人の方たちを支援するNPO団体がありまして。
具体的にいうと、自分でお金をためて家を建て自立することを支援している団体でした。
ワタクシはその団体を訪問し、現地の方と交流しながら家のペンキを塗るボランティアツアーに参加しました。
ペンキを塗る前に、実際自分でお金をためて着々と家を建て途中の女性にお話をうかがう機会に恵まれました。
で、「アパルトヘイト中、何が一番つらかったですか?」という質問が出たのです。
その時のワタクシの頭の中では、「きっとお金とか仕事がなかったことかな~」と思ってました。
でも違いました。
「当時は、移動する際、必ず所持していないといけない証明書があって。もっていないとそれだけで警官に殴られるのです。その家畜のような扱いが一番つらかった。」とおっしゃったのです。
そのとき、アンブリエルはガツーンと殴られたようなショックを受けました。
それは、本当にその体験をした人だからこそ出てくる言葉だったから。
「ああ、人は物やお金がないことより、尊厳がないことのほうがつらいのだ」と教えていただいたのです。
尊厳。
個の人間として尊重すること。
命がかけがえないもので、だからこそ大事に思う気持ち。
前置きが長くなりましたが、今回紹介する本は、根源にそんな「尊厳」を大事にする考え方をもった、フェアトレードの話デス。
単純に「世の中をよくしたい」思いはあるものの、具体的にどうしたらいいかわからない、という方は、フェアトレード製品を購入して参加するのはオススメです。
そうしたら、安全安心な自分の欲しいものがゲットでき、かつ払ったお金が有意義に社会貢献にもなるので、一石二鳥です。
フェアトレードとは?
利益より人を大切にした、対等で公正な貿易。
途上国の生産者へ正当報酬が払われ、自立を支援。自然で安全な材料が使われ、作る人の顔がわかるのが特徴。購入者は安心して買うことができる。しかも、その土地の伝統技術が使われるので、ユニークで味のあるものが多い。
著者のミニーさんは、フェアトレードのpeople tree代表。
その外見から、てっきり外国で立ちあげたと思いきや、日本発祥なんですね~。
本には、フェアトレードのこと、立ち上げるに至った経緯、立ち上げてからの色々話がとてもわかりやすく書いてあり、すぐ読めちゃいました。オモシロかったです。
なにより、オシャレと社会貢献と組みあわせたところに、賢い女性性を感じましたー。
(なにせ、アンブリエルは今「女性性」強化月間ですから~。笑)
ミニーさんの人柄の素敵さが感じられ、「こういう女性がどんどん増えて、社会進出してくといいな~」とも思いましたね~。
ワタクシがフェアトレードをいいなと思う最大の理由は、途上国へ寄付や援助といった一方的に「あげる」だけのものでなく、仕事の機会が生まれ、その人たちの「尊厳」が守られると思うからです。
仕事をして「ありがとう」っていわれると、自分が誇らしく思える。
自分が人に望まれているって感じられ、自分に価値があるって思える。
それでお金という報酬をえて家族を養えれば、家族からも感謝と尊敬の念を受けることができる。
人間にとって、それはとっても大事なことだと思うのです。
あと、お金の使い方意識が変わるきっかけになったり、生産者と購入者が対等である意識が育つ気もして。
前、災害募金をしたら、そのお金が別の用途で使われていた、なんてニュースがありました。
どうせなら、自分で支払うお金はちゃんと有意義に使われてほしいと思う方も多いハズ。
大量生産のものを、安くたくさん買う。
コレ、先進国では当たり前の経済流通になってますが、果たして自分が手にしているものは、正当に生産者に支払われているものなのか??って考えると、「わからない」ですよね~。
安く売るには、それなりのからくりがある。
私たちが知らないだけで、実はかなり安い人件費で現地の人を劣悪条件で雇用して・・という現実も残念ながらあります。
フェアトレードでは、そういう「わからない」というダークサイドがなく、クリアです。
作る側、材料、流通経路に透明性があり、安心して買えます。
値段だって、そんなバカ高くないですし、デザインだってカワイイです。
(エスニック・テイストが好みなアンブリエルのような方には、特にツボかと。)
3.11後、日本ではかなり食への安全性意識が変わったと思います。
それを食だけでなく、全部にできるといいな、って思います。
(とはいえ、ワタクシも100均とか使わせていただいてますけどね。要するに、急に全部でなく、自分の経済範囲内で徐々にムリなく、というやり方がよろしいかと。)
生産者と購入者が対等である意識っていうのは。。
なんとなく「お金を持っている人=エライ」という風潮がある現代社会。
そして、先進国から途上国へは、上から目線の「やってあげる」意識があるような。
でも、よく考えると、作っている人の方がエライと思いませんか
お金を払う方は、自分じゃ作れないから「買わせていただく」のがそもそもではないかと。
だから作る側と買う側は全然、上下じゃないよね~、とアンブリエルは思うのです。
そういう、よく考えると??っていう今までの概念を変える一つのきっかけとして、フェアトレードは有効かな~と。
もちろん、難しいこと考えずに、見て欲しかったら買うでいいと思います。
いいことも「義務感」や「べき論」からやると、楽しくなくて続かせるのがおっくうになってしまいますから。
9日はフェアトレードデー。
東京では新宿でマルシェがありますよ~。
まず、足を運んで体験してミマショー!
http://www.peopletree.co.jp/event/wftd/
ワタクシ、元気だったら仕事前に行こうと思ってまーす。
Love, Light and Harmony!