ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

25.承認の欲求を満たすには(1,055字)

2006-12-05 | Management&Economics
仕事をする上でモティベーション(motivation)を保つことは何にもまして大事であることに誰も異論はないと思います。

ではモティベーションを保つ上で大切な要素には何があるのでしょうか。幾つか挙げてみることにします。

①顧客がいること
②明確な仕事が与えられていること
③目標または納期が決まっていること
④給与・待遇・福利厚生が良いこと
⑤職場内に素晴らしい上司や仲間がいて支援が得られること
etc

要素を挙げれば切りがありません。

ここでは、人材を活性化させるのに必要な方法をモティベーションから考えてみたいと思います。

よく就職時の面接試験で、「自己実現を図りたい」という志望動機を挙げる人がいますが、最近、自己実現よりも大事なことがあるとの議論が出始めています。

それは、A.H.マズローの唱えた欲求五段階説のうち、四番目に位置する「承認の欲求」です。
欲求五段階説の説明は、こちらのURLより、
http://www.wheritage.net/maslow.htm


自己実現を図るとは、最高次の欲求で理想とすべきことには違いありませんが、実際には、多くの人がその手前で止まっているのではないかと思われます。

一例ですが、自分が所属する会社が著名で仕事や仲間に恵まれていたとしても、肝心の自分が承認されないのであれば、どうでしょうか?

人は誰しも自分を認めて欲しいという自我・自尊の強い願望を持っていながら、その実、満たされていないことが少なくありません。

私たちにはさまざまな欲求があり、そのすべてを充足させるには限界があり、実際にはどこか満たされない部分を自制しながら、折り合いをつけて過ごしているのです。

組織内で、承認が受けられないと思う背景には、以下のような乗り越えるべき障壁が横たわっていると考えます。

①処遇の限界
 人をすべて報酬や地位で処遇することができないことから来る限界。

②文化的な土壌の欠如
 組織内に、従業員を人材と見なして承認する文化的な土壌が醸成されていない。

例えば、①について言えば、言葉で表面上だけ誉めて、その後、何の処遇も改善もなされないとすると、お世辞や社交辞令としてしか受け止められかねません。
しかし、だからと言って、その都度、処遇に反映させることもできないのです。
仮に表彰制度がある場合でも結局、不満や問題は残ります。

少数のスターを伸ばすか、多くの団結心をあおるかに二分して考えると性急過ぎますが、少なくとも過半数の人たちに納得性が高いものを提供し、精度を上げて行かないと定着も賛同もされないことだけは明らかです。
成果主義とも紐付く問題だと思えて来ましたね。
コメント (3)
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