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ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

217.順番通りには行かない

2011-06-24 | Sports&Health
つい先日、ブログで公開したばかりだったのに、職場の後輩女性
社員が昨日、がんのため命を落としました。

享年38才の若さでした。
あれだけ、ワーカホリックな働きぶりを見せて重宝がられていた
のに、今年4月半ばに体調を崩して入院し、手術と薬効甲斐無く、
医師の宣告通り、2ヶ月余りで他界してしまったのでした。

今朝の全体朝礼で報告されましたが、何とも沈鬱な雰囲気に
包まれ、居たたまれない気持ちになりました。

確か昨年本社に戻って来たとき、そのときは体型が以前より
ややふっくらとしていたので、30代になったからかなと思った
程度でした。

本社ではセールスエンジニアとして営業をサポートする仕事をし、
見積書や提案書作りに、営業職と一緒に毎晩遅くまで残って仕事
をしていたのが印象的でした。

健康管理が二の次になっていたのかもしれません。
いつだったか、「夕食は家のだんなが作ってくれるので、帰宅後
はそれを食べるんです。」とのろけ話を聞いたことがありました。

「あまり無理せず、早く帰りなよ」くらい言ってあげるべき
だったかもしれません。

人生は順番通りに行くとは限らないのです。
ご両親だって悔やみきれないのではないかと思います。

年下の人がこうなると本当に切ない気持ちで一杯になります。
N.Oさん、心よりご冥福をお祈りいたします。
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215.またしてもガン患者が

2011-05-24 | Sports&Health
先月(4月)の半ばより職場の後輩女子社員が緊急で入院
しました。

その数日後、上役より病名を聞かされてびっくりです!

何と、子宮と卵巣にガンができていることが分かり、しかも
進行性ですでにステージ3以降と診断されたのでした。

入院後すぐに摘出手術を受けたことを聞き、これで抗ガン剤を
使えば、回復して退院できるかもと素人考えを巡らしました。

しかし、昨日5月23日の最新報告で新たな事実を聞かされ、
楽観した自分が情けなく思えました。

ガンは肝臓にも転移し、本人は痛みと闘っている様子を知らされ
ました。そして、今後は昏睡状態が多くなると予想され、よほど
親しい間柄でない限り、見舞いは気休めにしかならないからと
禁止令が出されてしまいました。

彼女は、直近では営業のサポートエンジニアとして提案活動や
見積書作りに毎日残業して対応し、好成績を残していました。

少し無理し過ぎだなとは思いつつ、社内ですれ違うときは声を
かけて激励してきました。振り返るといつだったか、顔色が
黒っぽく見えて大丈夫かと言ったことがありましたが、そのとき
はすでに病魔に襲われていたのかもしれません。

社内恋愛で結婚はしているものの、子供はなく、まだ30代後半
の若さです。しかし、ガンは年齢が若いほど進行も早く、どんどん
身体中を回ってしまい悪化させているようなのです。

残酷にも6月末という診断結果が出ています。
仕事を頑張っている人にも分け隔てなく病気は襲いかかることを
知らされ、大きなショックを受けています。
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208.ガンとの闘い

2011-02-10 | Sports&Health
義理の母が膵臓ガンと宣告されたのが昨年9月下旬頃でした。

その後、専門病院で手術を受けるために入院したものの、精密
検査の結果、他所への転移が見つかり、三週間ほどで退院を余儀
なくされ、抗ガン剤を投与する治療法に変更となり、週に1回の
通院を何度か続けました。

そして、年明け最初の治療の折、すでに調子が悪くなっていて
そのまま入院となり、今日に至り退院の目処は立っていません。

その間、対症療法としてステントという器具を臓器内に装着する
簡易手術を二度受けました。それでようやく、点滴のみの生活
から3分粥を食べられるようになりました。

しかし、病状は快方に向かっている訳ではなく、小康を保つ程度
に過ぎません。何より心配なのは、食べ物がのどを通らない処置
を施す間、抗ガン剤の投与はストップしたままなのです。

ということは、ガンの進行は止まっていないことになり、後日、
より悪い病状が現れる可能性が高まっています。

私もこれまで身近にガン患者がいなかったこともあり、治療に
よってよくなるのではと甘い幻想を持っておりました。

でも、不治の病と言われるだけあってなかなかの難物であること
が分かりました。

家内は先月半ばより介護休暇を取得し、毎日のように病院で看病
を続けていますが、表情はさえません。本人も疲労の色がかなり
濃くなっているように見受けられます。

次に転移が見つかると、もう義母の体力的にも耐えられるのか
とても心配な状勢です。
ガンと闘うとは命がけになるということだったのです。
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207.健康は尊いもの

2011-01-25 | Sports&Health
昨秋、義理の母が重篤な病気のため、専門病院へ入院しました。

その後、一旦、退院したものの、年明け早々、定期的な通院の折、
診察の結果、状態が良くなかったので、そのまま、再度入院し、
早10日以上が過ぎようとしています。

昨年春頃より不調を訴え出した義母は、二つの病院での精密検査の
結果、膵臓を病んでいることが判明したのです。

膵臓や肝臓という臓器は中々自覚症状に乏しく、初期のうちに病気
だと分かりにくい病気だと言われていますが、まさか、近親者が
そうした病気であるとは、全く想像できませんでした。

従って、今年は正月らしさもあまりなく、松の内が明けるとすぐに
この騒ぎとなり、あっという間に1月が終わろうとしていると感じ
られます。

あれほど、味付けや栄養のバランスを考えて料理をし、ラジオ体操
にもまめに出掛け、そして女性コーラスを13年余りも続けて、
端から見て、健康的な生活を送ってきた人が病気にかかった途端、
本当に生活が一変してしまったのです。

この週末も家族でお見舞いに行きましたが、食事を摂れないことから
点滴が続き、生気が失せた感じに見えました。

ふっくらとした表情も痩せこけて、円満だった性格も悲観的な発言
が多くなり、以前の義母ではないと内心、寂しく思いました。

人は健康を失うと、こうも姿形が変わってしまうようです。
今まで、私たち家族のためにも多くの貢献をしてもらっただけに、
たくさんの恩返しをしたいと思っていますが、どれだけ返せるか
分かりません。

残された時間はそう多くはないかもしれません。
その間、足繁くお見舞いに行き、好きな物を少しでも口にしてもらい、
そして私たちの元気な顔を見せることしかできないのでしょう。

健康とは本当に尊いものだと思います。
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195.生三浦知良選手

2010-06-06 | Sports&Health
先週の日曜日、国立競技場でJ2の試合を観戦しました。

お目当ては、現役Jリーガーの最年長、横浜FCの
三浦知良選手です。

年齢を考えると現役もそう長くないと思われ、全盛期や日本
代表時代を含めても生で観戦したことがなく、せめて一度は
生で見ておきたいと行ってきました。

最近は出場機会が減り、出ても終了間際の10分程度
しかありません。当日も東京ヴェルディ戦は1対1の
接戦となり、とうとう出番は巡って来ませんでした。

 残念!


しかし、試合前の練習を熱心にこなす姿が見られ、また
スタジアムにも三浦選手の独特のオーラが感じられ、
さすがだと思わされました。

満41歳とのことですが、身体は鍛え上げられ、まるで、
サラブレッド(競走馬)を見るようでした。

写真を見ていただくと少し雰囲気が伝わるかもしれません。

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186.ベースボールをものにした日本人(776字)

2009-12-05 | Sports&Health
今年の野球シーズンもドラフト会議が終わり、ストーブ
リーグでルーキーの入団やFA選手の移籍等が報道を
にぎわせています。ただ最近、国内では、あっと驚く
トレードが少なくなりワクワク感が持てませんね。

さて、今年はプロ野球界にとって、次の三つの大きな
出来事がありました。

1)WBC(World Baseball Classic)で日本チームが
 二連覇を成し遂げたこと

2)マリナーズのイチロー選手が9シーズン連続200
 安打以上の新記録を打ち立てたこと

3)ヤンキースの松井選手がワールドシリーズでMVP
 に選ばれたこと

明治時代に米国から輸入されたベースボールは、1世紀
をかけて日本人に親しまれ、愛されて行く中で発展を
遂げ、ファンや競技人口裾野を広げて来たのです。

そんな中でも特筆されるのは、1995年に近鉄の野茂
英雄投手が単身、米国に渡り、本格的なメジャーリーグ
(MLB)デビューを果たし、やればできることを証明
したことでした。

野茂投手は、初年度、ドジャースで16勝を挙げ、新人賞
を獲得した他、後年、ノーヒットノーラン試合も達成
しました。

これらの活躍を見て、日本のプロ野球選手もMLBで
通用するのだと印象づけられたのでした。

この後に続いたのが、当時オリックスのイチロー選手で
あり、その後、巨人の松井選手までが海を渡りました。

そして今や、あの選手も挑戦するのかと言う程、普通の
出来事になりつつあります。

全員が活躍できる場であるとは限りませんが、野茂、
イチロー、そして松井選手はMLBの中で名を残す選手
になったと思います。

WBCで二連覇を果たした日本チームは、小粒ながら、
能力の高い選手が揃った好チームとの印象を世界中の
野球ファンに焼き付けたことでしょう。

こうして花開いた野球が、日本人の心の中に、
「自分達もやればできるのだ」との大きな勇気を与えて
くれたのは言うまでもありません。
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185.体幹を鍛える(649字)

2009-11-18 | Sports&Health
人間も40代ともなると、少しずつ体力面でも限界や
衰えを感じ、それを受け容れざるを得なくなって来ます。

「いくら運動を続けていても、体力は落ちるもの」という
ことを知ったときは本当にがっかりしました。

最近は、筋肉量が落ちたせいか、以前より細身(小柄)に
なったと自覚するようになりました。

そこで取り組み始めたのが、”体幹を鍛えること”です。

ジムへ通ってウェートトレーニングをしたり、スイミング
で体を動かすだけでなく、意識的に部位を鍛えようと
思って取り組んでいるのです。

それには三つの箇所があります。
一つは、デスクワークの肩凝り解消のために、首回りの
強化を。次に、スクワットによる大腿部の強化。そして
最後は、ストレッチポールを使っての体幹の歪みの矯正
です。

まだ始めて2,3ヶ月しか経っておらず、目に見えた
効果を認めることはできていませんが、どれも続ける
ことにより、スポーツを楽しんだり、軽快な動作を保つ
基礎になると思います。

スポーツでも、その種目に応じた基礎トレーニングが
あるように、私は自分の生活スタイルに合わせた鍛錬
をしているとも言えそうです。

これに加えて、毎日のストレッチングも私にとっては
欠かせません。体の柔軟性を保つことも、運動をする
上での基礎となるからです。

基礎トレーニングも目的を見失うと、変化に乏しく、
退屈なものになりがちですが、目的意識をはっきりと
持っておこなうと、案外楽しく、継続できるものと
なるのではないでしょうか。

皆さんにも是非、お勧めしたいトレーニング方法です。
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181.うつ病の克服に向けてⅡ(884字)

2009-09-13 | Sports&Health
前回、うつは愛の欠如による病であることを紹介しました。

現代社会は、家庭も職場もコミュニケーションに欠け、
何か殺伐として疎外感を味わうことが少なくないのかも
しれません。

そんな状況の中では、自分が他人を隣人として愛そうと
思っても、相手にそうした気持ちがなかったり、気付いて
もらえなかったりして、すれ違いとなることも多いので
はないでしょうか。

だから、自分が認められない、あるいは愛されていない
という気持ちが強くなり、思い込むようになって、結果
としてうつ状態に陥ることが予想されるのです。

しかし、そうだからと言って、自分を見失ったり、見捨て
たりしてはいけないのだと思います。

以下に、自分なりの処方となる考え方を示します。

1)他者に理解されないと感じても自分自身は努力して
 いることを素直に認めること

2)誰かが自分のことを見ており、いつか声を掛けて、
 認めてくれる日もあるさと気長に待つこと

3)人間同士、能力に大きな差がある訳ではないので、
 正当に評価を下せる人は多くないのだと思うこと

こうした思考のポイントを持つことで、うつという負の
ループから抜け出す術を身につける必要があるのです。

「所詮、私たちは生物種の一つに過ぎず、人工の世界の
中で衝突や競争を繰り返していても、自然という存在に
は決して叶わない。」と言う敬虔な考え方を持つべきだ
とも思います。

精神科医の方に、座禅を組むことがうつ病の克服につな
がると指摘する人がいます。

1日に一度、一人で座禅を組んで、心の中を無心にし、
フラットにすることでリセットするのです。

良いと思うことは、ひとまず実践し、後は結果を見てか
ら良し悪しを検討すれば良いのです。
是非、実践してみる価値があるのではと思います。

私は、心の病は投薬で治すことは時間も掛かり、困難も
伴うものだという考えを持っています。

うつは”考え方の病気”とも言わます。従って、日頃の
思考習慣自体を改めて行かなくては、薬で完全に治すこ
とは難しいのだろうと思うのです。

シリーズは、あと1,2回続きそうです。

参考:
『一日10分の座禅入門』高田明和著(角川書店)
一日10分の坐禅入門―医者がすすめる禅のこころ (角川oneテーマ21)
高田 明和
角川書店

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178.うつ病の克服にむけてⅠ(890字)

2009-07-24 | Sports&Health
2回シリーズの1回目です。

現在、日本では年間3万人を超える人が自ら命を絶ち、
それが10年以上にもわたるという統計が出ています。

その数は交通事故死を上回る数字です。

自殺の原因は、経済や生活、勤務、家庭問題等多岐に
わたっています。もっとも大きいのが健康問題です。
そこには”うつ病”も含まれているのです。

私が属するIT業界でも、最近はうつ病にかかり、休職
や退職に追い込まれる人が増えています。

そこにコンピュータという職業的特質を見ることもできる
のですが、公務員の間でも同じ傾向にあるという話を聞く
と、この病気はビジネスパーソンの間で流行していると
言うことができそうな気がします。

そもそもうつ病は、愛の欠如による病気という側面がある
そうです。本来愛したい自分を愛せない、本来愛されたい
自分を愛してもらえないことに起因していると言います。

それではなぜ、そうした状況に置かれてしまうのかを考え
てみます。

1)成果主義の導入
2)短期利益志向の加速
3)コミュニケーション機会の減少とスキルの低下
4)人材の商品化
などを挙げることができそうです。

こうした内外の変数に起因していると言えなくもありま
せんが、ただ根源的な問題は、そうした環境に置かれた
自分が、それを元に妄想や妄念を抱き、誇大化させ、
精神の不安定さを招くことにあると考えられるのでは
ないのでしょうか。

ギスギスした職場や人間関係にさらされると誰しも、
思い、悩むことは必至の状勢です。

しかし、考えても解決できないような問題(悩み)を
いつまでも考えて、妄想を膨らませるよりも、解決できる
範囲で考えることを打ち切り、そこで対策を立てて実行
する方が、精神にとって健全化をもたらします。

職場を離れても、なお同じ問題を引きずって脳をフル
回転させるより、職場を出た途端、別の世界に入り込み、
そうした問題から脳の活動を休止させる方が健全性を
保てる筈です。

このように考えてくると、うつ病を軽減し、少しずつ
克服する方法がおぼろげながら見てくるような気がして
きます。

次回は、克服のより具体的な方法について触れます。

<統計サイトはこちら>
http://www.t-pec.co.jp/mental/2002-08-4.htm
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177.肩の痛みと付き合う(838字)

2009-06-24 | Sports&Health
実は最近、もう2ヶ月以上にわたり右肩の痛みに悩まされて
います。

思い当たる原因は二つあります。
一つは、その痛みが出る直前に通ったジムでウェート
トレーニングで負荷をかけ過ぎたと思われること。
そしてもう一つは、長年、職業でコンピュータを使い続けた
ことから来る蓄積疲労です。
どちらが主因か、はっきりとは分かりません。

今回の痛みを経験して、自宅に置いてある『家庭の医学』で
症状から病名を調べたり、整骨院、ボディマッサージに通い、
さらには整形外科まで出掛けましたが、病名すら出ない
ありさまなのです。一体どうなってんの(^^;

その中ではっきり言われたのが、「四十肩とは痛む箇所が
違いますよ。」というもので、もし、そうでないとすると
後は”頸肩腕症候群”と関節炎くらいしか思い当たるもの
はありません。

ちなみに頸肩腕症候群とは、頸・肩・腕のいずれかに
痛みがある症状を指していう病名だそうで、聞いて
びっくりです!

自分でも痛みを緩和すべくストレッチ運動を増やしたり、
パソコンも普通のマウスを使うのを止めて、ノートPCに
付属しているタッチパッド・マウスに変えたりと工夫も
加えました。

ひもといた家庭の医学には「四十肩でも半年から一年位で
痛みは解消されていく。」と書かれていました。
ふーんそんなものかって感じです。

さすがにここまで痛みが長引くと何だか情けない気持ちが
湧いて来ました。
しかし、20年以上も働いて来ているのですから、そろそろ
身体の一部にガタがきてもおかしくはありません。

今までは若さも身体の丈夫さも、体力もあり、疾走を続け
て来ることがきました。
でもこれからは、どこかに身体の不調や痛み、場合によって
は持病を抱えながら、仕事と職場や家庭での責任を果たして
行くことになりそうです。

遅まきながも、年齢を重ねて生きて行くにはこうしたこと
を経験するのだと気づきました。

若いつもりで同じペースで進んではいけないということ
です。同年代の方、お互いに自分をいたわりながら頑張り
ましょうね。
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161.野村式人材育成法(900字)

2008-11-22 | Sports&Health
東北楽天イーグルスの野村克也監督は、プロ野球史上、
最も高齢で現役監督を続けています(来季も続投)。

ご存じのように、楽天は2005年、仙台市を本拠地に
誕生した一番新しい球団です。

その楽天を野村氏は創設2年目から3年間、指揮し、闘う
集団に作り上げて来ました。

今回は、「野村再生工場」の異名を持つ、その独特の
人材育成法について考えてみることにします。

野村氏によると、プロ野球は人材の宝庫で、しかも選手
の多くが、その才能と実力を発揮できずに眠ったままに
なっていると言います。

そして実際に、野村氏の下で成長、あるいは再生し、
実績を残した選手が数多く輩出されて来ただけにその
言葉にも説得力があります。

一例を挙げれば、
南海ホークス:江本、山内、江夏、松原(福士)
ヤクルトスワローズ:古田、飯田、小早川、川崎、高津
阪神タイガース:赤星、井川、福原、矢野
楽天イーグルス:山崎武、鉄平、嶋、田中
(敬称略)

それでは野村氏の人材育成の秘訣はどこにあるので
しょうか。以下、三つにまとめてみました。

1)よく観察する
  その選手の持っている能力を捕手出身の目で多角的
  に分析し、長所と短所を見つける。

2)気づかせる
  選手に、打者を打ち取るための投球の幅を広げる
  方法や、バッターボックスでの投手心理、場面毎の
  配球を読むことを教え、その選手にどうすればよい
  のかを気づかせる。
  この際、成否は選手が素直に受け容れられるかに
  かかっていると言われる。

3)愛情を持って育てる
  どんな指導法を尽くしても、選手を一人前に育てる
  という意思を持って当たることが一番大事。

どうでしょうか。特別の方法とは感じられないですね。

しかし、野村氏の場合、培った野球理論は抜群のものが
あり、それを背景に話されると、選手も納得するのだと
思います。

最後に、育てる愛情を持つとは、厳格なイメージのある
野村氏も、実際は親としての優しい心根を持って選手たち
に接しているのだと推察されます。

この秘訣は、他の組織にも当てはまる普遍性を持つもの
に感じられました。早速、自分の部下育成のケースにも
適用してみようと思っています。

参考:
『野村再生工場』野村克也著(角川書店)
野村再生工場 ――叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86) (角川oneテーマ21 A 86)
野村 克也
角川グループパブリッシング

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160.非日常の継投策(907字)

2008-11-15 | Sports&Health
今年のプロ野球日本シリーズは、最終の第7戦までもつれ
込み、西武が終盤8回に逆転してそのまま逃げ切り、
4勝3敗で巨人を下して、13度目(西鉄時代を含む)の
日本一の座に輝きました。

シリーズ前の予想では、野球評論家、そしてファンからも
圧倒的に巨人有利の声が挙がっていたにもかかわらずです。

しかし、勝負事とは本当に下駄を履くまでわからないもの
です。巨人が対戦成績で3勝2敗とリードしたときは、
次の試合もその勢いでシリーズをものにすると思われました。

ところが、西武の渡辺久信監督はここから、非日常モード
の臨戦態勢に切り替えたのです。

第6戦の先発帆足投手が序盤で失点すると調子を見極め、
3回途中から前回第4戦で完封し、何と中2日しか空いて
いない岸投手をリリーフに送りました。そして巨人打線の
タイミングが合っていないと見ると、そのまま最後まで
投げさせて勝利をもぎ取ったのです。

さらに迎えた最終戦も、ベテランの西口投手が初回、2回
と1点ずつを取られる苦しい展開ながら、二番手には同じ
先発投手の石井一久、さらに三番手にはエース涌井を投入
して、必死の継投を見せたのです。これが8回への逆転劇
を演出する結果につながりました。

一方、巨人は中盤まで2-1とリードしながら打線が追加
点を奪えず、原辰徳監督は延長戦に入ることを意識して、
連投疲れの見え始めた越智投手を引っ張って投げさせ、
とうとう最後で失点し、試合も逆転を許してしまったの
でした。

巨人有利の下馬評の中、某局のラジオ中継に出演していた
現役の某選手が対戦の予想を聞かれ、「西武の
ピッチャーが巨人打線をある程度抑えて勝つんではない
ですかね。」と言ったことを思い出しました。
(今振り返ると、実際に対戦した上で実感のこもった
コメントだったようです。)

巨人の敗因には、

1)打線が思ったほど破壊力を発揮できなかったこと
2)原監督の最終戦における最後の詰めを誤った

も挙げられるでしょう。

ただ私は、選手として西武黄金時代を知る渡辺監督が
日本シリーズの何たるかを忘れず、「非日常の」戦い方
をしたから就任1年目で偉業を達成したという気がして
ならないのです。

日本シリーズ第7戦の結果
http://bis.npb.or.jp/scores/nipponseries/boxscore2008_7.html
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158.クライマックスシリーズの価値(917字)

2008-10-29 | Sports&Health
先週、友人に誘われ、今年初めてのプロ野球観戦という
こともあり、忙しい合間を縫って、セ・リーグのクライ
マックスシリーズ(CS)の第二ステージを観戦して
来ました。

当日の試合は巨人が先制し、途中で中日が逆転するも
巨人が再逆転し、シーソーゲームに。

そして終盤、ジャイアンツが勝利の方程式を使って豊田と
クルーンの両投手で逃げ切りをはかるも、ドラゴンズが
粘りを見せて、8回と9回に1点ずつを取って、延長戦
に突入しました。

結局、両軍の投手陣が踏ん張り、延長12回で4時間半を
超える熱戦の末、引き分けに終わりました。

しかし観戦しながらも、このCSは何か腑に落ちません
でした。

マスコミは熱心に取り上げ、ファンもスタジアムが満員
になるくらい詰めかけてポストシーズンは大いに盛り
上がりを見せているのです。

ただ、その価値に目を向けるとどうなのかと思って
しまいます。

先にパ・リーグが導入して4,5年経ち、昨年から
セ・リーグも同じ方式を採用して二年目の今年。

結局、巨人は84勝を上げてリーグ優勝を果たしても、
まだ下位チームとの日本シリーズへの出場権をかけて
対戦しなくてはならないのです。

パ・リーグ優勝の西武(76勝)にしても同様だと
思います。

この試合の後半、グランドの選手たちに目を落とすと
プロらしい動きは見せていたものの、何か淡々と、
そして疲労感が漂ってさえいるように感じられました。

CSはアメリカのメジャーリーグの地区優勝シリーズに
ならって導入したのかもしれませんが、球団数の違いも
あり、単純に比較することはできません。

仮にCSが興行的に成功したとしても、日本シリーズは
元のリーグ優勝チーム同士による激突に戻した方が価値
を維持する上では得策ではありませんか?

もし、リーグ戦や日本プロ野球全体を活性化させる目的
であれば、もっと別の視点からの改善や改革を進める
方法がある筈です。

このままだと、某評論家が言われていたように、将来は
メジャーリーグの極東地区リーグに吸収されてしまう
恐れさえ現実味を帯びて来ます。

そうならないためにも、近い将来、見直してもらいたい
とファンの一人として強く願っています。

観戦した試合のスコアはこちらより
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/npb/champ/2008/live/10/241_npb.htm
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139.プロ野球序盤の戦い(854字)

2008-05-23 | Sports&Health
今年も開幕して両リーグとも40試合前後を消化した後、交流戦に突入しました。

ここまで序盤戦の戦いぶりを簡単に振り返ると、セ・リーグは阪神と中日が頭一つリードした格好となりました。

一方、パ・リーグは昨年、26年ぶりにBクラスに転落した西武が快調に白星を重ね、首位をキープしています。

ここに挙げた3チームを見ると、戦力的な補強が上手く行ったところが好調の要因と目されているようです。

その新戦力はと言うと、

 ・阪神:新井(広島)+平野(オリックス)
 ・中日:和田(西武)
 ・西武:石井一(ヤクルト)+岡本真(中日)

どのチームもFA制度によって実力派の選手を獲得することができ、戦力アップをはかり、またその選手たちが額面通りの活躍を見せ始めています。
「+選手名」は、FAの人的補償で移籍した選手です。

その他の要因で探すと、

 ・阪神:先発投手陣の踏ん張り
  下柳、安藤、岩田
 ・中日:若手先発投手の台頭
  中田、吉見
 ・西武:打線の好調
  本塁打数が12球団一

こうして見てみると勝っているチームには勝つだけの理由が存在することがわかります。

開幕する前に阪神のスタートダッシュを誰が予想できたでしょうか。
また、昨年の4,5番打者が抜けて大幅な戦力低下が心配された西武は、首脳陣が若返って、兄貴分としてのリーダシップを発揮し、育ち盛りの選手が伸び伸びと動いているようにも見えます。

さて、第二のスタートとも言える交流戦は4年目を迎え、相手リーグの各チームと総当たり4回戦を戦い、計24試合が組まれていますが、ここで大きく負け越すとペナントレース復帰後も、調子が戻らず、低迷したままとなることが多いだけにデータを収集し、実際の好不調を見て早く戦い方を見極めた方が勝ち星を重ねることになります。

過去の交流戦は、初年度は中日、翌年は巨人が、そして昨年は西武が大きく負け越して、沈んだままでシーズンを終わりました。

今年は、どのチームが交流戦で優勝し、また、序盤で好調だった3チームの戦績がどうなるか、星勘定の上からも楽しめそうです。
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137.神宮のスターを観戦して(976字)

2008-05-08 | Sports&Health
春本番の日曜日、神宮球場へ足を運び、東京六大学野球を観戦して来ました。

六大学野球の観戦は3,4年ぶりとなりますが、今回の目玉は何と言っても「ハンカチ王子」こと、早大の斉藤祐樹投手です。

特に我が家人はまるでアイドルを見に行くかのようなはしゃぎようで、野球はそっちのけの様子で、何となく波長のずれを感じながらの観戦となりました。

しかし、斉藤投手の先発を読んで出掛けた筈(チケットを事前購入済みでした)が、前日、土曜日の第一戦で先発して投げており、当日は、終盤まで同点か1,2点のリードでない限り出番はないと踏んでいました。

ところがよくしたもので、試合は7回まで両チームともゼロ行進が続き、8回表に早稲田が僅かなスキをついて、1点を先制しました。

この裏、相手チームの攻撃が始まる前から3塁側のブルペンには、背番号1をつけた斉藤投手がウォーミングアップを始めることを私が見つけ、家人に伝えました。

すると家人は即座に立ち上がり、子どもを連れて、1塁側からスタンド下を通り、3塁側ブルペンがよく見える位置に移動する熱心さを見せました。

そして、9回裏の1イニングだけでしたが、斉藤投手が登板し、2塁打1本打たれたものの、後続を断ちゼロに抑え、プロ野球で言うセーブを上げたのでした。

この試合でもっとも盛り上がったのは、この場面だったのは言うまでもありません。

六大学野球がこれまで注目されるのは、法大の江川投手が入学したとき以来、20数年ぶりとのことで、昨年より観客動員数も大幅な伸びを見せているそうです。

私が見た斉藤投手の印象は、直球のスピードはそこそこしかないものの、変化球とのコンビネーションが良く、配球で押さえて行くタイプだと思いました。

タイプとしては、元巨人の桑田真澄投手に似ているかもしれません。

それにしても、大学生の野球は甲子園とは異なり、一歩大人に近づき、落ち着いた感じを受けます。それにトーナメントではなく、リーグ戦ですので、相手を研究し、また相手からも研究される中で切磋琢磨して、勝ち抜いて行かなくてはならず、学生と言えども厳しい世界なのだと思わされます。

斉藤君が投げるたびに話題に取り上げられ、注目されますので、リーグの他チームも必死になって食らいつき、ライバルと名勝負を繰り広げ、そして共に成長してもらいたいですね。
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