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ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

212.学童父母会長を1年間務めました

2011-04-18 | Education
昨年の4月から1年間、子供が通う学童クラブの父母会長を務めてきて、
先週末4月16日の総会で無事任期を満了し、解任となりました。

振り返ると充実した一年間を送ることができたと思います。

クラブ主催の各種イベント(春と秋の交流会=バーベキュー、サマー
宿泊キャンプ、こどもまつり、クリスマス会、忘年会)には欠かさず
参加しました。さらにそれに加えて、市内の12学童クラブで構成する
学童協議会への出席もあり、毎月何かしらに時間を割かれる状態に
なりました。

それでも会長としての使命感があり、苦には感じませんでした。

気苦労も予想より少なかったし、むしろ収穫の方が大きかったかもしれ
ません。一番の収穫は子供達に大きな事故がなかったことと子供を
通じて地域の人との関わりが増えたことです。

会長にはもちろん金銭的な報酬などありませんし、それを期待もして
いません。人と知り合えたことが何よりの財産になったと思います。

主役で居られるというのも、なかなか良いものですよ。

今年度は子供もクラブの最終学年となり、仕上げの意味でも学童協議会
を担当し、市の本部側の役員として微力を尽くすつもりです。

地域社会で地元の人と交流することができることは地域への愛着を
感じる源となります。そうした機会を増やすことができて本当に
良い1年間だったと思っています。
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169.一貫校進学の自縛(794字)

2009-02-22 | Education
昨今は、小中一貫や中高一貫校の設置を求める声が段々
大きくなっているように思います。

現行の学校制度の歪みからゆとり教育や一貫した教育を
望む人が多くなっていることが背景として考えられます。

私たちは戦後60有余年の間、6・3・3・4年制
(学制)を踏襲し、もちろん、自分もこれにならって
進学して来ました。

まず、この制度の何が問題かを取り上げてみます。

年数を見ると中学と高校が3年ずつになっており、ここが
谷間と取れなくもありません。

最近では小学6年生の中学受験も拡大し、中高一貫校や
私大の付属校へと進む人も少なくないのです。

こうした動機には、次のことが考えられます。

1)高校受験での失敗を回避する
2)大学への受験競争を緩和する
3)難関大学を目指すための進学コースへ入る

どれも一理あるものばかりだと思います。

しかし、昨年中に二度にわたり、こうした傾向に警鐘を
鳴らす評論家や大学教授の文章を読み、自分なりに
考えてみました。

私が思う一番の弊害は、「グローバル化が進展する中で
多様性が欠如すること」です。

こうした学校へ進むと却って平準化され、経験する世界が
狭まるのではないかと思うのです。

もちろん、目標を達成するための手段と考えて進学する
事例も多数あることでしょう。

ところが、今や航空機やインターネットの進展、さらに
産業・経済的にも世界的規模で思考する時代がやって来て
います。

そうすると、日本人だけで固まって生活することも仕事も
成り立たない現実があるのです。

そこでは人種も思想も、貧富の差も混沌とした中で社会
生活を営む必要があるのではないでしょうか。そのときに
必要となるのが、異文化への理解と多様性を受け容れる
度量です。

こうした視点が欠落したままの教育カリキュラムで過ごす
ことは、人材育成上で大きな問題を孕んでいると思われ
ます。

「多様性」は教育界においも大きなキーワードとなります。
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167.小一のカベ(717字)

2009-02-01 | Education
昨年秋、「小一の壁」という言葉が存在することを知り、
そのことについて何度か夫婦の間で話し合って来ました。

小学校に上がることは幼児にとって大変な環境変化を伴い
ます。特に我が家では保育の問題がクローズアップされる
のです。

これまで息子は保育園で長時間預けられていたことも
あり、放課後のアフタースクールが問題となるのです。

私たちはこの2週間で二つのアフタースクールへの申込み
をしました。
一つは学童保育所で、もう一つが民間のキッズスクール
です。

公営の学童保育所は、現行の制度下では18時に終了
します。そこから帰宅となるのですが、共働き世帯では、
その時間に毎日、帰宅することは非常に困難なのが現実
です。

従って、どうしても親が不在のエアポケットができて
しまいます。特に子供が低学年のうちは不安がつきまとい
ますね。

片方の民間スクールは、公営を補完する形で新設された
だけあって、送迎バスも利用でき、しかも夜も19時30分
まで預かってもらうことができます。
しかし、その分は料金も高く、今の保育料を上回る金額を
支払わなくてはなりません。

お金で安全や安心が買えるならば、多少高い代償を払って
も、それは仕方がないと考えます。

小学校からは競争社会の始まりです。
今は小一からいじめもあると言われます。

学習、体育、生活面で人並みであって欲しいと願います。
特別に秀才でなくても良いのです。

仲良しの友だちを作り、元気に育って欲しいです。

同じ園から進む子もいないため、学校になじむまでには、
少し時間が掛かりそうですが、しっかりと親がサポート
してやらなくてはいけません。

4月からは仕事と私生活面のバランスを今以上に意識し、
苦労は承知で頑張りたいと思います。
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166.ミックスジュースⅢ(694字)

2009-01-24 | Education
ミックスジュースとは、息子の通う園で試みている異年齢
交流の場のことで、今年度は彼もいよいよ年長組となり、
下2つのクラスの子達との関わりを楽しんでいるようです。

今年度は、昨年9月に初顔合わせをし、その後、数回の
合同保育を経て、12月の”ごっこ遊び”でクライマッ
クスを迎えたのです。

息子はレストランの係として、調理やウエイター、そして
ショータイムでのエイサー踊り(沖縄)にと、2日間、
たくさんのお客さん(園児)が来て、大忙しだったと
とても楽しそうに報告してくれました。

過去2年間とは役割が変わり、自分たちが遊びをリード
して行くことに、はと組一同、お兄さんやお姉さんとして
の自覚や意識が芽生えているように感じました。

ここまでの乳児期から幼児期にかけての成長は、本当に
目を見張るものがあり、驚きの連続でした。

ここ2年間を半年単位で振り返っても、着実に成長の跡を
見ることができるのです(息子の場合)。

2007年 4月-2007年9月 お箸使いの開始
2007年10月-2008年3月 ひらがなの読み開始
2008年 4月-2008年9月 お尻拭きの開始
2008年10月-現在    自転車補助輪なしの開始

しかし、楽しい思い出がいっぱい詰まった園の生活も、
来月2月の”劇遊び”の発表会が実質最後のイベントと
なり、3月に入るとお別れ遠足に園児全員での昼食会と
続き、卒園式となります。

さすがに、あと残り半年を切った頃からは、毎朝の通園
につき添いながら、カウントダウンが始まっていること
に思いを巡らせたりしました。

都合、5年半に及ぶ保育園生活は人間や人格形成の基礎
期に相当するため、完璧とは言えないものの、彼の成長
に立ち会えたことは本当に良かったと思います。
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148.お揃いTシャツ(795字)

2008-07-28 | Education
今年4月より息子が年長組となり、毎月のように公私で
イベントが続いているため、きっと卒園までには思い出
の山が築かれていることと思います(以下、参照)。

<2008年度 イベントカレンダー上期>
 4月 合同遠足、BBQ
 5月 ごっこ遊び、ホームパーティ
 6月 高尾山ハイキング パートⅠ
 7月 お泊り合宿、夏祭り
 8月 海水浴
 9月 高尾山ハイキング パートⅡ

年長さんとなってすでに3ヶ月半が過ぎ、日課のお散歩に
年中クラスを引率したり、園内でごっこ遊びを主導したり、
また先日は、園児と教職員だけの合宿も体験し、イベントが
終わるたびにお兄さんやお姉さんらしさが身についている
のが感じられます。

この園では、卒園のクライマックスに向けて、毎年、年長組
になるとお揃いのTシャツを作ることが恒例化しており、
イベントのたびにそれを着て、一体感を盛り上げるのにひと
役買っています。

今年も合宿の前に園児全員と保護者の希望者を募り、同じ
デザインのTシャツを作りました。

今回は何と言っても、息子の同級生のパパに有名な漫画家
がいるため、その方に依頼して画を描いてもらいました
(写真参照)。題字は同級生が書いたもの。

図案は、クラスメイト全員の似顔絵になりました。
特撮やアニメのキャラクターでは著作権法に引っ掛かる恐れ
があるため、安易に使用することはできません。

似顔絵を見ると、一人ひとりの特徴を捉えて書いてあります
が、似ている人とそれほどでもない人がいます。

それでも忙しい締め切りの合間を縫って土日で仕上げたと
聞きましたのでボランティアで頑張ってもらったのです。

息子のTシャツ自体はすぐに小さくなって着れなくなって
しまうでしょうが、ずっと記念の一品として残るのでは
ないかと思います(親の方かな??)。

私たち夫婦も購入し、これを着てイベントに参加し、この
クラスの子供たちと保護者と一緒になって卒園まで盛り
上げて行くつもりでいます。
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135.絵本の不思議な魅力(740字)

2008-04-26 | Education
自分の息子が生まれて以来、私も子育てに関わって来ましたが、父親ができることもたくさんあることがわかりました。

その中の一つに、絵本の読みきかせがあります。

ここ3年くらいで数十冊の絵本を一緒に読んだと思います。

そうした経験から絵本というか、童話には子供を惹きつける不思議な魅力と世界があるものだなと思わされて来ました。

言葉の語彙力に乏しい子供でも、ストーリーの展開に目を輝かせ、一緒に笑い、そして驚き、ときには悲しそうな表情をして感情移入します。

さて、絵本にはどんな仕掛けが隠されているのでしょうか?

私には大きく三つの点があると思えています。

1)伝えたいテーマを絞っている

  子供の理解力を考え、だいたい伝えたいテーマを一つに
  絞っています。

2)話の展開に変化が用意されている

  途中で色んな登場人物やハプニングが用意されていて、
  次はどうなるかを楽しみながら読むことができます。

3)ハッピーエンド

  一部の絵本を除いては、たいてい最後はめでたし、
  めでたしで終わり、ほっとする内容となっています。

こうした仕掛けが散りばめられているせいか、息子は気に入った絵本が見つかると毎晩のように読んでくれとせがんだ時期もありました。

もっとも最近は、自分でひらがなを読めるようになって来て、絵本の字を指しながら読んでいますが、必ず後で、「今、何て書いてあったの」と聞き返して来ます。

字の読みは覚えて来ましたが、まだ意味の理解まではできていないようです。

こんな姿を見ていて、人は繰り返しの効果で、こうして物事を覚えて行くんだなと思っています。

絵本には想像力を育む力があるとも言われています。
そうした良さをつかみ取って欲しいものだと思いながら、あと数年は読みきかせに付き合って行くつもりです。
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130.ミックスジュースⅡ(621字)

2008-03-15 | Education
息子が通う園で異年齢交流促進の企画として始まったミックスジュースが今年度も継続され、昨日の3月14日で最後となりました。

昨年度は6回程度行なわれましたが、今年は10回も企画されたようです(先生方、有難うございました)。

本格的な少子化時代を迎え、どこの家庭も子供は一人ないし二人が大半を占め、また昔のように近所の子たちと遊ぶ機会もないままでは、あまり社会性が育たないまま就学年齢を迎えてしまいます。

ミックスジュースはそんなことを背景に生まれた企画であると私は勝手に想像しています。

今年度は、3学年が一緒になってお絵かきしたり、園庭で年長さんリードの下で遊んだり、また大きな公園まで手をつないで行き、そこで隠れんぼなどをして一緒に遊ぶといったことをしたようです。

息子は真ん中の学年となり、年下の子たちにも目配りする様子を話してくれました。また、一つ年上の年長さんに対しては、羨望の目を向けていることも話ぶりから理解できました。

一番変わったと思われることは、ミックスジュースがあった日は、家にいてその日あったことをよく話すということだと思います。

彼らにとって2週間に一度のこの日は特別な日なのです。そして毎回、新たな発見をする日でもあるようです。

この4月からはいよいよ年長組へ進級します。9月頃にスタートするミックスジュースでは、過去二回の経験を生かし、どんなお兄さんぶりを発揮するか、目を細めながら見守りたいと思います。
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107.子供のお泊まり(1,038字)

2007-09-25 | Education
この9月第一週の金曜日から土曜日にかけて、息子が通う年中クラスで、恒例のお泊まり保育が実施されました。

息子は生まれて初めての単身外泊のため、4,5日前より、母親に甘えたり、朝早く目が覚めたりと何となく落ち着かず、緊張している様子がありありとわかりました。

そして、当日の朝も、起きがけに私に向かって、「パパ、今日、お泊まり頑張るからね」と半ベソをかきながらも、殊勝な発言。母親も激励しながら、半分は不安な様子。

お泊まり保育は、れっきとした園のカリキュラムとして組まれてあり、次の目的を持っているようです。

1)子供同士の共同生活を通じて、他者と協力し、その中で色んな関わりを学ぶ
2)親との生活を離れ、自立心を高める

先生方は夏休み明けから、準備を始め、一方、子供たちには当番を設けてお手伝いを経験させるなど、徐々にお泊まりを意識させながら、テンションを上げる工夫が凝らされていました。前日には、園児全員が集まって、盛大に激励会が開かれたりもしました。

さて、当日はサポートの先生も前年度の担任が二人入り、万全の体制です。男性の先生が二人ついていますので、警護上も安心できました。
そして、次から次へとイベントの連続で、お泊まりを意識させないように時間が流れて行き、夕食には、何とバイキングが用意されました。並大抵の力の入れようではありません。子どもたちも大喜びです。
(弁当を持参してのミニピクニックは天候の関係で中止となりましたが。)

寝る前も絵本の読み聞かせがあり、孤独を意識させない配慮の下で、いよいよ就寝となりました。
特に夜中にトラブルがあったとは聞いていませんので、日中の疲労と共に、子どもたちはよく眠ってくれたようです。

じゃーん。翌朝はパン食を皆で取って、いよいよ保護者との劇的な再会を迎えました。

幾人かの感動的な場面があったと家人から聞かされました。この経験を通して、息子はまた一つ成長したように思えます。

園には、本当にここまでしていただいて感謝の気持ちで一杯です。来年はバスハイク&民間施設でのお泊り保育が待っています。

最後に、お泊りの夜、保護者たちは何をしていたかと言うと、クラスの丁度半分が集い、子供のお泊まりを肴に、駅前の居酒屋で懇親会を開いていました。私も地元地域の人たちと交流の機会が持てて、本当に嬉しくもあり、また楽しいひとときを過ごすことができました。

しかし、二日酔いで翌日のお迎えに行けなかったのが唯一の誤算ともなってしまいました。大反省^^;
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98.河合隼雄先生とその影響力(721字)

2007-08-07 | Education
去る7月19日に臨床心理学者で、元文化庁長官を務めた河合隼雄さんが亡くなられました。

評伝を読むと、ユーモア精神に溢れ、いつもジョークを飛ばして、笑い声が絶えなかった人だとありました。

しかし、いざ仕事となると、ユング心理学を学ぶため、スイスに留学して学問を修め、日本での第一人者として有名でした。

また趣味でもフルート演奏は、かなりの熟達ぶりであったらしく、同じく京大名誉教授でサル学の権威である実兄の河合雅雄氏ら四兄弟で、四重奏団を結成して弾くこともあったと紹介されていました。

私が河合隼雄さんを知ったのは、心理学エッセーを手にしたときで、確か2,3冊読んだだけなのですが、印象に残るものがあり、記憶に留めていました。

さて、先日、私の親戚が集まって会食したときのことです。

何かの話から河合先生の話題になり、そのとき義姉が、「私は河合先生を慕って大学に行った」と言い、ちょっとびっくりしました。

義姉は、教育学を専攻し、大学卒業後、民間会社に就職しました。そして結婚退職した後、主婦となりましたが、子育てがひと段落つこうとした3年前、一念発起して社会人大学院の門を叩き、臨床心理学を勉強した向学の人です。

そして、現在は3つの機関に属しながら、カウンセリングの仕事をするようになりました。週3日のフルタイムです。

河合先生の教え通りにした訳ではないと思いますが、ここにも小さいながら先生によって培われた教えが生きているように思います。

現代の教育も色々言われながらも、こうして人材は育っているのです。
俗に「教育は30年かかる」と言われます。我々はもう少し、長い目で人が育つプロセスを見るべきではないかという気がしてきました。
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90.同質化社会(708字)

2007-07-09 | Education
私たちの生活は、職場や家庭内で幾つかの役割を演じることから成り立っていると考えられます。

しかし、現代社会では、それらを演じ切れない大人と、大人になり切れない子どもが増えているという指摘がしばしば聞かれます。

役割関係で言えば、親と子、先生と生徒、上司と部下等が挙げられますが、このいずれにおいても同質化傾向が見られると分析することができます。

例えば、親と子では、少子化の影響を受けてか、「兄弟のような親子関係を目指す」と公言してはばからない親がいます。

また、先生と生徒は、一人や少数の子どもに対して、先生も多勢に加わり、吊るし上げやいじめる側に回ったりしています。

さらに、上下関係でも、成果主義の導入や組織のフラット化に伴い、好かれる上司を目指し、部下の育成や指導を実践していないケースも散見されるようです。

これらの事例で気をつけたいことは、立場が異なる者同士がくっついてしまうと、本来の機能や役割を果たせず、通過儀礼を受けることなく、次の段階へ進み、結局は当事者につけが回ってしまうことです。

しかも、当事者が未知や未体験のまま過ごしてしまい、実際に遭遇したときの対処方法がわからず、またずっと後まで気づかずに年齢を重ね、今さらどうにもならないという状況に陥ることも予想されます。

仲良くすることと、役割を果たすことは別物であり、役割を果たす上での、壁となり、支えとなることから回避しては、次代を担う子どもや人材を育てることはできない筈です。

実は、同質化は外国でも広がりを見せているようで、近日公開の映画で、その辺の事情が描かれていることを知りました。他国ではどうなのか、関心を寄せています。
詳細はこちら
http://www.little-children.net/
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55.父性不在の社会(1,378字)

2007-03-06 | Education
先週の土曜日、学校でのいじめ問題にフォーカスした討論番組がテレビで放送されていました。

また先日、知り合いの教員の学校でも女児のいじめ問題が教育委員会に訴えられ、急遽、保護者会が開かれたと聞きました。

しかし、そもそもいじめがなぜ発生するのかを根本から考えて、手を加えて行かない限り、対症療法だけでは一時的な減少には寄与しても、根治させることは難しいのではないでしょうか。

私は解決に向けての一つのキーワードが、「父性」であり、父性の復権こそが、荒れた学校現場に泉を湧き出させる処方箋になり得るものと思っています。

今から10年ほど前に、林道義氏の『父性の復権』という小著がベストセラーになり、私もすぐに買って読みました。

当時も「いじめ」問題が存在し、神戸の高校では、遅刻者を見張っていた教師が、始業時刻ぎりぎりに登校して来た生徒を門柱と鉄製校門にはさんで、圧死させるという悲劇も起きたほどでした。これはいじめと言えるかわかりませんが、この事件を見る限り、教師の側の取り締まりの姿勢は見えても、生徒への愛情や長所を伸ばすという教育本来の姿は見えて来ません。

林氏の著作に込められた願いも空しく、その後、いじめはなくなるどころか、益々陰湿化し、深刻な状況にすら陥っています。

現在も差し当たって出口は見えず、昨12月の『教育基本法』改正も、現時点ではどのような成果が出て来るのか不透明に思えます。

いじめの一番の問題点は、「父性をなくした家庭教育の欠如」にあると言ったら、言い過ぎでしょうか。

私は、家庭は社会の最小構成単位であり、そこで暮らす中で、少なくとも以下のことが機能として必要なのではないかと考えています。

1)基本的な躾や礼儀・作法を教える
2)家族の情愛を育み、他人との関わりを教える
3)世の中で起きていることの(善悪)判断力をつける
4)日本固有の文化や親としての価値観を継承する

この機能すべてを母親や核家族化した夫婦だけでできるのかというと、それはできないと思います。それに、スーパーマンはいませんので、親だって知らないことやできないことは多数存在します。それでも、自信を持ち、他人の力も借りて、放棄せずに教えることが大事なのだと思います。

現代の家庭において母性は母親のそれとして存在しているように思われますが、それに対して父親は父性を発揮できず、存在感の薄い、そして透明な存在に据え置かれているような気がします。

ここで言いたいことは、二つあります。
子どもにとって親は、「友だちにはなり得ない」、そして、「子どもを教育する一番手は親に他ならない」ということです。

だからこそ、母親は父親をある面では立てて、子どもが父親に信頼を寄せる形を作る必要があります。また、父親も母親にすべてを任せ切りにせず、役割分担をしながら、子どもの世界観を広げ、秩序を作る役目を担うべきだと思います。

今日のテーマは、林氏の考え方に負う部分が多くありました。
(以下に著作を紹介しておきます。)

ただ、著作が書かれた10年前と異なる点は、教師の問題(適性や資質等)が大きくなってしまったことと大人の子供化が進んだことだと思います。
従って、この点を考慮に入れた解決法も模索する必要が出て、一層、複雑化の様相を見せているようです。このままでは日本の将来が危ないと思えてきます。

父性の復権

中央公論社

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38.ミックスジュースの日(1,028字)

2007-01-15 | Education
昨年末、師走の慌しい中、安部内閣の公約となっていた教育基本法の改正案が国会で可決されました。

また、時を同じくして、私の息子が通う園で、「ミックスジュースの日」が創設されました。

ミックスジュースとは、果物や野菜を乱切りまたは細かく刻んだものに牛乳、それに砂糖や甘味料等を加えて攪拌した混合ジュースのことですが、この園では、異年齢児の交流促進を目的に、3クラスを3つの部屋(それぞれ、メロン・リンゴ・バナナと命名)に再編成し、ひと月に2回、半日を一緒に過ごさせることを指し、先月から試みをスタートさせました。

先週、3回目を終えたここまでの成果は、私が見る限り、まだ目に見える効果は現れていないと思います。しかし、近所で遊ぶ子供たちを見る息子の目が少し変化しているようにも思えます。

園からの「お便り」(速報)を読むと、年長の子が年下の世話を焼き、一方、年下の子は年上の子に遊びや言葉、箸の使い方を教わったりして、交流が連続的におこなわれるようになって来たとあり、子どもたちが目を輝かす光景がまぶたに浮かんで来るようで、まずは順調なスタートのようです。この先の変化(成長)が楽しみです。

昨今は、子供の絶対数が少なくなり、一人っ子や二人兄弟が大多数を占め、また、学童になっても、同じ年齢の友達としか遊ぶ機会を持たず、そのまま成人することも少なくないと言われています。

そのため、大人になっても上下関係に疎く、また、交友関係を広げることができないという問題も教育関係者や保護者からも指摘されているのを見聞きします。

今回、大上段に振りかざす教育基本法の改正も、戦後60年を経て、制度疲労が見られる今日、大きな政治的な課題であることは間違いありません。

しかし、より重要なのは、改正の理念を継承し、現場レベルで草の根として、今日的課題を解決して行く試みを実践し、活動を展開することではないかと考えます。

この園のような取組みが、地域、自治体、ひいては国全体に広がり、学校や大人社会を変革するきっかけにつながれば、安部首相が唱える「美しい国日本」に生まれ変わって行く
に違いありません。本来、国作りには国民一人ひとりにも責務が与えられており、全員が目的意識と責任を持って参画しなければならないと思います。

数年前に学校の週休2日制導入と「ゆとり教育」の実現と題して、文部省(当時)が『学習指導要領』を変更し、教育現場に大混乱を招いた二の舞はもう懲り懲りです。
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