1929年に起きた世界大恐慌と比較して語られること
の多い、今次の金融不況からの出口を探るため、先日、
米国ブッシュ大統領の呼びかけでG20が開催されました。
この会議の中で、3つないし4つの基本方針が示され、
マスコミ報道によると、おおむね有意義であったと締め
括られているようです。
しかし、今週の新聞では米国で77兆円の追加対策、
EUでも25兆円に上る公的資金が投入されるようです。
楽観論と悲観論が交錯する中、この先、世界経済は、
ひいては日本経済には、どんな展開が待ち受けていると
考えるべきでしょうか。
サブプライム問題は、全ての序章であり、続いて起こる
オルトA問題が、さらなる不安定と不況を招き、連鎖的
に不況を長引かせることになると予測する識者もいます。
オルトAは、中所得者向け住宅ローンでサブプライムより
も未決済額が多いという試算もあるのです。
米国は貿易と財政の双子の赤字を抱えながら、金融工学
の手法を駆使して、金融商品を派生させ、その商品の
魅力度を高めて、世界中から資金を環流させて、赤字
補填に努めて来ました。
ところが、ここに来て頼みの金融経済(金融資本主義)
が石油やエネルギー(エタノール)問題からほころびを
生じ、崩壊への道を辿っているのです。
もはや、米国政府が幾ら公的資金を投入しても、ヘッジ
ファンドと呼ばれる規制をあまり受けない金融機関の
破綻や金利変動によって、不良債権は膨らむ一方で、
損失総額が算定できないという有様で、底なし沼に入り
込んだ状態にすらあります。
それが対米貿易で儲けた国々が米国に再投資をして、
損失を被って、同時不況を呼び起こしているのです。
果たしてこの不況は10年で終わるのでしょうか。
楽観できる要素はあまり見当たりません。
米国では金融不況となり、産業界にも影響が出始めて
います。自動車のビッグ3(GM、クライスラー、フォード)
が2つに減るという予測も出ているほどです。金融不全
に陥ることも考えられます。
翻って、日本でも金融機関で総額8300億円に上る
損失が出ていると報道されました。また、トヨタや
パナソニックも揃って、次期の決算を下方修正するという
発表がなされ、経済に不透明感が出て来ました。
このままでは90年代に経験したバブル崩壊の二の舞
となる可能性も出て来ました。恐ろしいのは、この不況
がこれからもしばらくの間は、出口が見えずに続いて
行くことです。
益々、この問題から目が離せなくなって来ました。
参考:
『世界金融危機』金子勝、アンドリュー・デウイット共著
(岩波書店)
の多い、今次の金融不況からの出口を探るため、先日、
米国ブッシュ大統領の呼びかけでG20が開催されました。
この会議の中で、3つないし4つの基本方針が示され、
マスコミ報道によると、おおむね有意義であったと締め
括られているようです。
しかし、今週の新聞では米国で77兆円の追加対策、
EUでも25兆円に上る公的資金が投入されるようです。
楽観論と悲観論が交錯する中、この先、世界経済は、
ひいては日本経済には、どんな展開が待ち受けていると
考えるべきでしょうか。
サブプライム問題は、全ての序章であり、続いて起こる
オルトA問題が、さらなる不安定と不況を招き、連鎖的
に不況を長引かせることになると予測する識者もいます。
オルトAは、中所得者向け住宅ローンでサブプライムより
も未決済額が多いという試算もあるのです。
米国は貿易と財政の双子の赤字を抱えながら、金融工学
の手法を駆使して、金融商品を派生させ、その商品の
魅力度を高めて、世界中から資金を環流させて、赤字
補填に努めて来ました。
ところが、ここに来て頼みの金融経済(金融資本主義)
が石油やエネルギー(エタノール)問題からほころびを
生じ、崩壊への道を辿っているのです。
もはや、米国政府が幾ら公的資金を投入しても、ヘッジ
ファンドと呼ばれる規制をあまり受けない金融機関の
破綻や金利変動によって、不良債権は膨らむ一方で、
損失総額が算定できないという有様で、底なし沼に入り
込んだ状態にすらあります。
それが対米貿易で儲けた国々が米国に再投資をして、
損失を被って、同時不況を呼び起こしているのです。
果たしてこの不況は10年で終わるのでしょうか。
楽観できる要素はあまり見当たりません。
米国では金融不況となり、産業界にも影響が出始めて
います。自動車のビッグ3(GM、クライスラー、フォード)
が2つに減るという予測も出ているほどです。金融不全
に陥ることも考えられます。
翻って、日本でも金融機関で総額8300億円に上る
損失が出ていると報道されました。また、トヨタや
パナソニックも揃って、次期の決算を下方修正するという
発表がなされ、経済に不透明感が出て来ました。
このままでは90年代に経験したバブル崩壊の二の舞
となる可能性も出て来ました。恐ろしいのは、この不況
がこれからもしばらくの間は、出口が見えずに続いて
行くことです。
益々、この問題から目が離せなくなって来ました。
参考:
『世界金融危機』金子勝、アンドリュー・デウイット共著
(岩波書店)
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