日々想うこと

毎日の生活の中のちょっとした出来事や感じたことを気ままに書いています。

本あれこれ

2008-02-06 | 日記
普段は洋書の紹介が多いですが、珍しく時代物などについて書きました。
ほとんどは旅行していて海外にいる時に集中的に読んだ物です。
現代小説よりも、彼らの小説のほうがなぜか好きでした。
こうした文体が、すーっと染み込んでくるというか、そういう風に思えました。

あと、司馬遼太郎もたくさん読みました。
時代小説も、とても優れたものばかりですし、それから「街道を往く」のシリーズも素晴らしいです。

言葉は時代と共に変わっていくもので、今の日本語のリズムよりも、少し前のリズムのほうが自分にはしっくりくるみたいです。

先日、大人の英会話の生徒さんたちと百人一首の話になりました。
お正月に歌留多とりする話です。
学生の頃に暗記したという方がほとんどで、今でももちろん覚えていらっしゃる。
私は覚えるように言われなくて、同級生も暗記した人は少ないはず。
今思えば、覚えたらよかったなとも思います。

今も小学校や中学校で覚えるところも少なくないと思います。
教育の中での伝統文化の継承ですね。
こうした授業、いいですね。


岡本綺堂

2008-02-06 | 本棚
半七捕物帳〈1〉 (光文社時代小説文庫)
岡本 綺堂
光文社

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先ほど「鬼平」を思い出したのでついでに・・。
昔、テレビで「半七捕り物帳」をしていましたが、その著者、岡本綺堂の文体も淡々としていながら印象的で好きです。

綺堂の父は元徳川家の御家人でイギリス公使館に勤めていましたが、そのせいかどうなのか、彼はシャーロックホームズに影響を受けて、日本最初の捕り物帳「半七捕物帳」を書きました。

でも、実は綺堂の本では怪談や怪奇集がいいかな。ゾクッときます。
それはもう、淡々と書かれているだけに怖い。
なんか、今風のお話と違って、日本の闇とか湿度とかを思いきり感じさせてくれます。
私にとっては体感的な本です。
読むのはやっぱり夏がいいですよ。
今はただでさえ寒いから!


鬼平犯科帳

2008-02-06 | 本棚
鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)
池波 正太郎
文藝春秋

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今日、「その時歴史が動いた」というNHKの番組で、長谷川平蔵を取り上げていました。
池波正太郎の本が気に入って、随分読んだ時期がありました。
文章が小気味いいというか、粋です。
当時の生活感が伝わってくるし、それから彼の本には食べ物の描写がよく出てくるのですが、どれも唾をゴクリと飲みたくなるような上手い描写なのです。

平蔵が実在の人物だったというのは、初めて知りました。
人足寄場っていうのは、罪人の更生施設、職業訓練所だったんだ。

役所でつかった紙を人足寄場で漉きなおして、リサイクルペーパーとして売ったり、そうした利益を人足たちに分配して、出所の時まで貯金させたり、人足のユニフォームを作り、衣の水玉模様の数で、出所までの期間が分かるようにして前向きな気持ちを持たせたり・・。

小説の中では渋ーく、派手な事件を手がけていますが、実際の平蔵、本当にいい火付盗賊改方だったのですね。

鬼平犯科帳、面白いですよ。
「剣客商売」や「仕掛け人―藤枝梅安」も面白いです。