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百鬼どんどろ・岡本芳一の映画「人形のいる風景~ドキュメント・オブ・百鬼どんどろ~」「VEIN~静脈~」

2011-06-20 00:49:08 | 映画

百鬼どんどろ・岡本芳一の映画「人形のいる風景~ドキュメント・オブ・百鬼どんどろ~」「VEIN~静脈~」が7月2日(土)から「渋谷アップリンクX」にて公開される。
監督・撮影・構成・編集: 渡邊世紀

岡本芳一・百鬼どんどろ
等身大人形と己の肉体を遣い、幻想的な情念の世界を繰り広げる独自の舞台表現の確立

 私が岡本芳一百鬼どんどろに初めて出会ったのは、二十数年前の初夏の夕暮れだった。たまたまジュースを買いに外に出た時、飯田文化会館の前がライトアップされていたので「何?」と思い見にいった。そこに、等身体の人形を抱えた白塗りの岡本芳一が立っていた。暫くしてカセットテープをポンと押し演目が始まった。観客は子供連れの家族2組と私一人。こういった人形劇を見慣れていない家族連れは五分程過ぎた頃立ち去った。観客は私一人。その頃、演目というより、人形の黒子としてただ舞っていたような気がする。額から流れ落ちる白い汗。無駄のないふくははぎの筋肉と足さばき。そして人形との一体感。凄まじかった。世界の全ての時が岡本芳一に傾いているような空間だった。終了後、アングラ劇、舞踊のことなど話したと思う。荷車を引いての6年間の旅芸人生活にピリオドを打ち、伊那谷に定住したばかりだった。
 その後、2.3回観にいった。初めて観た時のさざなみが立つような艶めかしさを私個人として感じることはできなかったが、やがて有名になり国内公演はもとより海外公演なども数多くこなしている。海外での評価も高く、1994年にはカンヌ国際人形劇祭最優秀賞を受賞している。また、ベルリン映画祭 国際批評家連盟賞を受賞した21世紀の罪と罰「へヴンズスト―リー」にも出演している。髄異形成症候群にて昨年永眠。享年62歳だった。           Metro Gallery

2011年7月2日(土)~22日(金)渋谷アップリンクXにて
連日21:00からレイトショー!!

「映し出されるのは、あなた自身の心」
人形演劇界において世界各国で高い評価を受ける岡本芳一が、
自らの舞台演目を、さらなる新しい表現として開花させた。
それが、「百鬼どんどろ」製作唯一の映像作品にして、
遺作となった映画「VEIN-静脈-」である。

台詞が全くなく、人形アニメでも3Dでもなく、舞台の記録映像でもない、
人形と演者が映画の登場人物としてドラマを紡ぐ、今までになかった、
新しい「映画」である。
そこに刻まれたのは
一人の表現者が己の運命を受け入れていくかのようにも見える
「極限の愛と痛みの物語」である。    VEIN~静脈~より抜粋

百鬼どんどろ・岡本芳一HP
http://www.yumehina.net/dondoro/index.htm

VEIN~静脈~
http://vein-dondoro.jimdo.com/


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