メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

タンゴの踊りと音楽 その1

2008年05月25日 15時33分56秒 | アルゼンチンタンゴ
音楽っちゅーのはホンマにオレの中ではまだまだ未知の分野だ。
分からんことだらけ。

んなもんで、はっきり言って自分の感覚でしか判断できん。


例えば
  「この人むっちゃバンドネオン上手いなぁ~」
と思ってもなんで上手いのか分からん。
なんで「いい」と思うのかも分からん。


勉強不足なんで仕方ないけど、なんかの楽器をある程度弾けるようになったことがないのは大きな要因のひとつだな。

せめてなんか楽器やって、バンドとかでも組んでたら全然知らん楽器でもそれなりに演奏方法やテクニック、他の楽器との駆け引きなんかが分かるんだろうに。。。


ブキッチョやからしゃーないか。







この前またセクステート・ミロンゲーロがカニングで演奏したので行ってきた。

やっぱいいよねー。この人たち。
いつでもちょーノリノリ。 

ビートが強いんで踊りやすい。
演奏者がノってるから踊る方だってノってくる。



クラリネットをやっていた  ちゃんは

「リズム系の曲は好きだけどワルツとか全然ロマンティックじゃない。
   コントラバスの人全然関係ないとこで「ヘイッ!」って言うし。。。」


と言っていた。

それは一理あるな。
どんな曲でもノリノリ、ロック系。
コントラバスの兄ちゃんの「ヘイッ!」のタイミングが意味わからん。



でもやっぱり人気が高くてヨーロッパツアーの後こっちの予定もびっしり詰まってた。




               




このセクステート・ミロンゲーロ、オレは大好きなんだが、2ヶ月ほど前にカニングに行ったときに予定にはなかった外国のオケが入ってた。


3人編成で ピアノ  バンドネオン  バイオリン 



最初聴き始めたとき、

「おっ、なんか分からんけど上手いねぇ~、とくにバイオリン」

と思った。



2曲目が始まって、オレの分析って言うより感覚では

「バイオリン、むっちゃ上手いけど完全に他の楽器を喰ってる。
  なんか他の楽器はバイオリンのBGMみたいに聞こえるんだけど。。。
           しかもオレにはこのバイオリンはクラシックに聞こえる」

まぁバイオリン主役でバイオリンを聴かせるバンドとして考えれば確かに上手い!



とりあえず踊ってみることにした。
かなり難しい、というよりタイヘン。


クラシックなのは編曲もそうなのだ。

バイオリンのメロディーが主役なのでテンポがすごく揺れる。
「タメ」が多すぎ、長すぎ。

それとなぜか演奏が身体に入ってこない。 
ノレない。。。

踊ってる人が少ないのも分かる。




最初何曲か聴いてるときにも感じてたけどピアノとバンドネオンが弱い。
バイオリンが強すぎるってのもあるけど。

そしてその主役のバイオリンのエネルギーが → 内 ← に向いてる気がする。
オレにはどうしてもそのバイオリン弾きは「自分自身」に向かって弾いてるようにしか見えなかったし聴こえなかった。


これはあくまでもオレの感覚なので正しいかどうか分からないけど、そういうところが踊っていてノれない原因なんじゃないかと思う。






終わった後、ピアノをやっていたという  ちゃんに

「こっちのその辺のバンドなんかより上手いねぇ~」

と言ったら、

「そうでしょ~!!
  セクステート・ミロンゲーロとかヘンなのばっかだもんね~」
と言われて返す言葉に困ってしまった。。。





じっさいこのバンドもこっちでもすごく人気があった。
どこかのホールで演奏したときは入れない人が大勢いたらしい。




たしかに個人個人の技術力だけを比べればセクステート・ミロンゲーロよりこっちのほうが上手い。

でもオレにはどうしてもタンゴに聴こえなかった。

タンゴの曲を演奏してるしバンドネオンも入ってるし、たしかに「タンゴ」なんだけど
オレには「クラシック」聴こえるんだよね。


「タンゴ」っていう曲種の分類に定義がないんでタンゴの要素さえ入っていればなんでもタンゴなわけだからクラシックっぽいアレンジのタンゴということだ。




ただオレのタンゴに対する認識が 「踊れるか踊れないか?」 
というところにあるんじゃないか、と思った。



だからビートが強くて、エネルギーが← 外向き → 踊ってる人、聴いてる人に向かって演奏しているセクステート・ミロンゲーロのほうがオレは好きだし、楽しく踊れるんだろう。



これはたんなる好みの問題なんだろうけど。。。  







             mi-----oT-n-o

                                  febrero 2009