メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

タンゴの流行 その2

2008年10月31日 04時43分24秒 | タンゴ・ブルホ
そして42年。


速くてリズミカルだった時代からブームはゆっくりのメロディー重視へと急転する。




   36   39     41 42

        
              
              
              
              
            
                 




最初は強いリズムを伴っていたが、やがて「時代に合わないと弱いアレンジに変わっていった。


サロン時代の始まりである。  

ツイてない男、ディサルリの全盛期だ。





流行が変わったのには幾つかの理由があるようだがその1つが歌詞の変化。

クラい歌詞が流行りはじめたため、それに合うゆっくりとした曲調になったようである。



43年から46年には世界は大戦下にあった。
タンゴが上流階級でも踊られるようになってきたこともあって軍部 の指令で歌詞の中にスラングを使うことを禁じられた。
よってこの時期のタンゴの歌詞はアルゼンチン語ではなく、スペイン語で書かれている。








41年までのタンゴ界をリードしてきたリズムの王様ダリエンソとサロン系で有名なディサルリはかなり仲が悪かったらしい。




実際には42年以降もサロン系 が流行っていたのは ビシャ・ウルキサ、サアベドラ、マタデーロなどの郊外でセントロではリズム系がもてはやされた。







                    







踊り方も41年頃までは 現在呼ばれているウルキサ・スタイル、ミロンゲーロ・スタイルなどに近い形で踊られていたが、この頃郊外で現在のサロン・スタイルの原型が出来たようである。




それが現在へと受け継がれている。     


混んだミロンガでも踊れるようにとセントロではミロンゲーロ・スタイルが受け継がれ、
ウルキサでは元々のウルキサ・スタイルとサロン・スタイルの両方が踊り継がれてきた。


他のスタイルはだんだんその数を減らし、現在ではほとんど残っていない。






                    







このサロン系タンゴのブームは46年まで続き、その後は各オルケスタがそれぞれの個性を出して別れていくが、46年までが今回のお話。






クラスではリズム時代とメロディー時代のディサルリを踊り比べたり、同じ時代の違うオケを踊り比べたりした。









その曲が録音された時代の流行が演奏や編曲に現れている。


もちろん色んな理由で流行の影響を受けていないオケもあるが、
踊り分けを単にオケの違いでするのではなく、


 「どの時期の録音なのか?」 



というのも大きく影響しているということを忘れないでほしい、というオラシオのお話だった。





実際ディサルリでさえリズム時代はリズムが強い。






他にも細かい話をいろいろしてたがこれが今回のメイン。
ミュージカリティのクラスと言うよりタンゴ史の勉強会 だった。

 








オレは音楽の知識がないので年代どころか、曲名とかオケとかすら知らないんで、聴いたものを聴こえたとおりに踊りにしてる。(その時の演奏が強調している部分をとっている)


クラスで「踊り比べろ!」と言われると、

「これはディサルリだけどリズム時代だからメロディ取らない方がいいよね?」
などと考えると余計わけ分からんくなってしまった。



オレみたいなタイプはなんも考えないで聴こえた音で遊んでたほうがいいみたい。





タンゴの流行 その1

2008年10月26日 15時58分24秒 | タンゴ・ブルホ
今月のブルホのプラクティカのゲストは


        パブロ・ロドリゲス
        フェデリコ・ナベイラ 
        フリオ・バルマセダ




ときて、今週のはゲストは オラシオ・ゴドイ だった。








毎回それぞれのダンサーの得意なものを取り上げてテーマにしているので

「オラシオは間違いなくミュージカリティーだろー」


と思って期待して行ってきた。











「まず最初に、1927から始まる。」


オラシオはみんなを集めて紙に点を書いた。



そして少し横に 「36」 と書き二つの点を線で結んだ。




  1927     36
   





この時代のタンゴは「グアルディア・ビエハ」と呼ばれている。




なぜそう呼ばれているかと言うと、




1969年、70年、ビートルズ全盛期。 ロックの時代になっていた。

この頃レコード会社が 
「もうこんな古い音楽は誰も買わないだろう」 と
この時代のタンゴのレコードの原盤をすべて焼き捨ててしまったのだ。

そのためその後に流通したレコードは色んな人達が持っていたレコードを焼きなおしたものなのだ。

よって音質はもちろんかなり悪くなっている。








「この頃のミゲル・カロとカナロの曲を踊り比べてみよう。」



というところから始まった。




           





この頃のタンゴのリズム自体は24、5年くらいには形成されていた。





メロディよりリズムが強めでゆっくりなテンポが特徴だ。



「パンダのようにのっそのっそなイメージ」

とオラシオは言っていた。






この時代のタンゴはどのオケでもそんなに違いがない。

ミュージシャンたちが好きなように演奏していたからだ。









そして36年、タンゴ界に転機が訪れる。


この年ダリエンソが新しいオケを結成したのだ。 








みなさん御存知、ダリエンソは指揮者だがビジネスマンでもあった。

文字通り彼はそれまで好きなように演奏していた演奏家たちを指揮し、
客に、ミロンゲーロたちにウケるような音楽 を作っていったのだ。



 客にウケる音楽  =  流 行





彼はタンゴ音楽界に1つの流行を作った。






  強烈なビートとスピード







この年を境にその後のタンゴはどんどんスピードアップしていく。
そしてリズムがどんどん強くなっていく。





流行りにのっていないオケに仕事は来ない。

どのオケもダリエンソのような強くて速い曲を演奏する。






このタンゴ界の一大ブームは36年に始まり41年まで続いた。







                   タンゴの流行 その2 に  つづく。



営業 終わり

2008年05月30日 10時08分44秒 | タンゴ・ブルホ
やっと、終わったよー、営業。

実際には物売ってるわけでもなく、契約取りに回ったわけでもないんで営業とはちょっと違うんだけど、やることは一緒。





最初にホテル18件。
実際にはもっとあるんだけどリストには18件しかなかったのでそれだけしか回らなかった。



         




いっちばん最初にアバスト・プラザ・ホテル(アジア大会で1、2位の人たちが泊まる所)に行った。

入る前から緊張してなかなか入れず、ホテルの前ウロチョロしてた。(笑)

頑張って入ったはいいがカチコチで舌全然回ってない。
スペイン語で営業するなんて今まで考えたこともなかったもんね。




でもアバスト・ホテルの受付にいきなりチーフクラスの人がいて結構若くてエラそうな奴だったけど舌の回ってないオレの話をちゃんと聞いてくれた。

おかげで自信がついて2件目に入りやすかった。




1日目に5件ほど回ったけど、やっぱり舌の回ってないチーノは怪しく見えるのか(どう考えても怪しいだろ)、やな感じの対応のところもあり2日目出かけるのがイヤでイヤで仕方なかった。


「これじゃホンマに日本のサラリーマンみたいや」




2日目。
だいぶ舌が回ってきたがやっぱりイヤイヤ。






ため息をつきながら3日目。
この日はプエルト・マデーロのホテルを回ることにしていた。

プエルト・マデーロは現在開発中の日本で言うところのお台場みたいなところ。
河沿いの雰囲気のいい、爽やかなデートスポット。





             






1件目。
超巨大ホテル、 ヒルトン


オレの嫌いな四角いコンクリとガラスの塊のようなでかい建物が河の向こうにそびえ立ってる。








入りにくいよなーーー






















とりあえず近くのベンチに座る。






















ハトに餌をやる。













・・・・・・・・



完全に仕事取れない営業の人みたいになってる。。。





ずっとこんなことしてても終わらないので頑張って大きな入口から入った。

こういうホテルって何でか知らんけど絶対回転ドア付いてるよね。
やけに重く感じる。




何室あるのか分からないがデカいロビーは人であふれていた。 



コンセルジュに向かうと、恰幅のいいエラそうな爺さん
トランシーバー片手にあちこちに指示を出していた。




このホテルのイメージどおり。




忙しそうなのでヒマが出来るのを待って話しかける。
もうだいぶ慣れてきて舌も回り相手の対応も良く見れるようになっている。


しかしこっちもイメージ通り。


軽くあしらわれてしまった。  






1件目から撃沈してやる気を失くす。




どうもこういう大きな建物は威圧感があって入りにくい。
特にプエルトマデーロのホテルはブエノスでは5星でも最高級ホテルだ。
セントロの5星よりプレッシャーがかかる。





しかし落ち込んでても仕事は終わらないのでとりあえず2件目を探すことにした。



数ブロック歩いたところにホテル・ファエナがあるはず。
聞いたこともない名前のホテルだが5星だからデカいに違いない。


住所の番地には小さな入口。

門番らしき2人が立っているが入口があまりに小さい。




「住所が間違ってるのか?」 




と思い、ちょっと回り込んでみることにした。
ずっとレンガの壁が続いていてブロックの横(長い方)にそれらしいガラスの入口があったが閉まっている。


さっきの小さな入口と反対側まで周ってくるとそこは建物の庭だった。
小さな入口と同じマークが付いていた。




「あ、ここ1ブロック全部ホテルなのね。」




他に入るとこ見つからないのでさっきの小さな入口に向かった。
門番の人たちの感じが良い。
挨拶してすぐに入れてくれた。



入り口を入ると中庭だった。
すごく感じのいい建物だ。
レンガ調の柔らかい雰囲気。



ホテルの建物に入るとすぐに小さなカウンターに兄ちゃんが立っていて挨拶してきた。


すごく感じが良い。


宿泊者が少ないのか、中庭のプールに人の声が聞こえたくらいでロビーには誰も居なかった。


いつもならコンセルジュを探すのだがどうもこの兄ちゃんが入ってきた人のアテンドをするみたい。


とりあえず兄ちゃんに説明をする。
すごく丁寧に対応してくれた。
めちゃくちゃいい感じだった。



ヒルトンとはエラい違い。




あまりの対応の良さに気持ち良くなり、やる気がすごく出た。
その日回ったほかの5星も対応してくれたのは若い人でみんな感じが良かった。




それ以降、自信もついて丁寧な言い方だが不必要な説明を出来るだけ省いて簡潔に話すと対応が良いことに気付いて4星、3星もサクサク回ることが出来た。






ファエナ・ホテル
http://www.faenahotelanduniverse.com/

ファエナ氏が全てデザインしたらしい。 めちゃくちゃ快適空間!!






今回思ったのは年配者より若い人たちの方が対応がだんぜん良かったってこと。
若い人たちはちゃんとした教育を受けてるからかな?

もちろん年配の人でも対応の良い人もいたが少なかった。


長いこと働いててそれなりの立ち場になってくるとエラそうになってしまうもんなんかな?





4星3星だと月給が安くて済むからか若い人が多かった。







             mi-----oT-n-o

                                  febrero 2009





営業

2008年05月08日 10時27分21秒 | タンゴ・ブルホ
なんか分からんけど今月は何かのイベントがあって外国人がいっぱい来てるらしい。

そこを狙ったタンゴ・ブルホの新しい戦略



   ホテル回り 




ブルホのタンゴショップで客層を広げるためにブエノス・アイレスに数多くあるホテルと交渉して「お客さんを連れてきてくれればコミッションを出す」ことになった。


今までは個人でガイドなどがやっていたのだがそれを各ホテルにも直接頼もうというわけ。





、、、、、っつーわけでホテル回りの営業をやらされることになった。




この前のマラトンのときもそうだったがハッキリ言ってオレに営業は向いてない。


しかもどう考えたって「怪しいチーノ(アジア人)」が一流のホテルに入ってきて書類出して説明してもウサン臭がられるだけ。



あー、やな仕事や。


直接電話して交渉した方が早いし成功率高いと思うンやけど。。。。


                        グチグチ、、、、






             mi-----oT-n--

                                  febrero 2009








最後のクラス

2008年03月23日 01時59分09秒 | タンゴ・ブルホ
マティアス&カーラが1月に出稼ぎから戻ってきてまたレギュラークラスやるのかと思ったら忙しいので今回はやらないことになった。
3月末からまたヨーロッパツアーなので次にクラス取れるのは8月かぁ。
結局この1年は2、3ヶ月しかブエノスでクラス取れなかったな。


マティアスはオレがタンゴ始めたときはまだダナパブのところにいてダナパブの一番弟子だった。
オレがちょっと踊れるようになったとき、上手くなるために何か目標を作ろうと思った。
パブロにしようかと思ったんだけどパブロはあまりに遠いのでマティアスにすることにした。


それ以来ひたすらマティアスを追いかけ続けてきた。
マティアス&カーラはクラスでは細かい身体の使い方を教えてくれるので分かりやすいし、すごく親切。
DNIで働きながらも隠れてクラスに通ったし、辞めてからはブルホで働き始めたのでもちろんクラスは全部取った。

オレはいつも上達するために自分の持ってるものを捨てて新しいものを取り入れる。
つまり自分の中に出来るだけ固定観念を作らないようにしている。
ダナパブのところで2年半も育ててもらってオレの基礎はダナパブのスタイルだと思ってったけど、ふと自分の踊り方を見てみると、これのリード方法じゃん。

それにやっぱりいつでも一番取りたいクラスはのクラスだった。


次は8月かぁ、長いなぁ。。。

と思ってたら結婚することになった。

年末年始、ドイツにいたのはそのためだったのだ。
(彼女はドイツ人)
今回忙しいのもその準備で故郷のパタゴニアに行っていたからだ。

結婚式は3月8日にパタゴニアの実家で行われ、こっちでのお祝いは12日のビルータ。
そしてヨーロッパツアーの後、ドイツで奥さんの家族と住むらしい。

       


と、いうことは。。。。


もうのクラスは取れないっ!?

そうは今年のヨーロッパツアーでパレハ解消。
は奥さんのクラウディアとドイツで教えるらしい。
は今のところ新しいパートナーは見つかっていない。




先週またまたタンゴ・ブルホでフィエスタがあった。
          タンゴ・ブルホ http://www.tangobrujo.com.ar/
フィエスタとセミナリオ。

セミナリオはガストン&マリエラとマティアス&カーラが3日間集中でやった。

のブエノスでのクラスはこれで最後。
もちろん取らないはずがない。


テーマは構造(つねにお互いを探しあうため基本の動きがヒーロになるってやつ)
と コルガーダ

構造のほうはすでに何回か説明してるのでパス。
実際コルガーダのほうが今回はメインだった。


最初のクラスではコルガーダの基本4つ。
基本的にコルガーダは1歩と1歩の間(移動中)で発生する。
つまりタンゴの構造上から

横から前、前から横、横から後、後から横

の間で出来るわけだ。
この4つの基本を左右、8パターンやった。


           


30分休憩のあと、応用編に入る。 
応用編はナベイラの十八番、コルガーダしながら向きを変えるというやつ。
この日は横から後のコルガーダ状態から軸に戻さずに横から前のコルガーダに方向転換した。


その後これにボレオを入れる。
つまり最初の後部分で後ボレオ・コルガード、前に方向転換して前ボレオ・コルガード、前に着地、をリズミカルにやる。

カーラ
パンッ!(後)、ポンッ!(前)、タンッ!(着地)
と言いながら簡単そうにやるんだが全然簡単じゃない。

男はリードしながら横、後、横と回転する。
ちょーたいへん。

実際オレ達がやると、
ハッッ!!、テヤッ!!、ドリャッ!!、、、、はあ、はあ、はぁ、、、
と空手チックになってしまう。
しかもやりすぎて腹筋が痛くなった。



結局ここまでで時間終了。
誰もまともに出来てなかったが
「ほんとはまだ続きがあるんだけど。。。」
と言って続きを見せてくれた。

さっきやったやつをソルターダで両手を持ちかえて女の子の周りを回りながらやる。
そして最後にガンチョ。
しかも最終形は手の持ちかえはないが2周してガンチョという超難度のシロモノ。


のクラスは昔からめちゃくちゃ難しいんだよ。
中級とかいいながらダナパブの上級なんかよりずっと難しい。
はマニアだからわざと難しい技ばっかし考えるんだよね。

それでも彼らのクラスがいいのは上記したようにその日やることのベースになってることを教えてから応用をすること。
基本の形、リード方法が分かれば自分で応用できるし、基本がしっかり出来るようになればその日のシークエンスも出来るようになる。
チチョやナベイラはすでに完成されたシークエンスしかやらないので基本を押さえられない。つまり基礎が分からないで取りに行っても理解しないまま技をコピーするだけになってしまう(チチョのクラスを取ってる大体8割は外側をマネしてるだけ)




今までオレが取ったクラスを簡単なものから順に並べるとこうなる。

ダナパブ  、チチョ  ナベイラ    オラシオ

ま、オラシオは別枠だけどね。
ナベイラの技をさらに応用したのがのクラスだから難しくて当然。
もう5年近く彼らのクラスを取ってるのにいつまでたっても難しいなぁ
と思ったら彼らも上手くなってるんだから当然か。




DNIが出来ては完全に独立。
ガストンがブルホを開校してさらに分離。

ともに自分たちの踊りのスタイルを追及して二組ともすごくいいダンサーになった。
は個性的な踊り方と音楽を磨き、はその洗練されたテクニックにこだわりさらに磨きをかけた。


オレの頭の中で

 ダナパブ(師匠)  マティアス&カーラ(一番弟子)

という構図が出来上がってしまっていたのでずっと気付かなかったが、も自分達のスタイルを確立しダナパブの売りであるテクニック面でもすでにダナパブを越えていたのだ。



それが今回のデモでもはっきり確認できた。
フィエスタの主役はもちろん 
またまた受付だったが今回は入口を閉めてお金もってデモを見に2階に上がった。


1曲目は普通のタンゴ。
あいかわらず柔らかい動き。
この滑らかな動きはそのリード方法からくる。

そして2曲目にビートルズのこの曲をもってきた。

マティアス&カーラ Matias Facio & Kara Wenham


ブエノス・アイレス最後のデモンストレーション。
このあとにもちろんオトラ(アンコール)があるのだがこの曲を見ているときにすごく切ない気持ちになってしまった。
オレがタンゴを始めたときから習い続けてきた、そして目標にして追いかけ続けてきたダンサーの最後のデモ。
言葉には仕切れない気持ちでいっぱいだ。


そしてマティアスがマイクをにぎり最後の挨拶。
その後ずっと一緒の部屋に住んでいた親友、ガストンを紹介する。



ガストン&マリエラも来週の水曜でブエノスでのクラスは最後。
はモイラと組み、はとりあえずパブロ・インサと少しの間踊ることになっている。
4月からのヨーロッパツアーで7月まで一緒に仕事をし、そのあとカンビオ・デ・パレハ(パートナーチェンジ)する。ほんとにカンビオ・デ・パレハだ。


はまだもう一度別のミロンガでデモが決まっているのでこれは最後ではない。
でもこの日のデモはむちゃくちゃ良かった。

ガストン&マリエラ Gaston Torelli & Mariela Sametband



2週間くらい前カニングでデモったときは踊りながらの顔が不機嫌になっていったくらいガストンの調子が悪かったのだが、
オレが思うにこの二日前にあったXでのオラシオのデモを見ても何かに気づいたのだろう。
音楽で遊びまくってすごくノリノリだった。
も得意のアドリブを合わせて入れる。



ブルホの顔だった2組が同時にパレハ解消というのはツラい。
2組とも独自のスタイルは出来ているし欧米でも大人気。
まだまだ伸びそうだし、ほんとにもったいないと思うが2組とも「寿パレハ解消」なので喜んであげるべきだろう。


            


そしてもう1組。
ブルホのレギュラー・メンバーではないがオレのお気に入りこの前レポった現在CITA出演中のパレハ、ブルーノ&マリアンヘレスも今回のヨーロッパツアーでパレハ解消になる。
ブルーノがロンドンに住んでいる彼女と一緒に住むことにしたからだ。
ブルーノはまだ24歳と若いのでいろいろ経験したいのだろう。
数ヶ月から1、2年ロンドンに住んで、彼女と一緒にブエノスに戻って来たいと言っている。

スンデルランドとサン・テルモのマリポシータでチノ(マルセロ)の代行を4月いっぱいまで担当する。
それが彼らの最後のクラス。

ブルーノ&マリアンヘレス Bruno Tombari & Mariangeles Caamano



大舞台は初めての彼ら。
CITAのシアターショーはすごく上手く踊れたらしく大喜びだった。



オレのお気に入り3組が同時にパレハ解消。
みんな長い付き合いだけに複雑な気分だ。

    



タンゴ・クルト (受付)

2008年02月05日 16時34分00秒 | タンゴ・ブルホ
大賑わいで受付で金もらうのも大変だった。           
友達が手伝ってくれたので助かったが一人だと絶対サバけんかったな。

         

ぞくぞくみんなが2階のスタジオに上がって行き、2時ごろに最初のエキシビジョンが始まった。

それでも客はポロポロ来るので持ち場を離れられん。
金を貰わなアカンのと集めた金を見てないといけないので動けんのだよ。

入り口を守ってるゴツいガードマンの兄ちゃんもショーが始まったら
「ちょっとトイレ」
とか言って戻って来やがらない。


最初は
 「ブぅーー、オレも見てぇよー」 
と思ってたが、2回目のショーが始まった時にはあっさりあきらめた。


3回目のショーが始まったとき、サンティアゴが2階から降りてきた。

 「 上はぜんぜんオモロないねんなぁー 」
と言いながら回りをキョロキョロし出した。

       

ブルホの1階は店舗になってるのでタンゴシューズや衣装が陳列されてる。
その中から女性用のハイヒールを集めてきて入り口に並べ始めた。

 「 まっすぐ並べてもオモロくないなー。
  どうせやからパソ・バシコ(日本語で言うサリーダ)にするか!
  入り口入ったらとりあえず最初の8歩ってか? 」

やっぱりアホや、この男。

 「 上はオモロないんでここで遊ぶことに決めた。
  人生遊ばんかったら意味ないやろ?  」


「その トーリ!!」 

ということでオレも一緒に遊ぶことにした。
ここには遊び道具がいっぱいある。


ストッキングを飾ってある脚型に靴を履かせたり
それを脚のないマネキンに付けたり。
女性用のジャケットを来てそこらを歩き回ったり。
マネキンを退けて代わりに花びんを置いたり。

一緒にアホなことしまくった。


サンティアゴが2階に上がって行ったあとオーナーの奥さんが来て

 「 ほんとにバカなんだから、あの子はっ 」

と言いながら怒って片付けてた。

もちろん
 「 オレも一緒にやってました。 」 
などとは言わない。


そうそう、サンティアゴが2階に上がる前にマネキンごっこ(マネキンを退け、その服を着て代わりに立つ)をやってたらラウラがやって来てサンティアゴの前に立った。

ピターっとくっついたと思ったら ブチュー と始まって、、、

え、えぇっ!! ブチュー  って、、、

 
やっぱアルゼンチンは違うわー。
っつーか、他のアルゼンチン人でも見たことないって!

そこまでアソんでいいもんなんかぁ?
セシリアに言いつけちゃうぞー。


Santiago Dorkas & Cecilia Garcia improvisation tango



タンゴ・クルト (スタジオ)

2008年02月03日 23時00分58秒 | タンゴ・ブルホ
どうやらこの前ガストンたちがツアーに出てる間にサンティアゴが指揮してやったフィエスタ「タンゴ・クルト」がガストンはお気に召したらしく、今回のフィエスタも「タンゴ・クルト」って名前になった。

この前サンティアゴたちとやったときはほんとにカルトな感じでみんなで変なことをいっぱいやったんだけど今回は普通のフィエスタ。

ミロンガでビラ配ってるときに「またサムライの格好するの?」って何人かに訊かれたけど今回はなんもなし。
っつーか、ただの受付の兄ちゃん。
        

今回はエキシビジョンがいっぱいあったんだが受付だったのでまったく見れんかった。
まぁ、仕事やからしゃーないか。。。
ブぅーー


今回デモをやったのは

ヤニック&バネッサ
http://jp.youtube.com/watch?v=Buw61XCV4fU
エウヘニア・パリーシャの彼氏ヤニックはデビューして間がないのでビデオは出てない。
バネッサはルーカスと別れてヤニックと組んだ。


マルティン&レシナ
今回新しくブルホの先生になったウルグアイ出身の二人



エブレン&サマンタ
http://jp.youtube.com/watch?v=XlbaA9hjRFc
イスタンブールの星もブルホの先生に加わった。
エブレンはこの前載せたので今回はサマンタ。
なぜかまたまたルーカスだが彼は現在フリー。


マルティン&マウリシオ
男二人のフォルクローレダンサー
ムチャクチャかっこいい!!
今回はタンゴのデモだった。
残念ながらビデオはない。


4本脚のヘルマン 
ビデオが見つからんかった。
見たいひとは何年だかのCITAに出てるのでチェック。
初めてだと結構おもしろい。


インガ&透明人間

こっちも大昔にCITAに出てたロシア人。
このおばちゃんもなかなかやるでしょ?


そしてブルホの校長 
ガストン&マリエラ
http://jp.youtube.com/watch?v=BC8e3Pu8hXo


これだけでも盛りだくさんでしょ?

さらに加えてマティアスとダニエルが最近誕生日だったので
マティアス&カーラ、ダニエル&セシリアが二組で1曲踊った。

おまけも付いててフォルクローレダンサーのマルティンがモイラとサンバを踊った。


こんだけショーが見れて踊れて10ペソ(約370円<現在ドル安>)は激安でしょ!?
全部で15曲以上のエキシビジョンが牛丼一杯分の値段で見れる!!

 早いの(何が?)、安いの(!!)、上手いの~

ってか?


スタッフ、招待客を入れて総勢200人近くがあのスタジオに集まった。
今回は前回、前々回にも増して大いに盛り上がってた、、、

                        みたい。。。 




ブルーノ&マリアンヘレス

2008年01月25日 15時28分28秒 | タンゴ・ブルホ
 12月からブルホのプラクティカの時間はマティアス&カーラがいなくなったので毎週ゲストのダンサーが来ることになった。
今月になってマティアスたちが戻ってきてもどうせまたすぐにツアーに出るのでそのシステムを続けている。

ガストンはこのプラクティカに違うスタイルのダンサーを呼びたいらしくミロンゲーロやウルキサのダンサーを主にゲストにしている。
でもなかなかガストンのお目当てのダンサーが都合が付かないことが多く、そういう時は友達のモデルノ系ダンサーが来たりする。

と、いうわけで先週今週とブルーノ&マリアンヘレスがやってきた。
ブルーノはオレも結構前から友達。
まえまえから「上手いなぁー」とは思ってた。
でも運悪く彼らがデモるときは用事があっていままで見たことない。
非常にざんねん。

しかしこういう状況で教えてもらえることになったのは嬉しい。
今回間近で見てやっぱりうまいなぁと実感した。
それより、ブルーノの踊り方、リードの仕方がオレとすごく似てる。

もともとオレはダナパブ、マティ&カーラをベースにしているがDNIを出てから外からの刺激を多分に受けて変化してきてる。
その結果がブルーノに近い踊り方になっているのだろう。
もちろんブルーノはオレなんかより何倍も上手いんだけどね。
そういう点でもすごく共感を抱くんだけど何より彼らはすごく感じがいい。
スペイン語でいうところのシンパティコだ。
質問もしやすいし、すごく丁寧に教えてくれる。
ほんとにいい感じの人たちだ。


たまたま今年のCITAは誰が出るのかと思ってCITAのサイトチェックしたら彼らの名前があってビックリ。
ついでなんでYOUTUBEでチェックしたら何件か引っかかった。

ブルーノ・トンバリ&マリアンヘレス・カアマーニョ
Bruno Tombari & Mariangeles Caamano


う~ん、出てるビデオ全部見たけど感想は、、、
たしかにリード&フォローは完璧。
音楽は普通。
足りないのはディナミカだな。
表現力。
ずっとソフトな動きが続いてる。
メリハリがない。
柔らかい動きはいいんだけど一発がない。
やっぱりときには激しく、強くの部分がないと見ていて飽きてしまう。

ミロンガで踊ってる分にはすごく上手い人たちなんだろうが人に見せようと思うと魅せるための踊りをしないといけない。
これはマティアス&カーラとまったく同じケースだな。
技術は超1流、でもスパイスが足りない。
せっかくここまで完成してるんだからもったいないよねー。
でもこういうのって本人の性格の問題もある。

ダナパブのダナなんかは
私を見てっ!!
っていう感じなのでいいんだけど最近はちょっとやりすぎの感が出てきた。
アレハンドラ・マルティニャンやナンシーも調子にのってやってるときは品がなくなってるもんね。
どこまでやるかも難しいもんだ。

リーダー側としてもやりすぎるとクサくなったり、しつこくなったり(ショーダンサー系に多い)
ヌエボのイケイケもやりすぎで疲れちゃったりすることもある。

そういう点でのセンスが問われてくる。
チチョはやっぱりしっかり時代を捉えているらしくエウヘニアと踊っていたような踊りはしなくなって今はあっさり、すっきり踊っている。
セバスチャンもまだ若いので少しイケイケ感はあるが落ち着いてきた。
ダナパブは逆にやりすぎになってきた。


と、いうわけで今回ブルーノ&マリアンヘレスがCITAに向けて成長してくれればうれしい。期待は出来ると思う。

今回CITAに出る人がいたら彼らのクラスは
教えるのも上手いし今年のメンバーなら技術力は5本指に入りそうな実力の持ち主である。

忘年会フィエスタ・ブルホ

2007年12月29日 23時08分52秒 | タンゴ・ブルホ
 今日はブルホで年忘れフィエスタがあった。
今回はフィエスタと言ってもただの忘年会なのでみんなで集まって
飲んだり踊ったりするだけ。
エキシビジョンがあるわけではない。
よって前宣伝もしてないし、入場料も無料。

 しかし、これがすごかった。
何がすごいかっちゅーと、
宣伝してないから人数はいつものフィエスタみたいに多くはないんだがその内容がすごい。

ブルホの先生達は2流ダンサーでも技術は1流並みのダンサー達だ。
ブエノスにあるタンゴ学校の中で先生達の実力の平均レベルは間違いなくトップ。
そしてここに習いに来る生徒は外国人でも各国で先生をしてるようなヤツばかり。

イスタンブールのエブレン始め、フランスのマティアス、スコットランドのジョン他ヨーロッパ、北米からモデルノ系の先生達が集結!
普通に踊ってる奴ら全員上手い!

その上、ツアーから帰ってきたエセキエルエウヘニアたちも登場。
すごい状態だった。


途中、エキシビジョンではないのだがエウヘニアヤニック(エウへの彼氏)が踊りだして、みんなが注目。
それが終わると今度はガストンモイラ登場。
そして時間が空いてエセキエル&エウヘニアの独断場。

普段プラクティカで踊ってるとはいえ、エキシビジョンをしないエウヘ&ヤニックやガストン&モイラの踊りはやはり見ごたえがあった。
さらに上手くなって帰ってきたエセ&エウヘももちろん。


でも一番おもしろかったのはサンティアゴとマリエラの踊り。
これはコンタクト・インプロになるのか、タンゴ・ヌエボ・ヌエボなのか?
リード重視なのだが音楽に合わせていろんなことをやる。
がやるアクションにが応えたり、その逆だったり。
たとえばのほっぺを叩いたと思ったらがその手を掴んでシャツで拭いたり。

でもベースはタンゴの、というかコンテンポラリーの相手を動かすリード。
を回転させながらかがませていったり、マリエラを抱え上げてヒザからヒザに乗せ変えたり。

これが二人とも演技派だからすっごく音楽に合ってるし二人の受け応えもピッタリ。
となりでエセ&エウヘが踊ってたんだけどみんなを見てた。
完全に喰ってた

そのあとサンティは別の女の子とタンゴ(?)を踊るのだが女の子を自分の靴の上に乗せて交互に乗せ変えて歩かせたり、靴の上に乗せたままガンチョさせたり。

やっぱりサンティアゴは天才だな。
教えるのは間違いなくブエノスでいちばん上手いし、その発想力はほんとに天才的。
今は2流だけどいつかは認められるべき存在だ。
時代がまだ彼に追いついてない」と言ったほうがいいかも知れない。


そして新年からブルホでフォルクローレを教えることになったマルティンとなんとか(名前忘れた)。
男二人
彼らが宣伝にサンバを踊ったんだがこれがカッコいい!
ほんとは1曲だっただけどウケが良かったのでオトラでチャカレラを2曲踊ってくれた。
これがもっとカッコよかった。
マルティンのサパテオ(ガウチョがやるタップダンス?)がムチャクチャかっこいい!!

男二人って珍しい組み合わせだけど絶対習うことに決めた。


それにしても今日のメンツはすごかった。
モデルノダンサーには天国のようなフィエスタだった。

外国人(アルゼンチン人以外)ではオレは結構いけるほうだとタカをくくってたがこの1年で外国人のレベルもグンと上がった。
技術はもちろん音楽性、表現力、個性も遊び心もある。
こっちでだって十分プロでやっていけるようなやつばかりだ。

はぁぁぁ、、、
やっぱりオレ全然だめじゃん。。。   
         
       
伸びた鼻が折れるのは早かった。

クリップでトイレ修理!?

2007年11月25日 23時58分38秒 | タンゴ・ブルホ
 土曜は朝からブルホで下働き。
いちおうメインの仕事はアルゼンチンなので配線がええ加減でしょっちゅう切れる店のライトの交換。
それだけ。ちょー楽チン。

今日は切れてるのは4個。
そのうち2個はこの前換えたけどたぶんどっかがショートしてて根本的に修理しないと付かない。
よって、2つ交換するだけ。
このたった2つのためにオレは早起きしてるのか。。。

1個目梯子を持ってきて交換。
付かない。
他のに替えてもう一回。
付かない。

よく見るとなんかソケットの部分がおかしい。
これはソケット交換が必要だな。

次、靴の陳列棚のライト。
ん?、これ先週も換えたな。
ソケットを見てみる。

あ゛っ
これ、ネジがバカになっててめっちゃ苦労したヤツや。
バカになったネジを回すのに新しいドライバー買ってもらったんだ。
やな感じがする。。。

やっぱり、、、
交換しても付かない。。。。
結局1個も直せんやん。
はぁぁ、オレってなんてイヌティル(へたれ)


そこへオーナーの奥さんがやってきた。
女子トイレの水が流れないんだけど修理できる?

はいはい、やりまっせー、なんでもやりまっせー
給料もらってるのに一つもライト直せんかったら顔立たんもんね。

水のタンク、屋根裏にあるんだけど大丈夫?

はっ、はい?

梯子を使って天井の板をはがして這い上がる。
真っ暗、ホコリだらけ。
しかしそんなことにはメゲてられん。
ぜーったい、直してやるっ!!

どうも、紐の先のテコの部分が折れてしまっているらしい。
うっ、やっぱり直せんのか?

このテコの棒があればいいのね。ちょっと探してくる

    

こんなのしかなかったけど。これ使える?

元のはプラスティック製だったんだが買ってきてくれたのは鉄製だった。
でもたぶん大丈夫やろ。形はほとんど一緒やし。

また登る。

しかし、こんどはそのテコの部分と中蓋のシャフトをつなぐ部分の棒が入らない。
金属のテコの穴が小さすぎるのだ。

うぅぅっ、くっそー、何とかならんのか。
針金でもありゃムリヤリつなげるのに。。。。

やっぱり、プラスティックのやつじゃないと入らないみたい。
   針金があれば鉄製のでも使えるんだけど、、、

針金はないけど、こんなんじゃダメ?

と言って出てきたのがクリップだった。

もうなんでもいい。
意地でも直してやる。
またまた天井裏に這い上がる。
すでに何回も登ったり降りたりで身体中まっくろ。
しまいにはこの前ハムさんに頼んで作ってもらった携帯ストラップも天井の板にひっかっかって千切れてしまった。

むりやりクリップを穴に通してテコとシャフトをつなげる。
よっしゃっー、なんとか使えるようになったー

苦闘 3時間、通勤1.5時間、睡眠 4時間
こんだけやって給料10ペソ(約400円)か。
、、、はぁぁ、、、つかれた。。。