メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

おわり

2009年05月14日 02時43分57秒 | その他
突然ですが、ながらく、最初のバージョンから合わせて3年半も続けてきたブログ、今回の帰国とともに終了することにしました。
3日坊主のオレがよくもったもんだ。




もともと友達に頼まれ、HPのおまけとしてオレ自身の生活の記録を残すために「アルゼンチン・ダイアリー」として始めた。
日本帰ったら「アルゼンチンダイアリー」じゃないもんね。
しかもいつの間にかタンゴ・ブログになってるし。。。





gooブログになってからオープンになったため急激に読者が増え、嬉しい反面、もとの主旨であった「自分の思っていること、感じていることを書く」ことを許されなくなってしまった。
(結構書いてたが不特定多数の人に見られると問題が生じることもある、ってかあった)

毒舌なので迷惑かけた人もいると思います。ごめんなさい。






日本ではパソコンいじってるヒマはなさそう。






などなどが終了理由です。








遅筆かつムチャクチャな文章だけどオレが今まで研究した結果(正しいか間違ってるかは分からんが)やその時感じたことを出来るだけ伝えられたと思う。





去年末から「まとめ」を書こうと思って全然書けなかった。
とくに「ミュージカリティ」「表現&演技」などを書けなかったのが残念かな。


今はユーチューブで多くの人のビデオを見れるし、これからは自分自身で研究してみてください。






ではみなさん、ご愛読ありがとうございました。




けん。



P.S.

最後に17日のお別れミロンガでデモさせられることになったけど、やっぱオレ人前で踊る才能はないなー。
また行きあたりばったりになりそう。(まだ曲もない)





とうとう 帰国! というか、出稼ぎ。

2009年05月09日 23時30分05秒 | その他
とうとう日本行きのチケット買っちゃった。 




ま、ここブエノスの物価が上がりすぎて微々たる収入では生活出来なくなってしまったので仕方ない。




この不況時に日本に帰って仕事があるかどうか心配だけど頑張って働きます。

いまんとこ滞在予定は半年ほど。
稼げなければ戻って来れないんだけど。







それにしても日本に帰るのは丸7年振り。ブエノスから出るのだって5年半振り。

この前日本に帰った時も1ヶ月しかいなかったし、ほんとに浦島けん状態だろうな。







今悩んでるのは、 電話 は何がいいのか? てこと。
日本の連絡先がないので携帯は必需品。


会社はやっぱり「ソフトバンク」?
あんまかけないので一番安そうなんだけど。

電話機自体はどういう機能が付いてるほうがいいのかな?
ソフトバンクなら「i-phone」は使えるのか? それとも普通のがいいのか?

最後に使ってたのが8年以上前なんでエラく変わっててまったく分からん。










とりあえず宿泊先 はなんとかなりそう。



問題は仕事。。。
だれかいい仕事知ってたら紹介して。(本気)






オスワルド & コカ

2009年05月04日 13時36分51秒 | カニング
前回じぃさん達の時代はマチスモだった、という話をした。

だからと言ってすべてのじぃさんがマチスタというわけではない。



ハッキリ言って本人の性格次第だ。  






もちろん今だって同じ。どこだって同じ。

マチスタな人はいつでもどこにでもいる。

(ヨーロッパの男性が人気があるのは元々がマチスモな国であるアルゼンチン人より文化的に進んでいるからだ。
そして外国から来る人たちは真剣にタンゴを勉強しに来る人たちなのだからただ単にミロンガに踊りに来ているアルゼンチン人たちよりマナー的にも技術的にも優れているのは当たり前の話)






そして昔から女性や音楽を大事に踊っている人たちもいっぱいいる。





じぃさん達の中にだってすごいじぃさん、ばぁさんはいっぱいいるのだ!







今回紹介するのはその中でもやり手のこの1組。



   オスワルド & コカ




2004年、最初のメトロポリターノ チャンピオン



この時はまだサロン部門の世界大会はなかったので事実上の世界チャンピオンということにもなる。



あの頃、まだタンゴを始めたばっかしだったオレはこういうじぃさん、ばぁさんの踊りは全部同じに見えた。
タンゴの音楽自体、全部同じに聞こえてたもんなー。






彼らの踊りの良さが分かるのに何年もかかった。         ...





当時は

「なんや、結局じぃさん達が優勝するようにデキてんねんやん。アホくさー」

と思ったものだが、今はたしかに初代チャンピオンの栄冠に値する踊りだと納得できる。












50年以上いっしょに踊り続けているこの2人。
味のある個性的な踊りだ。


たしかに使う技はいつも一緒だが(それはチチョだって同じ)、やることがデスコネクシオンを利用した小技など最近のダンサーと似ている。

簡単そうに見えてけっこう難しいのだ。

しかもちゃんとコカを見せる部分とオスワルドが主役の部分と両方入っている。

しっかりフレーズに合わせて技を切り替える。

クラスではオスワルドが歯のない口で「みゅしかーっ!」(ムシカ、音楽)と連発する。
音楽を大事に踊ることを教えるのだ。






実際彼らが50年前からこういう踊りをしていたかどうかは不明だが、今の踊りと比べて違うのは脚がに上がるようになったことぐらいか?


ボレオの脚が上に上がるようになったのはここ最近の話だからね。
(2、30年くらい?)




彼らは基本クローズベースの踊り。
(オープンの踊りが最近のものと思われているが実はタンゴがタンゴの踊りなる前からオープンで踊られていたようである)

オスワルドの動きはクローズが得意のガストン・トレリと体の使い方がよく似ている。

上手な人の基本的な体の使い方、リード&フォローは昔から変わらないということ。
上手な人のリードは女性に優しいリードなのだ。




彼らはずぅ~と2人でしか踊らないじぃちゃん達にありがちな合図式ではない。

ときどき失敗したりするのはオスワルドのリードミス。
ちゃんとフォローしているからこういうミスが生じる。
つまりちゃんとリード&フォロー出来ていると言うこと。

他の人と踊ってもちゃんとリード&フォローできる。確かなテクニックなのだ。









ちょっと短いが、フランスのマティアス&デルフィンとカンビオして踊っているビデオ。

オスワルドはいつもの技をデルフィンにリードしているし、コカもまったく普通にマティアスと踊っている。




いやいや、ほんとに大したじぃさん、ばぁさんである。








と、いうわけで、

「いつの時代も、男はマッチョである前にカバシェーロ(紳士)であれ!」

ということだ。






タンゴ は マチスタ(男性優位主義)?

2009年05月01日 12時45分58秒 | アルゼンチンタンゴ
最近なんかで読んだんだが、その話のタイトルがこんな感じだった。
「マチスタ」「マチスモ」 = 男性優位主義、男尊女卑、マッチョ

スペイン語だったんであんまり細かいとこまでは分からなかったが、いくつかのエピソードと筆者である彼女自身の話が書いてあった。
(かなりテキトーに約してます)






その中のひとつに06年にファビアンとナターチャがサロン部門で優勝した時のエピソードがあった。


トラディショナルなミロンガでは

「フラニート(男性名)とそのパートナーが踊ります」

などと紹介するのはよくあったことである。



100年近く前からある伝統的ミロンガ、スンデルランドでのこと。

優勝したファビアン&ナターチャを司会者がこう紹介した。

「本日は、世界大会チャンピオンのファビアン・ペラルタと
            そのパートナーが踊ります!」



ナターチャはチャンピオン扱いじゃないわけね。。。
しかも名前すら呼ばれない。。。







もうひとつのエピソードは、、、


彼女はアドルノ等が好きらしく、自分でリズムを刻んだり、ときどきイニシアティヴを取ったりする。

それを見てウルキサ・スタイルの大御所マエストロが相手の男性に、

「女性にリードされるようになっては君はマヌケ者だ。
            そしてそれはもうタンゴではない」



とよく言うらしい。
それを聞いて彼女は激怒するそうだ。








しかし、


タンゴのシステムを考えてみる。

タンゴを踊るにはリーダーとフォロアーの役割分担が必要で2人ともリードすると大変なことになる。。。

っつーか、踊りにならねぇだろっ!


というようなことが書かれてあって、(長いのでかなり省略)


フィジカル的にも背の低い人が自分より高い人をリードするのはむずかしい。


うんぬん、、、なことから、

「リードパートが男性、フォローパートが女性というようになっている。
    リードするのが男性だからやっぱり タンゴはマチスモ。」



みたいに書いてあったと思う。


彼女自身もリードの勉強をしてるけど難しくてぜんぜん出来んらしい。








アメリカではリードする人を「リーダー」、フォローする人を「フォロアー」と呼ぶ。

しかしアルゼンチンでは今だに「男性、女性」、もしくは「男性のパート、女性のパート」


男性でフォローを学ぶ人はまだ少ないが、女性でリードを学ぶ人はかなり増えた。
母国に帰って教える女性の先生もいるし、アルゼンチン人でもリードしたいと考える女性が増えた。


現在はアルゼンチン人でも男性同士で活躍するダンサーや女性同士でデモをする人たちも出てきている。

ラ・マルシャルやタンゴ・クイールのようにユニセックス(ゲイ)・ミロンガもある。





それから、リードすることを最近は「proponer(プロポネール)」と言う若い先生が増えた。
これは英語で「propose(プロポーズ)」《提案する》の意味。

昔は「marcar」「guiar」「manejar」などを使っていたが今は、

「リーダーが次のアクションを《提案》して、フォロアーがそれに同意する」

という考え方になっているということだ。










しかし、、、、   (ここはオレの考え)








スンデルランドやいくつかのトラディショナルなミロンガはじぃさん達がオーガナイズしている。
司会者などもそうだ。


じぃさん達の時代のアルゼンチンは、今よりもっともっと「マチスム」(男性優位主義的な社会)だったのだ。


そのじぃさん達が踊っていたタンゴはもちろん「マチスモ」で、

「男が出す合図を覚えろ、察知しろ。
 チカラでリードしたらチカラで受けろ。
  主役はオレだ!
  女はフォローしていればいい。」


的なものがあっても当然の話ではなかろうか?
(もちろん本人の性格にもよる)






つまり、前記したような「モデルノ」「今風」


「女性に優しく、
 男女平等、
 音楽が大事」



などという考え方、踊り方は某マエストロが言うように

「タンゴではない」

のかも知れない。










彼女は最後に「タンゴ・ヌエボ」(オレがいうところの「モデルノ」)について書いている。


若い人たちと踊っていると、 「タンゴ・ヌエボ」は、
「タンゴ・トラディショナル」「タンゴ・サロン」 
(もしくは「ただのタンゴ」、「ヌエボ」はタンゴじゃないと思ってる人たち)
に比べてずっと「マチスタ」(男性優位主義)は少なくていい。

ちゃんとリード&フォローが出来ている人の間では、本当の「対話」の時間が存在するし、
もっと融和的で、角がなく、大雑把でもない。


そして、みんな知っているようにパレハは2人とも同じように有名になる。

たとえば、

エウヘニア・パリーシャ、
モイラ・カステシャーノ、
マリエラ・サメットバン、
マリアナ・モンテス、       

彼女達は

チチョ、
ガストン・トレリ、
パブロ・インサ、
セバスチャン・アルセ

と同じくらいに有名だ。






                   







筆者の名前は書いてなかったので誰かは分からないがおそらく年配の女性ではないだろう。



彼女は現代の社会で育っている。

だからじぃさん達の考え方が受け入れにくいのだと思う。



うん十年前、全盛期だったアルゼンチンで生きてきたじぃさん達の時代は

「オレに付いて来いっ!!」
「付いて行きますどこまでも、、、」

的、大正、昭和的な時代だったのだ。



そういう時代を生きた人のタンゴはそういう踊りになる。
性格は踊りに出るものだ。(その人の人生が出るという人もいる)

だがそれが「普通」の時代だったのだから当然のことだろう。




もしそういうじぃさん達の昭和的な踊りが「アルゼンチン・タンゴ」だとするなら、


今風の、「タンゴ・モデルノ」「タンゴ・ヌエボ」 はたしかに、
                         「タンゴではない」 のかもしれない。





タンゴ・モデルノ  マニアック・タンゴ用語辞典  

2009年04月28日 03時27分05秒 | マニアック タンゴ辞典
だいぶ前に書きかけてほったらかしだったので取り上げておこう。





「モデルノ」というのは「モダンな」という意味である。

つまり「今風の」ということ。 

古くない踊り方、今の人のセンスに合う踊り方を指している。







ブエノスの流行はブエノスに住んで踊っている人たちがタンゴ・シーンを見ながら「今風」かそうじゃないかを判断するわけだから時代とともに変わっていくもの。




いつの時代も流行があって踊り方は変わっていく。

もちろん「トラディショナル」だって変わっていく。
(じぃさん達と若いサロンダンサーの踊り方が違うのは流行が違うからだ。
踊っていた年代や通っていたミロンガによって踊り方が違うともいえる)



国や地区によっても流行ってるものは違うはずなので、ホントにまったく定義のない言葉だな。





だいたい、ミロンゲーロのじぃさん、ばぁさんから見れば現在のトラディショナル(伝統的)ショーダンスは無茶苦茶「ヌエボ(新しい)」「モデルノ(近代的)」だし、

1941年までのリズム全盛期に踊ってた人からすれば42年以降に流行したメロディー系の「タンゴ・サロン」だって「ヌエボ」「モデルノ」だろう。




あとは若い人の間でも状況によって使い方が違ったりもする。


「ヌエボ」という言葉自体が「変わった技」や「派手なコルガーダやボルカーダなどの技」&「それを多様した踊り」を示すようになってきたのでそれと区別するために使う場合もあるし、


「ヌエボ」という言葉が独り歩きを始めてしまい、

「ヌエボは身体の使い方が違う」「トラディショナルは上品、ヌエボは下品」

ずっとクローズでヌエボなことを一切しなくても柔らかい身体の使い方をしただけで
「あれはヌエボだ」

などという人が出始めたので、そういう先入観を持たせないように使っている人もいる。





注) 今はもう「ヌエボ」な技を使っているからと言って新しいわけでも流行に沿っているわけでもないのだ。










つまりこのブログで使っている「モデルノ」は、現在ブエノスで若者達が集まるミロンガやプラクティカに通っているオレや一緒に踊っているダンサー達が感じてる「今風」ってことだな。










じゃぁ、何が 「今風」なのか?










それは身体の使い方であったり、リード方法であったり、洒落た音の取り方であったり、もちろんステップであったりもする。







現在流行っているのは、お互いの身体に(精神的にも)負担のかからない身体の使い方、リードシステム、より「ナチュラル(オーガニック?)」な踊り方である。





これは昔からミロンゲーロ・スタイルだろうとタンゴ・サロンだろうとリード&フォローの上手い人はみんな同じ。


分野を問わず、ダンサーによっては「察知式、合図式」「手リード、パワーリードなどで踊る人がいる。
こういうリードシステムは「今風」ではない。

これはもちろん技術力の問題も大いにある。
理解していても出来るかどうかは別だし、理解度のレベルもある。






ミュージカリティーも今やフレーズ、楽器の音、その流れや勢いを取って踊るのは当たり前。
観客を盛り上げようと音楽を無視して勝手に盛り上がったりするのは
「今風」ではない。






男性、女性どちらのアドルノも相手や音楽をほったらかして自分だけが目立つようなようなこと
       ...  は時代に合わなくなった。

どちらも相手との駆け引きや調和、音楽 を楽しんで使っている。










あとやはり使う技、ステップにも流行り廃りがある。

10年、20年前に流行っていたようなことは現在はショーダンスでさえあまり使われない。


3、4年前まで流行っていたチチョやナベイラのようなあまりに派手なコルガーダ、ボルカーダ、アトラパーダなど、ヌエボヌエボな技もミロンガやプラクティカではもう見なくなった。

(こういう大技は時間や場所を取るので踊り場での即興ではかなりの技術力がないとカッコよく見えない、音楽に合わせて使いにくい、という理由もある)
今の時代は人に見せるための派手な技より、踊り自体を楽しむ ミュージカリティ」が優先 なのだ。


ヌエボ技でも4ta.サカーダのように使いやすい技はウルキサなどのサロン系の人たちの間でも流行っている。



もちろん昔から使っていて今でも古さを感じさせないで使えるようなステップも多くあるし、古い技を「今風」にアレンジして使うことだってある。









出来るかどうかは技術的な問題もあるので別として、どんなスタイルだろうがヌエボ技を使おうが使うまいが、

  時代の感性に合ってるかどうか?


という問題である。







つまりそういう分類があるわけでも、決まった踊り方、技などがあるわけでもない。






日本語で「モデルノ」という言葉を使い始めたのはオレなので、このブログを読んだ人が解釈を間違えて広まっているんだと思う。



たしかにヌエボな技や身体の使い方だけを見て

「トラディショナル」ではない = 「ヌエボ」 = 「モデルノ」 と取らえられやすいが、

前記したように 「ヌエボ」 という言葉はかなり強い固定イメージを持ち始めているのでそれとは区別したい、という考えである。











ま、ようするに 「今風」 ってことだ。



すぐにその時代の流行の良い部分は「トラディショナル」に取り込まれて新しい流行が出てくる。



流行り廃りをくりかえしタンゴは進化していく。 











ウルキサ・スタイルの本拠地、「スンデルランド」でタンゴを学び、
そのスンデルランドでクラスもやっていたブルーノ&マリアンヘレス



ウルキサ特有のシャープな動きではなく、一つ一つの動きが柔らかく、音に合わせて硬くなったり軽くなったりもする。
そして4ta.サカーダや小さいコルガーダなど軽いヌエボ技とサロン系の技を上手く組み合わせている。
ガンチョを3発入れて2歩で着地するところなどすごくシャレた音の取り方は大拍手もの。
最後のバリエーションの部分もショーダンサーのよくやるヤツだが動きが軽く、しつこくもないので古く感じさせない。


オレ的表現だと彼らの踊り方は

「モデルノ系(今風の)トラディショナル」 「モデルノ系(今風の)サロン」 などとなる。