白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

巣立ち雛は拾わないで

2007-06-24 | ツバメ子育て編(2007)

少し前に、今年の初めに私がツバメシールと一緒に自費で作った「雛を拾わないで」チラシを日記に載せましたが、どうも記事までは読めない画像になってしまっていました。 こんなんです
これでも読みづらいと思うので、少し補足として書かせていただきますね。
 


実は、このチラシのモデルさんになってくれた巣立ち雛たちは、うちの玄関パパの子供たちと、テラスの植木の中で子育てしていたキセキレイの雛、お隣の家のベランダから巣立ったハクセキレイの雛たちです。
長野県内で、野鳥の会長野支部の皆さん方が、探鳥会の時に、ツバメシールと一緒に、またご近所さんなどにお配りしてくださっています。もちろん私も
先日、白馬管轄の地方事務所の林務部(鳥獣保護課)のいつもお世話になっている担当者の方にも、シールとチラシ、資料などをお渡しがてらお話をしましたが、やはりこの時期は「巣が落ちて雛を保護した」「雛を拾ってしまった」という連絡が多く来るとのことでした。
去年は林務部の職員さんたちが持ち込まれたたくさんのツバメの雛などをずいぶん保護飼育されていたようです。「仕事の合間に餌やりは大変」 そうですよね・・・
ボランティアで保護飼育からリリースまでをしてもらえる一般の人たちを、鳥獣保護員の方々の元で登録して協力してもらえると良いですねというお話もありました。
でもその前に、まずは「巣立ち雛」を「迷子雛」と間違えないように認識してもらうことが必要ですね。
巣立ったばかりの雛たちは、まだ上手に飛ぶことは出来ません。ほんの少し飛んだところで、親からの給餌をじっと待ち続けます。着地したところが交通量の多い道路の真ん中なんていうことも時々あるのです。親ツバメがしきりに道路から移動させようと誘導しますが巣立ち雛たちはまだ事情がわからずそこで動かなくなってしまうこともあります。そんなときには、車の安全を確認した上で雛に近づき、帽子などでそっと雛をかぶせ(素手で掴もうとすると警戒して飛んでしまうのでかえって危険)近くの木の枝や、少し高い場所においてあげると良いですね。その時、近くに猫やハシブトカラスがいないかも確認してください。
田んぼや畑の道、民家の地面に降りてしまっている巣立ち雛ならば、そのままそっとしておけばよいと思います。猫やハシブトカラスなどの天敵が近くに居るかどうかは親ツバメが餌を捕りに行っている間は、ヘルパー応援隊といわれる仲間達はちゃんと周辺を飛びながら見張ってくれているものです。下手に人間が拾ってあげようものなら・・・すでに警戒心が強い雛たちはびっくりしてとんでもない方向へ飛んで行ってしまったりするものです。他のツバメさんたちからもブーイング・・来ますからね~
「巣立ち雛」 か 「迷子雛」 かの判断は・・・
難しいですね。時間があれば30分くらい様子を見ていて、その間に親が給餌をしに来ていれば何の心配もありません。ただ・・2時間ほど様子を見ていてもいっこうに親が給餌をしに来ない時には・・・「迷子 迷い雛」の可能性が出てきますね。でも2時間もそこでじっと様子を見ているほど皆さん暇も時間も・・・ないですよね。
たまたま家の側でずっと様子を見ていられたこともあって、完全な「迷い雛」と判断して保護をした子が、去年のツバメネットワークに載せた 「保護子ツバメ ちび丸」でした。これを読んでいただけると、保護せざるを得なかった状況がおわかりいただけるかなと思います。ブログの「雛を保護する時」 にも書かれています。

「迷子雛」をやむを得ず保護をした時ですが、はじめに必ず各地域の地方事務所(役所)の鳥獣保護の係りの方に連絡を入れて、状況をきちんと説明し、指示を受けてください。ここから、怪我をしていたり弱っていたら、野鳥を診てくれる獣医さんや動物園を紹介してもらい、最寄りの鳥獣保護員さんなどの指導の下「放鳥」までの保護飼育をボランティアとしてしていくことが出来ます。
最悪の結果として、怪我がひどく「放鳥不可」 と判断された時ですが・・・
各都道府県、地域によって様々のようですが、「長期里親」 や 「疾病鳥獣の飼育許可」など、申請をして自分の家の「家族」として迎え入れることになります。

果たしてそれが、その子にとって「幸せ」なのか・・・



それは家族として迎え入れる時の揺るぎない決断次第ですね。
野鳥を保護飼育していくことは・・・自分たちのプライベートを楽しむ時間はかなり削られます。旅行もなかなか行くことは出来ません。デリケートなので体調を崩すことも多くあります。犬や猫のようなペットを飼う感覚とは全く異なります。

中途半端に保護をして飼育をしてしまうことのないよう・・・
「野鳥の保護 飼育」は・・・・その子の命を責任もって見守る決意がないときは・・お勧めはしません・・・・ そして、ほんとうに好きでなければ出来ないと・・思うのです。
下の画像は、部屋の中で飛ぶ練習を続け、毎日外のツバメたちを見させて、自力で部屋に飛ばせた虫たちを捕れるようになって・・・元気に外の世界へ旅立っていった、「チビ丸」です。


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2 コメント

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嬉しい知らせです! (銀河のくまた)
2007-06-26 19:35:43
カラスにツバメの子どもたちが全滅されてしまった巣を、若夫婦ツバメさんが土曜日から作り直していたんです。

日曜日、月曜日と若夫婦ツバメを見ることが出来なくて、あきらめたのかなって思ってたら、今朝若夫婦ツバメさんの奥さんが巣に入って旦那さんが電線にとまって奥さんを見てました。



思わず頑張ろうねって(笑)



余りにも嬉しくて、白馬ツバメさんにも、おすそ分けをと(笑)



今回はご近所全員が子どもたちを守ろうと話し合いました。



良かったら、注意することとか教えてもらえれば助かります。

よろしくお願いします。
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銀河のくまたさんへ (白馬ツバメ)
2007-06-26 21:57:57
こんばんは。再営巣良かったですね~♪嬉しいおすそ分けいただきました~
ツバメの巣を皆さんで守ってあげようなんて・・なんと優しい方達の集まっていらっしゃるお住まい・・ここのツバメたちは幸せ者ですね♪
カテゴリーの「ツバメHELPこんな時」に、カラス対策はじめ、だいたいの注意点は書き込んできましたので、よろしければどんどん利用してくださいませ~
ハシブトカラスの繁殖も関東ではもうほぼ終わっているので、今後は5月6月の時ほど頻繁に襲われることも少なくなると思います。が、念のためのカラス避けはメスが抱卵始めたころに設置しておいたほうが良いかもですね。注意点・・といいますか、常に誰かが巣の様子を気にかけていてあげること(特に早朝日の出後から一時間内が1番カラス襲う時間) カラスにとって何よりも怖い存在は「人間」ですから。
どうか無事に巣立ちますよう、とてもとても楽しみにしています~
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