ハクセキレイ

このオスのハクセキレイは、冬の間いつも餌台に来ていた子。怪我しているのか片足を上げているときが多く、両足で歩く時もピョコンピョコンと不自由そうだった。人馴れするようになってからは玄関のそばでミルワームとバードケーキを啄ばみながら毎日を過ごすことが多くなった。「片足くん」と名づけた。この玄関は自分の縄張りといわんばかりに他のセキレイたちが来ると威嚇しながら追い払う強い子だった。
二月も終わりの頃、雪の降った翌日から突然姿を見せなくなった。不自由な片足でどこへ行ってしまったのか、心配だった・・
一ヶ月も過ぎたある日、玄関の前に一羽のオスのセキレイがちょこんと止まっていた。
「片足君・・？」　でも、この子はしっかりと両足で元気に歩き回っている。違う子なのかな・・それにしてはよく馴れていて、私の目の前までやってきて「チャツチャツ」と鳴いて離れようとしない。ためしにミルワームを数本置くと、待ってましたとばかりに啄ばみはじめた。足りなかったのか食べ終わるとまた私の顔を見て「チャッチヤッ」と鳴く。・・・やっぱりこの子はあの片足くんなのだろうか・・
下が、一ヵ月後にやって来た「片足？くん」

　

 

この日から、また毎日のようにやって来るようになった。玄関を開け放していると、「チャツチャツチューイ」　と部屋の中にいる私を呼ぶようになった。見に行くと玄関の扉のまん前で上の画像のように、尾っぽをピコピコ上下させながら待っている。玄関の中で巣を作ったうちのツバメ夫婦が不思議そうな顔をして私とこの子のやりとりを見下ろしている。「コイツ毎日来るけど何なんだよ」「食べ物をもらっているわよ。なんか、美味しそうだわね」なんて会話をしているかは知らないけれど・・・ツバメ夫婦もこの子に威嚇するわけでもなく、とりあえずは友好的？

 

そしてそして・・四月も半ば、どの野鳥達も繁殖期を迎えにぎやかに・・
相変わらず毎日のように来ていた「片足？くん」が、ある日、なんと彼女を連れてきたのだ。二羽で玄関の前で待っている。ミルワームを置くと、片足君が先に啄ばみ、人馴れしていない彼女もそれを見てやや警戒しながら一本くわえては少し離れたところへ移動して食べている。
片足君・・・良かったね。彼女が出来て・・連れて見せにきてくれるなんて、人間よりも義理堅いじゃないの～
今日も仲良くやって来た。最近ではうっかり呼び声に気づかないでいると、玄関の中にまで入り込んで来る。調子こいて私のサンダルに糞しやがったわっ
今、お隣さんのベランダで抱卵中のセキレイ夫婦がいるのだけれど・・・もしかしたら同一人(鳥)物・・？近々確認してみよう。
下はお隣で抱卵中のセキレイ。コソッと撮らせてもらいました～