白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

ご近所ツバメのトラブル 1

2007-08-05 | 保護ツバメ (飼育法や餌の工夫含む) 

ある日壁から巣がすっぽりと落ちてしまった。幸い宿のおばちゃんが毎日早くから玄関を開けているので、落ちた雛たちを見つけダンボールに入れて軒下に取り付けてくれたおかげで、巣立ち間近の雛たちもこのダンボール巣から無事に巣立つことが出来た




こんなアクシデントがあったのだから今回は1度の子育てで終りかな・・と、おばちゃんも私も思っていた
ところが・・・1番子達が独り立ちをした頃にはまた、再び同じ場所に巣を作り始めたのだ・・・普通は一度巣が落ちてしまった場所には続けて作ることはあまりないのだが、この夫婦、おそらく 「巣が落ちても大家さんが助けてくれるものね~」 なんて信頼しきっているように思えた。 確かに・・おばちゃんは毎年この子達が来るのを楽しみにしていて、我が子のように 可愛がってくれているものね 
7月初め、再びおんなじ形の巣が完成です 今度は落ちなきゃいいけどね・・



2回めは順調にいき、巣立ちもあと5日くらいかなぁ・・と・・思っていた矢先・・
まただよーっ  落ちた・・・巣が・・
今回も朝方、おばちゃんが気付き、またダンボールにすっぽりと落ちた巣ごと入れ、脚立の上に置いてくれていた。でも5羽のうち3羽が散り散りに飛び出してしまい、宿の横の草むらに入ってしまったと・・・私も一緒に探してみたが見当たらない・・丸1日経ってしまっていたのでやはり猫や蛇に獲られてしまったかな・・・
ふと耳を澄ますとかすかに草むらの中から雛の声がしている。そっと声のするほうへ行って見ると・・・いたーっ 1羽だけだったけれどアジサイの枝に止まっていた
この子は運の強い子だね。 驚いたのはまだ巣立つまでには4~5日かかりそうなおチビさんなのに親の合図で飛び立ち、屋根の上に止まったのだ
「生きるんだ」という本能がこの子をここまで頑張らせているんだね。前回の道の駅のおチビくんもそうだった・・・こんな小さな雛たちが必死に生きようと頑張る姿に・・・私はずっとずっとエールを送り続けて行きたいよ

 

巣の入った箱を上のほうにテープで固定したのだが・・翌朝、テープがはがれてまたまた箱ごと落下・・・今度は脚立の上に塵取りの中にバラバラになってしまった巣とかろうじて形を残していた産座の中に、2度の落下のショックで固まってしまっている雛が2羽・・・巣立ちまでまだ4日くらいはかかりそうかなぁ・・


この雛たち、よく見ると・・ものすごいダニが産座から体まで蠢いている。元気もなくぐったりしている状態・・・このままではちょっと巣立つの無理かも・・餌を食べても食べてもどんどんダニに血を吸われて衰弱していってしまう・・
おばちゃんに話をして、夜、親のいないときにこの2羽の雛たちを持ち帰り、お風呂場で「ダニ退治」 鳥用の殺虫パウダーを体にまぶし、取れるダニを取っておき、次に去年もうちの雛たちのダニ落としにも使った優れもの「台所用アルコール除菌スプレー」をタオルに湿らせ、顔から下の雛の体を包む。これを三回ほど繰り返せば体の中のダニはほぼ取り除くことが出来るのだ。
小一時間ほどですっきり きれいになった雛たち


ビタミン漬けのミルワームを7本づつ与え(お腹がすいていたのかパクパク食べてくれた) 2度も落下していたのでどこか支障をきたしていないかが心配だった。
健康チェック
目はしっかりしている。餌の飲み込みもスムーズ。お尻もきれい。燕尾もなんとか生え揃っている。広げてみた羽も大丈夫。指に止まらせてみた。足の力もしっかりしている。巣ごと落ちたのが幸いしたね・・・そのまま暗くして休ませ・・・
明け方5時前に親が来るまでに軒下の横に「仮巣」の箱をしっかりと両面テープ、ガムテープで固定しておいた。
あとは親が給餌を再開してくれれば大丈夫・・
初めは塵取りにいたはずの雛が箱の中にいるのが理解できずに親は「ピュィピュィ」鳴きながらくるくる飛び回っていたが・・親の声に反応した雛たちが鳴き始めると・・・


良かった 給餌再開です
昨夜保護したときとは別人(鳥)のように雛たちも元気を取り戻し、なんと・・大きいちゃんのほうは箱の中から羽ばたきの練習を始めました。
この姿・・昨夜の写真と比べても驚きの回復力ですね



午後にもう一度見に行くと、1番子や仲間達が見守っています


もう大丈夫。明後日あたりには2羽とも元気に巣立ってくれるでしょう
おばちゃんも 「ほんとに良かったよー。じきに巣立つね」と・・
5羽の雛から2羽が行方知れずになり・・・1羽は地面で一日がんばり屋根まで飛び立てるようになり・・・この2羽の雛たちも羽ばたけなかった兄弟達のぶんも、きっときっと力強く巣立っていくのでしょう・・・
どのツバメの親子にも 巣立つまでにそれぞれの「ドラマ」があるんですよね・・・
まぁ、2回とも巣立ち間近に巣が落下して、1番子も2番子も 「箱の仮巣」から巣立つなんて家族は・・・この子達だけかも・・・ね



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2 コメント

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ツバメちゃん (だちょ)
2007-08-05 21:49:05
巣が落ちてしまうコトって結構あるんですネ。
ウチのボロボロの巣、よくガンバッテくれました。
白馬ツバメさんが言うように、ツバメの家族の数だけドラマがあるのでしょうネ。あのコたちを見てるととても幸せな気持ちになれます。ほんとにツバメは幸せをもたらしてくれる鳥なんですネ。
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勉強になりました (コスモス)
2007-08-07 13:51:36
人間も鳥もお互いが必死に頑張ったおかげで雛達が巣立ったんですね。良かったです☆ダニ退治・・勉強になりました。我が家の2つ目の巣にはどうしてもダニが湧いてしまいます。巣を殺虫スプレーしアルコール除菌してみようかとおもいます。来年こそは2つの巣から沢山の雛が巣立てるように、今から準備します(ちょっと気が早すぎですかね?)
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