白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

ツバメさんを保護する時・・

2007-03-28 | 保護ツバメ (飼育法や餌の工夫含む) 

この子は去年、保護をして無事元気に放鳥できた「チビ丸」です。
この子の保護記録日記はこちらです

 保護子ツバメ チビ丸

ツバメさんを保護する時、そのまま見守る時・・見極めが難しいです。
ただ言える事は、ツバメさんにはツバメさんにしかわからない世界があるということ。人間側の感情移入したエゴだけで何でもかんでも保護すればいいというものでもなくて・・
去年私が保護をしたツバメさんはこんなケースでした。
迷子の巣立ちヒナで、こちら側の別の縄張りに飛んできてしまい、二組の成鳥に威嚇攻撃され続け、半日様子を見守っていたのですがとうとう親は一度も給餌に現れず、夜になり田んぼのあぜ道でそのまま眠り込んでしまったところを、もう限界だなとやむを得ず保護した子(チビ丸)

玄関の二組目の「若ツバメ夫婦」のヒナたち。
ママツバメさんが子育て中にいなくなってしまいました。ツバメさんは片親になっても子育ては続けていくのですが、今回長雨が続き巣の中にダニが発生してしまい、ヒナたちは給餌をされていてもダニに血を吸われてしまい成長どころか痩せていく一方・・パパツバメさんは途中からとうとう子育て放棄の気配を見せるように・・・ まずはヒナたちに付いているダニと巣の中のダニを駆除するしかパパツバメさんの子育て続行はないと判断し、保護。
あと一週間ほどで巣立ち予定にまで成長していたので、驚かさないように夜、巣の周辺を黒いビニールで被い(保護する時に驚いて巣から飛び出していってしまわないように)更に巣の中のヒナたちをすっぽりと帽子でかぶせ軍手で一羽づつ小さいダンボール箱に移しました。そしてまずは巣のダニ駆除。巣の中を掃除機で吸い取った後、そこにダニスプレー(鳥用)を吹きつけ、乾いた後に今度は台所用のアルコールスプレーを巣全体に濡れるほどに吹き付けます。そして最後にドライヤーの熱風で巣を乾かします。これでダニはほぼ全滅です。
次にヒナたちの体に付いたダニ。これは一羽づつ犬用のダニ、ノミ取り用の薬をヒナの体に数箇所摺り込んで、次にアルコールスプレーで湿らせたタオルでヒナの顔から下をすべて包みしばらくそのままにします。するとみるみるうちに体に入り込んでいたダニがボロボロと落ちていきます。これを二回ほど繰り返せば体のダニもほぼなくなります。(蒸発するアルコールをヒナが吸わないようにだけ気をつけて) 
お腹いっぱいに給餌をしておき、その日の夜のうちに五羽のうちの三羽を巣にそっと戻しておきました。(戻す時もヒナがパニックで飛び出さないように巣の周りをビニールで囲い、全部を巣に戻すまでは巣とヒナに帽子をかぶせておきます。)
翌日、元気を取り戻したヒナたちを見て、パパツバメさんは給餌を再開しはじめました。弱っていた残りの二羽のヒナもたっぷりと給餌をして、翌日の夜にそっと巣に戻しました。巣の中のヒナが五羽から三羽になり、また五羽に戻り・・・でもパパはあまり気にしていなかったようでした。その後ひとりで五羽のヒナたちを一生懸命育てたパパ。数日後ヒナたちは全員元気に巣立ちました。

果たしてこれが良かったのかどうか・・これはツバメさんたちにしかわからないことですからね・・保護をするときに「絶対・・・あるべきだ」などという断定は・・私には言い切れません。あくまで私個人のケースバイケースでの判断です。

 


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13 コメント

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感動的ですね (ブトボソ)
2007-03-28 20:13:57
こんにちは。
野鳥の保護に関しては本当に悩みますよね。仰る通り見極めが肝心ですし、保護した以上は野生に戻せるようにしなくてはいけませんからね。

巣や雛のダニ退治の方法、とても参考になります。「若ツバメ夫婦」の雛が無事に巣立った時は感動された事とと思います。思わずうるうるしてしまいそうです。今年はどんあツバメドラマがあるでしょうね。(^^)
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ブトボソさんへ (白馬ツバメ)
2007-03-28 20:57:50
こんばんは。保護したあの子達が振り向くこともせず大空へ羽ばたいていったときには、喜びと寂しさとこれから先待ち構えている自然界での様々な試練に、どうか元気で・・どうか強く生きぬいて・・心の中でメッセージを送りました・・部屋の中にはあの子達のうんちが壁にこびりついていたりして・・なんだかそれさえもが愛しくて・・巣立った五羽の若パパの子供のうち一羽だけが一ヶ月近く毎日玄関に帰ってきていました・・
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ツバメの乳母さん (きんいろのからす)
2007-03-30 11:19:00
夏子さん、今日は。

夏子さんはまるでいなくなってしまった母親ツバメが乗り移ったように雛たちを介抱したのですね。その時の夏子さんはまさにツバメそのものだったのでは。雛たちもきっと心強く思って生きる気力が湧いたことでしょう。皆元気に旅立って本当に良かった。

でもいなくなった母ツバメは何処かで死んでしまったのしょうか。それともツバメには育雛の最中に相手を替えたり、途中放棄をする傾向があるのですか。

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きんいろのからすさんへ (白馬ツバメ)
2007-03-30 11:41:55
こんにちは。ママツバメさんはいなくなる数日前から体調が悪そうで、給餌の合間によく物干し竿に止まって休んでいました・・おそらく餌を捜している最中に猛禽(このあたりはチョウゲンボウやハイタカがよく出ます)に獲られてしまった可能性が高いです・・母ツバメが育雛中に放棄することはめったにありません。雛への命がけの愛情の注ぎ方は見ていて切ないほどです。
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Unknown (きんいろのからす)
2007-03-30 17:27:56
そうでしたか。母ツバメはさぞ無念だったことでしょう。その想いを夏子さんが引き継がれて雛たちは立派になったのですね。父ツバメも心細かったでしょうけれど今年も新しい命の営みを始めるのでしょうね。夏子さんに見守られながら。
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とても参考になりました (淡路島のつばめ君)
2007-05-28 19:07:48
巣や雛のダニ退治の方法、とても参考になりました。

実は、昨日、ツバメの雛が全滅し、とても悲しい日になりました。5月13日に6羽全部孵化したのですが、5月21日頃からママツバメが行方不明になり、パパツバメだけで育てることができなかったようです。5月22日に雛が2羽転落死、昨日残りの4羽が衰弱死しているのが分かりました。雛の体にはダニがたくさん付いていました。今、パパツバメは、1羽で朝から晩まで「みんな何処へ行った。わしはここにいるぞ」という感じで鳴いていて、とてもかわいそうです。パパツバメは、雛6羽が埋葬されたことを知りません。
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淡路島のツバメさんへ (白馬ツバメ)
2007-05-28 22:25:11
こんばんは。順調に行けばあと1週間で巣立ちだったのですね・・やり切れませんね・・状況が去年の玄関若パパの時と良く似ていますね・・やはり母ツバメがいなくなってしまうとパパツバメだけでは、五羽、六羽の雛の給餌にくわえ、ダニで食べても食べても血を吸われていくので、限界あるのでしょうね・・子育て半ばでいなくなったママツバメもきっと無念だったでしょうし、六羽の雛たちも苦しかったでしょう・・残されたパパさんのさえずりが悲しすぎますね・・何よりも家主の淡路島ツバメさんのお気持ちは痛いほど伝わってしまいます・・・どうか元気を出して、次の子育ての時には皆元気に大空羽ばたけますよう・・私も祈っていますね。読んでくださりこちらこそ有難うございました。
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Unknown (教えてください)
2007-07-11 10:53:55
去年は、無事ツバメの巣立ちを見送ったのに、今年は1度めの雛は鳥にやられ、せっかく、また生んだ4羽の雛。かわいく4羽が口をあけていたのに、次々に落下。何度も巣に戻したのに、結局みんな星になってしまいました。どうにかして、助ける方法はなかったのか?最初に落ちた子をすぐに戻した時からいけなかったのか?今1羽の親鳥がまだ近くをとんでいるのだけど、なぜかつがいがいなくて1羽に。2度目の雛たちは攻撃されていないように思ったのに、なぜに次々に落ちるのかわからなかったのですが、落ちた雛をみると、赤い小さな虫がついていました。来年はぜひ雛を守りたくて、いろいろなサイトを検索してるうちに、ここにたどり着きました。うちの雛たちも、ダニの影響で、落ちたのでしょうか?
来年は、戻ってくれるかどうかわかりませんが、今の巣がダニだらけならば、撤去するべきなんでしょうか?
来年までに、いろいろな知識を身につけておきたくて、書き込みさせていただきました。
何か教えていただけることがあれば教えてください。
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こんにちは (白馬ツバメ)
2007-07-11 12:35:29
お役に立てるかわかりませんが・・雛が次々と巣から落ちたのか、落とされたのかで原因も違ってきますね。自ら落ちてしまうのはやはりダニに血を吸われ痛くてたまらず巣から飛び出てしまうケース。落とされるとしたら、スズメ(スズメは卵や雛が小さいうちならツバメの邪魔をして落とします。近くにスズメも営巣していませんでしたか?) もうことつは・・別のオスツバメが相手の雛を落とし、自分の血を残そうとメスを奪うケース。子育て中オスメスはちゃんといましたか?途中からメスだけになってしまっていたら可能性はあります。今回はとても残念でかわいそうな結果になってしまいましたね・・でも来年は、カラス対策万全にして、もしもダニがいたなら、私の日記で参考になれば試してみてください。ダニのついた巣を掃除しなくても雛が小さければ雛たちをそのまま仮の巣(カップめんの器や小さい籠など)に移し変え、元の巣の横に貼り付けておけば親は給餌を続けますから・・
今回の巣は、秋口になりツバメが渡った後に一度取り除いたほうがいいかもしれませんね。きれいに取り除かないで「ここに巣があったよ」という印は残してあげたほうが来年も作りやすいと思います。来年、きっとまた帰ってきてくれますから・・ね♪お気を落とさぬよう元気をだしてくださいませね。
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Unknown (ありがとうございます)
2007-07-11 19:07:44
早速のお返事、ありがたいです。
原因かどうかは分かりませんが、いくつか気になったことがありました。
●まだ雛が元気な頃、親ツバメだけじゃなく、5・6?羽のツバメが回りを飛んでいた事がありました。
●雛が何度も落ちるので様子を見ていると、やはり自分から、むずむずと出てこようとしてる感じがありました。
●巣に支えのように、板を張っていたので、晩はいつも、2羽の親ツバメがちゃんと一緒にいたのに、最後の雛が亡くなる前の晩はなぜか、1羽だったのです。
でも、今日は、また2羽に戻ってずっと雛の居ない巣の周りをまだ飛んでいるのです。その様子が何とも言えません。
●4羽のうち3羽は私が埋めたのですが、実は1羽がいつの間にかいなかったので、巣の中で死んでしまっているのでしょうか?
私が、雛を気にして何度も覗いていると、ずっと気にして親が威嚇して飛んでいたので、私は悪人になっているかもしれませんね。そして、もしかしたら、雛を巣に戻すことに関しても、私の知識のなさで、何かいけないことをしたのかもしれません
来年も戻ってきてくれたら嬉しいけれど、何か、複雑な気持ちです。去年のように、すくすくと何の心配もなく巣立ってくれたら嬉しいんだけど。
いろいろ、聞いていただいてありがとうございました。
来年もまたお世話になるかもしれませんが、聞いていただける人がいて心強いです。
ありがとうございました。
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