白馬ツバメの独り言

北アルプスの麓 厳しい自然界で健気に逞しく生きている命たちとの出会いは
優しくて時に悲しい・・・

チゴモズ

2007-07-20 | 白馬の野鳥達

このチゴモズを家の近くの林で初めて見たのは今から4年前の5月終わりのこと。
その頃の私は野鳥にさほど詳しくなく 「あぁモズだ・・」 と、写真に収めていた。
図鑑などを調べているうちに後日、それがこの希少種の「チゴモズ」であることがわかった。その時の貴重な画像が下のものだ。



チゴモズは県内の東北信地域には数は少ないが飛来情報はあるようだ。
白馬の、それも私の家の近くでお目にかかれるとは思ってもいなかった・・
そして去年の7月。家の周辺の林で巣立った雛と一緒のチゴモズ親子を見ることが出来た。前の年とは少し場所を変えていたようだ。ツバメたちが警戒鳴きをしていたほうを双眼鏡で覗き気付いた。
「ギュギュ ギチギチギチ」鳴き声はあまり普通のモズと差はないように思うが、モズよりも堅い感じかな・・・
この日から数日間近くで毎日親子で過ごしていた。家の前の小さな木にも来てくれた。親しい野鳥関係の先輩数人には情報を伝え、その方達もこっそりと見に来て写真に収めたそうだ
私もチゴモズ親子に配慮して、かなり遠くから何枚かそっと撮らせてもらった画像が
これ・・・ズーム最大でトリミングして・・・やっとこんな・・・

チゴパパです


チゴママと巣立ち雛です


巣立ち雛 チゴチビちゃんです



本当なら「○×の▽×でチゴモズ繁殖していますよ~」 と、野鳥仲間達に情報提供してあげなくてはいけなかったのかな・・・
一昨年の冬「オガワコマドリ」が神奈川のとある場所に飛来しているという情報が広まったとたん、毎日のようにカメラ片手にたくさんの人たちが押しかけ、写真を撮るために、ミルワームなどを周囲にばら撒くモラルのない人まで現れたそうだ・・
今年も、県内のとある場所に「アカショウビン」が飛来したという情報から、やはり連日写真を撮るのに県外からもたくさんのファンが訪れ行列が出来たと・・その結果、繁殖場所を変えてしまったと新聞に書かれていた。
希少な野鳥がそこに飛来していたら、マニアは誰でも見に行きたくなるし、なんとか写真にも収めたくなるよね。私だってそうだもの・・・でも、常に見られ続け写真を撮られ続け・・結果その子たちに大きなストレスを与えてしまうことも事実で・・・
写真を撮るために他人の敷地に平気で入っていったり、止めてはいけない場所に車をずらりと置いてみたり・・・そんなマナーのない人たちも中にはいる。地元の持ち主さんにしたら、かなり迷惑だろう・・難しいところだね・・・
去年、このチゴモズの情報をどうするか先輩方と話をした結果
「鳥の気持ちになってあげましょう・・これ以上踏み込まずにそっと来年また来てくれることを願って・・・」 ということになった。
「絶滅危惧種」の1番高いランクになってしまったこの「チゴモズ」
この子達の子孫を残していってあげるために出来ることは・・・そっとしておいてあげること・・・そして今以上にこのあたりの自然環境が悪化していかないように願うことしかない・・・
ところが今年は、去年のツキノワグマ大量出没で、春先に大掛かりな森林整備で、このあたりも伐採や草刈など、チゴモズたちが来ていた林も整備されていた。クマが里へ降りてこないようにしてあげなくては、去年のようにまた、人もクマも悲しいことになってしまう。だからこれはしかたがないことだ・・・
果たしてこの夏、あのチゴモス゜夫婦は飛来しているのだろうか・・・そして無事に子育てを周辺のどこかでしているのだろうか・・・
いまだ、今年は彼らの姿は見ていない・・・・
 



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