其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

餅 酒 合戦

2005-11-17 15:39:18 | 文芸
ずいぶん以前の、NHKラジオの録音があります。演奏者吉塚元三郎氏の筑前琵琶「餅酒合戦」です。
『時しも頃は嘘八百八十年、黄粉元年小豆の末、大酒九郎と酔どれの三郎は、餅月六郎と餡九郎に奇しくも此処に出会いければ、互いに我が身の自慢噺、
「如何に餅君、聞きたまえ、酒ほど尊きものはあるまい。神の前にはお神酒とやら、仏の前にも護摩酒とやら、べンベン ・・ それに引きかえ御身ほど因果な者は有るべきぞ。苦しきは蒸篭で火責めにかかり、臼の中にと投げ込まれ杵で以って頭叩かれズンドズンド・・ 聞いて餅九郎腹を立て
「ヤアヤア酒の方々承れ、言わしておけば出放題、いでこの夜は一合戦を致さん」と搗月の餅の城主に触れ廻さん。山でトリモチ、ネズミモチ、雨降り坂道滑って尻餅、癇癪持ちや喘息持ちが真先にゴホンゴホンと進み行く。
さて又酒の討手の大将は大和の国はモロミの白酒、博多の甘ゲリ、竹田の味醂、鹿児島
流行の芋焼酎、長崎表の菰被り、甘酒なんぞも馳せ集まり酒の同勢一千余騎ダシガ原にぞ押し寄せたり。
「ヤアヤア餅ころ大将何処に有りや、此処まで黄粉」と呼ばわりつつ、餅と酒とが火花を散らし、入り混じりてぞ闘うたり』
 あまり面白かったのと、捨ておくのは惜しいのでテープ起こししてみました。
太宰府政庁跡から歩けば五分ほどの所に、玄清法印のお墓があります。天台宗玄清法流宗務所の説明板には、盲僧玄清の琵琶を弾じながらの布教と余興の「くずれ琵琶」や「滑稽琵琶」それらを母体として筑前琵琶が成立っていると書いてありました。なお「餅酒合戦」の作詞者は逵巴玉蘭です(筑前琵琶物語大坪草二郎著による)。




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