ロドス島の薔薇

Hic Rhodus, hic saltus.

Hier ist die Rose, hier tanze. 

“歴史の偽造屋”西尾幹二の妄言狂史(Ⅱ)

2014年02月08日 | 歴史資料

 

※先の投稿に引き続き、中川八洋氏の論考を記録しておきます。今更言うまでもないことですが、中川八洋氏の見解に同意するかどうかということとは無関係です。様々な観点から検証するための一つの参考意見です。

論考の中で中川氏は西尾幹二氏について、「ソ連は天使、米国は悪魔」として冤罪化を試みているかのように主張されていますが、中川八洋氏の断定は、逆にむしろ「ソ連は悪魔、米国は天使」と主張しているかのような神学論争に堕しかねない感想ももちます。そうであれば愚劣な議論でしょう。知者、知に溺れる。

いずれにしても歴史認識とは神ならぬ利害にとらわれる人間の行うことですから、一筋縄には行かないことはわかります。

「人は心で謀事をするが、物事を決めるのは神である。人の目には自分の行く道はすべて正しいかのように思うが、ただ神のみが真実を裁定される」(箴言16:1、2)

 

中川八洋掲示板
@中川八洋

 
“歴史の偽造屋”西尾幹二の妄言狂史(Ⅱ)
――“冤罪捏造”の<西尾史観>と分裂症の妄想・幻覚
                    
筑波大学名誉教授 中 川 八 洋 

西尾幹二の作品はことごとく、妄想性思考と論理障害が顕著である。特に、強度の妄想性思考(幻覚)において、西尾幹二の職業は、サイケデリック・アート(psychedelic art)の画家なら問題はなかっただろうが、史料に基づく歴史事実を積み重ねていく歴史学には最も不向きな人物である。歴史に係わる西尾の大量の雑文すべてが、歴史事実を歪曲した大捏造の噴飯物なのは、西尾の病的な妄想性思考の産物。余りに当然。
『GHQ焚書図書開封』全八巻の分析に入る前に、西尾が昵懇な北朝鮮工作員・金完燮との対談本『日韓大討論』(注1)に、少しばかり脱線する。この対談でデッチアゲに狂奔する西尾流妄想の偽造歴史が、西尾特有の病気である“冤罪づくりの犯罪”という悪意の意図(malicious intent)に発生しているのを端的に明らかにするからだ。
蛇足。一定以上の教養さえあれば、諜報情報など無くとも、誰でもこの対談をすれば「金完燮とは<親日>演技を通じて、日本人を“反・韓国”に誘導洗脳し日韓分断を工作する北朝鮮の対日工作員」だと見破れる。だが西尾は、国際政治や歴史を洞察する知見も能力も欠く、水準以下の低級な売文業者。この程度の判別すらできない。

「北海道を守る代償に、米国は日本男児のシベリア強制労働をスターリンに承認する協定に署名した」だって?????

『日韓大討論』で、西尾は、ここまで嘘だらけの創り話ができるものかと絶句するほど、真赤な嘘をでっち上げる。 

「米国大統領トルーマンが、それ(=ソ連の北海道南北分断と北側占領要求)をさせない交換条件として、シベリアにいた日本人を約八十万人を強制労働につかせることをソ連のスターリンに対して認めてサインをしたのです。日本人の頭越しで行われた協定で、日本には知らされませんでした」
「収容所に入れられ恐怖の強制労働に従事させられた日本人約八十万人のうち、約十万人が亡くなりました。それは北海道が守られた犠牲であるということを、戦後三十年ぐらい経って知らされました。歴史の非情です」(注2)。

スターリンがトルーマンに対し発した(留萌と釧路を結ぶ線で)北海道北半占領要求の通知は、一九四五年八月十六日。日本は前日十五日正午の停戦に合意したが、この時点、降伏はしていない。十六日は、日米はまだ相互に交戦状態の戦争相手国だった。日本の連合国への降伏は、九月二日、東京湾に停泊する戦艦ミズーリー艦上。“戦闘停止”を指す「停戦」は、「降伏」(戦争終結、戦勝国の敗戦国の占領開始)ではない。
だから、九月二日以降の日本軍の降伏相手国&占領地域をめぐる一九四五年八月十六~二十五日の米ソ間のやり取りを、米国は日本側に連絡する義務などない。それなのに西尾は、「一九四五年八月」時点で、米国は日本側への協議義務が発生する日米同盟を締結していたと主張する。
分裂症の狂気がひどい西尾幹二とは、時間軸が非在の、時間経過の識別ができない。だから、このように、「一九四五年八月」を、七年後の日米安保条約が発効した「一九五二年四月二十九日以降」だと“妄想”する。西尾における「一九四五年八月=一九五二年四月二十九日以降」のような症状を、分裂症患者に特有な“幻覚”ともいう。
産経新聞社やワック社は、西尾幹二が重度の分裂症罹患者だと知ったうえで付き合っているようだ。精神分裂症の文筆家の作品の方が、正常な論客や学者のより、よく売れて商売になるからだ。絵画と同じである。分裂症の画家ゴッホ、ムンク、ゴヤ、ボッシュなどを思い出せばわかるだろう。
画家に限らず文筆家(文学者、哲学者、思想家)もまた、分裂症患者の作品の方が、日本では高い評価を受け読者も多い。ルソー、ヘルダーリン、フーコー、ドウルーズ、コント、保田與重郎、サイード、ハイデカー、ヴィトゲンシュタインなど挙げるときりがない。なお、ニーチェの狂気は、分裂病と酷似した症状を示す脳梅毒であって、分裂病ではない。
話を戻す。トルーマンは、上記スターリン要求をにべもなく拒絶回答した。二日後の八月十八日だった。代りに、国後・択捉島およびその北に位置するクリル諸島へのソ連軍の進駐・占領を認めた。このとき米国は、択捉島に米国のB29爆撃機用の航空基地を設置させる条件を附けた。
八月二十二日、スーターリンは、択捉島のアメリカ軍航空基地建設を拒否した。これは、北海道北半占領を断念する旨の間接的な通知でもあった。二十五日、米国は米軍基地拒絶への抗議文をソ連に発信し、これをもって本件に絡む米ソ間交渉は終了した(注3)。
このソ連の北海道北半占領要求について、日本側(外務省)は、占領開始後の一九四五年九月にGHQ(米国)から詳細に聞かされており、西尾幹二の意味不明な「戦後三十年ぐらい経って」(一九七五年頃)は、妄想上に浮かんだ真赤な嘘話。医学的には“分裂病の幻覚”。西尾幹二のこのような狂気の妄想には、限度がない。
すなわち、「北海道北半のソ連軍への降伏・ソ連の占領地域」という純粋に戦勝国・米ソ間の問題は、日ソ間の問題でポツダム宣言違反のシベリアへの日本男児百五万人強制連行・強制労働事件(四十~五十万人大量殺戮事件)とは、ひとかけらも関係しない。だのに、世界中でただ一人西尾幹二だけは、上記引用文のように、全く無関係な両問題が結びつき連結してしまう。西尾幹二が幻覚(妄想性思考)に浮遊する重度の分裂症患者でないとすれば、この異常な“連結”が発生する狂気の思考メカニズムを説明できない。
シベリア強制連行は、共産主義者(ソ連工作員)の牙城となっていた帝国陸軍参謀本部や近衛文麿らが、一九四五年四月頃から、ソ連大使館と打ち合わせていたもので、“半ばスターリンの対日要求、半ば日本側の同意”から生まれた世紀の蛮行である。
このことは、近衛の代理としてソ連大使館(の中の、ベリアが直轄するNKGB部局)との間を頻繁に行き来していた酒井鎬次(予備役陸軍中将)が近衛と二人で執筆したと詐称する「近衛文麿の対ソ仲介案」に明記されている(注4)。このところは、「近衛らが、ソ連大使館のNKGB将校と一緒に執筆した」と正しい歴史事実に修正されるべきだ。
また、在満州の関東軍(帝国陸軍の在満洲総軍)のソ連軍への降伏とシベリアへの連行が合意されたジャリコーワでの日ソ間の協議は、一九四五年八月十九日(注5)。
すなわち、北海道北半をめぐる米ソ間の応酬があった八月十六日~十八日、日本陸軍(関東軍)とソ連軍は、まだ満洲の荒野で最後の戦闘中であった。日本の将兵は誰一人としてシベリアなどにはいない。しかし、西尾幹二は、「シベリアに八十万人いた」という。
重度の分裂症の西尾幹二にとって、「満洲」と「シベリア」が同一だし、「一九一八年のシベリア出兵」と「一九四五年のシベリアへの拉致連行」とが同一である。論理障害で妄想性思考の症状である。なお、引用文の「八十万人」とか「十万人」とかの数字ミスは、西尾が歴史音痴で文献を渉猟しないズブの素人だからであって、西尾の分裂症とは関係しない。

ついでにシベリア拉致強制連行・大量殺戮事件について、その基本概要を述べておこう。八月十九日から武装解除が始まった関東軍の将兵が、鉄格子つきの貨車に載せられシベリアへと北送されていく強制抑留は、九月二日の降伏の日から開始された。八月十八日に事実上終了した北海道北半占領問題から二週間たった後。シベリアへの強制連行の最盛期は一九四五年十月~十一月で、翌年春まで続いた。
シベリアに拉致・強制連行された日本人男児はおよそ百五万人。帰還した数を差し引けば、四十~五十万人が殺害された。死亡したのではなく、ホロコーストの大量殺戮である。これが、ほぼ正確な確定数字である。
これに関して多くの資料があるが、最も学術的に高い評価を得ているのは『シベリア強制抑留の実態』(注6)。この本への言及がないシベリア抑留問題の書物など、信用が措けない。
さて、上記の引用文には「トルーマンは、在シベリアの日本人八十万人を強制労働させることをスターリンに同意し協定に署名(サイン)した」との、西尾幹二の真赤な嘘創作がある。そのような「米ソ協定」など、幽霊ですら実態物に思えるほど、むろん存在しない。西尾幹二の分裂症の幻覚は、これほどひどいのである。
西尾幹二が、強度の幻覚症状の中で嘘歴史を綴っていく様は、チェーホフの小説『第六病棟』の主人公さながら。戦慄するほかない。
なお、米国こそは、ソ連に抑留された日本人男児の解放に全力あげてソ連に圧力をかけ続けた最高の偉大な友邦であった。米国の援護なしに、約半数の五十万人帰還は、ありえなかった。

西尾幹二を精神病院に入院させなくて、本当に大丈夫か

『日韓大討論』は、西尾幹二が重度の精神異常者であることを示す多くの嘘歴史の陳列館だが、事例をもう一つ。次の荒唐無稽な嘘話は、馬鹿馬鹿しくて読む気になれないだろうが、我慢して読んでいただきたい。
 
「(米国は、日本の)真珠湾攻撃より前に東京空襲が計画されていました。使用しようとしていた飛行機がドイツの方に必要になったので取りやめになったのですが、いきなり東京を攻撃する計画でした。ですからもし日本が真珠湾をやらなければ、アメリカが日本に先制攻撃していました」(注7)。

幻覚で歴史をデッチアゲル西尾幹二の、上記の嘘歴史は、私立中学を受験する東京の小学生五年生でもわかるもので、わざわざ解説するのは気が重い。が、以下の通り。
一九四一年末までの米国には、政府にも軍にも東京空襲などの計画は全く不在で煙ほどにも無い。そんな渡洋爆撃(空襲)ができる武器=航空機が存在せず、計画検討すら発想する以前だった。
どうやら西尾幹二は、一九四四年秋に実戦配備になったB29爆撃機が、一九四一年に米国に存在していたと“幻覚”している。そして、一九四一年の半ば、米国はB29爆撃機の大部隊で横須賀軍港を先制攻撃することができたと“妄想=幻覚”している。
だが、B29の初飛行は、一九四二年九月二十一日。運用開始は、一九四四年五月八日。シナの成都から九州への爆撃は、一九四四年六月十六日が最初。東京への最初の爆撃は、一九四四年十一月二十九日の二十九機。その発着基地はテニアン島。
要は、西尾幹二は、「一九四一年」と「一九四四年」の相違が、“分裂病の狂人”らしく、識別できない。だから、「一九四四年に初めて戦場に現れた米国のB29の爆撃機は、一九四一年に実戦配備されていた」と妄想し、「この対日用B29が、ドイツ空爆に転用され、一九四一年に使われた」とのもう一つの大妄想(幻覚)を重ねている。

西尾の“妄想”は、一九四二年四月十八日のドーリットル中佐が率いるB25爆撃機十六機と空母「ホーネット」による東京ほかへの対日空襲を、「米国は一九四一年に実行する予定だった」の“妄想”とも考えられるので、不必要かもしれないが、補足しておく。
ルーズベルト大統領は、真珠湾の奇襲攻撃で意気消沈する米軍の士気を昂揚させるべく、東京を含めた日本本土攻撃の研究を命じた。一九四二年一月十六日だった。だが、日本近海に米国の航空基地がなく、また艦載機の爆撃では効果が弱すぎるので、陸軍の双発爆撃機B25十六機を空母から離艦させ(帰還のための着艦はできないので、空襲終了後は)支那大陸に逃避してその沿岸にパラシュートで着地する(爆撃機は全機墜落自壊)というサーカスのような戦術を思いついた。
勇敢さで歴史に名を遺した「ドーリットル空襲」で日本側が蒙った被害は、横須賀の軍港が破壊されたわけではなく、若干の人命喪失と家屋被害が出たのみで、パールハーバーの被害とは比較にならない軽微なレベル。米国が喪失した爆撃機やシナ大陸に不時着した乗員の処刑等による犠牲に比すれば割りの合わない、軍事合理性のまったく無いもの。パールハーバー・ショックから米軍の士気を立ち直らせる目的がなければ考案されることはなかった。
それなのに西尾ときたら、「米国は一九四一年、パール・ハーバーより先に、先制的な横須賀奇襲攻撃/東京空襲をしたはず」と主張する。狂気の幻覚や妄想なくして、とても発想できるものではない。西尾幹二の偽造歴史は、“嘘づくり妄想の連鎖”ででっち上げられている。

日露間の明快な国境(ロシアが侵略している日本国領土)が、はっきりしない???
――「ロシアへの日本の北方領土返還要求の根拠は無い」と主張する西尾幹二 

西尾の歴史偽造には、一貫しているものがある。それは、真偽を越えて何事であれ、「米国が悪魔、ソ連が天使」という構図。これは、虚偽歴史を書きなぐる厖大な数の雑文すべての基本構造となっている。

「アメリカ政府は、ソ連と日本が永久に仲が悪くなるように、アメリカ政府は、サンフランシスコ講和条約において、北方領土の境界をはっきりさせず、あえて国境線を不明確にし、どこまでが日本領なのかをわからないようにしました。これは永遠の争いのタネにするためです」(注7)。
 
これを読んだ時、思わず、西尾幹二はロシアの情報工作員かと思ったが、たまたま彼をよく知るので、それはありえない。つまり、ロシア工作員でないが、西尾とは、過激な親ロ人士で、ロシア一辺倒の“反日の言論ボス”。
日本国にとって、日本固有の領土である樺太を奪い、ニコライエフスク港で日本の一般邦人七百名を虐殺し(一九二〇年三月)、満洲で(一九四五年八月~四六年四月)日本人婦女子二十万人を殺害した“永遠の敵性国家”ロシアとは、日本は万が一にも仲良くなってはいけない。
ところが、日本の国益が転倒的に見える“狂気の非国民”西尾幹二は、逆さにも「日本はロシアと仲良くすべきだ」を強い信条とする。西尾幹二に“性悪の売国奴”を感じない日本人は、共産党員でないなら、自らが売国奴の資質濃厚だと猛省されたい。
上記の引用文は誤謬満載の放言暴言のたぐいともいえるが、それ以前に、このように、西尾幹二とは、シベリア追放処分が急がれる、祖国叛逆の犯罪者的な思考しかできない人物。
なぜなら、日露間の係争は、樺太や国後・択捉・千島列島の領土問題だけではない。ロシアによる残虐極める日本人大量殺戮問題がある以上、万が一にも、日本はロシアと友好関係をもつことはできない。もし仮に、日本がロシアと友好な関係をもつならば、それこそ人倫の道に違背し祖先を足蹴にする、祖国を冒涜する行為ではないか。日本国の存続のレーゾン・デートルすら瓦解する。

ロシアは、一九四五年八月、日ソ中立条約を蹂躙しての満洲侵略・朝鮮北部侵略・樺太侵略を今なお詫びてはいない。この時、日本人男児百五万をシベリアに拉致して極寒の中での強制労働で四~五十万人を殺戮したことを今なお詫びてはいない。このとき、満洲や樺太で日本の婦女子に対して言語に絶する陵辱をなし殺戮を縦にしたが、これについてもロシアは一言も詫びてはいない。
満洲で十歳以上の日本人女性はほぼことごとくレイプされた。とりわけ、十代の日本女性に対するレイプは、阿鼻叫喚の地獄絵であった。例えば、一週間で百名から二百五十名のロシア兵に犯され、そのまま死亡した者は数知れず。また多くは、レイプされた後、自殺した。母親や祖母が発狂した日本人の女児・女子を殺してあげた。レイプ殺戮の日本女性の被害者数の総計は、一万人を超える。
ために、満洲から十代の女学生で生きて福岡県博多港に引き揚げてきた者はわずかであった。また、博多港の岸壁では、レイプされて妊娠した日本女性の掻爬が行われたが、この掻爬の順番待ちをして長々と並ぶ光景は、鬼気迫るものがあったという。

ロシアと仲良くするのが良いなどとは、西尾幹二が悪魔すらたじろぐ人間性皆無(ヒューマニズム欠如)の人格の持ち主だからである。西尾が、事の理非や善悪を弁えない無道徳・反倫理の人間以下の犯罪者精神の人格だからである。
米国は、日本の北方領土返還問題では、絶えず日本側を応援した。例えば、「ヤルタ秘密協定は、米国政府はいっさい関与していない、ルーズベルトが大統領ではなく個人としてスターリンと交わした私文書である」との国務省声明(一九五六年九月)まで発出したように、あらゆる手を尽くしてくれた。また、国後・択捉島は日本領土である旨の公文書をロシアに突きつけたり、その奪還にかける情熱は、日本人以上である(注8)。
サンフランシスコ講和会議において、ロシアは、「南樺太とクリル諸島(得撫島以北の千島列島)と国後・択捉・歯舞・色丹の領有を講和条約に明記しろ」「宗谷海峡/根室海峡などに面する北海道側を非武装化する旨を明記しろ」などを要求したが、これをすべて拒絶したのが米国政府であった。
ダレス全権は、サ講和条約をヤルタ秘密協定の無効宣言をかねるものとするぞと意気込んでいたが、日本国へのこの約束を完全に守りぬいた。怒ったソ連の全権グロムイコ外相は退場し、講和条約を調印しなかった。ために、南樺太とクリル諸島は日露間では今なお“日本領土”である。
上記の引用文での西尾幹二の主張は、“北方領土をロシアに譲渡し、海峡に面した北海道の一部の主権をロシアと共同主権とせよ”とのことだから、西尾幹二とは、まさに反日の非国民である。そればかりか「日ロ間の国境の境界は、はっきりしない」との西尾幹二の謂いは、「日本の対ロ北方領土返還要求には、正当な根拠が存在しない」との意味だから、「対ロ領土返還要求をするな!」との西尾の真意が言外に露である。
日本領土をすべてロシアに貢がんとした帝国陸軍参謀本部のコミュニスト種村佐孝大佐の継承者のような西尾幹二は、潜在意識では“スターリン万歳のロシア人”だと断定してよかろう。

「ソ連は天使、米国は悪魔」
――“西尾流偽造の嘘歴史”を貫く米国冤罪化

これまで『日韓大討論』の三ヶ所を引用したわけだが、一番目と三番目は、西尾のもう一つの異常な歴史観を暴いている。それは、ロシアがなした明々白々な対日領土侵略や日本人大量殺戮事件を「米国がなしたもの」と米国に転嫁する、米国に冤罪の濡れ衣を着せる歴史捏造がパターン化していること。換言すれば、「敵国ロシア、友邦アメリカ」を異論なく示す明らかな歴史事実を転倒して、日本人が「ソ連は天使、米国は悪魔」の構図に洗脳されるよう嘘歴史をデッチアゲルのが、西尾流歴史偽造の手口だということだ。
要は、米国を無実の罪で糾弾するための、嘘歴史への歴史事実の転倒である。このような悪意の冤罪づくりは、共産主義者なら当然の行為だろう。だが西尾は、マルクス・レーニン主義者ではない。とすれば、分裂症患者では常態の、善悪を転倒させて入れ替える思考だと考えざるを得ない。西尾幹二は、重度の精神分裂症の狂気によって、善者と悪者のすり替え妄想に遊んでいる。
 

1、『日韓大討論』で、西尾幹二は、私(中川八洋)の著『歴史を偽造する韓国』からかなりの量の知見を“盗用”している。学術論文または学術性のある著作の場合は、引用箇所を明記すれば済むが、一般向きの対談本などでは、他人の作品から一定以上の分量を利用する場合、法律も「許諾が必要」だと定めている。西尾幹二は、著作権法に明白に違反する「許諾なき無断利用」、つまり“盗用”事件を犯している犯罪者である。
また、歴史の偽造のトンデモ本を売りまくる卑しく下劣な売文業者・西尾幹二に、私は、学者としてまた平成日本を代表する知識人として、私の学術的な研究成果を“許諾する”ことは決してしない。そのようなことをすれば、日本国の国益一途の私の学問研究が冒涜的に穢れることになるし、何よりも私個人の名誉と信用が毀損される。すなわち、幻覚と嘘つき常習の“狂気の人”西尾幹二による拙著盗用事件は、私に対する名誉毀損事件でもある。
2、『日韓大討論』扶桑社、三四頁。
3、南方同胞援護会『北方領土の地位』、一三四~六頁。この他にも多くの文献があるが、皆同じ。
4、江藤淳監修『終戦工作の記録 下』、講談社文庫、二三四~九頁。近衛文麿がスターリンに提案する予定の『和平交渉にかかわる要綱案』には、「賠償として一部の労力を提供するころには同意す」との一文がある。
戦後、シベリア抑留問題で、“日本側の主犯”近衛文麿が糾弾されないのは、朝日新聞などソ連や共産党に支配された極左マスメディアの情報工作・洗脳工作の成果である。だが、忘れてはならないのは、これに加えて、西尾幹二のような“歴史の偽造家”のトンデモ著作を面白がって読む“民族系の売国奴集団”がソ連側・日本側の極左を支援し擁護するからである。
5、コワレンコ『対日工作の回想』、文藝春秋、三〇頁下段。
6、阿部軍治『シベリア強制抑留の実態』、彩流社、二〇〇五年刊。
7、上掲『日韓大討論』、一六二頁、一七七頁。
8、中川八洋『尖閣防衛戦争論』、PHP、二一〇~三三頁を参照のこと。

 

※出典

中川八洋掲示板
@中川八洋

http://yatsuhironakagawa.blog.fc2.com/blog-entry-7.html

 

 

 

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